ウルの事件の後も話は続いた。
ティオが正式に仲間となり、ウィルをフューレンへ送り届ける。
そこでハジメとシアのデートと、ミュウとの出会い。
ミュウを攫った犯罪組織フリートホーフの壊滅。
そしてミュウをエリセンまで送り届けることになる。
この辺りも俺達が加勢した程度で大きな違いは無かった。
それからホルアドに到着した後、ギルドで遠藤から勇者パーティーの救援要請を受ける事になる。
と、そこで、
「そう言えば、香織が居なかったのによく勇者パーティーは無事だったな? 優秀なヒーラーが居ないのはかなり痛手だと思うんだが…………」
ハジメ(原作)が疑問を零した。
「八重樫さんから聞いた話じゃ、辻さんが大活躍してたそうだが……………」
俺がそう言うと、
「わ、私が………!?」
辻さん(原作)が自分でも驚いたように声を漏らす。
「香織が居たから影に埋もれてたが、実際には辻も優秀なヒーラーだったって事だろ?」
ハジメがそう結論を出した。
「更に八重樫さん達は、迷宮の下層でクルモンと出会っていた」
「クルモンまで居たのかよ!?」
「因みに天之河はクルモンがデジモンと分かるや否や斬りかかったとも言っていた。まあ、それは八重樫さんが止めたらしいが」
「待てや! 何でマスコット枠のクルモンに斬りかかる!?」
ハジメ(原作)が驚愕の声を漏らす。
「さっきも言ったが、天之河はデジモンを『悪』だと認識している。本人からすれば、魔物を討伐する感覚だったんだろう」
「天之河ェ………」
ハジメ(原作)が呆れた声を漏らした。
「まあ、それから魔人族の女が現れて、勧誘されるもそれを蹴っ飛ばして戦闘に入ったそうだ」
「それはこっちでも同じだね。でも、魔物達が強くて一方的に追い詰められていったよ」
そう言う白崎さん(原作)だが、その表情には期待の様な感情が見て取れる。
「それでも、メルド団長がやられた怒りで光輝君が〝限界突破〟の派生に目覚めて一時は巻き返したんだけど、肝心な時に刃を鈍らせちゃって………」
「こっちでもそうなのか………」
白崎さん(原作)の言葉に、俺はやはりどこの世界でも天之河は天之河かと半ば呆れた。
まあ、現代日本人としての感覚は天之河の方が正しいのだろうが。
「それでも雫ちゃんが何とかしようとしてたけど、結局はやられちゃって、もうダメって思った時に、天井を突き破ってハジメ君が助けてくれたんだよ!」
白崎さん(原作)が嬉しそうにその時の状況を語る。
正確には天井を突き破ったのはパイルバンカーの杭の筈だが。
「それからはあっという間だったよ! ユエやシアたちもそうだけど、私達が苦戦した魔物を、あっという間に倒しちゃって………!」
「まあ、奈落の魔物に比べたら、可愛いもんだったからな」
ハジメ(原作)もそう語る。
「それで何とか助かって地上に戻る事が出来たの。そこで私は自分の気持ちに気付いてハジメ君に告白したの。『あなたが好きです』ってね。それで私はハジメ君達についていく事にしたんだ」
「あ、こっちの私はそこからパーティーに入ったんだ」
白崎さん(原作)の言葉に、白崎さんが納得したように声を漏らす。
「そっちは如何だったんだ?」
ハジメ(原作)がハジメに問いかける。
「香織が勇者パーティーに居ない以外は一緒だな。助けに行く理由が、『香織が雫を助けて』と言ったからだが………まあ、それで助けるタイミングも大体一緒だったんだが……………」
ハジメが言葉を区切る。
「何かあったのか?」
その様子にハジメ(原作)が問いかける。
「魔人族の女が究極体を引き連れてやがった。しかも2体。ピノッキモンとデビタマモンって奴だ」
「うげっ…………! ピノッキモンって、ダークマスターズとか言う奴だろ?」
ハジメ(原作)が嫌そうな声を上げた。
「まあ、流石に究極体には敵わんからな。大士達とインプモンに任せることにしたんだが…………」
「流石に地下深くで全力で戦えば、皆が生き埋めになるからな。ある程度力を抑える必要があった所為でちょっと苦戦してた」
ハジメの言葉を引き継いで俺がそう言う。
「あ~。究極体の激突なんて、オルクスの迷宮ぐらい軽く崩落しそうだしな」
ハジメ(原作)が納得と言った表情で頷く。
「で、その途中で3体目の究極体、ザンバモンが現れた」
「3体目!? 流石にやべぇんじゃねえかそれ!」
話の続きにハジメ(原作)が驚愕する。
「ああ。手が離せない俺達とベルゼブモンに変わって、もう1人のテイマーだった葵とリュウダモンがザンバモンと戦う事になった。とは言え、当時は完全体までしか進化出来なかったから、流石に敵わなかったけど…………」
「それでもリュウダモンは戦おうとした。そして私も一緒に戦って欲しいって。クルモンの後押しもあったと思うけど、そこで私達は究極体のオウリュウモンに進化する事が出来たの」
葵がそう続いた。
「ほぉ~」
ハジメ(原作)が感心したような声を漏らした。
「まあ、それで何とか究極体3体を退けた俺達は、魔人族の女に止めを刺して、地上に戻ることにしたんだ。で、そこでもそっちとの相違点があってな…………」
「雫ちゃんが、私達の旅について来るって言ったの」
ハジメの言葉に続いて白崎さんがそう言った。
「ええっ!? 私がそこでハジメ達について行ったの!?」
八重樫さん(原作)が驚きの声を上げた。
「断ればイタい2つ名を付けると脅されて…………仕方なく………な」
ハジメが遠い目をする。
「あ~~~」
ハジメ(原作)が同情する様な視線を向けた。
聞けばハジメ(原作)も、白崎さん(原作)の事を気にかけて欲しいとお願いされる時に、そうやって脅されたらしい。
「そういやよく天之河が同意したな」
ハジメ(原作)が今気付いたと言わんばかりに言う。
「ああ。天之河君はその時、私が気絶させてたからね」
白崎さんが何でもない様に言う。
「何で私が光輝君を気絶させてるの!?」
白崎さん(原作)が驚きの表情で詰め寄る。
「だって、出発しようとした時に、ハジメ君の事を悪く言って、全然話を聞こうとしないんだもん。最終的に、行きたいなら自分を倒していけ、って言われたから、言われた通り、こう顔面をガシッと掴んでそのまま地面に叩きつけて気絶させたの」
右手で鷲掴む様な仕草をしながらそう説明する白崎さん。
「そ、そう言えばそっちの香織は、魔物肉を食べてステータスも上がってたんだっけ………」
八重樫さん(原作)が呆気にとられつつそう言うと、
「その当時でも筋力は4桁後半はあったよ。それでも直接的な戦闘能力はパーティーの中で最弱だったけど………」
そう説明する白崎さんだが、正確には当時の最弱は俺と葵だ。
「その時の光輝の基本ステータスは確か1000前後だったからそれだけの差で不意打ちを受けたら堪ったものじゃないわね……………」
八重樫さん(原作)が冷や汗を流しそうな表情で言った。
「それで雫ちゃんも仲間になったの」
「そっちの私は、光輝の事は何て?」
八重樫さん(原作)が白崎さんに聞く。
「『愛想が尽きた』って言ってたよ」
「そう……………香織が傍にいなかったから、その時の私はもっと追い詰められていたんでしょうね……………」
何かを悟った様に八重樫さん(原作)は呟いた。
話は続く。
アンカジに向かう途中でビィズを拾い、アンカジを助ける事になった事。
グリューエン大火山の迷宮で〝静因石〟の採取を頼まれた事。
白崎さん(原作)はアンカジに残って病人の治療を続けた事。
〝静因石〟を採取しつつ迷宮を攻略していったが、最後の試練で魔人族の奇襲を受けた所までは大体同じだった。
しかし、
「魔人族の白竜の極光を受けて、大ダメージを負ったが、何とか撤退させる事は出来た。まあ、負け惜しみとばかりに要石を破壊していきやがって、火山が噴火しそうになったんだよ。で、〝静因石〟の入った〝宝物庫〟をティオに預けてアンカジまで届けて貰って、俺達は神代魔法を手に入れる事にした」
「って、おい! 周りはマグマなのにどうやって脱出したんだよ!? 究極体に進化出来るならともかく、流石のお前達でもマグマの中に入ったら死ぬだろ!?」
「そりゃ潜水艇に決まってるだろ? 一応熔けない事だけは確認しといたから、潜水艇の入り口まではユエの防御魔法でマグマを防ぎつつ、潜水艇に乗り込んで脱出したんだよ。まあ、狙いと違って下に流されてったからどうなる事かと思ったが、海底火山の噴火に巻き込まれてエリセン沖に出る事が出来たんだよ」
「なんつー強運な…………」
ある意味俺達以上にヤバい状況だったハジメ(原作)達の強運に感心する。
「………そうやって驚くって事は、お前らの方じゃ違うんだろ? どうなったんだ?」
「あ~、まずハジメが極光の不意打ちを受ける所なんだが、こっちだと寸前で気付いた優花がハジメを庇ったんだよ」
え?というような顔で視線が優花に集中する。
「まあ、私自身が持ってた感知能力の高さと、パーティー内では一番の俊敏を持っていたからできた事ね。咄嗟の事だったし、『仲間』が危ないって思ったら、身体が勝手にね………」
優花はそう説明する。
「もちろんそれに気付いた瞬間、アルファモンに進化していた俺達は、すぐに優花を助けに行った。極光を受けたのは数秒だが、優花は耐性も魔耐もハジメより低かったからな、かなりのダメージを受けていた。その後も極光の嵐が降り注いできたんだが、アルファモンとオウリュウモンの防御力なら問題無く凌げた」
「その後に魔人族の男が現れて、色々と口上を述べてたが、園部を傷付けられた大士がブチ切れててな……………一瞬で灰竜を全滅させやがった」
「あの時は感情に任せてアルファ・イン・フォースまで使ったからなぁ…………」
ぶっちゃけあんな雑魚にアルファ・イン・フォースを使うなんて、今思えばオーバーキルにも程があった。
「アルファ・イン・フォースって、戦闘時間を巻き戻すってアレか?」
「ああ。けど、その強力な効果に比例して消費エネルギーも多いから、そんな手軽にホイホイ使えるもんでもないけどな」
ハジメ(原作)が戦慄の表情を浮かべている。
「まあ、そのまま感情に任せて魔人族の男を消し飛ばそうと思ってたんだが、そこで横やりが入った」
「アルファモン相手に横槍入れるって…………自殺志願者かそいつ?」
ハジメ(原作)が真面目な顔でそう言った。
「ところがそうでもない。横槍を入れてきたのは魔人族に協力していたデュナスモンとロードナイトモンだった」
「ゴフッ!? ロイヤルナイツかよ!? しかも2体!?」
俺が言った名にハジメ(原作)が思わず咳き込んだ。
「ああ。流石にヤバいと思った俺は、オウリュウモンと2体を足止めしてハジメ達に神代魔法を手に入れるように言って先に行かせた。とりあえず、無事〝空間魔法〟を手に入れたハジメ達が戻って来た時、優花の容態が心配だった俺は、オウリュウモンに皆を脱出させるように頼んだ」
「私も心配だったけど、大士の事を信じて言う通りにしたの。そう言えば脱出する時に白竜が邪魔してきたから、序に首を刎ねておいたっけ…………」
葵がそう言うと、
「…………妾が激闘を繰り広げた相手を序で………………」
ティオが哀愁漂う様な雰囲気で何やら落ち込んでいた。
「まあ、その後にデュナスモンがブレス・オブ・ワイバーンをぶっ放してきたから、聖剣グレイダルファーで相殺したんだが、それでもグリューエン大火山が消し飛ぶ位の爆発が起きて、俺はエリセン沖まで吹っ飛ばされた。その後はエネルギー切れで2、3日ぐらい漂流してたな」
「グリューエン大火山が消し飛んだ?」
「おう。世界有数の山が、世界有数のクレーターになってたぞ」
ハジメ(原作)が漏らした言葉に実際にその場を見たハジメが答える。
「流石にあそこまで消し飛べば、再生も不可能だろうな」
改めて考えると、〝空間魔法〟の魔法陣は、永遠に失われた事になる。
「流石にやべえな。ロイヤルナイツ…………」
改めてその力に戦慄するハジメ(原作)だった。
原作クロス編第5話です。
今回はフューレンからグリューエン大火山まで行きました。
大きな変化があるのはここからですからね。
では次をお楽しみに。
P.S すみません。今週も返信はお休みです。
マブラヴ編の次は?
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トータス旅行記編
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原作クロス編