ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第8話 相違点 その⑥

 

 

 

 

葵が女神として覚醒してエヒトが消滅した所まで話し終え、俺の言葉は続いた。

上級神様の事まで話すと、皆のキャパが越えそうなので端折るとして、

 

「エヒトが消滅した後、解放された皆と合流したんだが……………一番驚いたのはミュウの事だな」

 

「ミュウ? ミュウがどうかしたのか?」

 

ハジメ(原作)が問い返す。

 

「……………………ベルフェモンをパートナーにしてた」

 

「ベルフェモン!? 七大魔王のか!?」

 

ハジメ(原作)が驚愕の声を上げる。

 

「ああ………流石にスリープモードでミュウが抱えられる程度のぬいぐるみサイズだったが………」

 

「……………さ、流石はミュウだな………」

 

ハジメ(原作)も予想外過ぎたのか、そう言うのが精一杯の様だった。

 

「ああ。あと、ユエの叔父だが、アルヴの魂が取り除かれた事で、ほんの僅かだが意識を取り戻した」

 

「ッ!?」

 

俺の言葉に、ユエ(原作)が大きく目を見開いた。

 

「ほんの僅かな時間だったけど………お父様と言葉を交わせた…………お父様の本心を………私への愛情を………確かに感じた………」

 

ユエは胸に手を当てながら、その時の事を思い出しているのだろう。

小さく微笑みを浮かべている。

 

「まあ、流石に肉体の限界があったようで、そのまま塵になって消えてしまったけどな…………」

 

少ししんみりした空気が流れる。

 

「大丈夫。私には皆が居る。お父様も、私が落ち込む事なんて望んでない」

 

ユエが明るい声を出しながらそう言った。

 

「ああ」

 

ハジメが頷く。

 

「それでその後なんだが、一先ずクラスメイト達をハイリヒ王国まで帰そうとした時に、デュナスモンとロードナイトモンが現れたんだ」

 

「おっ、中々出てこなかったが遂にか……………つーか、その時の戦力だと負ける要素無くね?」

 

ハジメ(原作)が遂に来たかと期待する様な表情になったが、その時の戦力を思い出す。

 

「確かにその時の戦力は、ロイヤルナイツトップクラスのアルファモン。七大魔王の一角のベルゼブモン。それに勝るとも劣らない力を持つオウリュウモン。通常の究極体を圧倒出来るブリッツグレイモンとクーレスガルルモン。X抗体デジモンのガイオウモン。それに完全体トップクラスが4体も居たんだ。俺だって負ける事は無いと思っていた……………デュナスモンとロードナイトモンだけだったらな」

 

「何………?」

 

「デュナスモンとロードナイトモンは援軍を用意していたんだ」

 

「援軍? つっても、並のデジモンが何体居ようと返り討ちに出来そうな気もするけどな」

 

ハジメ(原作)はそう言うが、

 

「その援軍というのが……………マグナモン、ドゥフトモン、クレニアムモン、ガンクゥモン…………そして………………オメガモンだった…………」

 

「なっ!? ロイヤルナイツ………! オメガモンまで!?」

 

驚愕を隠し切れず、そう叫ぶハジメ(原作)。

ハジメ(原作)が驚いていると、ユエ(原作)がハジメ(原作)の袖をクイクイと引っ張り、

 

「ハジメ、さっきから度々出て来るけど、『ロイヤルナイツ』って何?」

 

そう問いかけた。

 

「あ~、『ロイヤルナイツ』っつーのは、13体の聖騎士型デジモンの事で、デジモンの究極体の中でも上位に位置するデジモンの集まりだ…………そうだな…………」

 

ハジメ(原作)はおもむろにスマホを取り出すと、それを操作し、

 

「ロイヤルナイツの中でも一番有名なオメガモンなんだが………そいつの凄さを知るにはこれが一番だな」

 

全員に見えるように空中に映像を映し出した。

それは、

 

『劇場版デジモンアドベンチャー~ぼくらのウォーゲーム~』

 

何故か突然映画鑑賞会が始まった。

まあ、長さも40分ぐらいだから、割と気軽に見れる。

ネットワーク上に突然現れたデジタマから生まれたクラモン。

ネットワーク上のデータを食べ始め、世界中の電子機器に異常が出始める。

それを止める為に、太一達がパートナーデジモンと共に戦いを挑む。

初戦は進化中に攻撃されるというある意味反則技で敗れ、仲間と合流し、挑んだ2戦目は太一のポカでパソコンをフリーズさせ、ウォーグレイモン達の動きが止まってしまい、負けてしまった。

そのシーンでは、見ていたメンバー全員が呆れていた。

だが、その直後にディアボロモンは核ミサイルを発射。

その事実に皆は唖然とした。

そして、そのミサイルを止める為の時計はディアボロモンが持っているが、ディアボロモンは自分のデータをコピーして増殖を開始する。

ウォーグレイモンとメタルガルルモンは、それでもミサイルを止める為に戦う事を決意する。

そして、向かった先で見たものは、空間を埋め尽くすディアボロモンの群れ。

その光景に全員が絶句する。

 

「こいつら………何体居るんだ………?」

 

奇しくも画面内のヤマトと同じセリフを同時に誰かが呟いた。

そして、光子郎のセリフから16000体。

どんどん増えてるというセリフから、最低でも32000体。

下手をすれば6万や10万を超えている可能性だってあった。

すると突然、ディアボロモン達のざわめきが途絶え、嵐の様な攻撃が始まった。

ウォーグレイモンとメタルガルルモンが必死に避けようとするも、世界中から送られてくる応援メールが原因でパソコンの処理速度が落ち、ウォーグレイモン達の動きが鈍り、集中砲火を受けてしまう。

ボロボロになって動かなくなるウォーグレイモンとメタルガルルモン。

しかし、パートナー達が電脳世界に入り込み、2体の元へ辿り着いた。

そして奇跡が起こる。

世界中のメールがまるでタマゴの様に2体を包み込み、その2体が変形。

メールに込められた子供達の思いが体となって、ウォーグレイモンとメタルガルルモンが合体。

オメガモンが誕生する。

そこからは圧倒的だった。

ウォーグレイモンとメタルガルルモンを戦闘不能に陥らせた数万に及ぶ砲撃を、グレイソードの一振りで弾き返し、続けて放った数発のガルルキャノンで、ほぼ全てのディアボロモンを消し飛ばした。

最後に残ったディアボロモンが、スピードを活かしてオメガモンを翻弄するも、メールを転送するという機転を利かしてディアボロモンの動きを鈍らせ、残り0.01秒という僅差でディアボロモンに止めを刺した。

かくして核ミサイルの爆発は食い止められ、物語は終幕となった。

 

「「「「「「「「「「…………………………………」」」」」」」」」」

 

それを見終わった全員が言葉を失っていた。

何故なら、

 

「………………アレが敵に回ったの?」

 

ユエ(原作)が呆然と呟く。

 

「正確には、オメガモンに勝るとも劣らない力を持った4体も………だな」

 

俺はそう言う。

流石にあのオメガモンのインパクトは絶大だろう。

 

「まあ、現に初戦はグレイソードの開幕ブッパで、俺達ほどんど戦闘不能にされたけどな………」

 

ハジメがそう言う。

 

「いくらブリッツグレイモン達でも、いきなりオメガモン相手は無理だ」

 

俺が続く。

 

「ハックモンの完全体だったセイバーハックモンも、ガンクゥモンに一撃で倒されたしね」

 

「おいおい………その状況でよく生き残ったな…………?」

 

ハジメ(原作)がひくつきながらそう言う。

 

「流石に勝ち目は無かったから撤退一択だったな。それでも、ぶっつけ本番のブラストエボリューションで、アルファモン王竜剣になって何とか………だったけど」

 

「おおっ! そう言えばアルファモンにはオウリュウモンとの進化がまだあったんだったな!」

 

ハジメ(原作)が思い出したと言わんばかりに叫んだ。

 

「ま、それで何とか撤退した俺達だったんだが、次の日になると、空に東京が映っていた」

 

「…………………は?」

 

意味が分からなかったのか、ハジメ(原作)が素っ頓狂な声を漏らす。

他の皆も何言ってんだコイツ?と言いたげな表情だ。

 

「要はデジモンアドベンチャーの後半にあった空にデジタルワールドが映ってたアレだ。こっちじゃトータスと俺達の世界が近付いた事によって引き起こされた現象だ」

 

「おいおい………何でそんな事になってるんだよ……?」

 

「簡単に言えば、イグドラシルの仕業だ。奴は人間をデジモンに害を与える異物だと判断したんだ。だから手っ取り早く2つの世界をぶつけて両方消滅させようとしたらしい」

 

「ここでイグドラシルが出て来るのかよ…………2つの世界をぶつけるとか、同じ『神』でもエヒトとはスケール違い過ぎるだろ…………」

 

驚愕を通り越して呆れた表情になるハジメ(原作)。

 

「だから言ったろ? 俺達にとっちゃ、エヒトなんて最終決戦の前座にもならない相手だって」

 

「確かにそんなスケールのデカい戦いをしてりゃあ、1つの世界の1つの大陸で神気取りをしてたエヒトなんて、小物呼ばわりされても仕方ねえな………」

 

呆れつつも、納得する様に頷くハジメ(原作)。

 

「因みにその内容は、中村が現れて宣戦布告の様にベラベラ喋ってくれた。そんで置き土産の様にファントモンとメタルファントモンが進化して、ピエモンとゴクモンになって襲い掛かって来たな」

 

「ピエモン………ダークマスターズ4体目か………そんで確かゴクモンはゲームのラスボスだったか?」

 

「ああ。どっちも並の究極体を超える相手だ。けど、記憶を取り戻したハックモンと確かな絆を結んだ優花が究極体に進化してその2体を倒した」

 

「1体で究極体2体を倒したのか!? いや、ハックモンの究極体って………まさか!」

 

「ああ。ハックモンの究極体は、ロイヤルナイツの一角、ジエスモンだ。元々ハックモン達は、イグドラシルがロイヤルナイツを呼び出す際にチンロンモン達四聖獣の妨害に遭い、記憶と力を失った残りのロイヤルナイツだったんだよ」

 

「ロイヤルナイツがパートナーか…………」

 

「それで、中村の言葉で2つの世界の衝突まであと3日という事が判明した。それで俺達は、ギリギリまで準備する事にしたんだ。まず、王都の住民は全員避難させた。デジモンの完全体以上相手では、普通の人間では太刀打ち出来ないからな。それからシアに『神域』についてミレディに聞いてくるように頼み、ティオには俺達が神域に攻め入っている間の王都の護りの為に、竜人族に協力を要請して貰いに行って、ユエは準備の間の王都の護り、ハジメと白崎さんは竜人族の力を底上げする為のアーティファクトの作成。俺達はハウリア族に協力の申し出だ。それでそれぞれの役目を果たして戻ってきたら………………」

 

俺は一旦言葉を区切る。

 

「? どうしたんですか?」

 

シア(原作)が首を傾げる。

 

「ユエ、シア、ティオが究極体のアルフォースブイドラモン、スレイプモン、エグザモンになって戻って来た」

 

「おおぅ。残りのロイヤルナイツ勢ぞろいじゃねえか………」

 

ハジメ(原作)が唖然とした声を漏らす。

 

「っていうか、そうなると俺らが一番の足手纏いじゃねえ?」

 

ハジメ(原作)も、ブリッツグレイモンとクーレスガルルモンが劣っている事に気付く。

八重樫さんのガイオウモンはX抗体デジモンの為、戦闘能力ではその2体よりも上だろう。

すると、

 

「その時点ではな」

 

ハジメが意味深に呟く。

 

「3日後、準備を万端にした俺達は、防衛の要にベルゼブモンを残し、俺らのパーティーと、レオモン、坂上、谷口で神域に突入した。まあ、相手もそれは分かってたみたいだからな。突入早々に分断された。簡単に言えば、ロイヤルナイツに関係したメンバー、大士、神代、園部、ユエ、シア、ティオ組は直接ロイヤルナイツの元へ。レオモン、雫、坂上、谷口は天之河と中村の所に。それで俺と香織は…………ディアボロモンの群れの中に放り込まれた」

 

「ディアボロモンって………さっきの………?」

 

白崎さん(原作)が恐る恐ると言った表情で尋ねる。

 

「ああ。最初に現れたのは1体だけだったから、ブリッツグレイモンとクーレスガルルモンで何とか倒せたんだが…………その後無数のディアボロモンに囲まれた」

 

「うん………1万は下らなかったよね………」

 

ハジメに続いて白崎さんもその時の事を思い出しているのか神妙な表情だ。

 

「まあ、流石にそれだけの数のディアボロモンには成す術無かったな………最初は何とか防いでたが、一発喰らえばそれまでだ。集中砲火で戦闘不能まで持ってかれた」

 

ゴクッと誰かが生唾を飲み込む音が響く。

 

「だが、それでも俺達は『生きる事』を諦めなかった。必ず生き抜くと誓った。俺達4人で……!」

 

ハジメ達がアグモンとガブモンに視線を向ける。

 

「へへっ!」

 

「ああ!」

 

アグモンとガブモンも笑みを浮かべて頷く。

 

「そして俺達は至った。ブリッツグレイモンとクーレスガルルモンのジョグレス………もう1つのオメガモンである、オメガモン Alter-Sに………!」

 

「オメガモン…………」

 

「………Alter-S…………」

 

「そんでディアボロモンを全部片付けて、大士達の援護に向かったわけだ。因みにそんときには、雫達の方も天之河達と戦ってて、聞いた話じゃ天之河はセラフィモンと強制的に融合してブラックセラフィモンになったらしい」

 

「ブラックセラフィモン………フロンティアで出てきたアレか…………」

 

「ま、雫とコテモンが進化したガイオウモンに圧倒されたみたいだけどな。そんでレオモンも中村が連れてたオーガモンと戦ってたが、途中で中村が強制融合して、究極体のタイタモンになって暴れたそうだ」

 

「おいおい………究極体のオンパレードだな…………」

 

「詳しくは知らないが、レオモンも究極体のヘヴィ―レオモンに進化して激闘の末勝利したんだ。で、中村はギリギリの落としどころとして、八重樫さんの魂魄魔法の応用技で『記憶』を切って失わせた」

 

「えっ!? じゃ、じゃあそっちの恵理は生きてるの!?」

 

谷口さん(原作)が食いつく。

 

「まあな。記憶を失ってるから、今までの『中村 恵理』とは別人と言っても良いぐらいかもしれないが…………」

 

「そ、そうなんだ………でも、生きてるんだね………」

 

谷口さん(原作)はホッとしたような様子を見せた。

 

「それでロイヤルナイツとの戦いだが、最初は数の不利から押されてたが、途中でオメガモン Alter-Sが合流。それぞれが激闘の末に勝利した。因みにその時に、ユエのアルフォースブイドラモンはフューチャーモードに。ハジメと白崎さんのオメガモンAlter-SはAlter-Bに。優花のジエスモンはGXにそれぞれ進化してたぞ」

 

「…………パワーインフレが凄まじいな………」

 

驚き過ぎて逆に落ち着いてしまっているハジメ(原作)。

 

「それでいよいよイグドラシルと対面して、とりあえず説得しようと思ってたんだが、案の定聞く耳持たず。途中でクレニアムモンやオメガモンも俺達を認めて説得に加わってくれたんだが、あろうことかイグドラシルは、ロイヤルナイツを反逆者として攻撃し始めた」

 

「なっ………!?」

 

「酷い………」

 

「俺達もイグドラシルと戦い始めたんだが、流石に『神』というだけあってイグドラシルは強かった。何度破壊しても再生する身体。強力な水晶弾による攻撃。鞭の様な茨の蔦。そして、あろうことかイグドラシルは神域から姿を消し、地上を攻撃しようとしたんだ」

 

「……………!」

 

誰かが息を呑む。

 

「神域の崩壊に関してはミレディが現れて何とかしてくれたんだが、イグドラシルは容赦無かった。地上の皆どころか、空に映っていた地球にさえ攻撃を加えようとしたんだ。俺達はそれを防ぐ為に奮闘してたんだが、流石に空と地上を守り切るのは俺達だけでは不可能だった。だけど、その時にロイヤルナイツが地上の皆を護る事に力を貸してくれたんだ」

 

おおっ、とどよめく皆。

 

「それから暫くは何とか防げたんだが、遂に地球に向かう水晶弾を撃ち漏らしてしまったんだ。いくつかはその途中で撃ち落とせたが、2発だけは撃ち損ねた。けど、俺達がもうダメだと思った瞬間、地球に居たテイマーズの仲間達が駆けつけてくれたんだ」

 

俺はその時を思い出しながら語る。

あの時は本当に嬉しかった。

 

「デュークモン達が合流し、ロイヤルナイツが勢揃いした俺達は、死闘の末にバーストモードに覚醒したアルファモンで勝利を掴んだ」

 

「バーストモード!? アルファモンがか!? いや、お前もデジソウルが使えるなら可能性はあるか………」

 

驚愕するハジメ(原作)。

 

「因みに後日談ではあるが、ハジメに勝負を挑んだ遠藤も、ファルコモンと共に進化したレイヴモンのバーストモードを発動させることに成功しているぞ」

 

「パねえな遠藤…………」

 

ハジメ(原作)がもう驚くのにも疲れたと言わんばかりにそう呟く。

すると、ハジメ(原作)が顔を上げ、

 

「とりあえず一言………………よく無事だったなお前らの世界」

 

本心からそう言うのだった。

 

 

 

 

 

 







原作クロス編第8話です。
漸く相違点のお話が終わりました。
思った以上に長くなった。
さて、これからはどうしましょう?
ハジメ達の模擬戦見たいですか?
それともさっさとパラレルモン出てきて倒して帰還します?
次もお楽しみに。

ハジメ達の模擬戦は見たい?

  • 見たい!
  • いや、別に………
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