ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第4話 総合戦闘技術評価演習

 

 

 

 

俺達の最初の訓練が終了した後、俺達はB分隊との親睦を深める為に、PXで共に食事をとることになった。

 

「………それにしても、いろんな意味で滅茶苦茶ね。あなた達………」

 

開口一番にそう言ったのはB分隊の分隊長である榊 千鶴。

武には委員長と言う呼び名で呼ばれている。

 

「驚異的な身体能力と実力………その反面、一名を除いて座学はボロボロ………何ともアンバランスだな」

 

そう言うのは冥夜。

 

「仕方ないだろ? 軍の訓練を受けるのはこれが初めてなんだから。ハジメについては趣味の延長線上だ」

 

俺はそう答えた。

 

「でも、座学と言えば鑑さんは凄かったですね! あんなにスラスラと問題を答えられるなんて」

 

「えへへ………それほどでも」

 

壬姫の言葉に純夏が笑みを浮かべながら相槌を打つ。

 

「実技で散々だったからどうなるかと思ってたけど、一先ず安心?」

 

「彩峰さん、何で疑問形?」

 

慧の言葉に純夏が不服そうな表情をする。

 

「………気のせい?」

 

慧はとぼけた振りをした。

その時、

 

「あっ! パパ~!」

 

幼い女の子の声が聞こえた。

B分隊の面々が、この基地で聞こえる筈のない声がした事で不思議そうな表情をしながら、その声がした方に顔を向ける。

すると、そこにはエメラルドグリーンの髪をした幼女が駆け寄って来る光景。

そして、

 

「おお、ミュウ!」

 

駆け寄って来たミュウを、ハジメは何の躊躇もなく抱き上げた。

 

「いい子にしてたか? ミュウ」

 

「うん! ママのお手伝いをしてたの!」

 

ハジメの言葉に、ミュウは嬉しそうに笑みを浮かべながら答えた。

そして、当然ながら黙り込むB分隊のメンバー達。

 

「………………パパ?」

 

千鶴が唖然とした表情で呟く。

 

「あっ、パパの娘のミュウなの! よろしくお願いするの!」

 

ミュウが元気よく自己紹介する。

 

「わ~、可愛い子だね~! よろしく!」

 

美琴だけは動じずに挨拶を返す。

流石はB分隊一のマイペース。

 

「いや、ちょっと待って! パパってどういうこと!?」

 

それに反応したのはやはり真面目な性格の千鶴。

 

「どういうって………そのまんまの意味だが?」

 

ハジメは当然の如くそう答える。

ミュウはハジメに抱っこされてご機嫌だ。

 

「いや、でも、南雲の年齢って、私達より1つか2つ上程度よね………? なのに、そんな年齢の子供がいる訳が…………」

 

「因みに言っておくが、血は繋がってないぞ」

 

俺がそう口を挟む。

 

「えっ?」

 

「昔ちょっとした縁でハジメがミュウを助けてから懐かれて、そのまま『パパ』として今に至る」

 

「そ、そうなんですか…………じゃあ本当の娘さんって訳じゃないんですね」

 

壬姫が驚きから落ち着いた表情になりながらそう言う。

 

「………………まあ、その子の母親がハジメの恋人だから、そう遠くない内に本当の『親子』になるのは間違いないんだが…………」

 

俺がボソッと呟くと、B分隊の面々の耳がピクッと動く。

 

「その話…………興味あるね…………!」

 

「うむ………! 信頼を築くには、やはりお互いの事を良く知らねばな……!」

 

慧と冥夜がそう言う。

他のメンバーも興味津々と言った様子だ。

何処の世界の女子も、恋愛話は大好きな様だ。

その時、

 

「あらあら。楽しそうですね」

 

ほんわかおっとりした声がした。

そちらを向くと、ミュウと同じエメラルドグリーンの髪を盛った女性、レミアさんがニコニコしながら立っていた。

 

「あなたは………」

 

純夏が声を漏らすと、

 

「初めまして。私はそこのミュウの母親、レミアと申します。今日から暫くここで働かせていただくことになりました。娘共々よろしくお願いします」

 

そう言って頭を下げる。

とりあえず、非戦闘員であるレミアさんは、PXの手伝いをする事になっている。

更に、

 

「はーい! お待たせ~!」

 

食事の乗ったトレイを手にやって来たのはカンナ。

本来PXでは、注文した料理をカウンターで受け取って自分で持っていき、空いた席で食べるというスタイルなのだが、現在はレミアさんやカンナが配膳係としてこのPXで働いている。

因みにシスタモン姉妹も配膳係として働いていたりする。

流石に軍の基地に、一般人が何もせずに居るだけというのは拙いらしいので、香月副司令が適当に役割を与えたのだ。

そして、カンナがここにいるという事はつまり………

 

「………おとーさん」

 

俺の可愛い娘であるクオンも一緒に居る訳で。

クオンがトコトコと歩いて来て俺の膝の上に座る。

 

「「「「「「へっ!?」」」」」」

 

B分隊の面々の視線が俺に集中する。

まあ、こういう反応は予想出来ていたので、

 

「こっちは俺の娘のクオンだ。そっちはこの子の母親のカンナ」

 

「カンナよ。旦那様共々よろしくね?」

 

「「「「「「旦那様!?」」」」」」

 

カンナの自己紹介に全員が驚愕の声を漏らす。

そのまま唖然としていたようだが、

 

「皆、早く食べないと冷めちゃうよ」

 

葵がそう言いながら料理を口へ運ぶ。

 

「………合成食材って話だけど、魔物の肉よりかはずっとマシね」

 

優花がその味を確かめるようにうんうん頷きながら食べている。

俺も食べてみると、やはりというべきか素材の味は天然食材よりかは数段劣る。

それでも、美味いと言える味付けが施されているので、この料理を作っている京塚のおばちゃんの料理の腕は相当な物だろう。

ふと見れば、驚き過ぎているのか、B分隊の面々は殆ど箸が進んでいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後。

俺達は南の島に来ていた。

総合戦闘技術評価演習だ。

とは言え、3週目である武が居る今のB分隊に試験に落ちる要素は無い。

訓練不足の純夏がいるが、そこは武がフォローしていた。

B分隊は5日程でクリアし、見事合格した。

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

大士達C分隊とハジメ達のD分隊の番になる。

命令書を受け取り、試験を行うために大士達が森の中へ入っていく。

すると、

 

「あんた達、船に乗り込みなさい」

 

共に来ていた夕呼がまりもを含めたB分隊の面々に呼びかけた。

 

「え? でも、彼らがたった今…………」

 

まりもが疑問の声を零すと、

 

「命令よ。船に乗りなさい」

 

副司令である夕呼にそう言われてしまえば、まりも達は従う他ない。

命令通り船に乗り込むと、船が動き出して島を離れていく。

すると、夕呼はブリッジへと向かう。

 

「ちょっと夕呼!?」

 

それを追うまりもと武。

他のB分隊の面々はその場に残される。

ブリッジに着いた夕呼は通信機がある場所に向かう。

そのまま通信機を手に取ると、

 

「伊隅? いいわよ。やって頂戴」

 

そう呼びかけた。

 

『………副司令。本当によろしいので?』

 

「ええ。報告は受けているけど、私は実際にこの目で見てみないと納得できないの」

 

『……………了解しました』

 

通信機の向こうからは、渋々と言わんばかりの声色で了承の返事が返って来た。

すると、別方向から大型の輸送船が島に向かって来る。

その船は、速度を落とすことなく島の海岸に座礁。

各部を破損させつつ島に乗り上げた。

その直後、

 

―――ドゴォン!

 

破砕音と共に船の側面が爆砕し、その中からBETAが現れた。

 

「ベッ、BETA!?」

 

モニターでその様子を確認したまりもが声を上げる。

 

すると、夕呼は別の通信機を手に取る。

 

「あ~、聞こえる?」

 

『はい、聞こえます』

 

大士の声が通信機から聞こえてくる。

 

「確認できてると思うけど、研究用に捕獲していたBETAを輸送していた船が事故で座礁して、捕獲していたBETAが逃げ出しちゃったみたいなのよ」

 

『事故って割には物凄い速度で突っ込んできましたけどね』

 

大士がそう言うが、夕呼はスルーし、

 

『よって、作戦目標の変更を伝えるわ。新しい作戦目標は、全BETAの殲滅。脱走したBETAの種類は、突撃級が2。要撃級が3。戦車級5。闘士級7に兵士級8ね』

 

「なっ!?」

 

作戦内容にまりもが思わず驚愕の声を漏らす。

 

『了解しました』

 

「がんばってね~」

 

その言葉を最後に通信を切る夕呼。

その直後、

 

「ふざけてるの!?」

 

まりもが夕呼に掴みかかる。

 

「あら? 私は至って真面目よ?」

 

悪びれも無くそう言う夕呼。

 

「あなたはあの子達を殺す気なの!? BETAを相手に生身で戦えなんて!! すぐに救出用のヘリを送りなさい!!」

 

「必要無いわ」

 

「夕呼!!」

 

「真面目な話よ。私は言った筈よね? 彼らは異世界からの来訪者だって。あいつらは私に言ったわ。地球上のハイヴ位なら必要とあらば片付けるってね。だったら、この程度の困難位余裕で乗り切って貰わなきゃ困るわ」

 

「まだそんな事を言ってるの!? 確かにあの子達は、人としてはとんでもない力を持っているのかもしれない! だけど、BETAに生身で挑むなんて無謀にも程があるわ!!」

 

「だから、今からそれを確かめようって言うのよ」

 

「あの子達は、たった数日だけど私の教え子よ! 見殺しに何て出来る筈ないでしょ!?」

 

怒鳴り続けるまりも。

そんなまりもに武が歩み寄り、

 

「教官、落ち着いてください。大士達なら大丈夫ですから………」

 

まりもを宥めようとする。

 

「口を挟むな白銀!」

 

しかし、まりもは聞く耳を持たない。

すると、武は軽く息を吸い込み、

 

「神宮司軍曹!!」

 

強い口調で言い放った。

 

「ッ………!?」

 

その気迫に思わず言葉を失うまりも。

 

「………信じてください」

 

そして、微笑みを浮かべつつ、今度は優しい口調で語りかけた。

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

 

俺達は、座礁した輸送艦を遠巻きに眺めていた。

 

「お~お~。香月博士の事だから、何か企んでるだろうとは思ってたけど、まさかこう来るとは…………」

 

流石にBETAを放つとは予想外だった。

 

「まあいいさ。決められた場所に到着するなんてつまらない目標より、こっちの方が分かり易くていい」

 

ハジメはニッと笑って見せる。

 

「後は、俺達の実力を直に見ておきたいって理由もあるんだろうけど」

 

「なら、その期待には応えないとな!」

 

見ると、突撃級がこちらに向かって突進を始めていた。

 

「さて、如何する?」

 

シュヴァリアが意見を求めて来る。

 

「俺とシュヴァリアで突撃級の突進を止める。後は早いもの勝ちで良いだろ?」

 

「黒騎君にしては、随分と適当ね?」

 

八重樫さんがツッコんでくる。

 

「この程度の相手に策なんて要らないだろ?」

 

突撃級を目の前にしても、のほほんとしている俺達。

 

「じゃ、やるか!」

 

俺とシュヴァリアが拳にデジソウルを宿す。

突撃級が目前に迫った時、俺とシュヴァリアは同時に跳躍。

2体の突撃級の装甲殻に覆われた正面に向かってそれぞれ拳を繰り出した。

凄まじい打撃音と共に装甲殻に罅が入り、突撃級の前面が跳ね返る様に持ち上がったかと思うと、そのまま仰向けに転倒する。

その瞬間、

 

「グングニル!」

 

「死ね!」

 

優花が空高く投げ放った槍が隕石の如く落下してきて俺が殴り倒した突撃級の無防備な腹に直撃して木っ端微塵にし、ハジメがシュラーゲンによって、シュヴァリアが殴り倒した方の突撃級を撃ち抜き、破裂させるように吹き飛ばした。

そして、突撃級に遅れてやって来た3体の要撃級には、

 

「〝雷龍〟………!」

 

「「フェニックス!!」」

 

天空から降り注いだ雷の龍が1体を黒焦げにし、羽搏いた火の鳥がもう1体を蒸発させる。

そして、残り1体の目の前には、

 

「消し飛べ!」

 

黒竜の姿に〝竜化〟したティオが、口から放ったブレスで焼き尽くした。

次に襲い掛かってくるのは5体の戦車級。

もっとも多くの衛士を食い殺したと恐れられるBETAだが………

 

「ブッ潰れろですぅ!!」

 

身体強化で振り下ろしたシアの戦槌が、自分の3倍以上もある大きさの戦車級を肉片に変える。

 

「うりゃりゃりゃぁ!!」

 

更に振り回す戦槌が、襲い来る戦車級を吹き飛ばす。

吹き飛ばされた戦車級の中には、まだ生きていたものも居たが、

 

「そこだね!」

 

白崎さんが撃ったレールガンにより、止めを刺された。

残るは小型種。

それに向かって駆け出すのは両手に刀を持った葵と、鞘に納めた黒刀を構える八重樫さん。

 

「やぁあああああああああっ!!」

 

「はぁあああああああああっ!!」

 

すり抜けざまに細切れにされていく闘士級と兵士級。

結果として、数分で殲滅が完了した。

俺は念の為優花に視線を向ける。

優花は、大丈夫と言うように頷いた。

俺は通信機を持ち、

 

「こちら、207C分隊及びD分隊。状況終了。BETAの全滅を確認しました」

 

『お疲れ様。迎えを寄越すわ。少し待っていなさい』

 

「了解」

 

俺達は、特に何事も無かったようにくつろぎつつ、迎えを待った。

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

 

船の中では、まりも達が唖然としていた。

 

「う……うそ………………」

 

「へぇ………想像以上ね………」

 

まりもが驚愕で目を見開き、夕呼は興味深そうに眺める。

すると、

 

「ええ。でも、今回はデジモン達が戦っていませんからね。本来はもっと凄いですよ」

 

実際に彼らの戦闘を見た事がある武はそう言った。

 

「なるほど………伊達にデカい口叩いてるわけじゃないって事ね」

 

夕呼の中で、大士達の評価を一段階上げる事にした。

 

 

 

 

 

 






マブラヴ リ:デジタネイティヴ編第4話です。
思った以上に日常編がムズイ…………
PXでの出来事が何か思いつかなくてさっさと総戦技演習に行ってしまいました。
それでもかなりはしょった上に結局はBETA殲滅になってますが……………
とりあえず、早く盛り上がる所まで行きたいと思います。
それでは次も頑張ります。

遊び半分でお聞きします。この章のラストは?

  • もちろん武ちゃんハーレムエンド
  • サブヒロイン位大士とハジメに……
  • 純夏と霞以外大士とハジメでいいんじゃ?
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