【Side 三人称】
アルカディモンの触手に捕まり、身動きが出来ないオメガモン Alter-B。
そのオメガモン Alter-Bに向かって、全てを分解するゴッドマトリックスが放たれた。
「オメガモン Alter-B!」
『ハジメ!』
『香織!』
それを見たアルファモン王竜剣と融合している大士、葵が叫ぶ。
「「くっ…………!」」
オメガモン Alter-Bは足に巻き付いた触手を何とか振りほどこうとするが、それよりも早くアルカディモンのゴッドマトリックスの効果範囲がオメガモン Alter-Bを飲み込んだ。
その余波により、後方の大地が再び消滅する。
『ハジメっ………!』
大士は悔しそうな声を漏らしながら目を逸らした。
いくらオメガモン Alter-Bと言えど、ゴッドマトリックスには耐えられない。
それを理解していたからだ。
大士……そしてアルファモン王竜剣は、最悪の想像をしながら、再びオメガモン Alter-Bが居た所に目を向け、
「ッ!?」
その目を見開いた。
何故なら、
「「アルフォースブイドラモン!?」」
『『ユエ!?』』
アルフォースブイドラモンがフューチャーモードとなり、オメガモン Alter-Bの前でテンセグレートシールドを発動させていたからだ。
しかし、完全には防ぎきれなかったのか、アルフォースブイドラモンFMの鎧の各部は損傷したり煙を上げていた。
「何とか………防げたか………!」
アルフォースブイドラモンFMは苦しそうにしながらも声を漏らす。
『ハジメ……カオリ………無事………?』
ユエが問いかける。
「「アルフォースブイドラモン!」」
『ユエ! なんて無茶を……!?』
『大丈夫なの!? ユエ!?』
オメガモン Alter-Bと、融合しているハジメと香織が心配そうな声を上げる。
『ん………防げるかどうかは賭けだったけど…………ハジメ達が消える所を黙ってみている事なんて出来ないから……………!』
ユエは自分の気持ちを口にする。
『ユエ…………』
『ユエ…………ありがとう』
ハジメはユエの名を呟き、香織は感謝の気持ちを口にする。
その時、
「ビフロスト!」
「燐火撃!」
光の矢がアルフォースブイドラモンFMとオメガモン Alter-Bに襲い掛かろうとした触手を貫いた。
『お三方! 絆を確認するのも良いですが、今は戦闘中だという事を忘れないでください!』
光の矢を放ったスレイプモンが、ガイオウモンを背に乗せながら空中を駆けまわりつつ追撃しながらシアが叫んだ。
「ペンドラゴンズグローリー!!」
『今の内に離れるのじゃ! ご主人!』
空中からエグザモンがレーザーを放ち、ティオが距離を取るように言う。
『助かる!』
そう言いながら、オメガモン Alter-BとアルフォースブイドラモンFMはアルカディモンから離れた。
「オメガモン Alter-B! アルフォースブイドラモン!」
『ハジメ!』
その2体にアルファモン王竜剣が近付く。
「無事だったか!」
「「アルフォースブイドラモンのお陰で、何とかな」」
その言葉に、アルフォースブイドラモンを見るアルファモン王竜剣。
すると、
『………………アルフォースブイドラモン! 奴のゴッドマトリックスはまだ防げるか!?』
大士が問いかけた。
「おそらくあと1度が限度だ…………だが、その1度だけは騎士の誇りにかけて防いで見せる!」
アルフォースブイドラモンFMはそう言い切る。
『…………………よし! 皆! 作戦がある!』
大士はそう言い放った。
『皆は全方位から攻撃を続行! だが、同時攻撃よりも波状攻撃で奴の気を逸らす事を第一に考えてくれ!』
その言葉にデジモン達は頷く。
『タカト! デュークモン! イグドラシルと戦った時のように『道』を作って欲しい!』
『わかったよ!』
「心得た!」
『そして……………!』
大士は作戦を伝え終える。
『優花!』
「ジエスモン!」
『ええ!』
「承知!」
アルファモン王竜剣が呼びかけると、優花とジエスモンが応え、ジエスモンGXに進化すると共に、ナイツ・イントルーダーに変身する。
ナイツ・イントルーダーの柄をアルファモン王竜剣が右手で掴むと、
『『『チャージ! デジソウル…………バースト!!』』』
3人のデジソウルにより、アルファモン王竜剣が限界を超えた力を発揮する。
「アルファモン! バーストモード!!」
金色に輝く鎧を纏う、アルファモン:バーストモードへ進化した。
「行くぞ!!」
アルファモンの声に、一斉に攻撃を仕掛ける。
「ペンドラゴンズグローリー!!」
「ビフロスト!!」
「燐火撃!!」
「「ギガデス!!」」
「「「「ガルルキャノン!!」」」」
「オーロラアンジュレーション!!」
「ラブポイズン!!」
「轟炎輪!!」
「グランドシスタークルス(覚)!!」
「ルォオオオオオオオオオオオオッ!!」
「ジャイアントミサイル!!」
「ブリッツアーム!!」
「雷光一閃之突!!」
「「グレイキャノン!!」」
今度は同時ではなく、絶え間なく攻撃が襲い掛かる波状攻撃。
「ギギッ!」
アルカディモンは、それらの必殺技を片っ端から分解していく。
周辺から殺到する必殺技の嵐に、アルカディモンの目玉はギョロギョロと移り変わる。
『今だ!』
タカトが叫ぶと、デュークモンが紅い光に包まれ、
「デュークモン! クリムゾンモード!!」
紅い鎧に白い10枚の翼を持ったデュークモン:クリムゾンモードへ進化した。
デュークモンCMは右手に具現化したグングニルを振り被り、
「クォ・ヴァディス!!」
全力で投擲した。
それに気付いたアルカディモンが触手で迎撃しようとしたが、そのグングニルも分解能力を持つ。
近付いた触手は片っ端から分解されていった。
「ギィィ……!」
アルカディモンは恨めしそうな声を漏らすと、グングニルを分解しようとそちらに意識を向けた瞬間、攻撃が頭に直撃する。
「ギギッ……!?」
現在も他のデジモン達から攻撃が続けられている。
グングニルだけに意識を向ければそうなるのは必然だった。
「良し! 行くぞ、アルフォースブイドラモン!」
「わかった!」
アルファモンBMの声に、アルフォースブイドラモンFMは応え、アルカディモンに向かって飛翔する。
アルフォースブイドラモンFMが先頭となり、それにアルファモンBMが続く形だ。
クォ・ヴァディスによって出来た『道』を2体が全速で飛行する。
「ギギッ!」
それに気付いたアルカディモンは、アルファモンBMの持つ力が、自分にとっても無視できないものだと一瞬で悟った。
「ギィィィッ!!」
アルカディモンは、ダメージを受ける事を厭わずに、アルファモンBMに狙いを定める。
次の瞬間、ゴッドマトリックスが放たれた。
「アルフォースブイドラモン!!」
「テンセグレートシールド!!」
アルフォースブイドラモンFMが全力で結界を張る。
全てを分解する力が、テンセグレートシールドにぶつかり、一瞬で分解しようとする。
しかし、アルフォースブイドラモンは再生の力『アルフォース』を持つ。
アルカディモンの分解の力に再生の力で対抗していた。
だが、
「くっ………! これは………さっきよりも強い………!」
分解の力がアルフォースブイドラモンFMの再生能力を上回ってきた。
「拙いっ………このままでは…………!」
押し切られる。
アルフォースブイドラモンFMがそう思った瞬間、
「金剛界曼荼羅!!」
テンセグレートシールドとは別の結界が張られ、分解の力に対抗した。
「ッ!?」
アルフォースブイドラモンFMが目を見開く。
『しっかりしなさい!!』
「結界は、あなただけの専売特許じゃないのよ………!」
そこに居たのはサクヤモン。
サクヤモンがテンセグレートシールドに重ねるように結界を張り、アルフォースブイドラモンFMを手助けしていた。
「…………よし!」
サクヤモンの助力により、アルフォースブイドラモンFMも持ち直した。
「「はぁあああああああああああああああっ!!」」
2体の気合の入った声を上げると共に、ゴッドマトリックスを耐えきった。
「今だ!」
アルフォースブイドラモンFMが叫ぶと同時にアルファモンBMが飛び出し、剣を振り被る。
だが、
「ギィィ………!」
アルカディモンはニヤリと笑うようにアルファモンBMに視線を向けた。
そして、即座に2発目のゴッドマトリックスを放つ。
「なっ!? 先程の一撃ですら、全力では無かったのか!?」
アルフォースブイドラモンFMが驚愕の声を上げる。
アルカディモンは全て分かっていたと言わんばかりに目を細めながら笑う。
そして、ゴッドマトリックスを受けたアルファモンBMは消えてしまった。
「ギギィッ!!」
アルカディモンは勝ったと言わんばかりに鳴き声を上げる。
だが、
「………………残念ね」
声が響いた。
アルカディモンが声の主に目を向けると、そこに居たのは空中に佇むディアナモン。
「今のは私が作り出した幻影よ………………本物は…………」
「本物はここだ!!」
ディアナモンの言葉に続くように、天空から声が響いた。
アルカディモンが空を見上げると、そこには太陽を背に急降下してくるアルファモンBM。
その手には、巨大なエネルギーの刃が形成された剣を振り被っている。
「究極戦刃……………!」
アルカディモンは、慌ててゴッドマトリックスを放とうとしたが、
「神竜けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」
それよりも早く神竜剣の一撃が振り下ろされた。
「ギィィィィィィィィィィィィィィッ!?!?!?」
断末魔の叫びと共に、真っ二つにされるアルカディモン。
「消えろォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
アルファモンBMは、駄目押しとばかりに横薙ぎに剣を振り、アルカディモンを十字に切り裂いた。
「ギィィィィィィィィィィィィィィィィィ………………!?!?!?」
アルカディモンは、そのままデータ粒子に分解された。
「…………………」
アルファモンBMは暫く待って何も起きないことを確認する。
『どうやら終わったようだな…………』
大士が呟く。
『それにしても……………』
大士は戦いの後の大地を見つめる。
『派手にやってくれたもんだ』
オリジナルハイヴがあった場所を中心に最大で数百キロ範囲が消滅しただろう大地の爪痕。
それがアルカディモン超究極体のすさまじさを物語っていた。
『…………………ま、後の事はこの世界の人間に任せますかね』
大士はそう言って気にしないようにした。
横浜基地へ戻ると、顔が若干引き攣ったA-01部隊の面々と、呆れた表情の夕呼に出迎えられた。
「ただいま戻りました。まあ、若干のトラブルはありましたが、約束通り地球上のハイヴは全部潰しましたんで。ああ、もしかしたら
「ご苦労様………と言えばいいのかしら? あんな事を『若干』のトラブルの一言で済ませて良いのか疑問だけど」
「誰も死んで無いんで『若干』で十分ですよ。とりあえず、俺達がこの世界でやる事は終わったので、そろそろ帰ろうかと思います」
「ほんと、随分と引っ掻き回してくれたわねぇ………明日から世界中が大騒動よ?」
「その辺は俺達の知ったこっちゃないんで、後の事はこの世界の人間が決める事です」
「まあ少なくとも、人類滅亡の危機は100年は伸びたと言っていいかしらね」
「月や火星にはまだまだハイヴやBETAが残ってますからね。そんなもんでしょう。後は馬鹿な身内争いが無ければ数十年後には月も火星も解放出来るんじゃないですか?」
「少なくとも、私はそんな事にならないように尽力するつもりよ」
「ご立派です」
大士がそう言った時、
「おい。ゲートの準備が出来たぞ」
空気を読まないハジメが既にクリスタルキーで元の世界へのゲートを作り出していた。
「早いなハジメ…………」
大士は再び向き直ると、
「冥夜、悠陽、慧、ハル…………それから月読さん達も。最後に聞くけど本当に良いのか?」
この世界で恋人となった4人と、冥夜と悠陽の付き人としてついて来るという真那と真耶とお供の3人に確認を取る。
「無論だ」
「もう決めた事です」
「一緒にいく」
「弟達にもお別れは済ませたから安心して」
4人は迷わずにそう言う。
「冥夜様が行く所、何処までもお供する所存」
「同じく、悠陽様のいらっしゃる場所が我が居場所」
「「「右に同じです~!」」」
残りの5人もそう言った。
「そうか…………」
そう言った大士の顔は何処となく嬉しそうだ。
「それじゃあ皆。こっちの世界もまだまだ大変だろうが、頑張れよ」
大士がそう言うと、
「大士! それに皆も! 本当にありがとな! お前達が来てくれたおかげで、この世界も………そして純夏も助かった! 本当にありがとう!」
武が叫びながらお礼を言う。
「気にするな。俺達も俺達の目的でそうしただけだ」
「それでも………! ありがとう!」
武はお礼を重ねる。
「それなら、どういたしましてと言っておくよ」
そう言って大士は踵を返す。
「これ以上湿っぽいのは柄じゃないからな。じゃあな」
背を向けたまま片手を上げて手を振る大士。
それが合図になったかのように、一同はゲートをくぐり始める。
すると、
「この世界を救った英雄達に…………敬礼!!」
「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」
みちるが声を張り上げ、A-01部隊が一糸乱れぬ敬礼をしてみせた。
それを見た大士、冥夜、慧、晴子、真耶、真耶、神代、巴、戎が足を止めて振り返り、姿勢を正して返礼し、悠陽は深くお辞儀をした。
「「「「「「「「「……………………」」」」」」」」」」
その後、数秒間見つめ合った後、軽く微笑んで再び背を向け、歩き出す。
大士達は、そのまま足を止めずにゲートを潜り、この世界を去った。
元の日常と、そして新しい日常に帰るために……………
はい、モチベーション低いまま書いたマブラヴ リ:デジタネイティヴ編最終話です。
アルカディモンとの決着はこんな感じになりました。
期待外れと思った方はごめんなさい。
因みに、もう1つの案では、何故かVテイマー01の太一とアルフォースブイドラモンゼロが現れてアルカディモンを瞬殺するなんてストーリーも考えたのですが、余りに脈絡が無いので止めました。
まあ、アルカディモンが現れた時点で脈絡が無いのかもしれませんが。
次は原作クロス編になりそうですね。
因みに原作に行くメンバーは大士、葵、優花、シュヴァリア、ハジメ、香織、ユエとそのパートナーデジモンです。
流石に全員行ってしまうとキャパオーバーになるので、その辺は許してください。
それでは次もお楽しみに。
P.Sすみません。今週も返信お休みします。
マブラヴ編の次は?
-
トータス旅行記編
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原作クロス編