ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第1話 上級神様からの依頼

 

 

 

リジアルから戻ってきて、また暫くの時が流れた。

そして今日は…………

 

「卒業、おめでとう。大士!」

 

タカトからそう言われる俺。

今日は、俺達トータスに召喚されたクラスメイト達の卒業式だ。

約1年トータスに召喚されていたので、本来同級生であるタカト達とは1年遅れの卒業となる。

俺はその後も異世界行きまくってるから、学校で過ごした時間は他の皆よりははるかに少ないが。

それでも卒業できたのは、ハジメが手を回してくれたのと、後は学校側の、問題児をこれ以上置いておきたくないという思惑もあったのだろう。

進学や就職活動もまともに出来なかったわけだが、恋人が11人居る身でまともな仕事で養っていけるわけが無いので、山木さん経由で政府御用達の何でも屋をやる事になっていたりする。

そして今日無事(?)に卒業を迎える事が出来たわけだが、俺やハジメの恋人&娘達を始めとして、タカトやジェン、ルキ、リョウの都合の付く知り合いが卒業祝いに集まってくれた。

 

「ありがとう、タカト。それに皆」

 

俺は皆にお礼を言う。

リジアルから戻って来た時、新しく恋人を6人も増やしてきた俺に皆はドン引いたが、今では慣れたものだ。

因みにハジメの両親が、カンナやクオン、シュヴァリアを見た時、

 

『『狐耳尻尾と女魔王サキュバスキターーーーーーー!!』』

 

と叫んだのは言うまでもない。

卒業式を終え、世話になった母校を後にしようとする俺達。

家族は先に帰っており、この後は、仲間内で卒業パーティーを開く予定だ。

もちろんデジモン達も一緒に。

俺達が談笑しながら校門を出ようとした時だった。

 

「……………ッ!?」

 

それは突然だった。

突如として、街の喧騒が静まり返る。

突然の異変に、俺を含めた仲間達は、即座に警戒態勢に入った。

 

「これは…………」

 

ハジメが警戒しながら辺りを伺う。

すると、空中で静止している鳥や、動いていない時計が目に入った。

 

「時間が………止まっている………?」

 

俺はそう推測を立てた。

すると、

 

「………こ、この『神力』は………!」

 

隣にいた葵が驚愕の表情で空を見上げる。

その瞬間、天から光の柱が俺達の前に降り注いだ。

その光景は、俺にはとても見覚えのあるモノだった。

 

「これって前にも……! まさか!?」

 

優花も同じことを思ったのか、驚愕の声を上げる。

 

「あ………ああっ…………!」

 

「こ、この気配は…………!」

 

聖女と巫女であるエミリアとカトレアは、その『存在』を強く感じているのか、畏怖の声を漏らす。

すると、葵が駆け出しながらアルオイスの姿へと『神化』し、光の柱の前に駆け寄ると、その場で跪いた。

すると、その光の柱が徐々に狭まっていき、消えると同時にその柱の中に居た『存在』が露になった。

それは銀髪に白い翼を持った女神。

 

「お久しぶりです! 上級神様!」

 

アルオイスがそう告げる。

そこに居たのは紛れもなく上級神様だった。

目を瞑っていた上級神様は、ゆっくり目を開くとアルオイスと、そして俺達を見回す。

 

「お久しぶりです、アルオイス。それに皆さん。それと、初めて会う方々には初めましてですね」

 

上級神様はそう告げる。

 

「あ、あ……あの方は一体………?」

 

上級神様を直に見て、その存在感を感じ取ったのか、クラウディアが畏怖する。

 

「あの方は『運命』の上級神様。アルオイスやデニティスを始めとした『運命神』達を束ねる御方だ。そして、俺を転生させてくれた方でもあるな」

 

「運命神を束ねる…………」

 

その事実にアリスは声を漏らす。

すると、

 

「まずは皆さん、ご卒業おめでとうございます。これからも、自分の『運命』を切り開くのは自分であることを忘れぬように」

 

「あ、ありがとうございます………!」

 

なんか上級神様から卒業祝いのお言葉を貰ってしまったんだが!?

 

「…………で? その上級神様が一体何の用だ? 態々卒業祝いを述べる為にやって来た訳じゃねえんだろ?」

 

ハジメがいつもの態度でそう問いかけた。

初めて上級神様を見た時は、ハジメも畏怖を感じていたが、2度目の今回で多少は慣れたのか?

因みに俺は、上級神様には多大な恩があり、素で敬うお方だと思っているのでこういう口調だ。

ハジメの言葉に、上級神様は僅かに苦笑する。

 

「……………今回は、あなた方に依頼したい事があり、こうして姿を現しました」

 

「はいっ………! 何なりと!」

 

アルオイスは即答する。

 

「…………まず、この世界を含めた多くの世界に、滅びの危機が迫っています」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

上級神様から出てきた突然の言葉に、俺達は驚愕した。

 

「な、何故っ……!?」

 

アルオイスが問い返す。

 

「原因はとある世界の1つ…………その世界で、ある時を起点に同じ『時』が繰り返されているのです」

 

「ッ…………!? 同じ『時』の繰り返し!? そんな事をすれば………!」

 

上級神様の言葉に、アルオイスは何かを察したように驚きの声を上げる。

 

「はい、同じ『時』の中でも無限とも言える『平行世界』が生まれます。正常に時が流れれば何も問題ありませんが、同じ『時』が繰り返されてしまえば、繰り返す度にその『時』から同じ数だけの『平行世界』が生まれてしまいます。数回程度なら許容範囲内ですが、それが数十回、数百回と繰り返されてしまうと、何れその『時』に『存在できる世界の数』を超えてしまうでしょう。そうなれば…………」

 

「世界を保つための修正力が働き、その原因となった世界と、その周囲の世界が『消滅』してしまう…………」

 

その言葉に、俺達は絶句する。

 

「はい。そして、問題なのが、その原因が下界の子にあるという事なのです」

 

上級神様の言葉に俺達は首を傾げる。

 

「本来、その様な事が起こりえる原因は、『邪神』や『悪魔』と言った『冥界』に属する者達が関わっている事が殆どなのです。そのような場合、我々『天界』の住人である『神』や『天使』が手を下す事が許されています。ですが、今回のケースは、原因の全てが下界の子が引き起こしている事なのです。なので、我々『天界』の者には手が出せません」

 

神の掟と言う奴か。

 

「でも、下界の子にそんな力がある筈が…………」

 

「確かに普通の子であったなら不可能です。ですがその者は、アルオイス、あなたに匹敵するほどの『神の資質』を持つ者だったのです」

 

「神の資質…………」

 

「いくら神の資質を持っていようと、その力が生きている間に発現する事などまずありません。ですが、その者が持っていた強い想い。そして、その世界で起こった『悲劇』と『偶然』が引き金となり、無意識下で『神力』が発動し、その者が慕っていた男性の因子を周辺の平行世界から集めて『因果導体』として、『時の牢獄』………つまり、同じ『時』のループに閉じ込めてしまったのです」

 

俺はその言葉を聞いてハッとした。

 

「『因果導体』に『時』のループ…………何か聞き覚えが…………」

 

俺はそう口にする。

上級神様は俺を見ると、

 

「そうですね。大士さんには、『マブラヴオルタネイティヴ』の世界と言えば分かり易いでしょうか」

 

その言葉で、俺は前世でやった事のあるゲームを思い出した。

 

「あ~、あのゲームの世界か…………」

 

正直あのゲームはトラウマものだ。

BETAと呼ばれる地球外生命体は見た目からしてグロいし、国同士のドロドロとした暗躍がそこら中にあるし、主人公の恩師がBETAに頭を食われて殺される描写がハッキリと描かれてるし。挙句の果てにサブキャラどころかヒロイン全員死ぬし。

美少女ゲームの18禁ゲームだが、これは別の意味での18禁だろうと当時は思ったものだ。

製作チームはプレイヤーの心を殺しに来てるのか?

つーか、あんなものを美少女ゲームとして出すなと俺は言いたい。

まあ、美少女ゲームなだけあって、出てくるキャラはほぼ全員美人美男キャラばかりだが。

 

「どんなゲームなんだ?」

 

ハジメが俺に聞いてくる。

 

「簡単に言えば、地球外生命体に侵略されて、人類滅亡まで10年と言われていたのを、自分の大切なものすべてと引き換えに、残り30年まで引き延ばした『英雄』の物語だな」

 

「…………そいつは確かに『英雄』だな」

 

言葉ではそう言うが、全く共感できないと言わんばかりの態度でハジメは言う。

でも、そこで俺は、ん?と思った。

 

「ですが上級神様。最終的にその英雄………『白銀 武』は因果導体から解放されたのでは?」

 

そう質問する。

 

「………………確かに『鑑 純夏』と『白銀 武』が結ばれ、『白銀 武』は因果導体から解放されました」

 

「だったら………」

 

「ですがそれは、『鑑 純夏を原因とした因果導体』からの解放でしかなかったのです」

 

「鑑 純夏が原因の因果導体………?」

 

その意味を理解できなかった俺は聞き返す。

 

「……………『白銀 武』の周囲には、鑑 純夏以外にも、鑑 純夏程でないにしろ、神の資質を持つ者が5人集まっていたのです。本来、神の資質を持つ者は、1つの世界の始まりから終わりまでに、1人現れるかどうかという確率です。それが同じ世界、同じ時に6人同時に現れるなど、限りなくゼロに近い確率だったのですが………1人1人では白銀 武を因果導体に出来なくとも、その全員が同じ強い想いと未練を持っていたが故に、再び白銀 武を因果導体として同じ時をループさせたのです」

 

「もしかして、その5人って言うのは…………」

 

「お察しの通り、御剣 冥夜、榊 千鶴、珠瀬 壬姫、彩峰 慧、鎧衣 美琴の5人です。資質としては、鑑 純夏を上とするなら、御剣 冥夜が中、他の4人が下と言った所でしょうか」

 

「…………白銀 武に惚れた6人が全員神の資質持ちって…………」

 

恋愛原子核って、本当は女神ホイホイだったんじゃねーのか?

わりかしマジでそう思う。

 

「つまり現状、白銀 武が鑑 純夏と結ばれればそれ以外の5人によって………5人の誰かと結ばれれば、鑑 純夏によって白銀 武が因果導体にされてしまう無限ループに陥っていると………」

 

「はい。神の資質を持つ者が原因とは言え、あくまで下界の子が起こしている事態なので、『神』には手出しする事が出来ないのです」

 

「それで、俺達に依頼したい事とはつまり…………」

 

「はい。その世界へ行き、原因を解決していただきたいのです。こうやって下界の子に依頼する事も、掟に触れるギリギリのグレーゾーンなのですが…………神の関係者であるアルオイスが居るので、こうやって姿を現す事が出来ました」

 

上級神様も、結構危ない橋を渡ったようだ。

 

「そうなると、その依頼の成功条件は、確実性を踏まえて白銀 武、鑑 純夏、御剣 冥夜、榊 千鶴、珠瀬 壬姫、彩峰 慧、鎧衣 美琴の7人を死なせない上で誰も後悔しない終わり方をしなければならないと…………一言で言えば、白銀 武のハーレムエンドを目指せって事か…………」

 

ある意味地球上のBETAを全滅させるより面倒くさいかもしれない。

BETAのハイヴ位ならドルゴラモンの一撃で吹っ飛ばせるだろうし。

 

「白銀 武だけとは限りませんけどね……………」

 

なんか上級神様が呟いたようだがよく聞き取れなかった。

 

「まあ、この世界も滅ぶとなれば、ほっとく訳にもいかないか…………分かりました。その依頼、お受けします」

 

俺は上級神様にそう言う。

 

「ありがとうございます。どうか、よろしくお願いします」

 

上級神様はそう言うと、再び光の柱が現れて、その光と共に天へ戻っていった。

その直後、周辺が時間の流れを取り戻す。

 

「さて………」

 

俺はハジメに振り返り、

 

「そう言う訳だからハジメ。その世界に送ってくれ」

 

そう口にする。

すると、ハジメは軽く溜息を吐き、

 

「………お前、また自分達だけで行こうとしてるだろ?」

 

「ッ……………」

 

俺はその言葉に言葉を詰まらせる。

その反応を見て、更に呆れたように溜息を吐くと、

 

「俺としては、『仲間』を頼ってくれた方が嬉しいんだがな?」

 

「いや、でも………」

 

ハジメは自分の大切優先で、他の世界のゴタゴタには首を突っ込みたがらない筈。

この世界が滅亡に巻き込まれるとしても、俺が行って何とかするつもりだから、最終的にハジメが首を突っ込む必要は無い筈だ。

 

「お前が何を考えてるのか大体は予想がつく。確かに俺は赤の他人の奴らが何処で何しようとどうでもいいし、そいつらが世界の滅亡を何とかしてくれるならそいつらに任せる…………けどな」

 

ハジメは俺の肩に手を置くと、

 

「『仲間』がそんな事に巻き込まれることになって、黙って見ているほど俺は薄情じゃねえぞ?」

 

「ハジメ…………」

 

「大士………お前は俺のダチで『大切な仲間』だ。そんなお前を放っておけるわけないだろ」

 

「……………ありがとよ」

 

俺はハジメに感謝する。

 

「もちろん、僕達もだよ!」

 

タカトがそう言う。

 

「よくわからないけど、大士はまた大変な異世界に行こうとしてるんでしょ? だったら、僕達も協力するよ!」

 

「タカトがやるなら、ギルモンも頑張るよ」

 

タカトとギルモンが、

 

「うん。それに、沢山の世界の命運がかかってるなら、放っておくわけにはいかないよ」

 

「無問題」

 

ジェンとテリアモンが、

 

「ま、放っておくわけにもいかないでしょ?」

 

「そうだな」

 

ルキとレナモンが、

 

「そんな事を聞いて、黙っていられるわけ無いさ!」

 

「暴れるぞー!」

 

リョウとモノドラモンもそう言う。

しかし、

 

「あ~………気持ちは嬉しいが、タカト達には正直お勧めしない」

 

俺はそう言った。

いや、本当に気持ちは嬉しいんだが。

 

「何で!?」

 

タカトが思わず問い返してくる。

 

「簡単に言うとな………その世界はエグい」

 

「エグい?」

 

ジェンが首を傾げる。

 

「地球外生命体に侵略されてるだけあって、人類は滅亡寸前。その侵略してくる地球外生命体………BETAって言うんだが、そのBETAも見た目からしてグロい。しかも生き物だから、切ったり潰したりすれば、普通に血や肉が飛び散る」

 

厳密に言えば、BETAは生命体では無いわけだが。

 

「しかも人間達に全く容赦が無い。人死を見る事があるかもしれないし、命の危険だってもちろんある。さらに言えば、そんな人類滅亡カウントダウンに入っているにも関わらず、その世界の人間達は、自分の国の利権やら何やらで暗躍しまくり。互いの足を引っ張りまくる始末。見たくも無い人の闇を見せつけられることもあるだろう。俺達は慣れてるから別に良いが、タカト達にはキツイだろ?」

 

正直、俺はタカト達には純粋なヒーローでいて貰いたい。

そんな世界に連れて行きたくは無いのだ。

すると、

 

「…………大士が僕達を心配してくれてることは分かった。だけど、僕達も大士の事が心配なんだ。そんな世界に、大士達だけを行かせて、黙って見ているわけには行かない!」

 

タカトはハッキリとそう言う。

 

「……………ホント、お前はカッコいい主人公だよ…………」

 

それでこそ、俺が憧れたデジモンの主人公の1人と言うべきだが。

 

「わかった………ただ、これだけは約束して欲しい。絶対に単独行動は取らない事。俺達の戦闘が可能な仲間の誰か………最悪でも、パートナーデジモンと離れて行動する事だけは避けて欲しい」

 

最悪の状況でも自分のパートナーがいれば、究極進化で如何にかなるだろう。

 

「わかった」

 

タカトを筆頭に、4人が頷く。

 

「それでタイシ。その世界の事をなるべく教えて欲しい」

 

「ああ。正直、記憶が朧気だから、何処まで信用できるか分からないけど………」

 

俺は、覚えている限りの事を話した。

 

 

 

 

「二足歩行の巨大ロボットォ!?」

 

ハジメが興奮した面持ちで叫ぶ。

その世界に戦術機………戦術歩行戦闘機と呼ばれる18m級の二足歩行機動兵器がある事を告げると、ハジメの目の色が変わった。

 

「性能は!? 性能はどの位だ!?」

 

「俺の独断と偏見と自分勝手な予想だが、贔屓目に見ても性能的にはガ〇ダムに出てくるザ〇より下じゃねえか? それも、装甲や出力、火力なんかは圧倒的に下回ってるだろうし、上回るのは運動性能位だと思ってるが………開発されたのがあの世界の時代で20世紀だしな………技術面の問題もあるし」

 

俺は自分の勝手な予想を口にする。

 

「そんなもんか…………いや、逆に考えればそれだけ改良の余地があると言う事だ!」

 

なんかハジメが既に魔改造する気満々なんだが…………

 

「あ、魔改造するんだったら俺の分も頼む」

 

とか思っときながら、俺もその考えに便乗するのだった。

 

 

 

 

 

そしてその後、家族に報告をして、また暫く家を空けると告げ、異世界に行くメンバーが集まった。

そのメンバーは、俺とドルモン、葵とリュウダモン、優花とハックモン、シャルロットとディアナモン、カトレアとヴァロドゥルモン、ティファニア、アリスとエクスブイモン、エリスとスティングモン、エミリアとウォーグレイモン、クラウディアとメタルガルルモン、カンナとミタマモン、クオンとシスタモン姉妹、シュヴァリアとブラックウォーグレイモンとブラックメタルガルルモン。

更にハジメとアグモン(黒)、白崎さんとガブモン、ユエとブイモン、シアとクダモン、ティオとドラコモン、八重樫さんとコテモン、ミュウとベルフェモン、ミュウの保護者としてレミアさんに、食糧問題解決の為に愛子先生。

そしてタカトとギルモン、ジェンとテリアモン、ルキとレナモン、リョウとモノドラモン。

あと遠藤とファルコモンも。

物凄い豪勢なメンバーとなった。

BETAの最大の脅威はその数だ。

普段の侵攻で数千から数万。

ハイヴに至っては十万~数十万にも上る数のBETAが存在する。

正に『数』こそ『力』と言わんばかりの物量だ。

圧倒的な『数』の前に、個の『質』がいくら高かろうと無意味。

それが世の常識だ。

だが、ここにいるメンバーは、その『常識』を覆す圧倒的な『質』を持った『力』を持つ者ばかりだ。

常識外れの『質』の前には、圧倒的な『数』も無意味。

それを見せてやろう。

俺達は、導越の羅針盤で『白銀 武』を指し示し、クリスタルキーでゲートを作り出した。

 

 

 

 

 

 

ゲートを潜った先に見えたのは、草木が生えていない丘の上だった。

 

「あれ………? 白銀 武の場所から少し離れた位置を指定したけど、何でこんな場所? てっきり横浜基地の近くに出ると思ったんだが………」

 

俺は辺りを見渡す。

すると、ドォンと爆発音が聞こえた。

 

「な、何ッ!?」

 

タカトが驚く。

見れば、遠くに海岸が見え、そこのあちらこちらから黒い煙が上がっている。

戦術機と思われるロボットが、BETAと思われる巨大生物群と戦闘を繰り広げていた。

 

「戦闘してる!」

 

ジェンが叫ぶ。

 

「あれがBETAって奴? 思った以上に気色悪いわね………」

 

ルキが嫌悪感を露にする。

 

「どうするんだ? 大士!」

 

リョウが問いかけてくる。

 

「…………ハジメ、白銀 武の位置は?」

 

ハジメは導越の羅針盤を見ると、

 

「あっちだな」

 

海岸から少し外れた方向を指差す。

 

「ふむ…………」

 

俺は腕を組んで少し考え、

 

「今日はおそらく新潟のBETA侵攻の日………再びループした白銀 武も何らかの理由で着いて来てると言う事か?」

 

俺はそう予測を立てる。

俺は皆の様子を見る。

女性陣は、助けに入りたくてうずうずしているように思えた。

 

「……………一先ず、白銀 武と接触するにしても、この状況を片付けるのが先か…………」

 

それはそう呟くと、

 

「よし! 事前の打ち合わせ通り、カトレアのヴァロドゥルモンが空中で光線級を引きつけ、その間に他のメンバーで攻め込む! そして必ず完全体以上で戦え! ドルグレモンやメタルグレイモンと言った大型のデジモンでBETAを殲滅し、ワーガルルモンやセイバーハックモン等の、小型のデジモンは負傷兵の救出だ!」

 

「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」

 

俺達は、BETA殲滅の為に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

 

『クッソー! 死ね! 死ねーー!!』

 

帝国軍の戦術機部隊が、海から上陸してくるBETAの群れに攻撃を続ける。

 

『ここは俺達の国だ! 土足で上がり込んでくるな!』

 

衛士の1人が勇ましく叫びながら36mm突撃砲を連射する。

しかしその瞬間、レーザーによってコックピットが撃ち抜かれる。

 

『光線級を確認!? 拙いぞ! 遮蔽物に身を隠せ!』

 

『そ、そんな事言っても………こんな場所じゃ隠れる所なんて………!』

 

『突撃級来ます!!』

 

突撃級が、横並びでまるで壁のように迫って来る。

戦術機部隊が36mm突撃砲で攻撃するが、ダイヤモンド以上の硬度を誇る装甲殻の前には効果は薄かった。

 

『う、うわぁああああああああああっ!!』

 

衛士の1人が恐怖に耐えきれず、突撃級から逃げようと跳躍した。

 

『バカッ! 跳ぶな!!』

 

次の瞬間、その跳び上がった戦術機は、閃光に撃ち抜かれて爆散した。

 

『クソォ!!』

 

悔しさを滲ませながら、その部隊の隊長は攻撃を続ける。

 

『隊長! 私が突貫して光線級を片付けます!!』

 

『駄目だ! 部下を無駄死にさせるわけにはいかん!』

 

『ですがこのままでは………!』

 

迫りくるBETA群。

全滅も時間の問題。

そう思われた。

その時、だった。

突如として戦場の光線級全てが空へ向かってレーザーを放ち始めたのだ。

それも1発どころか何発も。

 

『何だ……? 支援砲撃でも来たのか?』

 

隊長は思わず振り返りながら空を見上げる。

だが、その目には信じられないものが映った。

 

『な……何だあれは…………光る………鳥………』

 

それは、空を6枚の翼で羽ばたく光に包まれた巨鳥ヴァロドゥルモン。

飛翔体を優先的に攻撃する光線級は、その特性に従いヴァロドゥルモンにレーザーを放つ。

だが、

 

『レーザーを光が弾いてる………!?』

 

『何だあれは………?』

 

ヴァロドゥルモンの纏う光、パージシャインの前に、レーザーなどは全くの無意味だった。

 

『ハッ!? いかん! 前だ!』

 

『えっ? きゃぁああああああああああっ!?』

 

目前まで迫っていた突撃級に気付くのが遅れ、戦術機の1機が弾き飛ばされる。

弾き飛ばされて倒れた戦術機に向かって再び突撃級が迫って来る。

 

『あ………だれか………助け………!』

 

その戦術機が突撃級に踏みつぶされようとした瞬間、

 

「「エスグリーマ―!!」」

 

高速で突っ込んできた竜人、パイルドラモンが、腕に備えられているスパイクで突撃級を正面から貫き、串刺しにした。

パイルドラモンは串刺しにした突撃級を腕を振って振り払うと、

 

「「デスペラードブラスター!!」」

 

腰に備えられている生体砲でエネルギー弾を連射する。

それは、突撃級の頑丈な装甲殻を正面から貫き、吹き飛ばしていく。

 

『なっ!? 突撃級を正面から軽々と………!?』

 

驚愕の声を漏らす隊長。

 

『い、今のうちに脱出を………!』

 

倒された戦術機の衛士は、ここぞとばかりに脱出装置を起動させようとする。

 

『ハッ! バカ! 今は止せ!!』

 

隊長が止めようとしたが、その制止を無視して女性衛士は脱出装置を機動。

機体外へ飛び出す。

脱出した女性衛士はホッと息を吐くが、

 

『馬鹿者! 油断するな!』

 

「え………?」

 

隊長の怒声が響く。

女性衛士が顔を上げると、周辺には複数の兵士級や闘士級の小型BETAがうろついていたのだ。

そして当然、対人探知能力の高い兵士級がそんな女性衛士に気付かない筈が無かった。

グリンと顔を女性衛士へ向ける。

 

「ひっ………!」

 

その顔に恐怖を覚えた女性衛士は悲鳴を漏らす。

すると、他の兵士級や闘士級も女性衛士に気付き、向かって来た。

 

「い、いやぁあああああああああああああああああっ!?!?!?」

 

女性衛士は悲鳴を上げながら一目散に逃げだす。

 

「た、助けて! 早く助けて!!」

 

泣きながら助けを乞う女性衛士。

しかし、

 

『くっ……! 近すぎる………!』

 

戦術機の攻撃では、女性衛士まで巻き込んでしまうため、手を出しあぐねていた。

女性衛士と小型BETAの距離はグングン縮まっている。

掴まって食い殺されるのも時間の問題だろう。

 

『……………許せよ』

 

隊長は36mm突撃砲を向ける。

このまま生きたままBETAに食われるより、一思いに殺した方が女性衛士の為だと思ったのだ。

 

「あっ!?」

 

その時、女性衛士が躓いて転んでしまう。

そんな女性衛士に殺到する兵士級。

 

「お願い! 助けてぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

女性衛士の悲鳴。

隊長は、引き金を引く為のスイッチに指を掛け…………

次の瞬間、女性衛士を掴もうとしていた兵士級がバラバラになった。

 

『なっ!?』

 

驚愕の声を漏らす隊長。

 

「えっ………?」

 

その女性衛士は呆けた声を漏らした。

その女性衛士が見上げたその瞳に映ったのは、風に靡く黒髪のポニーテール。

凛々しい切れ目に整った容姿。

その手に持つのは黒い鞘に納められた刀。

まるで女侍と言わんばかりの容姿を持つ女性だった。

 

「あ………あなたは…………」

 

その女性衛士が問いかけた瞬間、残りの兵士級や闘士級が迫って来る。

すると、

 

「動かないで………!」

 

その女性、雫はそう告げると、鞘に納められた黒刀に手を掛ける。

抜刀の構えで目を伏せる雫に殺到してくるBETA。

だが次の瞬間、

 

「はぁああああああああっ!!」

 

一瞬で無数の銀閃が奔る。

雫が再び鞘に黒刀を納めた時、殺到したBETAは全てバラバラに切り裂かれていた。

 

「あ………ああ…………」

 

呆けている女性衛士に対し、

 

「大丈夫だった?」

 

そう優しく声を掛け、手を差し伸べる雫。

 

「は、はい………」

 

その女性衛士は、顔を赤らめながらその手に自分の手を重ねた。

 

『な、何者だ……? あの女………?』

 

呆ける隊長。

だが、

 

『はっ!? しまった! 要撃級が!』

 

雫達に向かって要撃級が近付いている事に気付く隊長。

しかし、雫はそれを見ても慌てず、

 

「ナイトモン!」

 

そう叫んだ。

次の瞬間、

 

「ベルセルクソード!!」

 

重厚な鎧を纏った騎士型のデジモン、ナイトモンが大剣を振り被って降下してきた。

そのまま要撃級が真っ二つにされる。

更には、

 

「Vウイングブレード!!」

 

空中から青いV字の光線が飛んできてBETA群に着弾。

大きく吹き飛ばす。

見れば、エアロブイドラモンが飛び回りながらBETAに攻撃していた。

 

 

 

また別の場所では、

 

「ぎゃぁあああああああああああっ!?!?」

 

戦車級によって、また一人の衛士が無残にも食い殺される。

 

『おのれ! BETA!』

 

仲間の衛士は仇を討とうと36mm突撃砲を向けた時、引き金を引くよりも早くその戦車級が弾け飛んだ。

すると、そこに降り立つのはくノ一の様な服装をした女性、優花が降り立つ。

優花は、たった今無残に食い殺された遺体の一部を躊躇なく掴む。

すると、その遺体が光に包まれたかと思うと、次の瞬間には食い殺されたはずの衛士が元通りの姿でそこに居た。

 

「え………?」

 

その衛士自身も何が起きたのか理解していなかったが、

 

「邪魔だからどっか行ってなさい!」

 

優花に無造作に放り投げられた。

 

「おわぁっ!?」

 

その衛士は悲鳴を上げたが、その落下地点に陰陽師の様な恰好をしたタオモンが結界を張っており、その結界内に落下する。

 

「次行くわよ」

 

「心得た」

 

優花がそう言うとタオモンが後を追う。

そんな優花達に戦車級迫ってくるが、

 

「トライデントセイバー!!」

 

優花を護るセイバーハックモンによって近付く間もなく切り裂かれていた。

すると、ズズンと重そうな音がした。

 

『要塞級…………!』

 

BETAの中で、一番耐久力があるだろう大型BETA。

だが、

 

「アトミックブラスター!!」

 

一番耐久力がある筈の要塞級が、飛来した赤い閃光の一撃で消し飛ばされた。

それだけではなく、その射線軸上に居た全てのBETA、物質が消し飛ばされている。

その閃光の大本には赤い機械竜メガログラウモンが存在していた。

 

『…………俺は………夢でも見てるのか………?』

 

そんな事を隊長は呟いた。

他の戦場でも、同じように信じられないことが続いていた。

 

「成龍刃!!」

 

いきなり現れた鎧を纏った龍が巨大な剣になったかと思うと、要塞級を次々に串刺しにしていったり、

 

「カイザーネイル!!」

 

蒼い狼男が、BETAを切り裂きながら戦場を駆けまわり、

 

「大丈夫ですか?」

 

その狼男と共に行動する女性が、殺された衛士を生き返らせたり傷を癒したり、

 

「当たらないよ~! ラピッドファイア!!」

 

緑色のウサギの様な形をした戦術機(?)が悠々とレーザーを躱しながらミサイルであっという間に光線級と重光線級を殲滅したり、

 

「アローオブアルテミス!!」

 

3m程の人型が放ったはずの氷の矢が、戦場の端から端まで貫いたり、

 

「イレイズクロー!!」

 

翼を持った黒い人型が、BETAを惨殺しながら戦場を駆けまわったり、

 

「ブレイズソニックブレス!!」

 

青い竜が音速を遥かに超える速度で飛び回り、青い炎でBETAを焼き尽くしたり、

 

「我が竜の炎! 受けるがいい!!」

 

黒竜が吐き出す炎でBETAを焼き払ったり、

 

「灰燼雷瞳!!」

 

何故かしめ縄を纏った胴の長い動物が目から雷を放ってBETAを消し飛ばしたり、

 

「ブレスファイア!!」

 

「白殺!!」

 

「ディバインピース!!」

 

何処からどう見ても年端も行かない少女達が小型BETAを圧倒していたり、

 

「マッドネスメリーゴーランドDX!!」

 

抜群のプロポーションを持つ女性が大剣を振り回してBETAを切り刻んでいたり、

 

「疾風天翔剣!!」

 

伝説の幻獣麒麟の様な姿をしたものが、頭の角で重光線級を貫いていたり、

 

「ヴミャァ~~~~~~~~~~~~~~ゴ!!!」

 

何処からともなく、猫のいびきの様な音が聞こえたと思ったら、複数の大型BETAが吹っ飛んでいたり、

 

『俺は見たんだ! 三本足の大きな烏が飛んでいるのを! あれはきっと神話に出てくる八咫烏だ!!』

 

三本足の烏を目撃したという衛士が僅かに出ていたり、

 

「グレイスクロスフリーザー!!」

 

蒼い機械の狼が放った、無数のミサイルが、海を氷漬けにしたり、

 

「ガイアフォース!!」

 

黄金の鎧を纏った竜人が、黄金のエネルギー球で大半のBETAを消し飛ばしたりしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とドルグレモンは、シュヴァリア、ブラックウォーグレイモン、ブラックメタルガルルモン、ハジメ、メタルグレイモンと共に、白銀 武のいる方へ向かっていた。

そこでは、10機程の戦術機がBETAの大軍に押されていた。

 

「この部隊はもしかして………A-01部隊か?」

 

俺がそう呟くと、戦術機の1機が要撃級の一撃を躱し損ね、吹き飛ばされて倒された。

しかもその近くに、要塞級が近付いてきた。

 

「ッ! 拙い!」

 

あのままでは串刺しにされる。

そう思った時、もう1機の戦術機が突撃級の突進を躱し損ねて吹き飛ばされ、戦車級に群がられていた。

俺はそれを見ると、

 

「ハジメ! あっちは任せる!」

 

即座に戦車級の方をハジメに任せた。

俺はドルグレモンの背中から頭に飛び乗ると、

 

「ドルグレモン! 俺を要塞級に向かって投げつけろ!!」

 

「分かった!!」

 

ドルグレモンは首をしならせると、勢い良く俺を振り回し、俺はタイミングを取ってその頭を蹴った。

ドルグレモンのパワーとデジソウルで強化された脚力が合わさってすさまじいスピードで要塞級に向かって飛ぶ。

俺が拳にデジソウルを宿し、

 

「………ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおっ…………らあっ!!!」

 

要塞級を横っ面から殴りつけた。

要塞級は大きく傾いてそのまま横倒しに転倒する。

 

「……………死ね!」

 

戦車級に群がられていた方も、ハジメがお得意のドンナー、シュラークによるレールガンで全てを吹き飛ばしていた。

少し遅れて、ドルグレモンとメタルグレイモンが俺達の近くに着地する。

 

「行くぞ! ドルグレモン!」

 

「ああ! 大士!!」

 

俺の言葉にドルグレモンは勇ましく応える。

俺はBETAを指差し、

 

「ぶっ放せ!!」

 

「メタルメテオ!!」

 

ドルグレモンは直径200m程の巨大な鉄球を出現させ、それをBETA群に向けて飛ばした。

直径200mの巨大超質量は、ダイヤモンドより硬い装甲殻だろうが、50mもある巨体だろうが、関係無く圧し潰していく。

更に、

 

「ギガデストロイヤー!!」

 

メタルグレイモンの胸のハッチから放たれる有機体系ミサイルは、核弾頭に匹敵する威力を秘めており、それがBETA群のど真ん中で着弾。

数百体を超えるBETAを吹き飛ばした。

 

「さてと…………おーい! 生きてるかー!?」

 

俺は戦術機のコックピットらしき場所に呼びかける。

すると、

 

『えっ……? えっと………私は大丈夫だけど、機体が動かなくて………』

 

どうやらさっきの一撃で壊れたっぽいな。

 

「出て来れるか?」

 

『えっと…………』

 

そう声がした時、ガシュッとハッチが開きそうになったが途中で止まる。

 

『ダメみたい………フレームが歪んで脱出装置が働かない』

 

脱出装置も壊れたか。

 

「仕方ない………」

 

俺はデジソウルを纏って身体能力を上げると、

 

「フンッ!」

 

ハッチの隙間に指を掛け、力尽くで抉じ開ける。

 

「わあぁ……………」

 

ハッチの中から、呆けた声が聞こえた。

その中に居たのは、青髪で短めの髪をした少女。

 

「大丈夫か?」

 

俺はその少女に手を差し伸べた。

 

「う、うん………」

 

その少女は少し躊躇しながらも俺の手を取った。

俺はそのままコックピット内からその少女を引っ張り上げる。

だが、

 

「うおっ!?」

 

引っ張り上げた俺は思わずその少女から顔を逸らした。

何故なら、その少女が来ていた服は、色が濃いとはいえ、体形が良く分かるピッタリスーツに近いものだったのだ。

 

「わ、忘れてた………そう言えばこの世界のパイロットスーツはこんなんだった…………こういう所はエロゲだな…………」

 

俺は肝心な事を忘れるなと自分に言いたくなった。

 

「どうしたの?」

 

俺の様子が気になったのか、訪ねて来る少女。

 

「いや、何でも………」

 

その時、

 

「タイシ、今更お前が何人女を口説こうと驚きはしないが、恋人の前で口説くのは感心せんな」

 

シュヴァリアが自分の羽で空中に浮きながら話しかけてきた。

 

「何で口説いてることになってるんだよ?」

 

俺はシュヴァリアの言葉に呆れる。

すると、

 

「な、何で空飛んで………!? つ、翼……!?」

 

少女がシュヴァリアの翼を見て狼狽えていた。

ああ、普通に考えれば翼があって空を飛ぶ人間なんて居るわけないな。

 

「まあ、話は後だ。シュヴァリア、頼む!」

 

「フッ……任されよう! ブラックウォーグレイモン! ブラックメタルガルルモン!」

 

シュヴァリアの言葉で、俺達の前にブラックウォーグレイモンとブラックメタルガルルモンの2体が勢いよく着地する。

 

「存分に暴れるがいい! ただし、そこのからくり人形たちは巻き込むなよ!」

 

「「おおっ!」」

 

その言葉で2体が飛び立つと、

 

「グレイスクロスフリーザー!!」

 

ブラックメタルガルルモンが全武装を展開。

無数のミサイルを放ち、片っ端からBETAを氷漬けにしていく。

 

「こ、凍ってる………!?」

 

少女が驚きの声を漏らす。

更に、

 

「ブラックトルネード!!」

 

ブラックウォーグレイモンが黒い竜巻と化し、辺りのBETAを巻き込んで引き裂いていく。

 

「く、黒い竜巻っ………!?」

 

あれ程自分達を苦しめたBETAがゴミのように引き裂かれているのを見て、現実感を無くしているのか、

 

「な、何これ………私……夢でも見てるの………?」

 

「生憎現実なんだな、これが」

 

俺はわざと軽い口調で言ってみる。

 

「おい大士、討ち漏らしが来るぞ」

 

いつの間にかこっちに来たハジメがそう言ってくる。

因みにその左手には、茶髪の少女が首根っこを掴まれてぶら下げられていた。

 

「ま、麻倉っ!?」

 

「きゅう~~~」

 

その茶髪の少女は目を回していた。

多分ハジメの事だから、コックピットからその少女を引っ張り出して、首根っこ掴んだままこっちに〝空力〟使って跳んできたんだろうな。

その時の動きに耐えきれずその少女は目を回したと。

そうこう言っている間に、青髪の少女が乗っていた戦術機に、そこまで多くは無いが戦車級が群がってくる。

 

「さて、少し暴れるとするか………」

 

俺は指の関節を鳴らす。

シュヴァリアも横に降り立ち、ハジメもドンナー、シュラークを構える。

そして次の瞬間、2体の戦車級が宙を舞い、1体が弾け飛ぶ。

俺とシュヴァリアがデジソウルを纏った拳で殴りつけ、ハジメがレールガンで撃ち抜いたのだ。

 

「はぁあああああああっ!!」

 

「おおおおおおおおおおおっ!!」

 

俺とシュヴァリアは、まるで鏡に映したように左右対称の動きでBETAを殴り飛ばしていく。

 

「あいつら何だかんだで息合ってるんだよな………」

 

ハジメが何か言いながら俺達を援護するようにレールガンで撃ち抜く。

そして、

 

「コキュートスブレス!!」

 

「ガイアフォース!!」

 

止めの絶対零度の息と負のエネルギーの球体により、半分のBETAは凍り付いて粉々になり、もう半分のBETAは塵も残らず吹き飛んだ。

 

「…………思ったよりも余裕だったな」

 

俺はそう口にしながら、未だ動かない戦術機の部隊を眺めるのだった。

 

 

 

 

 

 






はい、デジタネイティヴ編第一話です。
この世界にやって来たのは上級神様からの依頼です。
で、その目的は武ちゃんの幸せハーレムエンドと言う…………
何だかんだでデジモン軍団総進撃です。
今回は世代固定グループを除き、完全体で無双して貰いました。
そして早速雫に怪しい影が?
因みに晴子はマブラヴの中では冥夜と同等で一番気に入ってるキャラだったりします。
次点で彩峰。
なので、晴子を串刺しにして溶かした要塞級は嫌いなので、初っ端から大士に殴り倒して貰いました。
それにしても、意外と難しいBETAとの戦闘シーン。
デジモンが圧倒的すぎるって言うのもありますが。
次回は武と大士達の邂逅です。
お楽しみに。


PS.今週の返信もお休みします。最近多くて申し訳ない。

遊び半分でお聞きします。この章のラストは?

  • もちろん武ちゃんハーレムエンド
  • サブヒロイン位大士とハジメに……
  • 純夏と霞以外大士とハジメでいいんじゃ?
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