ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第17話 海上の告白

 

 

 

クオンの誘拐事件から暫く…………

横浜基地の人間でも、一部の者しか知らない90番格納庫…………

そこで、

 

「出来たぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

やり切った感満載の声を上げるハジメ。

俺達の目の前には、ハジメが魔改造した吹雪。

いや、もう吹雪の面影の欠片すら残っていないので吹雪と言っていいのか分からないが…………

1機は

紺色の装甲をした、めっちゃヒュッケバイン似の機体となった。

こちらには俺のアイディアてんこ盛りで、重力魔法を応用した兵器が乗せられている。

重力衝撃砲である『グラビトン・ライフル』が2門。

Wガンダム0のツインバスターライフルを元ネタにして、連結して撃つ事も可能だったり。

重力場による防御フィールドの『グラビティ・テリトリー』。

炎魔法を凝縮し、疑似的に再現したビームサーベルが1本。

同じく炎魔法を凝縮し、ハジメのクロスビットの機能を応用した円月輪の様な遠隔操作武装『リープ・スラッシャー』。

因みに頭部バルカン砲も忘れてはいない。

装甲表面にはアザンチウムがコーティングされており、これだけでも相当な防御力を誇る。

限界突破を応用した3分だけ機体性能が3倍になるオーバードライブシステムも載せていたり。

そして最強武器は、なんと黒天窮を応用した『ブラックホールキャノン』だったりする。

ブラックホールキャノンは普段背中にマウントされており、使用時に前面に構えるようになっている。

もう1機は右腕にリボルバー式のパイルバンカー。

左腕にはドリルが装備されており、普通にドリルとして使える他、ドリルをロケットパンチの様に飛ばす『ドリルブーストナックル』や、ドリルが展開して、内部のガトリングレールガンが展開する仕様になっている。

更に前者と同じビームサーベル。

そして目を引くのが背中の巨大な対艦刀。

完全なアザンチウム製で、ハジメが攻撃に使えるありったけの魔法を付与した事で、山をも真っ二つにするとんでもない剣となった。

使用する際には左腕のドリルを外し、両手持ちで振るう事になる。

そしてもちろん前者と同じオーバードライブシステムも乗せている。

前者が射撃特化。

後者が近接特化と言った所か。

名前は、前者が『吹雪・凶鳥』。

後者が『吹雪・虎鉄』となった。

因みに命名者は俺。

前者は言わずもがな。

後者は右腕のパイルバンカーからアルトアイゼンの名を頂いた。

でも、流石に古鉄じゃ格好悪いから、同じ読みで虎鉄とした。

因みに完成した後、ハジメはラストスパートで3日ほど徹夜していたので、泥の様に眠っていた。

 

 

 

 

 

更に時が流れて12月25日早朝。

俺達は船の上に居た。

理由は、佐渡島のハイヴを攻略するためだ。

日の出前の白んできた空の下の甲板で俺は………

 

「気持ちワリィ……………」

 

相変わらず乗り物酔いに苦しんでいた。

 

「大士、大丈夫?」

 

ドルモンが心配そうな声を掛けてくる。

酔い止めを飲んでいるので、一応吐いてはいないが、頭痛やら何やらで気持ちが悪い。

いつもなら恋人の誰かしらが傍にして気を遣ってくれるのだが、何故か今日に限って誰もいない。

俺が苦しんでいると、

 

「あはは。大丈夫?」

 

苦笑しつつ、そう声を掛けてくる人物がいた。

それは…………

 

「ハル………それに慧と冥夜も………」

 

ハルと慧、そして冥夜の3人だった。

 

「どうしてここに………?」

 

手摺にもたれ掛かりながらそう聞くと、

 

「葵達が教えてくれた………」

 

「う、うむ………タイシが1人苦しんでいるだろうから、面倒を見て欲しいとな」

 

慧は普通に答えたが、冥夜は少々頬を赤らめている。

 

「あいつ等………余計な気を回さなくても………」

 

ハルと慧はともかく、最近気付いた事だが冥夜も俺に気があるようだった。

それに気付いた時、俺は思った。

いや、何で俺なんだ?

お前らは武ハーレムのメンバーの筈だろ!?

特に冥夜は純夏と並ぶメインヒロインの筈だし!

とまあ、ここまで考えて、俺は昔と同じ過ちをしていた事に気付いた。

この世界は物語でも何でもない。

歴とした一つの世界なんだと。

その事に、若干の自己嫌悪をしたものだ。

それから俺は改めて3人を見るようにした。

まあ、言うまでも無く3人とも外見的には俺の好みど真ん中だし、性格も嫌いじゃない。

ハルは俺への好意をストレートに表現してくるし、慧も口数は少ないが、行動で俺への好意をアピールしている。

冥夜は若干遠慮気味だが、それでもよく見れば俺への好意が伺える。

そう思い返しながら、俺は3人に向き直った。

心無し、酔いも楽になった気がする。

するとハルが口を開いた。

 

「それで………良かったのかな? あの機体を私と彩峰が使っちゃって………」

 

あの機体とは、ハジメが魔改造した吹雪・凶鳥と吹雪・虎鉄の事だ。

ハルが凶鳥に、慧が虎鉄に乗る事になっている。

 

「ハジメが良いって言ったなら良いだろ。少なくとも、今回のハイヴ攻略じゃ、俺達は誰もアレを使わないしな」

 

「大士達を疑う訳じゃないけど………本当に大丈夫なの?」

 

ハルが心配そうな目を向けて来る。

 

「まあ、『数』だけが取り柄の敵なら心配ない。俺達の強みは圧倒的な『質』だ。圧倒的な『数』の前に『質』など無意味だという奴も居るが…………圧倒的な『質』の前にも『数』など無意味という事を教えてやるよ」

 

俺は不敵に笑う。

 

「お前らこそ戦場にはついて来るんだろ? 香月博士が言うには記録を取る為らしいが………」

 

「うん、今後の作戦の為にね」

 

ハルがそう言うと、

 

「参考になるかは分からないけどね………」

 

慧がボソッと突っ込んだ。

 

「特に冥夜は気を付けろよ。お前の機体はハジメの魔改造じゃないんだ」

 

「私の乗る機体も、帝国の最新鋭なのだがな…………」

 

俺の言葉に、若干不服そうな表情を見せる。

冥夜の乗る機体は、例の紫の武御雷だ。

クーデターの一件で悠陽との絆が強まった冥夜は、あの武御雷に乗る決心をした。

月読中尉達の第19独立警備小隊も随伴する事になっている。

そう言えば原作じゃ、月読中尉達は冥夜が任官するに伴って冥夜の警護を外されたんだったか?

因みにハジメが、その武御雷を魔改造するチャンスを虎視眈々と狙っているとか。

すると、ハルが手摺を掴みながら俺の横に並び、水平線を見つめると、

 

「…………ねえ、大士達は、地球上のハイヴを全部壊してくれるんだよね?」

 

そう言った。

 

「ああ。地球上のハイヴまでは破壊するつもりだ。月や火星のハイヴを頼まれてもお断りするが」

 

俺はそう答える。

 

「そっか……………じゃあ少なくとも………弟達がすぐに戦地に行かなきゃいけない、何て事にはならないんだ………!」

 

ハルは、何処かホッとした表情で空を見上げた。

 

「…………身勝手かな? 私………地球の平和より、弟達の心配をするなんて………」

 

「それは人として当たり前だろ? 見ず知らずの人間より、自分の大切な人を思うのは当然だ。少なくとも、俺はそっちの方が好感が持てる」

 

ハルの言葉に俺はそう答えた。

 

「大士…………」

 

「安心しろ。少なくとも、お前の弟達がすぐに戦地に行かなくてもいい状況にはしてやれる」

 

「ッ……………!」

 

俺がそう言うとハルは一瞬息を呑む。

そして、

 

「大士…………」

 

俺の名を呟く。

 

「ん………?」

 

俺がハルの方を向くと、突然ハルが顔を寄せて来て、唇に軽いキスをしてきた。

 

「なっ!?」

 

俺は思わず声を漏らしてしまう。

そして、

 

「………好きだよ。大士……!」

 

満面の笑みを向けてきた。

 

「ッ…………!」

 

その笑顔に、ドクンと心臓が高鳴る。

その時、

 

「柏木………抜け駆け…………!」

 

俺達の間に、慧がひょっこりと顔を出した。

 

「うおっ!?」

 

俺は思わず顔を引く。

しかし、

 

「えへへ! やったもん勝ちだよ!」

 

ハルは楽しそうにそう言った。

 

「それなら私も………!」

 

俺がハッとする間もなく、慧は素早い動きで俺に顔を寄せると、ハルと同じように軽いキスをしてきた。

 

「け、慧まで………!」

 

「私は本気………!」

 

頬を赤くしているが、真剣な目で俺を見る慧。

 

「…………………」

 

思わず視線を逸らしてしまい、頬を掻く。

すると、慧は先程から何も言わない冥夜の方に振り向く。

冥夜は顔を真っ赤にしており、口をパクパクとさせていた。

 

「御剣はしないの?」

 

慧がそう言うと、

 

「そ、そなた達は! 恥じらいというものを知らぬのか!?」

 

直後に叫ぶ冥夜。

 

「え? だって大士達って地球上のハイヴを破壊したら、元の世界に帰っちゃうんでしょ?」

 

「遠慮してたら手遅れになる………」

 

ハルと慧はそう言う。

 

「そ、それはそうだが…………」

 

「そういう御剣も、ホントは大士としたいんでしょ?」

 

ハルが冥夜を押し出しながらそう言う。

 

「な、何を言う!?」

 

冥夜は叫ぶがその顔は真っ赤だ。

 

「今なら墜とせるよ………」

 

慧も便乗しだした。

 

「ちょ、待て待て! 落ち着いてもう一度よく考えろ! 俺に……その、ついて来るって事は、この世界を捨てるって事だぞ!? 家族や友人、仲間とも別れなきゃいけないって事だ! 特に冥夜は悠陽と姉妹になれたばかりだろ!? そう簡単に分かれる事になってもいいのか!?」

 

俺がそう言うと、3人は驚いたように目を丸くしていた。

すると、冥夜はフッと優しく微笑み、

 

「まったく………そなたはこのような状況でも私達の事を考えてくれているのだな………」

 

そう言った。

 

「そうそう。そんなこと気にせずに、『俺の女になれ』って言われても、私は頷いちゃうよ」

 

「大士は優しい………」

 

続けてハルと慧もそう言う。

すると、冥夜が歩み寄って来る。

 

「だが………そんなそなただから………私もこのような気持ちを持ったのだろうな…………」

 

えっ、と思う間もなく、俺は唇を奪われていた。

ハルや慧のキスとは少し違う、長めのキス。

冥夜が離れると、その頬を赤く染めながら、

 

「そなたを………愛している………」

 

そう告白してきた。

 

「あ………う…………」

 

顔が熱く、言葉が出てこない。

 

「それと、姉上の事なら心配しなくてもいい。何やら動いておるようだったしな…………

 

冥夜が何か言ったようだが、頭に入ってこない。

 

「女の子にここまで言わせたんだよ? 甲斐性見せなきゃ!」

 

「大士の女癖の悪さは納得済み」

 

ハルは笑顔でそう言い、慧はサムズアップする。

 

「女癖とか……………いや、全く否定できないけど…………」

 

俺は改めて3人を見る。

 

「……………最後に確認するけど、本当にいいのか? 俺は現状でも恋人を11人も侍らしてる男だぞ?」

 

「まあ、それ知ってて恋人に立候補したわけだし」

 

ハルが笑ってそう言う。

 

「この世界を捨てる事になる。数える程度しか戻ってくる事は出来ないだろう」

 

「覚悟の上………」

 

慧が即頷く。

 

「…………自分で言うのもアレだが、俺は結構スケベだぞ?」

 

「ごほっ!? い、いきなり何を言っているのだそなたは!?」

 

冥夜が予想外の言葉に咳き込んだ。

 

「いや、真面目な話。俺は清廉潔白な男じゃない。どっちかと言えば、欲に塗れた男だ。普通に体を求めるし、複数人を同時に相手する事だってある」

 

「…………ま、まあ、英雄色を好むとも言う…………驚きはしたが………見損なうほどではない」

 

冥夜は顔を赤くしながらそう言った。

 

「はぁ…………何でこうも物好きな女性が多いんだ…………?」

 

俺は半ば呆れた声を漏らす。

 

「それだけ大士がカッコいいって事だよ!」

 

ハルがウインクしながらそう言った。

 

「………………本当に俺の『女性から好かれない因果』は何処に言ったんだか…………」

 

俺は小さく溜息を吐く。

そして、しっかりと彼女達の気持ちを受け止め、俺も自分の気持ちを口に出す。

 

「ハル、慧、冥夜…………俺について来てくれるか?」

 

「うん!」

 

「もちろん」

 

「無論だ」

 

3人は迷いなく頷いた。

寄り添う俺達を、水平線から顔を出した朝日が照らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尚、空気を呼んで最初から居たドルモンが一言も口を挟まなかった事には感謝しかない。

 

 

 

 

 

 

 

 








はい、マブラヴ リ:デジタネイティヴ編第17話です。
今回もめっちゃ短いです。
鮎掛けのお付き合いで朝2時起きは辛い。
その日はもちろんの事、次の日も午前中は執筆する気力がわかないんですよね。
とりあえず今回は、魔改造吹雪の紹介と、3人の告白でした。
さて、残る悠陽は………?
次回は佐渡島ハイヴ攻略。
攻略で済むのか…………?
お楽しみに。



P.S 気力が足らないので今回の返信もお休みします。

………………悠陽は如何する?

  • 姉妹丼でいただきます
  • いい加減にしろやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
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