ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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【Take1】 ヴィータがハジメに襲撃をかけて、撃ち殺されてBAD END
【Take2】 ヴィータがユエに襲撃をかけて、黒焦げにされてBAD END
【Take3】 ヴィータがシアをグラーフアイゼンの落ちないシミにしようとして、逆にドリュッケンの落ちないシミにされてBAD END
【Take4】 ヴィータが香織に襲撃をかけて、それに気付いたハジメに撃ち殺されてBAD END
【Take5】 ヴィータが雫に襲撃をかけて、それに気付いたハジメに(以下略)
【Take6】 ヴィータがティオに(以下略)
【Take7】 ヴィータが愛子に(以下略)
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【Take20】 シグナムが(以下略)
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【Take40】 シャマルが(以下略)
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【Take60】 ザフィーラが(以下略)
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【Take100】 奇跡的にハジメや大士の関係者に関わる事無くクリスマスイブまで辿り着いたルート




最終話 ゆうか、A‘S編をブレイクする

 

 

 

クリスマスイブの数日前。

 

「は………? また翠屋に手伝いに行けって?」

 

私はお母さんに聞き返す。

 

「そうなのよ………桃子のお店はクリスマスイブは深夜まで営業するし、クリスマスケーキも取り扱っているから、地獄の忙しさらしいし…………この前の優花の働きぶりが凄かったから、クリスマスイブに、出来れば手伝いに来て欲しいって…………」

 

お母さんは申し訳なさそうにそう言う。

 

「……………悪いけど、クリスマスイブは大士と……………」

 

そう言いかけて私は言葉を止めた。

それから少し考えてみる。

そうして出した答えは、

 

「…………いいわよ」

 

OKだった。

 

「えっ? いいの? でも、折角のクリスマスなのに……………」

 

お母さんは不思議そうにそう言ってくるけど、

 

「いいのいいの。穴埋めとして次の日に大士を独り占めさせてもらうから」

 

これが私の思いついた考え。

クリスマスイブは、大士と恋人全員で過ごすことになるんだろうけど、それよりも私は大士を独り占めできる方法を選んだ。

 

「ふふっ………意外と強かな事考えてるのね……………」

 

お母さんはそう言って笑う。

そうして、私とハックモンは再び海鳴の地に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

海鳴の街がクリスマスイブの賑わいに包まれている頃……………

海上ではこの世界の命運を左右する一大作戦が行われようとしていた。

なのはやフェイトを始めとした、複数の魔導師達が海上に蠢く闇の塊を見据える。

この闇は、闇の書と呼ばれたロストロギアから切り離された、『ナハトヴァール』と呼ばれる暴走した防御プログラム。

事の発端は、海鳴市に住む足の不自由な少女、『八神 はやて』が、主をランダムで選ぶ闇の書の主に選ばれた事から始まった。

はやての9歳の誕生日に闇の書が起動。

闇の書の守護騎士プログラムにより、はやての目の前に4人の騎士『ヴォルケンリッター』が現れた。

烈火の将『シグナム』。

湖の騎士『シャマル』。

鉄槌の騎士『ヴィータ』。

盾の守護獣『ザフィーラ』。

本来は魔導師達の魔力を蒐集する為の手駒だったが、優しい心の持ち主だったはやては彼女達に蒐集する事を禁じ、そして彼女達を『家族』として接し始めた。

心優しいはやてとのふれあいで、人間味を得ていくヴォルケンリッター。

穏やかな生活が続くと思われたが、ある日事態が急変。

はやてが倒れ、下半身の麻痺が広がっている事を医師から通告される。

シャマルの診察で、はやての下半身の麻痺の原因が、闇の書によるはやてのリンカーコアへの浸食が原因だと突き止められた。

それにより、ヴォルケンリッター達ははやてを救う為、禁じられていた蒐集行為を独断で開始。

多くの魔導師やなのは達にも襲撃をかけ、魔力を蒐集して行った。

そして、クロノの恩師でもあるギル・グレアムとその使い魔であるリーゼロッテ、リーゼアリアの暗躍もあり、クリスマスイブである今日、闇の書が完成し起動。

はやてが闇の書に取り込まれ、暴走を開始。

なのは達の必死の抵抗と、はやてが闇の書の管理者権限を取り戻したことで、闇の書の本来の姿である『夜天の書』と『ナハトヴァール』の分離に成功。

はやては夜天の書の管制人格『リインフォース』と共に脱出に成功。

守護騎士達も復活させるが、分離したナハトヴァールが暴走を始めるため、それをどうにかしようとしている所だった。

皆が集まっているところに、クロノが到着する。

 

「すまないな…………水を注してしまうんだが、時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。時間が無いので簡潔に説明する。あそこの黒い淀み…………闇の書の防衛プログラムが後数分で暴走を開始する。僕らはそれを、何らかの方法で止めないといけない。停止のプランは現在2つある。1つ、きわめて強力な凍結魔法で停止させる」

 

クロノが、デュランダルを見せながら言った。

 

「2つ、衛星軌道上の艦船アースラの魔導砲、アルカンシェルで消滅させる。これ以外に、他にいい手は無いか?闇の書の主と、その守護騎士の皆に聞きたい」

 

クロノは皆を見回す。

シャマルがおずおずと手を上げた。

 

「え~っと、最初のは多分難しいと思います。主のいない防衛プログラムは、魔力の塊みたいなモノですから」

 

「凍結させても、コアがある限り再生機能は止まらん」

 

シグナムもそう告げる。

 

「アルカンシェルも絶対駄目!こんな所でアルカンシェル撃ったら、はやての家までぶっ飛んじゃうじゃんか!」

 

両手で×の字を作りながらヴィータが叫んだ。

 

「そんなに凄いの?」

 

なのはがユーノに尋ねる。

 

「発動地点を中心に百数十キロ範囲の空間を反応消滅させる魔導砲…………って言えばわかるかな?」

 

ユーノがそう説明した。

 

「あのっ! 私もそれ反対!」

 

「私も! 絶対反対!」

 

なのは、フェイトが反対意見を述べる。

 

「僕も艦長も使いたくはないよ。でも、アレの暴走が本格的に始まったら、被害はそれより遥かに大きくなる」

 

クロノはそう言う。

 

「暴走が始まると、触れたものを侵食して、無限に広がっていくから」

 

ユーノが特性を説明する。

 

『はーい! 皆! 暴走臨界点まで残り15分切ったよ!』

 

エイミィがそう報告してくる。

 

「何かないか?」

 

クロノが、守護騎士たちに尋ねた。

 

「すまない。あまり役に立てそうも無い」

 

「暴走に立ち会った経験は、我らにも殆ど無いのだ」

 

シグナムが謝り、ザフィーラが説明する。

 

「でも………何とか止めないと………はやてちゃんのお家が無くなっちゃうの、嫌ですし」

 

「いや………そういうレベルの話じゃないんだがな………」

 

シャマルのボケた発言に思わず声を漏らすクロノ。

 

「戦闘地点をもっと沖合いに出来れば………」

 

ユーノがそう言うが、

 

「海でも空間湾曲の被害は出る」

 

シグナムにばっさりと切られた。

 

「う~ん」

 

皆で悩み続けているが、

 

「あ~~~~~~!! もう、なんだかゴチャゴチャ鬱陶しいな! 皆でズバッとブッ飛ばしちゃうわけにはいかないの!?」

 

元々考える事が苦手なアルフは、我慢できなくなりそう叫んだ。

 

「ア、 アルフ…………これはそんなに単純な話じゃ…………」

 

クロノがアルフを宥めようとした。

 

「ズバッと…………ブッ飛ばす…………?」

 

「ここで撃ったら被害が大きいから撃てへん…………」

 

「でも…………此処じゃなければ…………」

 

なのは、はやて、フェイトが考えを巡らす。

そして、

 

「「「あ!」」」

 

同時に同じ考えに行き着いたのか顔を見合わせた。

 

「クロノ君! アルカンシェルって何処でも撃てるの?」

 

なのはが尋ねる。

 

「何処でもって………例えば?」

 

クロノが聞き返す。

 

「今、アースラのいる場所」

 

「軌道上、宇宙空間で!」

 

フェイトとはやてがそう答えた。

 

『管理局のテクノロジー………舐めてもらっちゃ困りますなぁ………撃てますよぉ………宇宙だろうが、何処だろうが!』

 

エイミィがサムズアップしながら叫ぶ。

 

「おい!ちょっと待て君ら………! まさか」

 

クロノが言いたいことに気付いたのか驚いた声を上げる。

 

「「「うん」」」

 

3人は揃って頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとまあ………相変わらず物凄いというか…………」

 

アースラのブリッジで、リンディが驚き半分、呆れ半分の声を漏らす。

 

「計算上では、実現可能ってのがまた怖いですね」

 

エイミィがデータを整理しながらそう言う。

 

「クロノ君! こちらの準備はオッケー! 暴走臨界点まで、あと10分!」

 

クロノにそう報告した。

 

 

 

「実に個人の能力頼りで、ギャンブル性の高いプランだが、まあ………やってみる価値はある」

 

クロノがそう切り出す。

 

「防衛プログラムのバリアは、魔力と物理の複合4層式。まずはそれを破る」

 

「バリアを破ったら、私たちの一斉砲撃でコアを露出」

 

「そうしたら、ユーノ君たちの強制転移魔法で、アースラの前に転送!」

 

『後は、アルカンシェルで蒸発………っと』

 

はやて、フェイト、なのは、リンディが続けた。

 

全員が、攻撃準備を始める。

 

「提督、見えますか?」

 

クロノはグレアムに通信を繋ぐ。

 

『ああ、良く見えるよ』

 

「闇の書は、呪われた魔導書でした。その呪いは、幾つもの人生を喰らい、それに関わった多くの人の人生を狂わせて来ました。アレのお陰で、僕も母さんも………他の多くの被害者遺族も、こんなはずじゃなかった人生を進まなきゃならなくなった。それはきっと、あなたも………リーゼ達も………無くしてしまった過去は、変える事が出来ない」

 

クロノはデュランダルをセットアップする。

 

「だから、今を戦って、未来を変えます!」

 

デュランダルをその手に掴んだ。

 

 

 

 

 

『暴走開始まで、あと2分!』

 

エイミィが作戦開始までの時間を伝える。

 

皆は、黒い淀みに意識を集中させていたが、はやてがなのは、フェイトがボロボロなのに気付いた。

 

「あ………なのはちゃん、フェイトちゃん」

 

2人ははやての方を向く。

 

「シャマル」

 

はやてがシャマルにそう言うと、

 

「はい、2人の治療ですね」

 

シャマルは微笑んで言った。

 

「クラールヴィント、本領発揮よ」

 

『Ja.』

 

「静かなる風よ。癒しの恵みを運んで」

 

シャマルが言葉を紡ぐと、緑の光が混じった風が2人を包む。

すると、怪我やボロボロだったバリアジャケットが、一瞬にして治った。

 

「湖の騎士シャマルと風のリング、クラールヴィント。癒しと補助が本領です!」

 

そう言って微笑む。

 

「すごいです」

 

「ありがとうございます。シャマルさん」

 

 

 

 

暫くすると、黒い淀みの周りに黒い光の柱が立ち始める。

 

「始まる」

 

クロノが呟いた。

 

「夜天の魔導書………呪われた闇の書と呼ばせたプログラム。闇の書の…………闇」

 

はやてが呟くと、黒い淀みの中から、巨大な獣とも、巨大な虫とも取れるような怪物が現れた。

 

「チェーンバインド!」

 

「ストラグルバインド!」

 

アルフとユーノがナハトヴァールの周りの触手を締め上げ切断する。

 

「縛れ! 鋼の軛!!」

 

ザフィーラの発生させた魔法陣から光が伸び、触手を薙ぎ払う。

続けて、なのはとヴィータが前に出る。

 

「ちゃんと合わせろよ! 高町 なのは!」

 

「ヴィータちゃんもね!」

 

ヴィータがグラーフアイゼンを振りかぶる。

 

「鉄槌の騎士ヴィータと、鉄の伯爵グラーフアイゼン!」

 

グラーフアイゼンがカートリッジをロードする。

 

『Gigantform.』

 

グラーフアイゼンが巨大なハンマーになる。

 

「轟天爆砕!」

 

その言葉と共にハンマーを振り回すと、それが更に巨大化する。

 

「ギガント! シュラーーーーーク!!」

 

凄まじい大きさになったハンマーを振り下ろした。

その一撃はバリアの1枚を見事に砕く。

 

「高町 なのはとレイジングハート・エクセリオン! 行きます!」

 

なのははレイジングハートを構える。

 

『Load cartridge.』

 

レイジングハートがカートリッジを4発ロードする。

 

「エクセリオンバスターーーー!!」

 

その時、ナハトヴァールから触手が迫るが、

 

『Barrel shot.』

 

レイジングハートから放たれた衝撃波が吹き飛ばす。

 

「ブレイク…………シューーーーーート!!」

 

桜色の砲撃がバリアをもう4枚吹き飛ばした。

 

「次! シグナムとテスタロッサちゃん!」

 

シャマルの合図で、シグナムが剣を抜く。

 

「剣の騎士、シグナムが魂、炎の魔剣レヴァンティン。刃と連結刃に続く、もうひとつの姿」

 

シグナムがレヴァンティンの柄の先に鞘を合わせると、剣と鞘が一体化。

弓の姿になる。

 

『Bogenform.』

 

シグナムは矢を具現し、引き絞る。

 

「駆けよ! 隼!」

 

『Sturmfalken.』

 

魔力光で輝く矢が放たれる。

その矢がバリアに当たると爆発。

バリアを1枚破壊した。

 

「フェイト・テスタロッサ。バルデッシュ・ザンバー、行きます!」

 

バルデッシュがカートリッジを3発ロード。

フェイトが大剣を振り回すと衝撃波が発生し、ナハトヴァールの周りに再び出てきた触手を吹き飛ばす。

そして、フェイトがバルデッシュを掲げると、その刀身が稲妻を帯びる。

 

「撃ちぬけ、雷神!」

 

『Jet Zamber.』

 

刀身が伸び、それでフェイトは斬りつける。

その一撃は最後のバリアを破壊し、ナハトヴァールの一部を切り裂いた。

ナハトヴァールは苦しそうな声を上げる。

その時、触手が砲撃を放とうとした。

 

「盾の守護獣ザフィーラ! 砲撃など撃たせん!!」

 

ザフィーラが放った鋼の軛が砲撃を放とうとした触手を串刺しにしていく。

 

「はやてちゃん!」

 

シャマルがはやてに合図を送る。

はやては夜天の書を広げ、詠唱を始める。

 

「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。石化の槍、ミストルティン!」

 

光の槍がナハトヴァールに突き刺さり、石化させていく。

完全に石化すると、ガラガラと崩れていく。

しかし、その下から姿を醜悪にさせながらも再生していく。

 

『やっぱり、並みの攻撃じゃ通じない。ダメージを入れた傍から再生されちゃう!』

 

「だが、攻撃は通っている。プラン変更は無しだ!」

 

クロノはデュランダルを構える。

 

「行くぞ、デュランダル!」

 

『OK, Boss.』

 

クロノは詠唱を開始する。

 

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ」

 

すると、海諸共ナハトヴァールが凍りついていく。

 

「凍てつけ!」

 

『Eternal Coffin.』

 

ナハトヴァールは完全に凍りつき、動きを封じられる。

 

「行くよ! フェイトちゃん! はやてちゃん!」

 

「うん」

 

「うん」

 

なのはの言葉にフェイトとはやては頷いた。

 

『Starlight Breaker.』

 

なのはは、魔力を集めだす。

 

「全力全開! スターライト…………!」

 

「雷光一閃! プラズマザンバー…………!」

 

フェイトが振りかぶったバルデッシュ・ザンバーに稲妻が落ちる。

はやては杖を掲げ、魔力を集中させる。

そして、ナハトヴァールを見下ろすと、

 

「………ごめんな…………おやすみな……………」

 

悲しそうな表情でそう呟くと、覚悟を決めた顔になり、

 

「響け! 終焉の笛! ラグナロク!」

 

「「「ブレイカーーーーーーーーッ!!!」」」

 

3発もの特大の魔力砲撃。

誰もが、これで決まったと思った。

本来の『運命』ではこれで決まっただろう。

しかし、些細な事でその運命は大きく変わる。

 

「ッ………!? コアが露出しない!?」

 

シャマルが驚愕の声を漏らす。

 

『そんな………! ナハトヴァールの再生速度がこちらの想定を上回ってる!?』

 

エイミィが焦った声で報告してくる。

 

「何だって!?」

 

クロノも戦慄した。

全員がナハトヴァールを見ると、その身体が見る見るうちに再生されていく。

 

「そんな………なのは達の最大威力の一斉砲撃を受けて削り切れないなんて………」

 

ユーノが信じられないと言いたげな表情だ。

 

「も、もう一回………!」

 

なのははそう言うが、

 

「無理だ。今の全員の残りの魔力をすべて使っても、先ほど以上のダメージを与えることは不可能だ」

 

クロノは冷静にそう分析する。

 

「そんな…………」

 

なのはの声に、クロノは俯くと、

 

「………………艦長」

 

通信でリンディに呼びかけた。

 

『分かっているわ、クロノ…………』

 

リンディは何かを覚悟したような声で返事をした。

そして、

 

『現場にいる魔導師達は、直ちにアースラに帰還してください』

 

そう命令を下した。

 

「リンディさん!?」

 

フェイトが驚いた声を漏らすと、

 

『全員を収容後、アルカンシェルにてナハトヴァールを消滅させます』

 

「そんな………! そんなことしたら、海鳴市が!」

 

なのはが叫ぶが、

 

『皆さんの一斉攻撃でコアを露出出来なかった以上、戦術レベルの作戦では巨大化していくナハトヴァールを止める術はありません。手遅れになる前に、アルカンシェルで消滅させます!』

 

リンディはそう言い切る。

 

『なのはさん………はやてさん…………許してくれとは言いません。しかし、今ここであれを討たなければ、それ以上の犠牲者が出ることになるのです!』

 

「うっ……ううっ………!」

 

「そんな…………」

 

故郷である海鳴市が消えると聞いて、なのはとはやては泣きそうになる。

それを見て、

 

「そんな事させっかよぉー!!」

 

ヴィータが再び巨大なハンマーを振り回す。

 

「ギガントシュラーク!!」

 

ナハトヴァールに向かって巨大なハンマーを振り下ろした。

しかし、

 

「ぐっ………さ、さっきより硬ぇ………!」

 

先程は結界の1枚は破れたというのに、今回は結界に1枚目で止められていた。

 

「結界の強度が増してる……!?」

 

フェイトが驚愕する。

 

「確かにそれもある………だが、やはり魔力を消費した所為で、先程よりも威力が無い………」

 

クロノはそう分析する。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

それでもヴィータは果敢に攻撃を続ける。

 

「ヴィータちゃん……………ッ!」

 

そんなヴィータを見て、なのはも何かを決意した表情になる。

 

「レイジングハート! お願い!」

 

『Load cartridge.』

 

「エクセリオンバスター!!」

 

なのはもナハトヴァールに向けて砲撃を撃ち込む。

 

「私も、海鳴市の皆を見捨てる事なんてできない!」

 

そう叫んで再び砲撃を撃ち込む。

 

「なのは…………! 私も!」

 

フェイトも攻撃に参加する。

 

「当然私もや!」

 

はやても迷わずに飛び出す。

はやてに続いて、シグナム、シャマル、ザフィーラ。

そして、ユーノにアルフも。

全員が再びナハトヴァールに攻撃を仕掛ける。

だが、傍目から見ていても、明らかに与えるダメージよりも再生速度の方が早い。

 

「皆…………! ええい!」

 

クロノは首を振る。

そして、

 

「エターナルコフィン!!」

 

『クロノ君!?』

 

クロノを知る者からすれば、信じられない行動だったのかもしれない。

クロノまで勝ち目の無い戦いに身を投じようとしている事に。

しかし、クロノ1人が加勢に入った所で大勢は変わらない。

じりじりとなのは達が消耗していくだけであった。

それどころか、ナハトヴァールの周囲への浸食速度が増していき、巨大化のスピードも速くなっている。

 

「はぁ……はぁ………このままじゃ…………!」

 

なのはは息を吐きながら涙を滲ませる。

 

「お父さんが………お母さんが………お兄ちゃんが………お姉ちゃんが…………皆が………死んじゃう…………!」

 

なのはの脳裏に次々と親しい顔ぶれが過る。

 

「お願い………………!」

 

なのはは呟く。

 

「誰でもいいから…………!」

 

我慢できなくなって目を瞑り、

 

「皆を………助けて…………!」

 

そう願いを零した。

その瞬間、

 

「なのはっ!?」

 

フェイトの切羽詰まった声が響いた。

なのはが目を開くと、ナハトヴァールから伸びた触手が無数の突起状となってなのはに迫っていた。

 

「あっ…………!?」

 

注意を怠っていたなのはは気付くのが遅れ、棒立ち状態。

なのはのスピードでは回避も間に合わない。

なのはの脳裏に走馬灯が過る。

そして………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グングニル……………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗雲を吹き飛ばす一筋の赤き光の矢が空から降り注いだ。

その光の矢はナハトヴァールに直撃。

4枚の結界を瞬く間に貫き、本体に到達。

その直後に大爆発を起こし、身体の大半を吹き飛ばした。

それにより、なのはに迫っていた触手も吹き飛ばされる。

その衝撃が収まって目を開けると、そこには身体の半分以上を吹き飛ばされたナハトヴァールの姿があった。

しかし、すぐに再生を始める。

すると、

 

「また厄介そうな事に首を突っ込んでるのね? あんた達は」

 

何処か呆れた様な女性の声が聞こえた。

なのは達が振り向くと、そこにはエアロウイングを生やしたバオハックモン。

そして、その背の上に立つ優花の姿があった。

 

「「優花さん!!」」

 

なのはとフェイトが叫ぶ。

 

「なのはちゃん、フェイトちゃん? 知り合いなん?」

 

面識のないはやてがそう聞くと、

 

「うん………翠屋の手伝いに来てくれてた人なんだけど、とっても凄い人なの」

 

「あの人のお陰で、母さんやお姉ちゃんも助かったんだ………」

 

なのはとフェイトがそう言う。

 

「で? アレなに? とりあえず気持ち悪かったから攻撃したけど………」

 

「あれは闇の書の闇、ナハトヴァールと言って…………」

 

クロノが説明しようとしたが、

 

「ああ、別にそう言う細かい事はどうでもいいわ。あれはあのままほっとくと如何なるの?」

 

優花は簡潔に質問する。

 

「………あのまま放っておけば、周りの物質を取り込んでいき、臨界点に達するまでには、この星を飲み込んでしまう恐れがある」

 

クロノはそう説明した。

それを聞くと、

 

「はあ…………なんでこうもポンポン世界の破滅に関わって来る案件が出てくるのかしら?」

 

呆れ声で優花は言った。

 

「………で? あれを倒す方法は?」

 

「奴の内部にはコアがある。そのコアを露出させてユーノやアルフの強制転移で衛星軌道上に居るアースラのアルカンシェルで消滅させるプランを立てていたんだが………奴の再生能力がこちらの想定を上回ってしまい、今はジリ貧状態だ………」

 

「要はあいつを切り刻んでコアを破壊すればいい訳ね」

 

クロノの言葉に、優花は簡単な事だと言いたげにそう言った。

 

「いや、そうは言うが、奴の再生能力は侮れない。現に、君が放っただろう渾身の一撃でも、既に再生が完了している。いくら君やハックモンが強くとも………」

 

クロノはナハトヴァールを見据えながらそう言う。

すると、優花はナハトヴァールに向き直りながら、

 

「今私は翠屋の手伝いの合間の休憩時間でこっち来てるの。だから………」

 

そう言いながら不敵な笑みを浮かべ、

 

「休憩時間が終わる前に、さっさと片付けましょうか!」

 

まるで休憩の合間の暇潰しと言わんばかりにそう言い放った。

優花はDアークを掲げる。

そして、

 

――MATRIX

  EVOLUTION――

 

「マトリックスエボリューション!!」

 

優花がDアークを自分の身体に押し当てると、優花の身体がデータ化される。

 

「ハックモン進化!」

 

ハックモンと優花が1つとなり、新たな進化が始まる。

ハックモンの前足が分解され、剣を装備した腕として再構成される。

ハックモンの後脚が分解され、剣と一体化した足として再構成される。

ハックモンの体が分解され、赤いボロボロのマントを纏う体として再構成される。

ハックモンの頭が分解され、優花の真っ直ぐな瞳を持つ、竜人の頭部として再構成される。

それは両腕と両足、尻尾の計5本の刃。

白く輝く身体を持つ竜人の聖騎士ロイヤルナイツ。

その名は、

 

「ジエスモン!!」

 

ジエスモンとなった優花とハックモンがその場に現れる。

 

「こ、これは………!?」

 

シグナムが驚愕の声を漏らす。

 

「前に見たどれとも姿が違う………!?」

 

フェイトも驚愕している。

すると、

 

「こ、これってまさか………『究極体』!?」

 

なのはが叫ぶ。

 

「『究極体』………!? 何だそれは?」

 

クロノがなのはに問いかける。

 

「うん………私、前に優花さんとハックモンに会ってから、デジモンについて興味がでて、少し調べてみたの。デジモンには、幼年期、成長期、成熟期、完全体っていう進化の成長段階があって、ハックモンは多分成長期で、さっきのバオハックモンは成熟期だと思うの。それで、前に見たセイバーハックモンが完全体だとすれば、この姿は更に進化した………」

 

なのはがそう言うと、

 

『その通りよ』

 

ジエスモンの中の優花が肯定する。

 

『この姿こそ私とハックモンが1つになって進化する究極体………聖騎士ジエスモンよ!』

 

そう言い放つ優花。

 

「聖騎士…………ジエスモン…………」

 

はやてがそう呟くと、

 

「………かっこええわぁ~………!」

 

ジエスモンにキラキラした視線を向けていた。

すると、ジエスモンが下降していき、海面すれすれに立つと、目の前のナハトヴァールを見据える。

ナハトヴァールはジエスモンを睨み付けると、一気に無数の触手を伸ばした。

しかし、

 

「フッ………!」

 

ジエスモンの無造作の一振り。

その一振りで海は割れ、伸ばされた触手は切り裂かれ、結界も紙の如く破られ、ナハトヴァールは真っ二つになった。

 

「「「「「「「「「「なっ!?」」」」」」」」」」」

 

その様子を見ていた全員は驚愕の声を漏らす。

 

「い、今の一振りはどう見ても渾身の一撃でも何でもない、ただの無造作な一振りだった筈だ………たったそれだけの筈なのに………これほどの威力を………」

 

同じ剣の使い手であるシグナムが、ジエスモンの一撃を見て戦慄の声を漏らす。

すると、真っ二つになったナハトヴァールの切断面がくっつき、元通りとなる。

 

「なるほど………確かに再生能力は厄介だな…………ならば!」

 

ジエスモンはナハトヴァールに向かって飛び出し、

 

「轍剣っ………成敗っ!!」

 

すり抜けざまに無数の銀閃が奔る。

一瞬にして細切れにされるナハトヴァール。

しかし、一度形が崩れたかと思うと、まるで粘土のように混ざり合って再び元の形を取り戻した。

 

「これは………」

 

伸びてくる触手を、アト、ルネ、ポルが切り刻む。

 

『おそらく、完全に消滅させないといくらでも復活するタイプの敵かしら?』

 

「………そうなると、私には相性の悪い相手だな」

 

ジエスモンの攻撃は、実体剣による斬撃のみ。

どんな相手でも切り裂ける自信はあるが、完全消滅させるには難しい。

すると、

 

『はぁ………こんな奴相手に使うのは癪だけど、そうも言っていられないわね』

 

「うむ………やるか!」

 

優花とジエスモンがそう言うと、

 

「『はぁあああああああああああああっ!!!』」

 

2人は気合を入れる声を上げる。

それと共にジエスモンが光に包まれ、

 

「『ジエスモンGX!!』」

 

赤き鎧を纏うジエスモンGXへと変化した。

 

「また変わった!?」

 

なのはが驚く。

すると、

 

「聖拳滅破!」

 

背中のタクティカルアームズが拳状になり、その拳が亜光速の速さでナハトヴァールに叩き込まれる。

余りの衝撃に、当たった場所の肉体が塵も残らず吹き飛んでいく。

瞬く間に身体を削られていくナハトヴァール。

 

「おいおい………冗談だろ…………多分拳の連打なんだろうけど………何も見えねぇ………」

 

ヴィータの目には、ジエスモンGXの前に時折光が見えるだけで、何をしているのか全く分からない。

 

「それよりも、どんどんナハトヴァールの身体が削られていくわ………これなら……!」

 

シャマルはナハトヴァールのコアを捕まえようと再び魔法を準備する。

すると、あと少しと言う所で突然ジエスモンGXが攻撃を中断してしまった。

 

「なんだと………!?」

 

ザフィーラが驚愕する。

 

「ちょっと、何でそのままやっちゃわないのさ!?」

 

アルフも納得いかないのかそう叫ぶ。

ナハトヴァールは削られた身体を再生し始めた。

しかし、ジエスモンGXは空中へ跳び上がると、ナハトヴァールの真上に来る。

そして、ナハトヴァール目掛けて一気に急降下を始め、

 

「ナイツ・イントルーダー!!」

 

その身を突撃弾劾剣と化し、ナハトヴァールに突貫した。

光の剣が直上からナハトヴァールに突き刺さる。

その瞬間、内包されたエネルギーが剣から解放され、ナハトヴァールを飲み込んだ。

なのは達の目の前で天を衝く光の柱が立つ。

その光になのは達は目を庇った。

そして、やがてその光が消えて目を開けると、

ナハトヴァールの姿は何処にもなかった。

ナハトヴァールが居ただろう場所には、ジエスモンGXが佇んでいるだけだ。

 

「……………エイミィ………状況は…………?」

 

クロノが呆然としながら問いかける。

 

『えっと…………再生反応……………無しだよ…………』

 

エイミィも呆然としながら報告した。

 

「コアを露出させるどころか、コアごと消滅させたのか……………」

 

クロノがジエスモンGXの姿を見ながら呟く。

その声には畏怖を感じさせた。

すると、ジエスモンGXが光に包まれて優花とハックモンに分離し、

 

「じゃ、そろそろ休憩時間終わるし、私は戻るわね」

 

優花はそう言い残して空間ゲートを作り出して去って行く。

 

「あ、おい!」

 

クロノは呼び止めようとしたが優花とハックモンはそのまま空間ゲートを潜ってしまった。

その場には、呆然としていた一同だけが残された。

 

 

 

 

 

 

 

その後、はやてが初めての魔力運用で気絶してしまうことがあったが、闇の書に関連した事件は終わりを迎える…………筈だったのだが、

 

「夜天の書の破壊!?」

 

フェイトが驚いた声を上げる。

 

「どうして!? 防御プログラムは、もう破壊したはずじゃ!?」

 

なのはも抗議の声を上げた。

 

「闇の書………夜天の書の管制プログラムからの進言だ」

 

「防御プログラムは無事破壊できたけど、夜天の書本体は、すぐにプログラムを再生しちゃうんだって。今度ははやてちゃんも侵食される可能性が高い。夜天の書が存在する限り、どうしても危険は消えないんだ」

 

「だから闇の書は、防御プログラムが消えている今のうちに、自らを破壊するよう申し出た」

 

クロノとユーノがそう説明する。

 

「そんな………」

 

「でも、それじゃシグナムたちも………」

 

「いや」

 

フェイトの言葉の途中で、シグナム達が食堂に入ってくる。

 

「私達は残る」

 

「シグナム………」

 

「防御プログラムと共に、我々守護騎士プログラムも、本体から解放したそうだ」

 

狼形態のザフィーラがそう言う。

 

「それで………リインフォースからなのはちゃんたちにお願いがあるって………」

 

シャマルがそう言った。

 

「お願い?」

 

なのはが聞き返すと、

 

「ああ。自らの破壊を、お前達に頼みたいそうだ」

 

シグナムがそう言う。

 

「私達に………!?」

 

「お前達だから頼みたいそうだ」

 

シグナムがそう続けた。

 

「でも……………」

 

なのはは納得がいかないのか俯く。

すると、ハッとなって、

 

「そうだ! 優花さんの魔法なら!」

 

思い出したようにそう口にする。

しかし、クロノとユーノは神妙な表情で顔を見合わせ、

 

「それは僕達も考えた。だが、おそらく不可能だと思う」

 

「どうして!?」

 

なのはが声を上げる。

 

「闇の書は、長い時を旅してきた魔導書。いつ防御プログラムを歪められたかは分からないけど、100年200年どころの話では無いはず。いくら優花さんが莫大な魔力保持者だとしても、歪められたプログラムを改変前まで戻すのは無理だと思う」

 

ユーノがそう説明する。

 

「で、でも、可能性はゼロじゃないんでしょ!?」

 

フェイトがそう言うと、

 

「それはそうだが…………」

 

「私、優花さんに頼んでみる!!」

 

なのはは叫ぶと、連絡を取る為に自室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、

 

「はぁ~、私は便利屋じゃないのよ?」

 

優花が呆れた口調でそこに居た。

 

「ご、ごめんなさい優花さん! だけど、リインフォースさんを助けられるのは、優花さんしか思いつかなくて………!」

 

なのはは謝りながら事情を説明する。

 

「で? そのリインフォース………だっけ? 魔導書の管制プログラムが悪辣な改変をされてて暴走しちゃうから、そのプログラムを改変前に戻せないかって事よね?」

 

優花はリインフォースを見る。

 

「まあ、やるだけやってみるけど………」

 

「お願いします!!」

 

なのはは頭を下げる。

 

「ちょっと失礼するわよ」

 

優花はリインフォースの肩に手を置く。

〝再生魔法〟及び〝昇華魔法〟でリインフォースの状態を読み取っていく。

すると、

 

「あ、これ私には無理だわ」

 

あっけらかんとそう口にした。

 

「そんな………!」

 

「やはりか………」

 

なのはは悲痛な表情になり、リインフォースは予想通りだと言わんばかりだが、若干肩を落とした。

 

「何とかならないんですか!?」

 

フェイトも懇願するように問いかける。

 

「そうは言っても、無理な物は無理よ。改変されたのはかなり昔みたいだし、それに元々、〝再生魔法〟も〝昇華魔法〟も、私は適性そこそこだし………」

 

「そう………ですか…………」

 

フェイトは見るからに気落ちしている。

絶望的な表情になるなのはとフェイトを見て、

 

「……………………………………あ~~~~~も~~~~~~~! 仕方ないわね!!」

 

突如として優花がヤケクソ気味にそう叫んだ。

 

「クロノ! これから起こることは絶対に管理局に報告しないでよ! 報告したら問答無用で殺すからね!!」

 

「はっ!?」

 

突然言われた言葉にクロノは素っ頓狂な声を漏らす。

すると、優花が空間ゲートを作り出して何処かに行ってしまう。

少しして、再び空間ゲートが開き、優花が誰かを伴って戻って来た。

 

「悪いわね、葵。デート中にいきなり来てもらって………」

 

「あはは。いいよいいよ、別に謝らなくても。私の力がいるんでしょ?」

 

それは優花と同年代の長い黒髪の少女。

 

「ゆ、優花さん……? その人は………?」

 

「あ、初めまして! 私は神代 葵! よろしくね!」

 

葵はいつも通りの自己紹介をする。

 

「それで? 私に助けてもらいたい人って言うのは?」

 

葵がそう聞くと、

 

「そこに居るリインフォースよ。闇の書っていう魔導書の管制人格らしくて、悪辣な改変を受けてるらしいわ」

 

「へぇ~、管制人格ってことは、デジモンみたいな存在かな?」

 

「構成してるのは魔力だけどね」

 

葵の言葉に優花が答える。

すると、葵の瞳が青く染まる。

 

「なるほどなるほど………うん、わかった!」

 

「大丈夫そう?」

 

「そうだね。〝再生魔法〟じゃ無理かもしれないけど、『神力』を使えば問題無いよ」

 

葵はそう言う。

 

「いいの? 私が言うのも何だけど、ここ、胡散臭い組織の真っ只中よ?」

 

「胡散臭いとか言わないでくれ………!」

 

クロノが文句を言う。

 

「でも、優花は助けてあげたいんでしょ?」

 

「…………まあ、放っておくのは後味悪いわね」

 

「なら、良いよ」

 

「もし不利益を被る様なら、私が責任をもって潰すわ」

 

「不吉な事を言わないでくれ………」

 

優花の言葉にクロノが再び頭を抱える。

 

「それじゃ、行くよ!」

 

葵が淡い光に包まれ、蒼銀の髪に碧眼の瞳。

白い翼を持つ女神アルオイスの姿へと変化した。

 

「こ、これは…………!?」

 

目の前で見ていたリインフォースは驚愕する。

他の皆も声を失っている。

そのままアルオイスがリインフォースに手を翳すと、リインフォースが光に包まれる。

少しして光が消え、

 

「これでもう大丈夫」

 

元の人間の姿に戻った葵がそう言った。

 

「ありがとね。葵」

 

「どういたしまして」

 

「じゃあ、ゲート開くわ。元の場所で良いわね?」

 

「うん」

 

優花はそう言うと空間ゲートを開き、葵は手を振りながらそのゲートを潜っていった。

すると、クロノがハッとなって、

 

「ちょっと待った! 今のは一体……!?」

 

「それに関しては黙秘するわ」

 

「し、しかし…………」

 

「暴走した防御プログラムを倒した結果、リインフォースにも異常は無かった。それでいいじゃない」

 

「だが……」

 

「いいわね?」

 

凄みを見せてそう言い切る優花。

 

「………はい」

 

「よろしい」

 

その凄みの前にクロノはあっさりと折れるのだった。

 

 

 

 

その後、目を覚ましたはやての傍にはリインフォースが居り、はやては嬉しそうに微笑む姿があるのだった。

 

 

 

 

 

 

 







はい、リリカルなのは編最終話です。
前半は諸に過去作のコピペ。
ぶっちゃけA‘S編は蛇足だったりする。
流石にStS編はやりません。
あったとしても、最高評議会&スカリエッティが優花達にちょっかいかける。
ハジメのクリスタルキーで直接殴り込み。
終了。
位しか思いつかないので。
次回からはマブラヴ編に入ろうと思います。
多分週一更新です。
お楽しみに。


P.S 今日も返信はお休みです。
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