俺達はインペリアルドラモンに乗り、片っ端からハイヴを破壊して回っていた。
そして、オリジナルハイヴ以外の全てのハイヴを破壊し終わった時、
『黒騎! 聞こえる!?』
香月博士から通信が入った。
人工衛星を介しての連絡手段だ。
『香月博士? どうかしましたか?』
俺が聞き返すと、
『単刀直入に言うわ。ついさっき、オリジナルハイヴの反応が消失したわ』
『ッ!?』
その言葉に耳を疑う。
『オリジナルハイヴが消失!? 一体何が!? G弾でも撃ち込まれたんですか!?』
俺は思わずそう問い返す。
『いいえ。どこの観測機器にもミサイルが撃ち込まれた形跡は無いし、爆発や重力変動の反応も確認されていないわ。何よりあれだけ脅されて下手な真似をするとは考えにくいし……………本当に突然消えたのよ』
『突然消えた……………』
『そこで悪いんだけど、今からオリジナルハイヴに行って状況を確認してきて貰えないかしら? 可能なら、その原因の追究も』
『…………了解。その位は構いませんよ』
突然消えた原因も気になる。
『感謝するわ』
香月博士からそう言われると、
『皆聞こえてたな? 今からオリジナルハイヴに行って、状況を確かめる! 俺達なら大丈夫だとは思うが、念の為に注意して行こう』
俺の言葉に皆が頷き、インペリアルドラモンがオリジナルハイヴに向かって飛翔した。
数分後、間もなくオリジナルハイヴが見えてくる距離だ。
そして、地平の彼方から見えてきたのは……………
「「「「「『『『『『なっ………!?』』』』』」」」」」
それを見た瞬間、俺達は絶句した。
何故なら、オリジナルハイヴがあった場所は、そこを中心に半径数十㎞に渡り、底の見えない巨大な穴が開いていたからだ。
「こ、これは…………?」
アルファモンが呟く。
インペリアルドラモンがその穴の上に差し掛かる。
『底が見えねえな………尋常じゃないぞ、これは………』
オメガモン Alter-Sと融合しているハジメが戦慄の声を漏らす。
『香月博士、聞こえますか? オリジナルハイヴがあった場所に、目算でも半径十数㎞の巨大な穴が開いてます』
『ええ、たった今こちらでも衛星からの映像で確認したわ。ただ事じゃないわね、これは…………』
俺の言葉に香月博士が答える。
『インペリアルドラモン。一先ず穴の中心を目指してくれ。何かあるとすればそこだ』
「「わかった!」」
インペリアルドラモンは穴の中心に向かって進路を取る。
『それにしても、これだけ巨大な穴が、何の反応も示さずにどうやって………?』
香月博士が疑問の声を漏らす。
『少なくとも、BETA以外の何らかの原因があるんだろうな』
『どうしてそう思うの?』
ジエスモンと融合している優花が聞いてくる。
『見た限り、この穴以外に目立った被害は無かった。つまり、この穴は『破壊』によってできた穴ではなく、『分解』や『消滅』と言った力によって出来たと思う。BETAの根本的な目的は資源回収だ。大事な資源を消してしまうとは考えにくい』
『なるほど………』
『あなた達、さらっと『分解』とか『消滅』とか、とんでもないワードが飛び出て来ることには疑問を持たないのね………?』
香月博士が呆れた声を漏らした。
俺達にとっては『分解』とか『消滅』とかの凶悪な能力もデフォルトなんで。
そうこうしている内に、インペリアルドラモンがオリジナルハイヴがあった場所と思われる中心部分の上空に差し掛かった。
底の方を覗いてみるが、時差の影響でこの場はまだ明け方なので底の方まで光は届かない。
だが、
「ッ!?」
穴の底で何かが蠢いた気がした。
「上昇だ! インペリアルドラモン!!」
アルファモンが咄嗟に叫ぶ。
「「クッ!」」
インペリアルドラモンは反射的に上昇すると、穴の暗闇の中から無数の黒い棘状の触手が一斉に向かって来た。
インペリアルドラモンは回避しようとするが、いかんせん数が多い。
ならば、
「デジタライズ・オブ・ソウル!!」
アルファモンが光弾で触手を撃ち払う。
「ハッ! セイッ!」
サクヤモンが錫杖を振ると、花弁が舞い散りインペリアルドラモンを包む結界を張る。
「バーストショット!!」
続けてセントガルゴモンが無数の武器で触手を撃ち落とした。
すると、触手が闇の中へ戻っていく。
「今のは一体………?」
デュークモンが闇の中を注視しながら呟いた。
すると、闇の中から巨大な何かが上昇してきた。
徐々に露になるその姿。
楕円形の頭部と両肩、
ドレスのスカートの様な下半身。
四肢は無いが、その代わりに無数の触手を生やした青みがかった甲殻の巨大な存在。
『あ、あれはまさか………!』
だが、俺はその『存在』に見覚えがあった。
それは、全てを分解吸収してしまう力を持つ、
『アルカディモン………超究極体…………!』
究極体を超えた超究極体のデジモンだった。
『超究極体…………? それって確か、漫画の方のデジモンアドベンチャーに出てきた奴だったよね?』
タカトも覚えがあったのかそう言う。
『だけど、あれってデ・リーパー事件の所為で途中で連載中止になった奴だろ?』
リョウも疑問を零す。
『何であんたは知ってんのよ?』
ルキも問い詰める様な口調だ。
『…………前世の記憶か?』
察したハジメがそう言うと、
『ああ』
俺は頷く。
『ゼンセ………って、如何いう事?』
タカト達には、俺が前世の記憶持ちだという事は話してなかったからな。
『その話はおいおいな。一先ず、奴を何とかする。この大穴の原因は、十中八九奴の仕業だろう。このままだとこの世界全てが消されるぞ!』
俺はアルカディモンに向き直る。
『奴の注意するべき必殺技は『ゴッドマトリックス』! 防御不能の必殺技で受ければ問答無用で分解される! アルフォースブイドラモンのテンセグレートシールドなら可能性はあるが………正直未知数だから出来るだけ避けろ!』
マンガの方ではテンセグレートシールドで防いでいたが、あれは完全体でオメガモンを倒せるバグってる方のアルフォースブイドラモンだからな。
「行くぞ!」
アルファモンはオウリュウモンと融合し、王竜剣となって飛び立つ。
ジエスモン、オメガモン Alter-S、アルフォースブイドラモン、スレイプモンと跨ったガイオウモン、エグザモン、ディアナモン、ヴァロドゥルモンとその背に乗ったメルヴァモン、オメガモン、ミタマモンとその背に乗ったシスタモンX(覚)、オメガモンズワルト、ベルフェモン、レイヴモン、セントガルゴモンとその肩に乗るデュークモンとサクヤモンとジャスティモンが続き、
「インペリアルドラモン! モードチェンジ!」
インペリアルドラモンが竜の姿から人型へと変わる。
「ファイターモード!!」
インペリアルドラモン:ファイターモードが現れた。
総勢20体の究極体がアルカディモンを囲う。
それでも尚、アルカディモンは余裕の笑みを浮かべるように、ギチギチと声を鳴らすのだった。
はい、マブラヴ リ:デジタネイティヴ編第20話です。
今週忙しかったのでめっちゃ短いです。
それで現れたのはアルカディモン超究極体。
まあ、何で現れたのかは運命って事で。
次回をお楽しみに。