ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第64話 ミレニアモンの脅威! そして、残された希望

 

 

次に気付いた時、俺達は闇の中に居た。

 

「こ、ここは…………?」

 

俺が呟くと、

 

「私達………まだ生きてるの?」

 

アリスの声に振り向けば、皆も闇の中を漂っていた。

 

「皆……!」

 

俺は手を伸ばそうとしたが、うまく体を動かす事が出来なかった。

 

「身体が重いっ……!?」

 

まるで重い服を着ているかのように動くだけで一苦労だ。

それはデジモン達も同じようで、シュヴァリアのパートナーであるオメガモンズワルトですら動きづらそうにしていた。

そこで気付く。

 

「カイルとリティナ王女達が居ない………?」

 

「シルフィードも居ない………」

 

その2人とパートナーであるビクトリーグレイモンとオファニモン、シルフィードもといイルククゥの姿だけは無かった。

 

「リティナ様とカイルは、光に飲み込まれる寸前に離脱するのが見えた。おそらく、この現象の効果範囲から逃れる事が出来たのだと思う」

 

クラウディアがそう言った。

 

「そうか………」

 

イルククゥが居ないのは何故かは分からないが。

全滅は免れていた事に、幾分かホッとする。

 

「一体ここは何処なんでしょうか?」

 

エミリアが疑問の声を漏らす。

そして、それは俺も考えていて、自分の予想を口にした。

 

「おそらく、ミレニアモンの必殺技、『タイムアンリミテッド』を受けたんだ」

 

「時間を圧縮して、対象を異次元空間に幽閉する技だね」

 

葵が効果内容を説明する。

 

「じゃあ私達は、ミレニアモンが作り出した異空間に幽閉されたって事ね」

 

優花の言葉に俺は頷く。

 

「脱出は出来るの……?」

 

「正直分からない。ミレニアモンを倒す事が出来れば間違いなく開放はされると思うが………」

 

エリスの言葉にそう答える。

ミレニアモンは、テイマーズの世界でも発売されたゲームのアノードテイマー、カソードテイマーで出てきたデジモンだ。

途中に出てくるボスを倒すと、幽閉されていた選ばれし子供達が順番に解放されていったが、どのように解放されていったのかまでは分からない。

 

「それに、それ以前の問題が………」

 

そう口にしようとした瞬間、物凄い圧力が身体中に掛かり出した。

 

「ぐぁああああああっ!?」

 

「「「「「きゃぁああああああああああああっ!?」」」」」

 

「「「「「うわぁあああああああああああああっ!?」」」」」

 

「「「「「ぐぅうううううううううっ!?」」」」」

 

それぞれが悲鳴を上げる。

 

「お、おとーさん………くるしい………」

 

クオンが苦しそうに呟く。

 

「な、何事だ!?」

 

シュヴァリアが声を上げた。

 

「や、やはり来たか………!」

 

俺は危惧していた事が起こったと戦慄する。

 

「ッ……何が起きた………!?」

 

シャルロットが苦しそうに問いかけてくる。

 

「ミレニアモンのもう1つの必殺技、『ディメンジョンデストロイヤー』………! 幽閉した対象を、空間ごと破壊する技だ………!」

 

「そ、それではこのままでは………」

 

「空間ごと破壊される………!」

 

カトレアの言葉に、俺は現実を口にする。

だが、

 

「それでも………! 黙ってやられる気は無い! 行くぞ、ドルモン!」

 

俺は近くを漂っていたドルモンにDアークを向けながら叫ぶ。

 

「もちろん!」

 

ドルモンも勇ましく応え、

 

―――MATRIX

   EVOLUTION

 

「マトリックスエボリューション!!」

 

「ドルモン進化!」

 

ドルモンと1つとなって進化する。

 

「アルファモン!!」

 

アルファモンとなった俺達がその場に現れる。

 

「「人間とデジモンが1つになっただと!?」」

 

オメガモンズワルトが驚愕の声を漏らす。

しかし、アルファモン(俺達)はそのまま右手にエネルギーを集中させ、

 

「デジタライズ・オブ・ソウル!!」

 

異空間へ向けて光弾を連射する。

光弾は空間の境目らしき場所に当たり、爆発を起こす。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

アルファモン(俺達)は攻撃を続ける

 

「ッ………!? 圧力が弱くなった………?」

 

葵が気付いたように呟く。

 

「リュウダモン! 私達も!」

 

「承知!」

 

「行くわよ、ハックモン!」

 

「うむ!」

 

葵とリュウダモン、優花とハックモンも光に包まれ進化する。

 

「オウリュウモン!」

 

「ジエスモン!」

 

2体はアルファモン(俺達)の横に並び、、

 

「永世竜王刃!!」

 

「轍剣成敗!!」

 

強烈な斬撃を飛ばす。

 

「インペリアルドラモン!」

 

「私達も諦めない……!」

 

「「ああっ!」」

 

アリスとエリスの言葉にインペリアルドラモンFMは頷き、

 

「「ギガデス!!」」

 

ポジトロンレーザーをドラゴンヘッドに接続し、砲撃を放つ。

 

「クラウ!」

 

「ああ! 私達も行くぞ!」

 

エミリアの呼びかけにクラウディアも応え、デジヴァイスを向け合う。

ウォーグレイモンとメタルガルルモンが光に包まれ1つとなり、

 

「「オメガモン!!」」

 

白き聖騎士となって現れる。

 

「「ガルルキャノン!!」」

 

右腕に大砲を展開し、そこから強烈な冷気弾を放った。

 

「ディアナモン!」

 

「うん! シャルロット!」

 

ディアナモンも氷の矢を引き抜き、

 

「アロー・オブ・アルテミス!!」

 

それを放った。

 

「ヴァロドゥルモン!」

 

「分かっている!」

 

カトレアの言葉にヴァロドゥルモンも翼を羽搏かせ、

 

「オーロラアンジュレーション!!」

 

光を圧縮して放つ。

 

「私も諦めるもんかい! ラブポイズン!!」

 

メルヴァモンも蛇の左腕から毒霧を吐き出す。

 

「ミタマモン!」

 

「ああ。私も抗おう………最後まで!」

 

カンナの言葉にミタマモンは同意し、

 

「灰迅雷瞳!!」

 

瞳から雷を放つ。

 

「おねーちゃん達!」

 

「ええ、私達も戦いましょう」

 

クオンの呼びかけにシスタモンX(覚)も頷く。

 

「グランドシスタークルス(覚)!!」

 

光の十字架を放つ。

怒涛の攻撃がこの空間を揺るがし、圧力の加速を限界まで緩める。

しかし、それでもまだ空間の圧縮は止まらない。

 

「うぉおおおおおおおおおっ!!」

 

「諦めないっ………!」

 

「最後まで………!」

 

「絶対に………!」

 

それぞれのデジモン達は攻撃を続ける。

それを見て、

 

「「……………どうする? シュヴァリア」」

 

オメガモンズワルトがシュヴァリアに問いかけた。

 

「……………これを続けたとしても、時間稼ぎが精々か…………」

 

シュヴァリアは理解していた。

空間が圧縮されるスピードは遅くなってはいるが、止まってはいないことに。

このまま続けても、何れは圧し潰される。

 

「…………だが」

 

シュヴァリアは、攻撃を止めないデジモン達。

そしてパートナー達を見つめる。

誰一人として諦める事のないその姿。

 

「余はあの者達に『負けたくない』と思っている………それに………」

 

そしてシュヴァリアは、アルファモン(俺達)………いや、俺に視線を向け、

 

「タイシに、情けない女だと思われるのは、以ての外だ………!」

 

するとシュヴァリアは真剣な顔つきになり、

 

「ゆけ! オメガモンズワルト! お前の力を見せてみろ!!」

 

「「おおっ!!」」

 

オメガモンズワルトが動き出し、右腕のガルルキャノンを向ける。

 

「「ガルルキャノン!!」」

 

冷気砲を撃ち放つオメガモンズワルト。

 

「オメガモンズワルト!」

 

アルファモン(俺達)が攻撃を続けながらそちらに目を向ける。

 

「「俺達を舐めるなよ!!」」

 

勇ましく言うその姿に、俺はフッと笑みを浮かべた。

俺も自分のやるべき事に集中する。

 

『…………信じているぞ………カイル、ビクトリーグレイモン………リティナ王女、オファニモン………………そして……………』

 

俺は、信じる『仲間達』に思いを馳せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

 

 

異次元空間の外では、ミレニアモンがその存在を知らしめていた。

その巨大さは、そこに居るだけで見る者達を圧倒し、戦意を削いでいく。

 

「これが…………ミレニアモン…………?」

 

ビクトリーグレイモンに抱えられたカイルが見上げながら呟く。

 

「クラウディア達の姿がっ…………!?」

 

同じくオファニモンに抱えられたリティナは辺りを見渡して、大士達の姿が無い事に驚愕の声を漏らす。

 

「お、お姉様達が消えちゃったのねー!?」

 

一人取り残されたイルククゥが慌てている。

 

「カイル………!」

 

ビクトリーグレイモンがミレニアモンが口に咥えている黒い球体を見ながら呼びかける。

 

「うん………! 皆はきっと、あの中だ………!」

 

黒い波動が収縮したと同時に皆の姿が消え、黒い波動が集まった物があの黒い球体だった事から、大士達は黒い球体の中に囚われているのだと予測する。

 

「ですが、何故同じように黒い波動の範囲内に居たイルククゥや騎士達は無事なのでしょうか………?」

 

その予測に、リティナは疑問を零す。

 

「…………もしかしたら、ミレニアモンは脅威と感じたものを閉じ込めたのかもしれない」

 

カイルがそう口にする。

 

「『脅威』………ですか………?」

 

リティナがそう漏らすと、

 

「話したと思うけど、俺達はデジタルワールドに行ったときに、ミレニアモンが復活しようとするのを阻止してたんだ。だから、ミレニアモンからしてみれば、大士を始めとした俺達は邪魔者以外の何者でもない。だから優先的に閉じ込めた。イルククゥはデジタルワールドじゃ殆ど何も出来なかったから、脅威とは認識されていなかった。魔王と黒いオメガモンは、目の前であれだけ戦えることを示してしまったら、脅威ととらえられても不思議じゃないよ」

 

カイルは再びミレニアモンを見上げる。

すると、ミレニアモンは黒い球体を咥えたまま、口を閉じようとしていた。

 

「まさかっ! 中に囚われている皆ごと、黒い球体を噛み砕く気かっ!?」

 

カイルが思わず叫ぶ。

 

「そんな事をすれば!?」

 

「間違いなく中の皆もっ………!」

 

2人は最悪の予想を思い浮かべる。

 

「ビクトリーグレイモン! 俺を降ろして皆を助けに行くんだ!」

 

「オファニモン! あなたもです!」

 

カイルとリティナは迷わずに叫ぶ。

 

「分かった!」

 

「任せて!」

 

ビクトリーグレイモンとオファニモンはカイル達を市壁の上に下ろすと、ミレニアモンに向かって飛んでいく。

しかし、その巨体の為、その距離は意外と遠い。

その時、

 

「リティナ王女殿下!」

 

同じ市壁の上に居たフォルダ公爵が駆け寄って来た。

 

「フォルダ公爵!」

 

リティナも気付く。

 

「あれは一体……!?」

 

フォルダ公爵がミレニアモンを見上げながら訪ねる。

 

「詳しい事は分かりません。ですが、あのデジモンはミレニアモン………デジタルワールドに封印されていた太古の魔獣だそうです」

 

「ミレニアモン……? デジタルワールド……? 封印……?」

 

聞き慣れないワードに怪訝な声を漏らすフォルダ公爵。

 

「今は詳しい話をしている余裕はありません。今は皆の力を結集して………」

 

リティナがそう言いかけた時、

 

「リティナ!」

 

カイルが叫んだ。

その声に振り向けば、ビクトリーグレイモンとオファニモンがミレニアモンまで約半分の位置まで迫った時、ミレニアモンの背中にあったムゲンキャノンが動き出し、向かってくるビクトリーグレイモンとオファニモンに狙いを定めた。

直径が2km程もありそうな巨大な2つの砲口にエネルギーがチャージされ始め、輝き出す。

 

「「ッ!」」

 

それに気付いたビクトリーグレイモンとオファニモンはすぐに射線軸から逃れるように回避行動を取った。

その直後、高密度のエネルギー波がムゲンキャノンから放たれる。

 

「うわっ!?」

 

「きゃあっ!?」

 

直撃は避けた物の、その時に生じた衝撃波でビクトリーグレイモンとオファニモンは吹き飛ばされる。

放たれたムゲンキャノンはアレフ市の上空を通り過ぎ、地平の彼方に着弾した。

そして、

 

「なっ…………!?」

 

それを見たカイルが声を漏らす。

地平の彼方に着弾したエネルギー波は、カイル達の居る場所からでもハッキリと分かるほどの光のドームを作り上げた。

少なくとも、1発の着弾地点から半径10kmは焼き尽くされただろうその威力。

それは見る者すべてを畏怖させた。

遅れて衝撃波が到達し、凄まじい暴風がカイル達を襲った。

 

「なんて………威力だ…………」

 

カイルは思わずそう零す。

 

「早く何とかしなければ、この世界が………!」

 

リティナも『世界滅亡』という事実が目の前に迫っている事を実感した。

その時、

 

「ヴヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

 

ミレニアモンがその光景を楽しむかのように咆哮を上げた。

そして、再び咥えられている黒い球体を噛み砕きにかかる。

 

「ッ! 皆が!」

 

カイルがそれを見て叫ぶ。

黒い球体は今にも噛み砕かれそうだったが、

 

「…………ッ!? 今のは!」

 

カイルが何かに気付いたように叫んだ。

見れば、今にも噛み砕かれようとしている黒い球体の中に、チカチカと時折光が点滅していた。

そしてミレニアモンも、その黒い球体をなかなか噛み砕けないでいた。

 

「あれはっ………!?」

 

リティナが声を上げると、

 

「きっとタイシ達だ! タイシ達は、まだ諦めてない!」

 

カイルがそう確信する。

 

「俺達も諦めていられない! ビクトリーグレイモン!!」

 

カイルは叫ぶ。

声は届かなくとも、思いは届く。

 

「おおっ!!」

 

カイルの思いに応え、ビクトリーグレイモンはミレニアモンに向かっていく。

 

「オファニモン!」

 

リティナも叫び、

 

「ええ!」

 

オファニモンもそれに続く。

すると、ミレニアモンは両眼を赤く光らせて、赤いレーザーのようなものを放ってきた。

 

「ビクトリーチャージ!!」

 

先頭を行くビクトリーグレイモンは、ドラモンブレイカーを展開させ、シールドを張る。

赤いレーザーを防ぎつつ、ミレニアモンに近付く。

すると、ビクトリーグレイモンの影からオファニモンが飛び出し、

 

「セフィロートクリスタル!!」

 

ミレニアモンの頭へ向かって必殺技を放った。

10の宝石のような凝縮された聖なるエネルギー弾がミレニアモンの頭部へ向かう。

 

「ヴォアァッ!」

 

ミレニアモンは、4本ある腕の内の1本の掌で顔を守る。

だが、その隙にビクトリーグレイモンが更に近付いていた。

 

「もう少し………!」

 

ビクトリーグレイモンは、ミレニアモンの頭部へ向けて渾身の一撃を放とうとした。

その瞬間、

 

「ビクトリーグレイモン!!」

 

まるで警告する様な声でオファニモンが叫んだ。

 

「ッ………!? ハッ!」

 

ビクトリーグレイモンがそれに気付いた時、ミレニアモンの巨大な掌が左右から迫ってきていた。

そのまま蚊を潰すかのように両側から叩き潰されるビクトリーグレイモン。

 

「ビクトリーグレイモン!?」

 

カイルが悲痛な声を上げる。

ミレニアモンがその手を離すと、ビクトリーグレイモンが力無く落下していく。

 

「ぐああっ…………!」

 

身体中の装甲は罅割れて砕け、ボロボロになっている。

更にミレニアモンは、そのビクトリーグレイモンに向けて両眼を赤く光らせた。

 

「ビクトリーグレイモン!」

 

オファニモンが咄嗟に動く。

次の瞬間、ミレニアモンの両目からレーザーが放たれ、ビクトリーグレイモンを狙ったが、間一髪でオファニモンがビクトリーグレイモンを救い出し、そのレーザーを回避する。

 

「ぐぐっ………」

 

「大丈夫? ビクトリーグレイモン」

 

ビクトリーグレイモンは身動ぎするが、オファニモンに支えられていないと飛ぶことも覚束ない。

すると、

 

「ヴヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

 

ミレニアモンは天を仰ぐ様に咆哮を上げ、今まで以上の力を込めて黒い球体を噛み砕こうとしていた。

黒い球体の内部では、大士達に掛かる圧力が増している。

 

「拙い! ミレニアモンの奴! 一気に噛み砕く気だ!!」

 

カイルが叫ぶ。

 

「このままじゃタイシ達が………!」

 

時間が無い事を悟ったカイルは、

 

「こうなったら、バーストモードで………!」

 

カイルはバーストモードを使う決意をする。

カイルは出来れば、余力を残した状態で大士達を救出したいと考えていた。

大士達を救出した所で、全員の全力攻撃でミレニアモンを一気に倒す。

それがカイルの考えていた事だった。

しかし、その前に大士達がやられてしまえば本末転倒だ。

カイルはバーストモードを発動させようとデジヴァイスを構える。

その時だった。

 

「…………要はあそこに大士達が捕まってるって事でいいのか?」

 

カイルの耳に、聞き慣れない男の声が聞こえた。

 

「えっ………?」

 

カイル達は思わず振り向く。

すると、いつの間にかそこには、黒いアグモンを連れた黒髪の長身の青年を筆頭に、デジモンを連れた美女美少女+幼女1人。

 

「だ、誰っ?」

 

カイルは思わず尋ねる。

すると、

 

「あ~~!! ハジメ達なのね!」

 

竜の姿となったシルフィードが飛んできた。

 

「シルフィードじゃねえか。大士達は何処だ?」

 

青年がそう尋ねると、

 

「あそこにお姉様と一緒に掴まってるのね! 早く助けるのね!」

 

急かすようにそう叫んだ。

 

「やっぱあそこか…………それにしても…………」

 

青年はそう言いながらミレニアモンを見上げる。

 

「でけぇなミレニアモン………」

 

何処か感心する様な口調でそう漏らす青年、もといハジメ。

 

「今まで戦った中でも桁外れに大きいですぅ」

 

ウサミミを生やした少女がおでこに手を翳しながら見上げる。

すると、ミレニアモンが今にも黒い球体を噛み砕こうとしていた。

 

「感心してる場合じゃないよ、ハジメ君! 早くしないと黒騎君達が!」

 

「おっと、そうだったな…………」

 

ハジメ達は、それぞれDアークを取り出す。

 

「大士達と同じデジヴァイス………」

 

それを見たカイルが声を漏らすと、ハジメ達はDアークを掲げた。

 

―――MATRIX

   EVOLUTION

 

「「「「「「マトリックスエボリューション!!」」」」」」

 

「アグモン進化!」

 

「ガブモン進化!」

 

「ブイモン進化!」

 

「クダモン進化!」

 

「ドラコモン進化!」

 

「コテモン進化!」

 

「ファルコモン進化!」

 

人とデジモンが1つとなり、究極体へと進化する。

 

「ブリッツグレイモン!!」

 

「クーレスガルルモン!!」

 

「アルフォースブイドラモン!!」

 

「スレイプモン!!」

 

「エグザモン!!」

 

「ガイオウモン!!」

 

「レイヴモン!!」

 

究極体へ進化したハジメ達がズラリと並ぶ。

 

「こ、これは…………?」

 

リティナが思わず声を漏らした。

すると、ブリッツグレイモンが視線だけをカイル達に向けると、

 

『おい。お前達は大士の仲間って事でいいんだな?』

 

「えっ? う、うん………」

 

カイルは戸惑いながらも頷く。

 

「なら、ミュウの事は任せた。絶対に護れ! いいな!」

 

「え、あ………? わ、分かったよ………」

 

思わず頷いてしまうカイル。

 

「なら………行くぞ!」

 

ブリッツグレイモンが飛び出し、その後に他のデジモン達が続く。

巨大なエグザモンの肩にクーレスガルルモンが飛び乗り、スレイプモンの背にガイオウモンが跨った。

 

「パパ~! 頑張ってなの~!!」

 

ミュウがベルフェモン:スリープモードを抱きながら大きく手を振る。

その様子に、カイルやリティナ、フォルダ公爵は唖然としていた。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

ブリッツグレイモンがミレニアモンに向かって突撃する。

ミレニアモンは迎撃の為に目を赤く光らせてレーザーを放つ。

 

「エレックガード!!」

 

ブリッツグレイモンはプラズマ粒子によるバリアを展開し、その攻撃を防いだ。

 

「ヴォアァァッ!!」

 

レーザーを防がれたミレニアモンは、腕による直接攻撃に切り替えた。

繰り出される腕。

そこへ、

 

「アヴァロンズゲート!!」

 

「獣狼大回転!!」

 

エグザモンが突撃してきて、肩に乗っていたクーレスガルルモンと同時攻撃を繰り出し、ブリッツグレイモンに向かっていた腕は大きく逸らされた。

ブリッツグレイモンはミレニアモンの腕の隙間を潜り抜け、尚もミレニアモンに向かう。

 

「ヴォアァァッ!!」

 

ミレニアモンは、今度は先程ビクトリーグレイモンを仕留めた様に、両側から挟み込むようにブリッツグレイモンを叩き潰そうとする。

すると、

 

『シア! 同時に行くわよ!』

 

『はいですぅ!』

 

ガイオウモンの中の雫と、スレイプモンの中のシアが声を掛け合う。

 

「燐火撃!!」

 

「ビフロスト!!」

 

ガイオウモンが菊燐を連結して弓とし、スレイプモンは右腕に装着されている聖弩ムスペルヘイムを構え、同時に矢を構える。

そして、

 

「「いけぇっ!!」」

 

同時に撃ち放った。

その矢はブリッツグレイモンに迫る片方の腕に着弾し、その狙いをズラした。

しかし、もう一方の手がブリッツグレイモンに迫る。

そこへ、

 

「トライデントガイア!!」

 

「セフィロートクリスタル!!」

 

傷付いたビクトリーグレイモンと、オファニモンが渾身の力で攻撃。

その狙いを逸らした。

 

『へっ! やるじゃねえか!』

 

ハジメは感心した声を漏らす。

ブリッツグレイモンは背中のサンダーバーニアにエネルギーを集中し、

 

「サンダーバーニア!!」

 

プラズマ砲を放つと同時に急加速する。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ミレニアモンの頭部が目前に迫る。

しかし、

 

「ヴヴォオオオオオオッ!!」

 

残った1本の腕が繰り出される。

だが、

 

「シャイニングVフォース!!」

 

超スピードで先回りしていたアルフォースブイドラモンがその腕を逸らす。

そして、

 

「オラァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

ブリッツグレイモンはミレニアモンの顎下に突撃した。

 

「プラズマステーク!!」

 

そのまま電撃を流し込む。

誰もがやったと思った。

だが、

 

「ヴヴォォォォ………!」

 

ミレニアモンは咥えていた球体を離さなかった。

その答えは単純。

ブリッツグレイモンでは攻撃力が足らなかった。

それだけだ。

 

「ヴヴォォォォォォォ………!」

 

ミレニアモンはしてやったりと言わんばかりに嘲笑うように目を細め、黒い球体を咥える顎に力を加え始めた。

その黒い球体が、限界を迎えた事を示すように罅が広がっていく。

 

「や、やめろ………!」

 

カイルが思わず漏らす。

 

「やめろぉっ!!」

 

カイルの脳裏に最悪の予感が過る。

カイルは叫ぶが、ミレニアモンは止めを刺さんと口を大きく広げ……………

 

『……………………フッ』

 

ブリッツグレイモンの中のハジメは口元を吊り上げた。

次の瞬間、

 

雷光一閃之突(らいこういっせんのつき)!!!」

 

紫色の雷の一撃がミレニアモンの後頭部の付け根。

髪が生えている部分に直撃した。

 

「ヴォアッ…………!?」

 

ミレニアモンも予想していなかった一撃を受け、ミレニアモンは遂に加えていた黒い球体を放してしまう。

そして、紫色の雷が放たれた場所には、バーストモードとなったレイヴモンが居た。

ミレニアモンの背後は、魔獣のような強大なオーラに包まれ守られている。

その為、ミレニアモンに対し背後からの攻撃は効果は薄い。

しかし、今レイヴモンBMが放った場所は、ミレニアモンが纏うオーラの内側、後頭部の削ぐ傍で放たれたものだった。

背後からの強烈な一撃を受ける事を考えていなかったミレニアモンは、その強烈な一撃の前に耐える事は出来なかった。

黒い球体に罅が広がり、砕け散る様に破裂した。

すると、その中からアルファモン達が姿を見せる。

 

「ッ!? 脱出できたのか!?」

 

アルファモンがすぐに状況を確認する。

空中で解放されたために、飛べないアルファモンは落下を始めるが、

 

「オウリュウモン!」

 

「承知!」

 

すぐにオウリュウモンを呼び、ブラスエボリューションで王竜剣となった。

その翼で空中に留まるアルファモン。

 

「「アリス! エリス!」」

 

インペリアルドラモンFMがその手でアリスとエリスを受け止め、

 

「「エミリア! クラウディア!」」

 

オメガモンが2人を抱えるように抱き留める。

シャルロットは空力の足場に立ち、カトレアもヴァロドゥルモンの背に乗っており、メルヴァモンもその背で受け止めている。

カンナとクオン、シスタモンX(覚)はミタマモンが拾い、シュヴァリアは自らの翼で空中に留まっていた。

 

「ッ! ブリッツグレイモン!」

 

『ハジメ!』

 

ブリッツグレイモンに気付いたアルファモン王竜剣と大士が叫ぶ。

アルファモン王竜剣はブリッツグレイモンに近付くと、

 

『助かったぞハジメ』

 

大士はそう声を掛ける。

 

『ったく。何でお前は異世界に召喚される度にゴタゴタに巻き込まれてるんだよ?』

 

ハジメは呆れた様にそう言う。

 

『………異世界召喚された時点でゴタゴタに巻き込まれてるようなもんだろ?』

 

『ちげぇねえ』

 

大士の言葉に、同意を示すハジメ。

その時、

 

「ウヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

ミレニアモンが怒りに満ちた様な咆哮を上げる。

 

『っと、和やかに話してる場合じゃないな。ハジメ、悪いが力を貸してくれ!』

 

『ったく。仕方ねえな』

 

ハジメはやれやれと言わんばかりに頷いた。

それからアルファモン王竜剣はシュヴァリアとオメガモンズワルトの方を向き、

 

『シュヴァリアも協力してくれ。頼む』

 

大士がそう言うとシュヴァリアは微笑み、

 

「惚れた男の頼みだ。よかろう」

 

そんな答えを返してきた。

すると、

 

『ほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?』

 

ハジメが意味深な声を漏らす。

 

『これは後で話を聞く必要がありそうだな?』

 

ハジメが楽しそうにそう言う。

 

『………後でな』

 

大士がぶっきらぼうにそう言うと、

 

『一先ず生身の皆を安全な場所に!』

 

大士がそう言うと、パートナーを抱えているデジモン達がアレフ市に向かって下降していく。

だが、その時ミレニアモンが動き出し、背中の巨大なムゲンキャノンを向けてきた。

その射線軸上にはアレフ市が存在する。

 

「ッ!」

 

ならばアルファモンに避けるという選択肢は存在しない。

何とか切り裂こうと王竜剣を構える。

すると、

 

「クーレスガルルモン!」

 

『香織!』

 

ブリッツグレイモンとハジメがクーレスガルルモンと香織に呼びかけた。

 

「おう!」

 

『うん!』

 

クーレスガルルモンがエグザモンの肩からブリッツグレイモンに向かって飛び出す。

そして、

 

「ブリッツグレイモン!」

 

「クーレスガルルモン!」

 

「「ジョグレス進化!!」」

 

ブリッツグレイモンとクーレスガルルモンが1つになる。

 

「「オメガモン Alter-S!!」」

 

オメガモン Alter-Sへと進化を遂げた。

オメガモン Alter-Sは左腕のグレイキャノンをミレニアモンへ向ける。

更にその隣には、オメガモンズワルトがガルルキャノンを構えている。

そして、エグザモンも槍を構え、アルフォースブイドラモン、スレイプモン、ガイオウモンも必殺技を放つ体勢になった。

ジエスモンもGXとなり、ミレニアモンの攻撃に備える。

 

「皆…………」

 

アルファモンは声を漏らす。

 

『来るぞ!』

 

ハジメが声を上げた瞬間、ムゲンキャノンから極太のエネルギー波が放たれた。

その直後、

 

「聖剣グレイダルファー!!」

 

「「グレイキャノン!!」」

 

「「ガルルキャノン!!」」

 

「ペンドラゴンズグローリー!!」

 

「シャイニングVフォース!!」

 

「燐火撃!!」

 

「ビフロスト!!」

 

「聖拳滅破!!」

 

ロイヤルナイツ級の攻撃が一斉に放たれた。

ムゲンキャノンとそれらが中央でぶつかり合う。

激しいエネルギーを撒き散らし、互いに押し合っている。

雲が吹き飛び、大地は地割れを起こす程。

天変地異とも言える激しい激突だった。

やがて、大爆発と共に相殺する。

 

「くっ!」

 

アルファモン達は、吹き飛ばされそうになるものの、何とか堪える。

 

「何とか防いだか………だが、何度もは無理だな………」

 

エネルギーの消耗を踏まえてそう判断するアルファモン。

その時、

 

「「待たせたな!」」

 

インペリアルドラモンFM達が、自分のパートナーを送り届けて戻って来た。

 

「よし………これなら………!」

 

アルファモンは希望を見出す。

 

『作戦は?』

 

ハジメが問いかける。

 

『………………アルファモン王竜剣とジエスモンGXがミレニアモンの懐まで飛び込む。皆は援護を頼む。そうすれば………』

 

『なるほど』

 

大士の言葉に、ハジメは納得したように頷く。

 

『それが一番確実ですね!』

 

『ん、合理的』

 

『異論は無いぞ』

 

シア、ユエ、ティオも頷く。

 

「「どういうことだ?」」

 

オメガモンが疑問の声を漏らすと、

 

『要は私達は、アルファモン達がミレニアモンの懐まで行くまでの露払いをすればいいって事よ!』

 

雫がそう言うと、

 

「行くぞ!」

 

アルファモン王竜剣が羽搏き、ジエスモンがそれに続く。

そしてオメガモンAlter-S、アルフォースブイドラモン、スレイプモン、ガイオウモン、エグザモンもそれに続いた。

それを見て、

 

「「よくわからないが………信じるぞ! アルファモン!!」」

 

インペリアルドラモンが続き、

 

「「タイシが出来ると言うならきっと出来る!」」

 

オメガモンも飛び立つ。

 

「はっ! タイシの言う事に疑う余地なんかないね!」

 

メルヴァモンがそう言うと、

 

「ならば私も!」

 

ヴァロドゥルモンも羽搏く。

 

「私も信じる!」

 

ディアナモンも続いた。

因みにミタマモンとシスタモンは地上にいる皆の護衛として残っていた。

ミレニアモンは向かってくるアルファモン達にその腕を伸ばす。

 

『近付くのに一番厄介なのはあの腕だ! 斬り落とすぞ!!』

 

ハジメが叫ぶと、オメガモン Alter-Sが黒く染まっていき、

 

「「オメガモン Alter-B!!」」

 

オメガモン Alter-Bとなる。

 

「「全ての力をこの一振りに!!」」

 

オメガモン Alter-Bは、右腕のガルルソードを展開すると、全てのエネルギーを集中させる。

ビームソードが長大化していく。

そして、

 

「「うぉりゃぁああああああああああああああああああああっ!!」」

 

渾身の一振りを振り下ろした。

その刃は、ミレニアモンの腕の1本を斬り落とす。

 

「グギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?」

 

堪らず悲鳴の咆哮を上げるミレニアモン。

 

「行くぞ! ガイオウモン!!」

 

「応!」

 

続けてガイオウモンを背に乗せたスレイプモンが空中を駆ける。

 

「ぬぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ガイオウモンが気合を入れると、その姿が変わっていき、

 

「ガイオウモン:厳刀ノ型!!」

 

その形態を変化させた。

ガイオウモンが太刀を構えると、スレイプモンが盾を構えつつ駆け抜け、

 

「オーディンズブレス!!」

 

凍てつく吹雪を発生させる。

それはミレニアモンの腕の一本を凍り付かせていき、

 

菊燐一閃・號雷斬(きくりんいっせんごうらいざん)!!」

 

その凍り付いた部分をガイオウモンが一刀両断にする。

更に、いつの間にフューチャーモードになったアルフォースブイドラモンが光の剣を振り被っている。

 

「アルフォースVセイバー!!」

 

渾身の一振りを繰り出すアルフォースブイドラモンFM。

それはミレニアモンの腕の半分ほどを切り裂く。

だが、斬り落とすには至らない。

 

「浅い………!」

 

アルフォースブイドラモンFMが悔しそうに呟くと、

 

「オーロラアンジュレーション!!」

 

その傷口に収束された光が直撃する。

アルフォースブイドラモンFMが振り向けばヴァロドゥルモンが翼を大きく広げていた。

続いて、

 

「ファイナルストライクロール!!」

 

メルヴァモンがヴァロドゥルモンから飛び降り、回転斬りを繰り出して傷口を広げる。

そして、

 

「後は任せたよ!」

 

その上空で、オファニモンが槍を構えていた。

 

「エデンズジャベリン!!」

 

光と共にミレニアモンの腕を貫く。

それによって、ミレニアモンの腕は完全に斬り落とされた。

残りの腕は1本。

そこにはオメガモンズワルトが向かっていた。

 

「「斬り落とす!!」」

 

オメガモンズワルトはグレイソードを展開し、

 

「「グレイソード!!」」

 

残りの腕に斬りかかった。

 

「「はぁあああああああああああああああああっ!!!」」

 

気合の入った声を上げ、グレイソードをミレニアモンの腕に叩きつける。

 

「グギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?」

 

再び悲鳴を上げるミレニアモン。

しかし、完全には斬り落とせていない。

 

「ッ! ならばもう一撃! ッ!?」

 

もう一度斬りつけようとした時、ミレニアモンが両目からレーザーを放ってくる。

咄嗟に回避するオメガモンズワルト。

しかし、距離が離れる。

すると、千切れかけた腕が再生しようとしていた。

 

「「再生だと!?」」

 

このままでは完全にくっついてしまう。

だがその時、

 

「「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」

 

上空から白いインペリアルドラモン、インペリアルドラモン:パラディンモードがオメガブレードを構えて突っ込んできた。

 

「「「「オメガブレード!!!」」」」

 

再生しようとしていた腕を、今度こそ完全に断ち切る。

全ての腕を失ったミレニアモンは眼前に迫るアルファモン王竜剣とジエスモンGXを見た。

 

「ヴヴァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

ミレニアモンは好きにはさせんとばかりにムゲンキャノンを向ける。

そして、間髪入れず撃ち放った。

極大のエネルギー波に飲み込まれるアルファモン王竜剣とジエスモン。

しかし、それを見ても誰も慌ててはいなかった。

 

「今のは私の作り出した幻覚よ」

 

ディアナモンが余裕の表情で佇んでいる。

 

「本物はもう………」

 

見れば、アルファモン王竜剣とジエスモンGXは既にミレニアモンの頭上に居た。

これだけ近ければ、ミレニアモンもその巨体ゆえにムゲンキャノンを当てる事は難しい。

そしてすべての腕を失っているため、碌な攻撃手段は無い。

アルファモン王竜剣とジエスモンGXは、最後の準備に取り掛かろうとしていた。

だが、

 

「ヴヴァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

ミレニアモンが背中に背負っていた魔獣のようなオーラが意思を持っているかのように動き出し、アルファモン達に襲い掛かろうとした。

その時、上空から赤く染まった隕石のようなものが急接近してくる。

それは、

 

「ドラゴニックインパクト!!!」

 

大気圏外まで上昇して隕石の如く突っ込んできたエグザモンだった。

エグザモンはそのままミレニアモンの背中にぶち当たる。

 

「ゴァァァァァァァッ!?」

 

不意の一撃にオーラは吹き飛ばされ、一時的に無防備になる。

それでもミレニアモンは最期の足掻きと言わんばかりにムゲンキャノンにエネルギーをチャージし始めた。

ここで暴発すれば、アレフ市は確実に吹き飛ぶ。

だが次の瞬間、

 

「ファイナルガイアブレイカー!!!」

 

無双天翔翼之陣(むそうてんしょうよくのじん)!!!」

 

ムゲンキャノンのそれぞれに強烈な一撃が叩き込まれる。

それをやったのはビクトリーグレイモンBMとレイヴモンBM。

ムゲンキャノンは煙を上げて爆発を起こす。

今度こそ成す術が無くなったミレニアモン。

すると、ジエスモンGXが究極戦刃であるナイツ・イントルーダーに変化し、アルファモンの右手に握られる。

そして、

 

『『『チャージ! デジソウル………! バースト!!!』』』

 

高まったデジソウルがアルファモン達を包み込んだ。

アルファモンの鎧が黄金に輝き、背中から光の翼を発生させる。

 

「「「アルファモン:バーストモード!!!」」」

 

バーストモードとなったアルファモンは、左手の王竜剣と、右手のナイツ・イントルーダーを重ね合わせる。

2本の究極戦刃が1つとなり、唯一無二の最強の剣が生み出される。

それは、

 

「究極戦刃………」

 

光に包まれた剣を振り上げると、天を衝かんばかりの巨大な王竜剣の形になる。

アルファモンBMは、ミレニアモンの頭上に向かって急降下すると同時に、その剣を振り下ろした。

 

「神竜けぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」

 

巨大な黄金の剣がミレニアモンの脳天に叩き込まれ、そのまま一気に切り裂いていく。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

アルファモンBMは、ミレニアモンの脳天から股までを縦一直線に切り裂いた。

ミレニアモンの身体が2つに別れ、それぞれが地に落ちる。

 

ミレニアモンは、真っ二つになった内側から煙のようなものが上がり、徐々にその身体が消滅していく。

それを地上で見ていた者達は、

 

「やった!」

 

「ミレニアモンを倒したのね!」

 

それぞれが喜びの声を上げる。

だが、

 

「………………………」

 

アルファモンBMは、ミレニアモンを倒したというのに嫌な予感が止まらなかった。

ミレニアモンが発していた邪悪な波動。

それをまだ感じて………

いや、それが徐々に大きくなってきているのだ。

 

「……………ッ!?」

 

アルファモンBMは、ミレニアモンの身体から上がる煙を伝って、咄嗟に上を向いた。

そこには、

 

「なっ!?」

 

ミレニアモンの身体から立ち上った煙が集まり、新たな姿を形成していた。

それは邪悪なオーラで形成された2つの頭を持つ邪竜。

衛星程の大きさを持つであろうその大きさ。

全てを恐怖と絶望に陥れるその名は、

 

『ズィ………ズィード…………………ズィード……ミレニアモン………!』

 

その存在に戦きながら、大士はその名を口にした。

 

 

 

 

 








オリジナル異世界編第64話です。
ミレニアモン復活。
大ピンチ。
かーらーの、救援到着。
一気に打倒!
と思いきや………?
そして相変わらず影の薄い卿に敬礼。
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