ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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プロローグ後編 あいとゆうきのおとぎばなし………………?

 

 

【Side 武】

 

 

 

意図せずに手に入れた3度目のチャンス。

3度目の今回は、2週目以上に順調だと言える。

俺と夕呼先生の間には前以上の信用があるし、初日に言っていた通り、XM-3もすぐに完成させてくれた。

207小隊にも合流し、冥夜、委員長、たま、彩峰、美琴とも会う事が出来た。

皆に前回の記憶が無い事は残念だが………

前回のように俺が入った事で皆はいい刺激を受けている様だ。

ただ、前と違ってA-01への教導もあり、207小隊で訓練している時間が短い所為か、前回よりも距離を縮められていないようにも思える。

それでも受け入れられていないわけではないので、これからゆっくりと距離を縮めていけばいいか。

A-01への教導も順調で、伊隅大尉や速瀬中尉を始めとして、皆メキメキと腕を上げている。

そう言えば、前回俺達が任官した時には既に戦死していた築地と高原、麻倉の3人に初めて会ったが、割と早く打ち解けられたと思う。

少佐の俺がフレンドリーに接したら、皆面食らってたけどな。

 

 

 

そうして、俺がこの世界にやって来てから約半月。

11月11日の今日。

世界に大きな影響を与える最初の分岐点の日。

そう、佐渡島からのBETAの本土侵攻の日だ。

俺はこの日、A-01部隊の1人として、新潟の日本海沿岸に来ていた。

任務内容は、BETAの捕獲。

前回では、まりもちゃんの命を奪った、あのトライアル事件を起こすためのBETA。

その事に思う所が無いわけじゃない。

だけど、あれは必要な事だったのは間違いない。

俺があの時暴走し、落ち込んでいなければ、きっとまりもちゃんも死ななかった筈。

そう、あの時の俺とは違う。

まりもちゃんを助ける事は出来る筈だ!

俺はそう未来に思いを馳せた。

この時の俺は、『未来』ばかりに目が向き、『今』を見ていなかった事を思い知ることになろうとは、ついぞ思っていなかった。

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

新潟沿岸部のとある一角にA-01部隊の不知火が待機していた。

そのコックピットの中で、

 

『大尉………奴らは本当に来るんでしょうか?』

 

A-01部隊の1人、風間 祷子少尉が疑問の声を零す。

涛子疑問ももっともだ。

BETAの行動は予測できないと言われている。

それが今回に限って、『11月11日に、新潟にBETAが侵攻してくるからBETAを捕獲せよ』と、副指令である夕呼からハッキリ言われたのだ。

本当に来るのか?と疑問に思う事は当然だ。

 

『さあな。だが副指令の言葉だ。我々は信じるしかあるまい』

 

涛子の言葉に、中尉である宗像 美冴がそう言う。

 

『そうそう、あたしたちは与えられた任務をこなすだけ』

 

同じく中尉である速瀬 水月が答える。

 

『白銀はどう考えてるの?』

 

水月が軽い口調で武に問いかけた。

口調が気軽なのは、武自身がそう望んだからだった。

 

『……………来ますよ………必ず………!』

 

BETAが来ることを『知っている』武は、迷わずにそう答える。

その瞬間、ドォンと遠くで爆発音が響く。

 

『…………どうやら手ぶらで帰らずに済みそうだ…………全機出撃!!』

 

A-01部隊の隊長である伊隅 みちる大尉が号令を掛ける。

 

『『『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』』』

 

A-01部隊の戦術機、不知火が一斉に起動した。

 

 

 

 

 

BETAには基本的に8種が存在する。

光線(レーザー)級:全高3m程の小型のBETA。人間のような2本の足を持っているが、その身体は形容しがたく、大きな目玉のようなレーザー照射粘膜があり、380㎞離れた高度1万mの飛翔体を的確に捕捉可能という驚異的な索敵能力を誇り、飛翔体を優先的に攻撃するという特性から、この光線級の登場によって人類の航空戦力が無力化され、ミサイルのような飛翔兵器も数多くが撃ち落とされてしまい、この光線級の駆逐こそが対BETA戦の鍵を握ると言っても過言ではない。

尚、味方のBETAを決して誤射しないという特性も持つ。

 

重光線(じゅうレーザー)級:全高21mにも及ぶ大型のレーザー属種。その名の通り巨大な光線級であり、二足歩行としてはBETA中最大。レーザー照射粘膜は1つだが、その出力は大幅に上がっており、単純射程距離は1000km以上とも言われている。光線級と同じく、飛翔体を優先的に攻撃し、味方を誤射しない特性を持つ。

 

要撃(グラップラー)級:全高12m、全長21m、全幅28mの大型のBETA。蠍の様な形状をしており、頑強な二対の前腕を最大の武器としていて、その前腕は

ダイヤモンド以上の硬度を誇るモース硬度15以上。更には強靭な靭性すら併せ持つ。BETAの大型種の中では6割を占めるBETAの主力。

 

突撃(デストロイヤー)級:全高16m、全長18m、全幅17mの大型BETA。身体の前面がモース硬度15以上の装甲殻に覆われており、最高速度170kmに達する突撃が最大の武器で、BETAの先鋒を担う。正面からの攻撃には強いが、後方からの攻撃には弱い。

 

要塞(フォート)級:全高66m、全長52m、全幅37mの、この世界の時系列で確認されている中では最大のBETA。先端が尖った鋭角状の10本の足を持ち、尾節にはかぎづめ状の衝角があり、それを50m程の触手で振り回して攻撃する。更にその衝角からは戦術機も溶かす溶解液が噴出される。

 

戦車(タンク)級:全高2.8m、全長4.4m、全幅1.9mの小型種に分類されるBETA。胴体に戦術機の装甲すら噛み砕く強靭な顎を持ち、最大速度80kmの俊敏と高い対人探知能力を持っているため、戦場では最も多くの衛士を殺したBETAと言われている。常に数十から数百の群れで行動しているため、たとえ戦術機でも一斉に群がられれば、成す術無く中の衛士ごと食われてしまう。ただ、防御力はさほど高くは無い。

 

闘士(ウォーリア)級:全高2.5m、全長1.7m、全幅1.5mの小型のBETA。対人探知能力が極めて高く、象の鼻のような腕は人の頭を引っこ抜くほどの力を持つ。戦術機にとっては脅威では無いが、その俊敏性と対人探知能力から、歩兵が戦闘を挑むのは推奨されない。

 

兵士(ソルジャー)級:全高2.3m、全長1.2m、全幅1.4mのBETA中最小の小型種。対人探知能力が最も高く、腕力も人の数倍あり、顎の力も衛士の強化装備も食い破る力を持つ。しかし、戦術機相手には無力。

 

以上の8種が戦場で戦う主なBETAだ。

レーザー属種がいる限り、航空戦力は愚か、跳躍も容易には出来ない。

その為、戦術機は極力地面から離れない戦い方を基本としており、その動きは前後左右の平面的な機動に制限されていた。

そんな中、

 

『うぉおおおおおおおおっ!!』

 

平然と空中へ跳び上がり、空中から地上のBETAへ掃射。

光線級に補足される前に即座にブーストによって地上へと降りる。

一般的な機動を2次元機動とするなら、これは上下の動きも加わった3次元機動。

それを行うのは武の不知火だ。

戦闘開始から2時間。

A-01部隊、通称イスミヴァルキリーズのBETA捕獲作戦は順調に進んでいた。

BETAを捕獲するための麻酔弾を撃ち込み、動かなくなったBETAを用意していたカーゴへと運び入れる。

普通であれば危険な作業だが、それを可能にしていたのが武の存在。

そしてXM-3の恩恵が大きかった。

 

『俺の目の前で、もう誰も死なせねぇ!!』

 

武の決意と気迫が銃弾共に撃ち出される。

 

『わぁぁ………』

 

『す、凄い………』

 

次々とBETAを駆逐していく武の戦闘機動にヴァルキリーズの一員である麻倉と柏木 晴子が声を漏らす。

 

『ぼうっとするなお前達! 作戦中だぞ!』

 

隊長であるみちるから叱咤が飛ぶ。

 

『『す、すみません!!』』

 

2人は謝りながら動かなくなったBETAをカーゴへ運んでいく。

やがて、予定数のBETAを運び終えた時、

 

『よし、予定数のBETAの捕獲は完了した。後は…………』

 

みちるが言葉を続けようとした時、

 

『大尉!』

 

涛子が切羽詰まった声で叫ぶ。

 

『如何した風間!?』

 

みちるが聞き返すと、

 

『周辺のBETAが一斉にこちらに向かってきます!』

 

『何だと!?』

 

レーダーを確認すると、上陸しているBETAの約半数程がヴァルキリーズのいるエリアに向かってきていた。

 

『ッ!? 捕獲したBETAの輸送車両が離脱するまでこの場で食い止める!! 陣形を組み直し、防衛線を構築する』

 

『『『『『『『『『了解!』』』』』』』』』

 

みちるの言葉にヴァルキリーズが返事をする。

やがて突撃級を筆頭に、無数のBETAが向かって来た。

 

『な、なんて数………』

 

涼宮 茜が声を震わせる。

正直、ヴァルキリーズだけでは持ち堪えるのも厳しい数だ。

 

『臆するな! 各員、隊規を復唱しろ!!』

 

みちるの言葉に、

 

『『『『『『『『『『死力を尽くして任務にあたれ! 生ある限り最善を尽くせ! 決して犬死にするな!』』』』』』』』』』

 

その言葉を繰り返すと共に、隊員たちが気力を取り戻していく。

 

『その通りだ! 各員、死力を尽くせ!!』

 

『『『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』』』

 

ヴァルキリーズの不知火達がBETAへと向かって行った。

 

 

 

ヴァルキリーズとBETAの戦いは熾烈を極めた。

経験の浅い少尉達は元より、それなりに経験の長い水月や美冴、みちるですら疲労の色を見せている。

ここまで犠牲者が居ない事が奇跡なほど。

そんな中、

 

『うぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

 

他者とは一線を画す戦闘機動と撃破数を叩き出す1機の不知火。

武の不知火だ。

ここまで犠牲者が出なかったのは、新人たちが危なくなった時に即座に武がフォローに入った事が大きいだろう。

 

『はぁ………はぁ…………』

 

とは言え、それでも疲労は溜まる。

疲労は集中力の途切れに繋がる。

そしてその時は、最悪のタイミングで訪れた。

 

『うわぁあああああっ!?』

 

晴子の悲鳴が響く。

 

『柏木っ!?』

 

武が振り向くと、晴子の不知火が要撃級に殴り飛ばされ、左腕を砕かれながら地面に倒れる。

しかもその近くには、

 

『フォ、要塞級…………!?』

 

晴子が絶望に染まった声を漏らす。

そのままでは、晴子の不知火が要塞級の足で串刺しにされてしまう。

 

『晴子! 今援護を……くっ!』

 

茜が晴子を助けようとするが、その茜の不知火に要撃級が殺到し、行く手を阻む。

 

『させるかっ!』

 

武が不知火を即座に反転させ、晴子の不知火に近付く要塞級に狙いを定める。

だが、

 

『わぁあああっ!?』

 

別方向から悲鳴が響いた。

 

『麻倉っ!』

 

麻倉の不知火が脚部を損傷し、地面に倒れた状態で戦車級に群がられていた。

戦車級がガリガリと不知火の装甲を食い破っていく。

 

『ッ…………!?』

 

ここで武に迷いが生じた。

どちらを助けるか。

今のタイミングならどちらかは助けられる。

だが、どちらかは見捨てなければならない。

 

『ッ~~~~~~~~~!』

 

武はどちらも見捨てる事は出来ない。

それ故に、最悪の選択をしてしまう。

そう…………

時間切れという、最悪の選択を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――これは…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

振り上げられる要塞級の鋭い脚。

 

『……………………ッ!』

 

晴子の息を呑む音。

 

 

 

食い破られる不知火の装甲。

ガリガリと聞こえる命を削る音。

 

『あ…………ああっ……………』

 

麻倉の恐怖に震える声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――とてもちいさな………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『柏木っ!』

 

『麻倉っ!』

 

必死に助けようとする仲間達の声。

 

(畜生……! 俺はまた助けられないのか!? 柏木達を死なせちまうのか!?)

 

心の中で叫ぶ武。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――とてもおおきな………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

振り下ろされる要塞級の脚。

網膜投影に映るその映像を見ながら、晴子は呟く。

 

『ごめんね………太一………』

 

大切に思う、弟の名を。

 

 

 

『あ、ああっ…………!』

 

麻倉は見る。

自分を守る最後の壁が食い破られるのを。

その向こうから現れる、自分を食い殺す戦車級(死神)の姿を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――とてもたいせつな……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』

 

慟哭の様な武の叫び。

そして、その瞬間は訪れる………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――あいとゆうきのおとぎばなし…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおっ…………らあっ!!!」

 

突如として横殴りに吹き飛ばされて横倒しに転倒する要塞級。

その瞬間、晴子は見た。

金色の光を拳に宿し、要塞級を殴り飛ばした人影を………………

 

 

 

「……………死ね!」

 

数発の銃声と共に、麻倉の不知火に群がっていた戦車級が弾け飛ぶ。

その瞬間麻倉は見た。

自分を食い殺す戦車級(死神)を引き裂いた、紅の閃光と、風に靡く黒いコートを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――……………………に、殴り込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………………大尉、どうやら戦術機のカメラが壊れたようです。今、人間が要塞級を殴り倒すなんて、非常識な光景が…………』

 

水月が呆然としながら呟いた。

 

『…………………ならば私のカメラも壊れているな。全く同じ光景が見えた………』

 

いつもは冷静沈着なみちるですら、唖然としている。

だが、更に驚きは続く。

晴子の不知火の近くに、大型BETAに近い体躯を持つ、紅い怪物が着地したのだ。

更に、麻倉の不知火の近くには、頭や左腕を機械化した青い恐竜のような怪物が降り立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――熱きデジモンテイマー達による、世界を救うありふれた物語であるっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ! ドルグレモン!!」

 

「ああ! 大士!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               Muv-Luv

               Re:DIGITERNATIVE

 

 

 

 

 

 

 






はい、マブラヴオルタネイティヴのクロスこと、マブラヴ リ:デジタネイティヴ編のスタートです。
この武ちゃんは3週目です。
オマケに夕呼先生と霞まで付いてきました。
プロローグから思いっきり時間をすっ飛ばしましたが、これ真面目に書いてると大士達が出てくるまで2カ月ぐらいかかりそうだったので、それは自分が我慢できないので大幅にすっ飛ばさせていただきました。
戦闘シーンも雑なのは、まあ、プロローグなのでご愛敬って事で(爆)
とりあえず次回は何故大士達がオルタネイティヴ世界に来ることになったのかになります。
お楽しみに。
因みにReを章タイトルに付けた理由は、理想郷に投稿した自分の本当の処女作であり、叩かれまくって半日で挫折したマブラヴとデジモンのクロス、マブラヴデジタネイティヴのリベンジの意味も含めているからです。
あと、ちょっとおふざけのアンケートをします。
余程の事が無い限り、本編には影響が無い……………はず。




遊び半分でお聞きします。この章のラストは?

  • もちろん武ちゃんハーレムエンド
  • サブヒロイン位大士とハジメに……
  • 純夏と霞以外大士とハジメでいいんじゃ?
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