襲撃事件が終わり、織斑先生も流石に今回は大士達の異常とも言える身体能力等を含めての話し合いとなり、織斑と専用機持ちの1年全員がいる前での話となった。
そして大士達が1年半前にこの世界に起きた《神隠し事件》の被害者で、半年前に地球に帰って来たと話になった。
因みに同時期に織斑がISを動かした事で、大士達の帰還はニュースにはならなかったと言った。
「そう言えばこの世界を調べてた時にあったな、そのニュース。それとお前等の帰還に関しても少しだけ書かれてたぞ、新聞に。まぁ三面以降の小さな記事になってたけどな」
「まぁ帰還した時期が時期だから、それでも仕方無いけど、何でそんな小さな記事を知ってるんだ?」
「俺の知らないお前等の事を調べたオマケみたいなものだ。まぁ調べたやり方は特殊だがな」
そうして半年前に逆さまに映った地面等の話もし、大士達は自分達が経験した異世界トータスでの出来事を全て話してくれた。
まぁ織斑のアホは自分の正義感で文句を言っていたが、俺からすれば何を言っているのかと思った。
序に楯無が大怪我を負う羽目になった理由も込みで織斑先生からゲンコツを貰って説教をくらったが、俺からすれば無意味だろうなと判断していた。
今回の事件発生と説明をしてから3日後の放課後、織斑先生と俺・葵・優花の3人に、織斑と篠ノ之を除いた1年の専用機持ちと楯無が、会議室で勇太から特別な話があるとして来ていた。
そして勇太からこの学園で起きている襲撃等の原因理由込みで話すと言われた。
「まずこの学園で起きてる襲撃等の理由だが、原因は織斑一夏だ」
勇太の発言に、流石に皆が怪訝な顔をした。
「正確にはなんだが、これまで起きたこのIS学園で起きた襲撃、ラウラの事案も含めるかもしれないが、全ての元凶は織斑一夏なんだ。より正確には篠ノ之束の描いた脚本において、その脚本における主役が織斑一夏だからなんだ」
「・・・はっ?」
「だから全てだよ。織斑一夏が世界で初めてISを動かした男性操縦者になったのも、倉持技研が開発途中で放棄した白式を篠ノ之束が恐らく盗んで第4世代の試作機として改良し、織斑一夏の専用機にさせたのも、そしてこれまでと今回のイベントで起きた無人機による襲撃も全て織斑一夏のためなんだ。まぁ序に、恐らくこの前の襲撃で初お目見えでできなかった妹の篠ノ之箒に単一能力に目覚めさせるのと、悪ければもう一段強くさせる為の布石だったのが、この前の襲撃理由だ」
流石の勇太の発言にこの場にいた全員が唖然としてしまった。
「篠ノ之の理由に関して簡単で、今回発現した紅椿の単一能力が俺の世界では臨海学校での戦いで発現してる。だが、この世界では今回発現している。つまり、今回の襲撃は篠ノ之の単一能力に目覚めさせるのが理由だったのと、織斑の強化って所だろうな」
「・・・織斑の強化?どういう意味だ?」
「お前等の異世界トータスでの話をした時でも、あいつは自分の価値観でお前に文句を言っただろ?あいつの価値観と正義感って部分を、正確にはISを使ってのあいつのそういう思想的な部分を強くするためだ。何しろあいつはISを扱える男ってだけで、自分は選ばれた存在みたいに思っている。だけど、本当は全く違う」
「・・・違うって、何がなんだ?」
「全部最初から篠ノ之束が考えた脚本なんだよ。幼馴染の弟が女性しか使えないISを使えて、自分とその周りに突然現れた強大な敵を倒して強くなる。だけど最後は悪党の手で絶望に染められ、自分の全てを否定されて二度と立ち上がれなくなるほどに叩き潰される。まぁこんな風に、織斑一夏は篠ノ之束本人が考えた人を、人の人生を弄ぶゲームで与えられた主人公と言う配役であり、同時にどんな事があろうと立ち上がれないほどに絶望してしまう哀れな配役扱いだろうからな」
人と、人の人生を弄ぶとしたゲーム発言に、この場にいた全て人間が沈黙してしまった。
「まぁこれは臨海学校で篠ノ之束に出会って俺が感じた事も含めて考えた予想みたいなものだがな。逆に大士に関しては、前にお前の話を聞いて考えたんだが、デジモン達がいるデジタルワールドに子供の頃に行ったのと、多分だがデジモンの進化の1つに人間であるお前の身体にデジモンの遺伝子みたいなのが混じるみたいな事案があって、この2つの偶然が色々と重なった事でISを動かせるんじゃ無いかというのが俺の予想だ。お前以外の他のテイマー男の仲間達がならなかったのは、お前との僅かな誤差みたいなのが理由だと思うぞ」
「・・・つまり、俺は篠ノ之束の脚本に本来現れなかった筈のイレギュラー的な存在って所か?」
「だろうな。だから今回はお前等の下には結構な数を送り込んでたんだ。本来は世界で唯一人のIS操縦者である織斑一夏は女の園と言える学園に現れた敵を倒して強くなり、最後は全てを剥奪されてお終いにされる。篠ノ之束が考えた世界規模での最低最悪の自作自演劇だよ」
勇太の言葉に周りは何も言えなくなった。
これを聞いた鈴は振り絞るように声を出し、何故織斑一夏がそんな酷いとしか言いようが無い配役に選ばれたのかと聞いたら、勇太は織斑一夏と言う存在が《織斑千冬の弟》だからと言う言葉が返ってきた。
「俺の世界でも臨海学校で篠ノ之束本人と会って、周りと話してる内容だけで俺は理解したんだよ。篠ノ之束は《自分が認めた存在以外に全く興味は無い》って言う、定型的な人格破綻者だ。この手の存在は認めた存在以外は全く認識できない。恐らくだがあれは人の名前や顔も区別もできないし、覚える気も無い。悪ければ人の顔が将棋やチェスとかのゲームの駒か、オセロの黒か白みたいな感じでしかない」
勇太がそう言ったので、俺達も臨海学校でISの生みの親とされる篠ノ之束と初めて出会ったが、今思い返せば勇太の言い分は正しいと思えるような部分があったなと思ってしまった。
「織斑一夏は篠ノ之束の友人である織斑千冬の弟って事で篠ノ之束は認識してるだけだと思う。序にこの手の存在は人としての道を外れてるし、色々と退屈だったんだろう。だから世界規模で遊ぶ事にした。そして篠ノ之束が考えた脚本で、主役と言う役を与えられたゲームの駒が織斑一夏だったと言うだけだ。まぁ悪かったら、誰でも良かったんじゃないか?それこそ俺等よりも年下の子供を使って、似たような事案が起きても何にも驚かないけどな」
流石に誰でも良かったの発言に関して反論は織斑先生もしたかったのだが、友人であるからなのか、本人の性格を考えてしまうと何も言い返しができない様子であった。
俺も篠ノ之束博士の事を思い返すと、勇太の言い分は何も間違ってはいないかも知れないと思ってしまった。
「俺がこんな予想をした理由はな、この世界じゃどうか知らないが、俺の世界でも《白騎士事件》は被害も何もかも【0】なんて言われてるが、実際は【各国の政府関係者や国連が協力してもみ消された事実】があったからだ」
「・・・何?」
織斑先生が勇太の白騎士事件での被害と言う部分がもみ消された事実があると言われて驚いていたが、俺達も驚いてしまった。
「俺の両親は白騎士事件で破壊された戦闘機の破片の墜落で死んだんです。だけど、当時の国連や各国政府の高官達はISの保有する戦闘能力や機動性、武装面等を知り、自国の保有する最強装備として欲しがった。その結果、白騎士事件での被害は無かったって言う伝説を造ることにしたんだ。何しろそんな凄い強さと美談があれば、何も知らない人間にはとてつもない価値があるからな」
そんな風に言われて専用機持ちの顔が一瞬にして変わってきた。
つまり、この世界でも勇太と同じような隠された真実が存在したとするならば、自分達の使っているISは白騎士事件の時から無数の人達の犠牲の上に、国にとって最高の兵器を得るための美談にしてまで得ることにした最悪の存在であるからだ。
「こんなのもあるから、俺はそんな予想を立てれたんだ。だが皆には悪いけど、これは織斑一夏にも、篠ノ之箒には絶対に口にするな。下手したらあの2人の性格的に自暴自棄になって、その結果で学園以外の場所でこれまでと同様の被害が起きても不思議じゃないからな」
勇太がそう言うと、俺としてもこれまでの襲撃等が織斑一夏を強くするためと、篠ノ之束の遊びのようなものだとして考えると、学園以外の場所で同様の被害を起こすような事態になる可能性は高いと判断できてしまった。
同時に勇太の予想が当たっていた場合、ここまで来ると織斑一夏という存在そのものを世界で凄いと言える存在にする為だけに、俺達は篠ノ之束の考えた舞台で踊らされていると考えると、吐き気がする思いであった。
「・・・なぁ?だったら何でそこまでして篠ノ之束博士は一夏を選んだんだ?」
「・・・悪いが、俺はそんなものを知る気は無い。人格的に破綻してる人間の考えなんて、知りたくも無いからな。俺から言えるのは、白騎士事件も篠ノ之束の自作自演だ。恐らくだが、ISを公表して皆にバカにされたのが気に入らなかったから、自分の造ったISの性能を見せつけるデモンストレーションだったんだよ。まぁ一部のミサイル発射に何かしらの理由で協力した各国政府の要人とかもいただろうからな」
白騎士事件まで篠ノ之束博士の自作自演だと断定している言い方をした勇太であるが、流石に専用機持ちからすれば勇太の予想も含めた話の内容は自分達の思いも考えれば最悪すぎてしまい、顔色が悪くなっていた。
そしてその日の夜、勇太から俺・葵・優花の3人だけに篠ノ之束が織斑一夏を使った本当の理由を教えてもらった。だがそれは、余りにも滅茶苦茶過ぎるとも言える理由であった。
「織斑計画(プロジェクト・モザイカ)、権力者達が究極の人類を人工的に作り出そうとした狂気の計画か。確かに織斑がISを理解する飲み込みが高かったのはそう言うことだったのか」
「その成功例が織斑千冬先生で、一夏は千冬先生のクローン体。しかも計画が破棄されたのが天然の規格外である篠ノ之束が生まれたからだなんてね」
「しかもその計画の一部の技術がラウラの誕生にも使われていたなんてね。まさか織斑一夏とラウラがそんな技術的な面で繋がった叔父と姪みたいな関係だなんて、ある意味滅茶苦茶ね」
流石の事実に驚きを隠せなかったが、何で勇太がこんな超極秘情報を知っているのか聞くと、この世界を調べる為に諜報系特化の存在達の力を使って調べた結果らしく、元々は勇太の世界でも同じようにして調べて織斑先生達の方面は少しだが知っていたらしい。
「この件は誰にも言うなよ。何しろ相当ヤバい系列の世界の闇とも言える案件だ。下手にこの事を口にしたら、お前等以外の人達を事故に見せかけて殺すぐらい平気でするような各国政府の暗部専門が対応する案件だからな。例えお前達が魔法の力を使えても、やり方は色々とあるからな」
「・・・分かった。流石に俺等も神や悪魔だろうと、俺達の『大切』に手を出す奴は潰す覚悟があるが、全ての国と言える存在を相手に守りきるのは骨が折れるし、言わなきゃ問題は無いんだろ?」
「あぁ。何しろこの情報が何かで知られないように殆どのデータが抹消されているに近い案件だったからな。口にしなければ大丈夫だよ」
俺達は勇太から聞いた激ヤバな案件を口にしないとして、俺達の間での話し合いは終わった。
次の日から織斑一夏に対して篠ノ之以外の専門機持ちは関わりを少なくするような態度をとっていたが、こればかりは仕方ないのだろうと判断するのであった。
この話し合いから数日後、簪の機体を除いた専用機持ちは勇太が事前に襲撃して来た無人機《ゴーレムⅢ》の数を減らしていたとは言え、無人機には国際的に禁止されている対IS用装備をしていたため、全員のISの損傷度が高くて何もできない状態になっていた。
休み時間に俺は簪とデジモンのカードゲームをしていた。近くには楯無・葵・優花だけでなく、デジモンのカードゲームに興味を持っていた勇太もいて、俺は簪に負けたので次のバトルをしようとしていたら、突然照明を含めた電子機器が全て落ちた上に、窓の防火シャッターも閉まり、非常電源にも切り替わらないので異常事態になっていた。
すると楯無と簪の専用機から織斑先生の通信が入り、俺達は大士達のパートナーデジモンと合流してから指定されたシュミュレーションルームに行くと、織斑・篠ノ之・セシリア・鈴・シャルロット・ラウラが揃っていた。
そして織斑先生から学園がハッキングされて全てのシステムが落とされたらしい。独立している学園のシステムにハッキングしている理由や目的は不明であるが、専用機持ちは電脳ダイブによって侵入者を排除し、簪はダイブする面々のサポートとなった。
逆に俺達に関してはこの状況を利用し、学園に襲撃をしかけける別勢力の撃退を頼まれることになった。
因みにだが、勇太の方に来た敵に関しては
「・・・ば、化物〜!!」
「今度はこっちだ」
侵入してきた複数人の銃火器から発射される弾丸を指に挟んで防御していたり、手にしている布で自分達が持っていた銃火器がバラバラに壊されたりと、担当している人間からしたら悪夢でしか無かった。
数分後、勇太の担当していた場所に来た襲撃者達は全滅するのであった。
後に解放された襲撃者達の中で勇太と当たった面々だけは精神に異常有りと判断され、所属していた場所からも命は奪われずに叩き出されることになった。
だがしかし、逆にこれが原因なのか、叩き出された面々は人が変わったように真面目に働く存在になったらしい。
俺達が襲撃者達を撃退した後、シミュレーションルームに戻って来ると、楯無だけが電脳世界に取り残されている事態となっている事が分かってしまった。
このコラボ小説はナハト・リコリス様により執筆されています。
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