ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第2話 トータス旅行記 ~ライセン大迷宮編~

 

 

王宮で昼食を摂り、異世界ツアー初日午後の部が始まった。

行先はライセン大峡谷。

ライセン大迷宮が目的地だ。

まあ、大迷宮に行く前にシアとの出会いを見たが、その当時の残念っぷりに皆がほっこりしていた。

特に、

 

「シアにも………このような時期があったのだな………」

 

シアの首に巻き付いているクダモンがしみじみと呟いたのが印象に残った。

そして、ライセン大迷宮の入り口がある場所に来ると、

 

『おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪』

 

いつだったかと同じ看板が俺達を出迎える。

書かれている内容を翻訳すると、皆が目を点にしていた。

 

「うん、そういう反応になるよな。俺等もそうだった」

 

「……ん。今見ても微妙にイラッとする」

 

「ですね~。もうこの瞬間からウザったいですもんねぇ」

 

「ま、まあミレディさんのお茶目って事で………」

 

それぞれがそう漏らす。

 

「これから、このライセン大迷宮の見学に行くわけだが、ここは物理トラップの山だ。何処に何があるか分からないから、オルクスより警戒してくれ。くれぐれも、勝手に行動したり何かに触れたりしないように」

 

ハジメがそう言うと、隠し扉を開けて中に入る。

ここで過去再生をしなかったのは、シアのあの失敗を見せない為だろう。

だが、俺達は未だに甘く見ていた。

ミレディのウザさを。

 

『ビビった? ねぇ、ビビっちゃった? チビってたりして』

『いいんだよ! チビっちゃうくらい! ダバーッといったウサギ娘もいるから大丈夫! あ、でも掃除はしていってね! マナーは大事だぞ? プギャーーーッ』

 

この後、暫くシアの暴走が始まり、収まるまで暫くの時間を要した。

 

 

 

それから、遠藤の冒険譚を見ながら先へ進むことになったが、重力魔法を会得していないティオ、八重樫さんが普通に攻略してみたいと言い出し、更にそれに便乗して、シャルロットとシュヴァリアまで参加すると言い出したのだ。

しかし、迷宮を攻略するのに俺達でも一週間以上かかったため、道順だけ羅針盤で道を示し、それでクリアと認められれば御の字。

認められなかったらまたいつか、という事になった。

何故かハジメが乗り気でなかったのは謎だが………

 

 

そのまま迷宮を攻略していき、時折シアの残念っぷりを鑑賞し、遠藤の厨二っぷりにハジメと愁さんが心を痛めながら先へ進む。

忘れてはいけないが、ライセン大迷宮は魔法が分解されるため、身体強化以外の魔法は殆ど使えない。

とは言え、魔物肉を食べてステータスの上がったシャルロットはともかく、魔法など知った事かと言わんばかりのシュヴァリアの拳でトラップが次々と粉砕されていく有様は、一種の爽快感があった。

いや、今なら俺も同じ事出来るか……

 

 

 

その後もミレディのウザい罠が続き、それを煽る石板の文字が参加者たちの怒りを増長させ、ティオの眼が竜眼に、八重樫さんの眼が辻斬りの眼に、シャルロットの眼がかつてのシャルロット(タバサ)と同じ眼に、シュヴァリアの眼がマジで魔王と言える眼に変貌してきた頃、数時間でクリアするのは無理と判断したため、クリスタルキーでボス部屋まで転移する事になった。

なったのだが…………

 

『88mmレールキャノン・二門。ステンバ~~~イ』

 

背面から伸びたアームが、両肩の上に砲塔をドッキング。

 

『可変式30mmガトリングレールガン・二門。ステンバ~~イ』

 

両腰の巨大ドリルがキィイイイインッと回転を始め、同時に四つに分割されて中から六砲身が姿を見せる。

 

『熱源追尾式ミサイル・百二十発。ステンバ~~イ』

 

胸部装甲がスライドし、中から蜂の巣のような武装が姿を見せる。

目の前に現れたボスゴーレムは、以前の面影を欠片も残していない程に武装強化された物だった。

そして、こんな事が出来るのはたった1人しかいない。

 

「…………ハジメ、あれは何だ?」

 

俺はジト目でハジメを見る。

 

「……………スーパーミレディG(ゴーレム)だ」

 

ハジメはそう言う。

 

「………ハジメ、何考えてんだ?」

 

俺は再び問いかける。

 

「……………ロマンだ」

 

ハジメは目を逸らしながら答えた。

因みに、参加者以外はこの部屋に入ったとたんに多重結界によって守られている。

参加者である八重樫さん、ティオ、シャルロットがギギギとブリキ人形の様に首だけで振り返る。

シュヴァリアだけは何かやる気に満ちているが。

そんな彼女達に、

 

「前を見ろ………死ぬぞ!」

 

ハジメが告げた瞬間、スーパーミレディGの武装が火を噴いた。

 

「ハジメの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「りゅ、竜化ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「しゅ、瞬光っ………!!」

 

「ぬおっ!?」

 

閃光と爆炎と衝撃波が空間を蹂躙する。

シャルロットが雫を抱えて超スピードで駆け回り、ティオが竜化して黒麟で防ぎ、シュヴァリアも直撃は拙いと思ったのか翼で飛び回りながら攻撃を回避する。

 

「……ハ、ハジメさん? あれなんです? 私達が戦った時と全然違うんですけど。ちょっと手を加えたレベルじゃないんですけど!」

 

「スーパーミレディGだ」

 

「なるほど。分かりません」

 

シアが唖然としながら問いかけたが、返って来た返事はやはりあのゴーレムの名前だった。

いってる間にティオが吹き飛ぶ。

 

「ティ、ティオォォォォォォォォッ!?!?」

 

ドラコモンが溜まらず叫ぶ。

すると、今度は標準を駆けまわるシャルロット達に向ける。

攻撃が集中され、回避しきれなくなってきた。

 

「し、雫っ!」

 

コテモンが叫ぶ。

しかし、

 

「余を無視するとはいい度胸だ!!」

 

攻撃を集中したことにより、反撃の隙が出来たシュヴァリアが横から殴りかかる。

ゴーレムの巨体が錐揉み回転しながら宙を舞う。

そのまま壁に激突するかに思われたが、ゴーレムは各部のスラスターを噴出させ、勢いを殺し、激突前にピタッと空中で静止してみせた。

 

「………どういう姿勢制御能力してんだ………」

 

俺はもはや驚愕を超えて呆れていた。

まあ重力魔法がある時点で姿勢制御なんて自由自在なんだろうけど。

すると、スーパーミレディGが新たな動きを見せた。

香ばしいポージングをしながら右腕を振り払えば、腕がガションッと変形して電磁加速式パイルバンカーになる。

そして、背部スラスターから光の粒子を撒き散らしながらシュヴァリアに向かって突進する。

殺意マシマシの突撃パイルバンカー攻撃だ。

おそらく鋼鉄の城壁すら容易く貫く威力を持っているのだろう。

だが、

 

「はっ! 真正面から挑んでくるとはな!!」

 

その突撃をシュヴァリアは真正面から拳で受け止めた。

ぶっとい上に鋭利な杭の先が、シュヴァリアのか細い腕の拳に突き刺さる事無く止められている光景はシュールだが。

その瞬間、動きを止めたスーパーミレディGに、

 

「今よ! シャルロット!」

 

「うん………!」

 

背後に回り込んだシャルロットと雫が攻撃をしようと飛び掛かる。

「おぉ!!」と歓声が上がるが……

 

「フッ、甘い。巨体故に生まれる死角の多さを、俺が見過ごすと思ったか?」

 

「……ハジメ、どっちの味方なの?」

 

自信満々なハジメの言葉に、菫さんから突っ込みが入る。

しかし次の瞬間、スーパーミレディGの翼らしき三対の突起部分がパージされた。

それが宙に浮き、くるりと反転するとその先端に銃口が見えた。

今度はビット攻撃か!?

 

「ッ!?」

 

「うそでしょ!?」

 

そして放たれる弾丸の嵐。

シャルロットは空力の足場と瞬光で回避。

雫は黒刀の刀群を召喚して花びらのように束ねると同時に、全黒刀にて空間断裂〝閃華〟を発動。

何とか凌ぐ。

 

「ええいっ、ご主人様よ! やりすぎじゃろ!」

 

復帰したティオが、スーパーミレディGの動きを封じようと、黒竜の巨体で飛びかかる。

 

「なっ、ビー○サーベルだと!?」

 

愁さんが叫ぶ。

その言葉通り、スーパーミレディGは大腿部に収納されていた二本の棒を掴み取り、抜き放つと、ビー○サーベルが発生する。

 

「最上級の炎を昇華魔法で更に高熱化させて、重力魔法で圧縮してあるんだ。再現するのに苦労したぜ」

 

ビー○サーベルの一振りにより、強靭な筈のティオの黒麟がはぎ取られる。

 

「ハジメの悪い癖が出たわね」

 

菫さんが呟く。

 

「………………何か、見覚えのある武装がいくつかあるね」

 

慧が呟く。

 

「そうだね。時期的にこっちが先みたいだから、こっちの技術を私達の機体にも流用した感じかな?」

 

続けてハルもそう推測する。

 

「う、うむ………こちらの娯楽であるアニメや漫画もいくつか見たが…………それを再現してしまう南雲さんの技術力は恐ろしいな…………」

 

冥夜も畏怖する様にそう言うが、正確には技術力ではなくロマン魂だろう。

スーパーミレディGの攻撃は激しくなる一方だが、こちらも歴戦の猛者。

時間が経つにつれスーパーミレディGの攻撃に慣れてきたのか、徐々に反撃が始まる。

 

「も、もう少し……!」

 

「し、死ぬかと思ったけど……なんとかなりそうね」

 

「ハァハァ。ご、ご主人様めっ。こんなものっ、今後誰も攻略できんぞ! 妾達はシュヴァリアが居ったから何とかなったが………」

 

「ふふふ、中々楽しめたぞ」

 

スーパーミレディGも武装のほとんどを八重樫さんに斬り取られ、シャルロットやティオ、シュヴァリアの攻撃で満身創痍状態だ。

あと少しだと4人は気合を入れ直す。

しかし、

 

「甘いっ、甘いぞお前達! コカ○ーラに砂糖をしこたまぶち込んで煮詰めたくらい甘い!」

 

「……だから、誰の味方なの、ハジメ」

 

ハジメの叫びと共に、スーパーミレディGが輝きを噴出した。

キラキラと光る真紅の魔力がスーパーミレディGを包み込む。

装甲がバシュンッバシュンッとパージされていき、その巨体がスリムになっていく。

二回りは小さくなったスーパーミレディG。

腕を組み、莫大な真紅の粒子を撒き散らし、全身を赤熱化でもさせているかのように輝いている。

 

「こ、これはまさか………」

 

俺は恐る恐るハジメを見る。

 

「HPがレッドゾーンに突入したらボスは強くなる。常識だ!」

 

「アホかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

俺は思いっきりハジメに叫んだ。

それと同時にスーパーミレディGが動き出す。

残像を残す程のスピードに、両手両足の先から発生するビー○サーベル。

 

「トラン○ムモード発動! いけっ、スーパーミレディG! お前の力っ、見せつけてやれ!」

 

「ハジメっ、あなたどっちの味方なのよ!」

 

『ご主人様よっ、あとで家族会議しようぞっ。逃がさんからな!』

 

八重樫さんやティオの叫びが響く。

パワーアップしたスーパーミレディGは理不尽だった。

シャルロットの瞬光を余裕で追い抜き、ビー○サーベルはティオの黒麟を以てしても防御不能。

八重樫さんやシュヴァリアの攻撃も超スピードと正確無比な機体及び姿勢制御により掠りもしない。

最早これは試練ではなくただのイジメだった。

 

「いいぞスーパーミレディG! 強いぞスーパーミレディG! すごいぞスーパーミレディG!!」

 

ロマンのままに叫ぶハジメ。

しかし、遂に彼女達の堪忍袋の緒が切れた。

 

「ハジメ………」

 

「ご主人………」

 

「ハジメ………」

 

「ハジメ………」

 

それぞれの眼が虚ろになる。

そして、

 

「来なさい………コテモン」

 

「来い………ドラコモン」

 

「………リアライズ」

 

「………来い、お前達………!」

 

静かな………そして重苦しい声が響く。

 

「う、うむ……!」

 

「わ、わかった……!」

 

呼ばれたコテモンとドラコモンが結界から出ようとして、

 

「あっ! ちょっと待て! それは反そ………」

 

「ふんっ!」

 

「ぐふっ!?」

 

ハジメが慌ててコテモンやドラコモンを止めようとしたので、俺がボディブローで黙らせた。

そのままそれぞれのパートナーに向かっていき、進化した。

 

「ガイオウモン!!」

 

「エグザモン!!」

 

「ディアナモン!!」

 

「オメガモンズワルト!!」

 

現れる4体の究極体デジモン。

そして、そのままそれぞれがエネルギーを溜め始め、

 

「「『『いい加減に…………しろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』』」」

 

容赦のない必殺技が同時に放たれた。

 

「スーパーミレディGぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

ハジメの悲痛な叫びと共に、スーパーミレディGはこの世から完全に消滅した。

その後、

 

「ハジメ……反省してる?」

 

「ハジメ、誰が正座を解いていいって言ったのかしら」

 

「ご主人様よ、作り直せ。元のミレディ・ゴーレムのレベルに。よいな?」

 

「……うっす。すんませんした」

 

彼女達に正座させられるハジメの姿があった。

因みに、迷宮の攻略者とは認められなかったりする。

 

 

 

 

その後、遠藤のミレディゴーレム攻略戦(魔改造前)の戦いを見たり、ミレディの私室の過去映像を見たりしたが、やはり最終的にはミレディはミレディだったという事で落ち着いた。

 

 

 






トータス旅行記編第2話です。
半日で書いたものなので短いです。
ライセン大迷宮編をお送りいたしました。
原作ではスーパーミレディGは自爆させられましたが、この小説ではブチキレた方々が究極体で完全消滅させました。
次回はブルックからウル辺りですかね?
お楽しみに。



それで次回作アンケートですが、『ありふれたフロンティアへ』と『転生特典ジェイアーク』が1.2位なのでこの2つで決選投票を行います。
では、もう少し詳しい設定をば。



題名:ありふれたフロンティアへ(二次・ありふれた職業で世界最強×デジモンフロンティア)


ありふれとデジモンフロンティアのクロス。
主人公は拓也。
フロンティア勢からは、拓也以外に輝二と輝一。
カップリングは拓也×優花・ティオ、輝二×雫、輝一×恵理、ハジメ×香織中心のハーレム。
物語開始時点で拓也と優花、輝一と恵理、ハジメと香織は恋人同士。
優花は高校入学後に不良に絡まれている所を拓也に助けてもらい一目惚れ。
お礼と称して手作り料理を食べさせ、拓也の胃袋を掴んだことを切っ掛けにアタックを繰り返し、2年に進級する頃に見事ゴールイン。
恵理は光輝ではなく輝一に助けられ、輝一の家の養子になっている。
なので現状義理の兄妹だが、恵理はその内輝一の妻になると公言し、輝一も殆ど受け入れ状態。
なので恵理は特に猫を被っておらず、本性のままそれなりに明るくなった感じ。
輝二は八重樫道場の門下生(アニメ序盤で披露した棒術は、そこで培ったものという設定)。
なので雫とも親しいため、苦労人の雫をそれなりに気遣っている。
剣道の腕も光輝より上。
2年生になり、ハジメと知り合った事で、デジタルワールドの冒険の話(ハジメ達は創作話と思っている)を語る事で親しくなり、清水も興味を持って友達に。
輝二、輝一も居るため、雫、香織も自然と話に入り、ハジメと香織が接点を持つことが多くなり、召喚される前に恋人同士になる。
トータスに召喚された後は、拓也、輝二、輝一ともに結構な強さ。
オルクス大迷宮ではなんやかんやでハジメ、香織、拓也が橋から落ちる。
ハジメと香織は奈落に流れ着くが、拓也はそのまま崖下に落下し、瀕死の重傷を負って……………後は秘密。







題名:転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件(二次・ガオガイガー・最強物・多重クロス)




神の気紛れで転生する事になった主人公。
更に神の気紛れで転生特典が量産型の機体のみになってしまう。
そこで条件の穴を突き、ジェイアークを選ぶ。
自身はJジュエルのエヴォリューダーにしてもらう。
何とか認めさせ、マブラヴオルタの世界に転移するが、神のささやかな意趣返しで、ジェイアークの武装の半分近くが封印される事に。(メガフュージョン、反中間子砲、メーザーミサイルの半数が使用不能)
封印を解く為にはアルマ(パートナー)が必要だという事をトモロから聞く。
新潟のBETA侵攻から介入開始。
色々あって柏木 晴子と恋人になる。
そして佐渡島ハイヴ攻略戦で何故か原種出現。
ピンチに陥るも晴子がアルマとなってジェイアークの封印解除。
メガフュージョンで原種撃破。
それから晴子と共に別の世界(別作品)に旅立つことになる。
というのがマブラヴ編での一連の流れ。
この次はガンダムSEED DESTINYの世界の予定。
その後は特に考えていない。
別作品に原種やゾンダーが介入してくるので、それを倒していく、という事にしようかな? とも考えている。





とまあこんな感じです。
アンケートよろしくお願いします。
それでは皆様、よいお年を!


PS:今日の返信はお休みします。

次回作決選投票

  • ありふれたフロンティアへ
  • 転生特典ジェイアーク
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