ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第6話 相違点 その➃

 

 

 

メンバーは違うが奇しくもエリセン沖まで飛ばされた俺とハジメ(原作)。

ハジメ(原作)の方は、潜水艇で数日移動した所で海人族の兵士達に囲まれたが、全員伸してエリセンに入港し、当然の事ながら職務質問を受けそうになった所で、アンカジから竜化したティオ(原作)に白崎さん(原作)と一緒に乗ったミュウ(原作)が、上空何百mからフリーフォールをかましつつ現れたそうだ。

しかも満面の笑みで。

 

「おぉぅ…………そっちのミュウは何という事を……………」

 

いくらパパを信頼しているとは言え、笑顔で上空何百mのフリーフォールをかませる胆力は並ではない。

 

「こっちは俺とドルモンだけだったんだが、とりあえず流木で簡易的な船を作って、それに揺られながら数日漂流してたよ…………」

 

あの時は船酔いやら何やらで最悪だった。

 

「で、数日したらそっちと同じように海人族の兵士達に囲まれた。そっちと違って、当時の俺に直接戦う力は無かったし、ドルモンも空腹でエネルギー切れだったから大人しく捕まるしかなかったんだよな…………因みにその時の扱いは碌なもんじゃ無かったな………遭難してるんで助けて下さいって言っても、聞く耳持たずでミュウの誘拐犯扱いされるし、ボコられるわで結構ヤバかったなぁ…………」

 

いまだったら遠慮なく殴り飛ばしてる所だが。

 

「で、そのままエリセンまで連れて行かれたんだが、そこで尋問………というより、半ば拷問に近い暴力を受けてたんだが、その時に空から優花が降ってきて俺をボコってた奴を蹴り飛ばしたんだよな」

 

「大士に手を出したんだもの。唯で許すつもりは無かったわ。ま、殺すと面倒だから手加減はしたけど」

 

優花は悪びれる事無くそう言う。

その後はミュウをレミアさんの所に送り届けて数日滞在した後、メルジーネの海底遺跡へ向かう事になる。

潜水艇がある為、海底遺跡にはどちらもさほど苦労せず辿り着いたのだが、

 

「遺跡に入って少ししたところに居た『悪食』には手を焼いたな………初戦は地面かち割って戦略的撤退を選んだ」

 

ハジメ(原作)がそう言う。

 

「『悪食』?」

 

聞いた事のない名前にこちらのハジメが怪訝な声を漏らす。

 

「ん? お前らは悪食と戦ってねえのか? でけぇクリオネみたいな魔物なんだが………」

 

その説明でピンときた。

 

「ああ。あいつか………あいつ悪食って名前だったんだな…………」

 

その名前は初めて聞いたな。

 

「? リーさんから聞かなかったのか?」

 

ハジメ(原作)がそう言う。

『リーさん』って誰?

俺がそう思っていると、

 

「リーさん? 人面魚のリーさんか!? 何でリーさんの名前が!?」

 

ハジメには覚えがあったのか、驚愕の表情をしている。

 

「ハジメ、リーさんって誰だ?」

 

俺がそう聞くと、

 

「あ、ああ………リーマンっていう人面魚のおっさんなんだが、元々はライセン大迷宮から強制排出された時に通った地下水路に住んでたんだが、俺らが流されるのに巻き込まれて陸に吹っ飛ばされて、人間に拾われたらしいんだが、シアとのデートの最中に寄ったフューレンの水族館で見世物にされててな………話す内に俺らの巻き添えで捕まったようなものだって分かったから、ちょいと強引だったが逃がす事にしたんだよ」

 

そう言えば、フューレンを出る前にそんなような話を聞いた気も…………

 

「で、迷宮を攻略した後に海の中に放り出されたんだが、その時にまた悪食に襲われてな。その時にリーさんが現れて魚を操る能力で手助けしてくれたんだよ。その時に、その魔物の名前が『悪食』って教えてくれたんだ」

 

ハジメ(原作)がそう語る。

 

「あ~。俺らん時は、初見で倒しちまったからなぁ…………」

 

ハジメが納得したように声を漏らす。

 

「よく倒せたな………? やっぱアルファモンで消し飛ばしたのか?」

 

ハジメ(原作)がそう言うが、

 

「いや、流石に海底洞窟でアルファモン使う気にはならんぞ。むしろドルグレモンでも下手すれば崩落するからな」

 

「ん? じゃあどうやって倒したんだ? あの再生能力は厄介だと思うが…………」

 

「葵が機転を利かせてホーリーエンジェモンのカードをスラッシュして、ヘヴンズゲートで亜空間に放り込んだ」

 

「……………その手があったか……………!」

 

ハジメ(原作)が虚を突かれたと言わんばかりに目を丸くした。

際限なく再生しても、亜空間に放り込んでしまえば問題無い。

Dアークのカードスラッシュはわりかし何でもありだからなぁ…………

その後はそのまま道沿いに進んだら、船の墓場の様な場所に出た。

ハジメ(原作)達は、逸れたハジメ(原作)と白崎さん(原作)が俺達と同じ場所に辿り着いたらしい。

ユエ達(原作)は別行動だったそうだ。

そこで始まったのはやはり海上での戦争の光景。

規模は違うがどちらでも白崎さんが活躍してその光景を終わらせた。

そして、どうやらその時の白崎さん(原作)は、自分の無力さを感じ始めていたらしい。

自信喪失になりかけていたようだ。

それから客船で平和なパーティーの光景と思いきや、王の豹変からの惨殺劇。

そして客船の中を探索する事になったのだが、やはりこちらの白崎さん(原作)もホラーは苦手だったらしく、終始ハジメ(原作)に頼りきりだったという。

こっちの白崎さんは、錯乱はしたが逆に全部自分でぶっ飛ばしてからなぁ。

そのまま進んでいったら、こちらでは白崎さん(原作)が強風に飛ばされて、亡霊に取り着かれた様だ。

とりあえずキレたハジメ(原作)が物理的に相手を傷つけない魔力弾で亡霊に痛みを与え続けた上で、身体の主導権を取り返した白崎さん(原作)が光の魔法で浄化したとの事。

 

「こっちじゃ亡霊に取り着かれたのは葵だったな…………魂の『格』が違い過ぎて自滅したけど」

 

「自滅? どういうことだ?」

 

俺の言葉にハジメ(原作)が首を傾げる。

 

「当時は知らなかったけど、葵は精神や魂に対する干渉………要は〝魂魄魔法〟に関係する影響に対して、絶対的な耐性を持っていたんだ。だから、取り憑いた亡霊が葵の魂に干渉しようとしたから、逆に消滅する事になったんだ」

 

そう言えば、女神姿の葵を見たのは、あの時が初めてだったか…………

一瞬だけだったけど。

 

「そういえば、その影響で私のステータスが上がったんだよね」

 

葵が思い出したように言う。

 

「そうだったな。その所為で俺の無力さが浮き彫りになったけど…………」

 

「あはは………」

 

葵は苦笑する。

そして、迷宮をクリアして〝再生魔法〟を手に入れた後、海中に強制排出。

こちらのハジメ(原作)達は先程言った通り悪食に襲われるも、リーさんの協力もアリ撃破した、という事だ。

そして俺達だが…………

 

「俺らはいきなりメタルシードラモンに襲われたんだよな…………」

 

「ブフッ!? ダークマスターズ2体目!?」

 

「潜水艇で脱出している時に、いきなりアルティメットストリームで奇襲を受けたんだよ」

 

「あの時は流石に死んだかと思ったな…………」

 

ハジメもやや苦い表情をしていた。

 

「まあ、ギリギリ気付いた俺がアルファモンになって、何とか防いだんだが、潜水艇は跡形もなく消し飛ばされたな。後はオウリュウモンに進化した葵とリュウダモンで何とか海上まで逃れた」

 

「悪食より性質悪い敵じゃねえか……………」

 

まあ、悪食ぐらいならメタルシードラモンのアルティメットストリームで一瞬で消し飛ばすだろうし。

 

「流石に海のフィールドでメタルシードラモンの相手は骨が折れたな。最終的にはアルファモンが囮になって自らを喰らい付かせ、口を抉じ開けて体の中にデジタライズ・オブ・ソウルをぶち込んだ上で、オウリュウモンとベルゼブモンの同時攻撃で倒した」

 

「……………どこぞのEV〇弐号機か?」

 

ハジメ(原作)がそう言う。

何となく言いたいことは分かった。

その後はエリセンに戻って数日滞在した後、ミュウとレミアと別れて旅を続ける。

のがこっち側のハジメ達(原作)だったのだが、

 

「そう言えば、そのエリセンに滞在している最中だったよね。雫がコテモンと出会ったのは………」

 

葵がそう言った。

 

「へっ? 私?」

 

八重樫さん(原作)が素っ頓狂な声を漏らす。

 

「雫もテイマーになったのか?」

 

ハジメ(原作)が意外そうな声色で問いかける。

 

「うん。っていうか、旅の仲間は皆最終的にテイマーになったしね」

 

「マジか………?」

 

「うん」

 

ハジメ(原作)の驚きに葵は頷く。

 

「エリセンに滞在している時に、私のステータスが上がったから雫に剣の扱い方を教わってたの。オウリュウモンに進化すると、大刀の二刀流だから、生身でも刀の二刀流に決めたんだ。刀の扱い方って言ったら雫だからね。それでエリセンの街中で稽古するのは迷惑だと思ったから、一番近い陸地まで移動してそこで稽古してたの。その時の雫は、そっちの香織と似た様な感じで、無力感を感じていたみたいだったよ。それでも私の稽古に付き合ってくれてたんだけど、ある時、休憩中にコテモンと出会って一回試合をしたんだって。それで雫の剣に惚れたコテモンが雫に同行を申し出て、雫がコテモンのテイマーになったの」

 

「ほぉ~」

 

ハジメ(原作)が感心したような声を漏らしながら八重樫さん(原作)を見る。

 

「いや、私じゃないし…………」

 

八重樫さん(原作)はハジメ(原作)に見つめられて照れたのか、頬を赤くしながら顔を逸らす。

そして、その後にミュウとのお別れ、アンカジのオアシスの浄化ときて、盗賊に襲われている商隊を見つける所までは大体一緒で、こちらのハジメ達(原作)は、リリアーナ王女だけと合流したという。

 

「リリィだけか……………」

 

「レオモンが居なかったからな………」

 

ハジメと俺は残念そうな声を漏らした。

その場にメルド団長が居なかった事を考えると、そう言う事なのだろう。

 

「お前らの方は…………」

 

「俺達の方は、リリアーナ王女とレオモン………そして、傷付いたメルド団長と合流した」

 

「メルドが生きていたのか!?」

 

ハジメ(原作)が驚いた声を上げる。

 

「ああ。レオモンが助けてくれたんだ。その後合流したリリアーナ王女と一緒に王都を脱出したそうだ」

 

「そうか…………」

 

ハジメ(原作)はそれだけを言うが、何処かホッとした雰囲気が感じられた。

 

「それで愛子先生が攫われた事を知った俺達は王都に向かう事にしたんだ」

 

「それと同時に魔人族が大軍を率いてやって来たな」

 

その辺は一緒か。

 

「こっちじゃ魔人族と一緒にデュナスモンとロードナイトモンも来てたから俺とドルモン、葵とリュウダモンはそっちに対処しに行ったな」

 

「私と雫ちゃん、コテモン、優花ちゃん、メルド団長、レオモン、クルモンでリリィと一緒にクラスメイト達の所に向かう事になったんだよね。そうしたら、皆が兵士達に取り押さえられてて………恵理ちゃんが本性見せて」

 

「なんやかんやで檜山君に後ろからぐっさりと刺されちゃったんだよねぇ………あれは痛かったなぁ………」

 

と、白崎さんに続いて白崎さん(原作)が苦笑しながら言った。

 

「え? 刺されたの!?」

 

白崎さんが目を丸くする。

 

「うん、背中から心臓をぐっさりとね。そっちは大丈夫だったの?」

 

「私は普通にステータスが高いし、〝金剛〟も使ってたから、檜山君程度のステータスじゃ傷一つ付かなかったよ」

 

「こう聞くと、そっちの私も結構理不尽だね。今の私が言えた事じゃないけど」

 

2人の白崎さんは笑いながら語り合う。

 

「えっと、それで私が刺された後に神山で神の使徒を倒しての〝神代魔法〟を手に入れたハジメ君が現れて、あっという間に檜山君と操られた兵士達を倒しちゃって、恵理ちゃんを追い詰めたんだけど、恵理ちゃんは魔人族と一緒に逃げて行ったんだ。私は魂魄魔法で何とか魂は昇天しないようにしてくれて、その後に神代魔法を手に入れたユエ達と協力して、神の使徒の身体に魂を入れて貰って生き返ったの」

 

「神の使徒の身体?」

 

「うん。あのまま元の身体で生き返っても、ハジメ君達の足手纏いにしかならなかったからね。最初はハジメ君の作ったゴーレムの身体に魂を入れて貰おうと思ってたんだよ」

 

なんとまあ、思い切った事をするものだ。

 

「流石私。ハジメ君の為なら手段は選ばないね」

 

何故か白崎さんは共感してるし!

やはり世界は違っても同一人物か!?

 

「因みにこっちじゃ、恵理ちゃんはムシャモンとオーガモンとファントモンを連れて来てたから、ちょっと不利だったけど、雫ちゃんがコテモンを進化させて形勢逆転して、そこにハジメ君が来て完全に形勢が傾いたんだけど、恵理ちゃんがメタルファントモンを奥の手に隠してたから、結局逃げられちゃったんだ。あ、因みに檜山君は勝手に逆切れしてハジメ君に襲い掛かってあっさりと返り討ちにされたよ」

 

結局はどちらも中村には逃げられたって事だな。

 

「それでその後神代魔法を手に入れる為に神山に向かった時だよね。ガブモン達と出会ったのは…………」

 

白崎さんは懐かしそうな目をしてガブモンを見る。

 

「魂魄魔法を手に入れた後に、いきなり空から光が降ってきて、目の前にハックモンとブイモン、ドラコモン、クダモンが現れたんだ。その時の皆は、記憶を失ってて自分が誰かも分かって無かったんだよね。それで、そのすぐ後にアグモンとガブモンが降って来て、ハジメ君の上に落ちたんだ」

 

そう言えばそんなコントみたいなこともあったなぁ。

 

「それでどうするか話し合ってた時に、いきなり完全体のパロットモンが現れて、ハックモン達を連れて行こうとしたんだ。それでいきなりアグモンとガブモンが戦い初めたんだけど、パロットモンには全然敵わなかった」

 

「そりゃあ成長期で完全体に挑むなんて自殺行為にも程があるだろう………」

 

ハジメ(原作)が納得する様に頷く。

 

「それでもアグモンやガブモンは諦めなかった。どんな時でも闘志を失わず、生きる事を諦めなかった。その姿に共感した私とハジメ君は、そのままアグモンとガブモンのテイマーになったんだ。テイマーになった瞬間にアグモンとガブモンが成熟期に進化して、パロットモンを倒したんだよ」

 

白崎さんが嬉しそうにそう言う。

 

「ほう? 2体掛かりとは言え、成熟期で完全体を倒すとはやるじゃねえか」

 

ハジメ(原作)が感心したようにそう言う。

 

「まあ、こっちのハジメや白崎さんが手助けした事も大きいけどな」

 

巨鳥型のパロットモンの翼を撃ち落としたのはハジメだ。

それに、パロットモンが防御力のあるデジモンじゃなかった事も理由に上げられる。

それでも大金星なのは間違いないだろう。

そして俺達は、デジモンを伴ったまま王都へ戻る事になった。

 

「当然ながら天之河の奴が突っ込んできたけどな」

 

「天之河だからな」

 

俺とハジメはそれだけで納得してしまう。

 

「それでなんやかんやでリリアーナ王女を帝国まで送ることになったんだが………」

 

「やっぱそっちも天之河達がついてきたのか?」

 

ハジメ(原作)の言葉に俺は頷く。

 

「ハジメの作った飛空艇で帝国に向かっていた時に、亜人達を捕えた帝国兵をハウリア族が蹂躙していて、フェアベルゲンや帝国にも魔人族の襲撃があったって事を知って、亜人達を送り届けることになったんだが、何故かドクグモンの群れに襲われる事になったな」

 

「そこら中でデジモンに襲われてたんだな、お前ら………」

 

ご愁傷様と言いたげな目を向けるハジメ(原作)。

 

「まあ、そこで優花やユエ、シア、ティオが、それぞれハックモン、ブイモン、ドラコモン、クダモンの正式なテイマーになったんだがな」

 

「お、ユエ達もいよいよテイマーになったのか」

 

ハジメ(原作)が待ってましたと言わんばかりにそう言った。

そして、話は帝国に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 






原作クロス編第6話です。
モチベーションが上がらぬまま書きました…………
やはりそろそろ限界が近いっぽい…………
何とか原作クロス編とトータス旅行記までは頑張ります。


P.S 今週も返信はお休みです。ここの所連続で申し訳ない。

マブラヴ編の次は?

  • トータス旅行記編
  • 原作クロス編
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