第1話 パラレルモン急襲
さて、マブラヴの世界から戻って来てからまた暫くの時が流れた。
この世界に来たばかりの冥夜、悠陽、慧、ハルと月読さん達5人は、元の世界とのカルチャーショックを受けつつも、漸く慣れてきた頃合いだ。
何故か月読さん2人とお付きの3人が、メイド服を着るようになってしまったのかは謎だが…………………
そして今日、予定が空いた俺達は、同じく予定が空いたハジメ達と一緒に街に繰り出してきていた。
所謂Wデート…………
いや、Wハーレムデートと言うべきか。
自分で言っといてとんでもねえなと思わんでもない。
因みにこの光景の異常性は、ハジメ達の魂魄魔法で認識阻害をした上で、見慣れた光景となっており、騒がれる事は殆ど無くなった。
メンバーは俺+嫁15人+娘1人+デジモン16体。
ハジメ+嫁8人+娘1人+デジモン6体。
気付けば俺のハーレムがハジメの倍近い人数になっている。
トータスを旅していた時にはこうなるとは微塵も思ってなかった。
まあ、その話は置いておくとして、これだけの大所帯で遊べるところなどそう多くは無い。
なので近所にある総合アミューズメントパークに来ていた。
ここは結構大きな施設で、遊園地、バッティングセンターやスケート場などのスポーツ施設、ゲームセンター、カラオケ等の複合施設だ。
何故近所にそのようなご都合主義的な施設があるのかは突っ込まないでおこう。
因みにここに来るのは初めてではなく、結構な頻度でデートスポットして活用している、
まあシアがバッティングセンターで見事なピッチャー返しでピッチングマシンを破壊したり、シュヴァリアがゲーセンのパンチングマシンを木っ端微塵にしたり、恋人達をナンパしようとした男達を俺とハジメでトラウマを植え付ける程度にボコボコにしたり……………
色々な思い出がある。
そして今日、一番白熱したのはカラオケだったりする。
何故か俺とハジメのハーレムで得点勝負をする事になった。
ルールは単純。
互いの代表者を5人出し、それぞれ交互に歌い、合計点により得点を競うというものだ。
ただし、俺とハジメは必ず参加。
それ以外のメンバーは自由だ。
そんで、歌の内容はメタ的な理由で面倒くさいので省くが、ハジメ達はガ〇ダム系の曲。
俺達はデジモン系の曲を歌った。
そして、先攻のハジメ達の5人目が歌い終わった時の得点は、
ハジメ『85点』、白崎さん『87点』、八重樫さん『79点』、ユエ『90点』、シア『80点』。
ハジメハーレム、合計『421点』。
ハジメ達全員がコンスタントに高得点をたたき出したのに対し、俺達は………
俺『59点』、葵『91点』、優花『87点』、ティファニア『85点』。
現状合計『322点』。
俺以外の3人は高得点だったが、諸に俺が足を引っ張った。
残り1人の状態で得点差99点。
ここからの逆転は難しいだろう。
「どうやら俺達の勝ちの様だな?」
ハジメもそう思っているのか、ドヤ顔を向けて来る。
ハジメも分かっているのだろう。
俺のハーレムメンバーはこの世界での滞在期間が短い。
元々歌の上手いティファニアですら80点台が精々なのに、他のメンバーでは高得点を出すのは難しいと。
確かにその通りだ。
それは俺も分かっている。
しかし、そのドヤ顔を見て、どうしても負けたくないと思った。
故に…………
「ふう…………」
俺は一度溜息を吐くと、
「どうやら、最終兵器を出さなければいけない様だな…………」
そう俺は決心をした。
「最終兵器だと?」
ハジメが怪訝な声を漏らす。
俺はマイクを握ると、勢い良く『最終兵器』の前に差し出し、
「頼んだぞ……………!! ドルモン!!」
「えっ? 俺っ!?」
「「「「「「「「「「ドルモン!?」」」」」」」」」」
マイクを差し出されたドルモン自身も、他のメンバーも意外な人選に驚愕した。
俺はリモコンからチャチャッと選曲し、送信する。
モニターに表示された題名は………………
―――『JUST COMMUNICATION』
自爆が代名詞とも言える星の王子様が主人公のガ〇ダムシリーズの前期オープニングテーマである。
因みにドルモンはデ・リーパー事件の前に何度かカラオケに連れて行ったことがあり、この曲もその時に物は試しとばかりに歌って貰った曲だ。
その結果は……………
ドルモンは少し狼狽えていたが、前奏が始まると、気を取り直したように表示された歌詞に目を向ける。
そして………………
「JUST WILD BEAT COMMUNICATION! 雨に打たれながら! 色褪せない熱い想い 身体中で伝えたいよTONIGHT!♪」
歌が始まった瞬間、ハジメ達は一気に黙り込んだ。
「…………う、上手ぇ…………」
呆然とハジメは呟く。
それはそうだろう。
俺も初めてドルモンの歌を聞いた時は想像以上の歌の上手さに絶句した。
「濡れたその肩を温めるように抱いた 震えてる指先は何を求め彷徨うの? 途切れ途切れでも伝えて欲しい痛みを…… 冷めた振りする事で 大人になんてなれない♪ あなたの眼差し守りたい 悲しみ強さに変える愛を信じて♪ JUST WILD BEAT COMMUNICATION! 何も恐れないで 感じ合える確かな
1コーラス目が終わった時、最早全員がドルモンの歌に聞き入っていた。
2コーラス目が始まり、変わらぬ歌の上手さを披露するドルモン。
そして、最後のサビに入り、
「JUST WILD BEAT COMMUNICATION! 何も恐れないで 感じ合える確かな
歌い切って曲が終わる。
その瞬間、全員から拍手が送られた。
「あ………え………?」
ドルモンは皆の反応に困惑する様な表情を浮かべた後、照れ臭そうに席に戻った。
そして、肝心の得点は…………
―――『99点』
文句無しの最高得点だった。
ぶっちゃけ100点でもおかしくないと思っていたが、そこは機械の評価基準の違いだろう。
結果俺達の合計点数も『421点』。
ハジメ達とは引き分けとなった。
白熱したカラオケが終わり、外に出ると日が傾いて空がオレンジ色に染まる時間だった。
「いやぁ……それにしても、ドルモンにあんな特技があるなんて知らなかったですよ」
シアがニコニコしながらそう言う。
「本当にね。すっごい上手かったよ、ドルモン!」
白崎さんもドルモンの方を向いて褒める。
「い、いや……それほどでも………」
ドルモンは照れた様にそっぽを向く。
「っていうか、本人が歌ってるのかと思ったほどだぞ」
ハジメはそう言う。
「俺も同感だ」
俺も同意する。
というか、俺がまだこの世界を物語と勘違いしている時に、中の人繋がりで歌わせてみただけだからな。
それが大当たりだっただけだが。
同じ中の人繋がりの某少年名探偵は、声が同じでも歌は絶望的に下手糞だったし。
皆で談笑しつつ帰路に着く。
夕日が俺達の影を長く伸ばし、俺達は丁度その影に向かって歩いていた。
しかし、
―――ヴンッ…………!
空気が震える様な音がしたかと思うと、突如俺達を影が覆った。
俺達が何事かと振り返った瞬間、そこに居たのは、30m程の人型だった。
しかし、一応人型を取っているが、二の腕、腿は触手のような物で出来ており異様に細く、そこから繋がる腕や足は、異様にでかい。
顔には目が1つだけがあり、怪しく赤い輝きを放っていた。
そしてそれは、俺にも
見覚えがあった。
「こ、こいつはパラレル…………!」
俺がそいつの名を言い切る前に、そいつの一つ目が強く輝いた。
「アブソーベント・バン」
それと同時に、その巨大な生物の一つ目から爪の付いた口のようなエネルギー体が発射される。
その瞬間、
「ハジメさん! ユエさん!」
「カオリ!」
ハジメとユエがシアに突き飛ばされ、アグモンとブイモンもそれに巻き込まれるように吹き飛ぶ。
ティオも咄嗟に白崎さんを突き飛ばし、ガブモンはドラコモンによって突き飛ばされた。
「タイシ!!」
俺はシャルロットによって突き飛ばされ、腕を組んでいた葵とシュヴァリアも巻き込む。
「〝瞬光〟!」
優花は即座に〝瞬光〟を発動し、僅かな時間でドルモンとリュウダモンとハックモンを抱えて飛び退いた。
突き飛ばされてから地面に倒れるまでの時間が異様に長く感じると思ったのも束の間、俺達は堅い地面に倒れる感触がした。
だが、その時にガシャーンと食器などが割れる音が響く。
「ッ! クソが!!」
ハジメが咄嗟に〝宝物庫〟からドンナーを取り出すと、振り向きざまに立ち上がると同時にドンナーを構えた。
そして、その銃口の先には……………………
同じようにドンナーを構える『ハジメ』の姿がそこにあった。
はい、原作クロス編開始です。
Wハーレムデートからのパラレルモン急襲です。
カラオケネタは以前から何処かでやりたいと思っていたネタ。
理由は中の人繋がりで。
意味が分からない人は、CGアニメーションの『デジタルモンスターゼヴォリューション』を見ましょう。
ドルモンのイメージCVはそれと一緒なので。
さて、初っ端から一触即発?
原作の時系列は次回に。
お楽しみに。
マブラヴ編の次は?
-
トータス旅行記編
-
原作クロス編