ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第6話 迷宮突破! 龍の侍、ギンリュウモン!!

 

 

 

 

ドルガモンに乗ってホルアドに到着した俺達はそのままオルクス大迷宮に直行した。

そのまま迷宮内部をドルガモンが爆進している。

現れる魔物は文字通りドルガモンが蹴散らしており、その進行を阻める者はいない。

 

「す、凄いんだね………ドルガモン………」

 

園部さんがドルガモンの力に呆気に取られている。

 

「俺の自慢のパートナーだからな」

 

俺は誇らしくそう言う。

この世界で言えば、デジモンの成長期は各ステータスが50~100位だろうが、成熟期になれば500~1000近くはあるだろう。

因みに俺のステータスだが変化が起こった。

 

 

 

 

黒騎 大士 17歳 男 レベル:2

 

天職:デジモンテイマー

 

筋力:13

 

体力:13

 

耐性:13

 

敏捷:11

 

魔力:0

 

魔耐:12

 

技能:言語理解・融合進化

 

 

 

 

この通り今まで隠されていた文字が現れたのだ。

やはり俺の天職はデジモンテイマーで間違いなかったようだ。

因みに葵さんは、

 

 

 

 

 

神代 葵 17歳 女 レベル:2

 

天職:デジモンテイマー・■■

 

筋力:11

 

体力:11

 

耐性:11

 

敏捷:12

 

魔力:13

 

魔耐:13

 

技能:言語理解・■■

 

 

 

 

天職の片方がデジモンテイマーである事は分かったが、もう1つの天職と技能は相変わらず不明のままだ。

まあ葵さんは全く気にしてないが。

そのままドルガモンの爆進は止まることを知らず、ほぼノンストップでトラップのあった二十階層まで到達した。

時間にして二時間かかったか如何かぐらいだろう。

迷宮の各階層は数キロ四方に及び、未知の階層で全てをマッピングしようとすれば、十数人規模で半月から一ヶ月という膨大な時間がかかるが、下層へ繋がる階段の位置とトラップの場所さえ把握しておけば、一階層の突破時間は早ければ数分で終わる。

ただし、戦闘が無ければ、の話だが。

俺達はドルガモンのお陰で悠々と進めているので問題なく二十階層まで到達できたのだ。

 

「確か、転移罠があったのはこの部屋だったよな?」

 

俺が尋ねると、

 

「うん、光輝君があそこの壁を壊した時に出てきた宝石を触ることが発動条件だったみたいだよ」

 

白崎さんがそう答える。

確かに壁が崩れたような跡があるが、肝心の宝石が見当たらない。

 

「見当たらないね?」

 

葵さんが呟く。

 

「ど、如何して………!?」

 

白崎さんが狼狽えた。

 

「多分一回こっきりの罠だったか、もしくは罠の再設置までのインターバルが過ぎてないかのどっちかだと思う」

 

「そんな………! 早くハジメ君の所に行かなきゃいけないのに………!」

 

白崎さんはハジメの事が気になって気が気でない様だ。

 

「香織、落ち着いて。ただ近道が出来なかったってだけだよ!」

 

園部さんが白崎さんを励ましている。

 

「ここで近道が出来れば一番良かったんだが…………仕方ない。地道に進もう。確か、転移罠で飛ばされた先は六十五階層って話だよな?」

 

「メルド団長はそう言ってたけど………詳しくは…………」

 

園部さんが少し自信無さげに答える。

 

「そうか、どちらにしてもある程度の指針にはなるだろうし、一先ずの目標は六十五階層って事で」

 

「「「うん」」」

 

3人は反対せずに頷く。

 

「何、心配しなくても六十五階層ぐらい3日で辿り着けるさ!」

 

俺は楽観的な言葉でそう言った。

 

 

 

 

 

で、結局六十五階層に辿り着いたのは二週間後だった。

 

「畜生………迷宮舐め過ぎてた……………」

 

俺はドルガモンの背でゲンナリしながら呟く。

 

「同感…………」

 

「大変な目に遭った…………」

 

他のメンバーも疲れ果てた雰囲気だ。

マッピングが完了している四十七階層までは一日で到達できたのだが、そこからが大変だった。

罠にはまって時間を取られたのだ。

攻撃罠はドルガモンが叩き潰してくれたり、状態異常は白崎さんが治癒してくれたのだが、問題だったのが転移罠。

転移罠を踏んでモンスターハウスに飛ばされたり、未踏破の場所に飛ばされて迷いまくったり。

訓練ではフェアスコープと呼ばれる道具を使って騎士団がトラップを見破ってくれていたのでスムーズだったが、今の俺達にはそんなものは無い。

尽く足止めを喰らった。

食料については、思うように迷宮探索が進まないと分かった時点で戦闘の要であるドルモンを除いて食料を切り詰めることにしたのでしばらくは大丈夫だが、俺の精神的疲労を倍加させたのがつい先ほど気付いた事実。

“ぶっちゃけドリモゲモンやディグモンをカードスラッシュして階層ぶち抜いた方が早かったんじゃね?”って事。

RPGではダンジョンをぶち抜くなど出来る訳が無かったので、その固定概念に囚われて気付くのが遅れた。

そのことに気付いたのも、偶々デックの整理をしてたら葵さんが持ってたドリモゲモンのカードが目に入ったからだった。

それを使って先程六十階層から五階層ほど床をぶち抜いてきたのだ。

あれだけ苦労したのにたった数分で五階層を突破してしまった事実が俺達がゲンナリしていた理由の一つだ。

 

「ハジメが落ちて約二十日…………真面目にヤバいな………!」

 

人間は個人差があるが、水だけで一ヶ月ほど生きれると聞いた事はある。

だが、ハジメの精神の方は別だ。

極限状態の中、長時間正気を保っていられるとは限らない。

俺はハジメの事を危惧しつつ、ドルガモンに乗って六十五階層に着地する。

そこは一本の石橋の上、その中央辺りだった。

 

「ねえ香織! この場所ってもしかして………!」

 

園部さんが何かに気付いたように白崎さんに声を掛ける。

白崎さんは目を見開いて辺りを見回し、

 

「間違いないよ………! ここ、ハジメ君が落ちた場所だ………!」

 

やっとたどり着いたと表情が物語っていた。

 

「あれ…………? でも…………」

 

園部さんが怪訝な声を漏らす。

 

「どうかしたの? 優花」

 

気になった葵さんが声を掛けた。

 

「うん…………あの時、確か橋は崩れた筈じゃ…………」

 

「……………迷宮では何が起こるか分からない。迷宮の施設の復元もあるんじゃないのか?」

 

俺がそう言うと、

 

「そうなのかな…………? えっ? でも、ちょっと待って…………!」

 

園部さんの表情が見る見る青ざめていく。

 

「迷宮の施設が復元されるって事は…………!?」

 

園部さんがそう言った時、橋の前と後ろに黒い魔法陣が浮かび上がり、前の魔法陣からは巨大な黒い獣が、後ろの魔法陣からは大量の骸骨の魔物が現れた。

 

「やっぱり………! ベヒモスとトラウムソルジャー………!」

 

園部さんは怯えた表情でそう呟く。

 

「あれがベヒモスか…………なるほど、前門のベヒモス、後門の骸骨ってか?」

 

俺は軽口を叩く。

 

「園部さん」

 

俺は怯えている園部さんに声を掛ける。

 

「黒騎…………?」

 

「安心しなよ。あいつは俺達が倒すから。必ずハジメに会わせて、お礼を言わせてやるから」

 

俺は安心させるために笑って見せる。

 

「黒騎…………」

 

俺はベヒモスに向き直ると、

 

「葵さん!」

 

前を向いたまま葵さんに声を掛ける。

 

「ここまでは食料の問題とかで温存してたけど、ここからは出し惜しみは無しだ! 後ろの骸骨たちは任せる!」

 

「フフッ! ようやくリュウダモンの進化のお披露目だね!」

 

葵さんは気負った様子は無い。

 

「それにこれ、ずっとやってみたかったんだ!」

 

葵さんは一枚のカードを取り出し、Dアークの溝に合わせる。

そして、

 

「カードスラッシュ!」

 

そのカードをDアークにスラッシュしていく。

 

「超進化プラグインS!!」

 

そのカードのデータをDアークが読み込み、

 

――EVOLUTION

 

葵さんのDアークの画面にそう表示され、光を放った。

 

「リュウダモン進化!」

 

その輝きを受け、リュウダモンが光を放つ。

光の中でリュウダモンの身体が分解され、再構築される。

大きく、強く、その姿を変貌させていく。

四足歩行となり、獣の特徴を残しながらも龍に近い姿に。

和風の鎧を纏った獣竜型デジモン。

 

「ギンリュウモン!!」

 

光の中から現れたギンリュウモンは、翼は持っていないが空中を優雅に漂っている。

その姿はまるで龍を連想させる。

 

「ギンリュウモン 成熟期 ワクチン種 獣竜型デジモン。必殺技は、槍を口から放ち敵を射抜く『徹甲刃』」

 

俺はDアークに表示されたギンリュウモンの情報を読み上げる。

ギンリュウモンは身体をしなやかにくねらせると、

 

「おおおおおおおっ!!」

 

体全体を鞭のように使ってトラウムソルジャー達を一気に薙ぎ払った。

 

「凄い………私達が苦労して突破したトラウムソルジャーの群れを一撃で………!」

 

白崎さんが驚いたようにそう零す。

しかし、魔法陣が再び輝くと新たなトラウムソルジャーが現れた。

だが、トラウムソルジャーが現れた瞬間にギンリュウモンが巨大な前足を振り下ろして踏みつぶす。

トラウムソルジャーは呆気なくバラバラにされた。

何処まで湧き出すかは分からないが、あっちはギンリュウモンに任せておけば問題ないだろう。

俺はベヒモスに向き直る。

ベヒモスは頭に生えている巨大な二本の角から炎を放ちこちらを。

いや、正確にはドルガモンを威嚇しているのだろう。

しかし、そんな威嚇は俺達には無意味。

 

「ドルガモン! 先手必勝!」

 

「おおっ! パワーメタル!!」

 

ドルガモンは一度頭を仰け反らせると、勢いを付けて前を向くと共に、口から巨大な鉄球を吐き出した。

その鉄球はベヒモスの右側頭部に直撃、

 

「グァアアアアアア!?」

 

ベヒモスを大きく怯ませると共に、右側の角を圧し折って折れた角が石橋に突き刺さる。

ベヒモスは頭を振って、気を取り直したのか、ドルガモンに向かって一直線に突撃してきた。

俺は即座に一枚のカードをスラッシュする。

 

「カードスラッシュ! 防御プラグインC!!」

 

防御専門のカード。

防御力が上がったドルガモンが待ち構える。

 

「グォオオオオオオオオオッ!!」

 

ベヒモスはまるで猛牛のように地面を数回蹴ると一気突進してきた。

その突進を、ドルガモンは正面から受け止めた。

 

「ぐぅぅぅッ…………!」

 

ドルガモンは少し苦しそうな声を漏らし、勢いに押されるが、足を踏ん張って数メートル後退した所で受け止め切った。

 

「良し、ドルガモン! 顎を蹴り上げろ!」

 

俺の指示通りにドルガモンがベヒモスの顎に膝蹴りを繰り出す。

 

「グォッ!?」

 

僅かに仰け反り、怯んだところで、

 

「そのままテイルアタック!!」

 

「うおおっ!!」

 

ドルガモンが身体を捻って強烈な尾撃を繰り出す。

ベヒモスは追撃を受け、大きく体勢を崩す。

更に俺はもう一枚のカードをスラッシュした。

 

「カードスラッシュ! トールハンマー!!」

 

ドルガモンの手に、ズドモンが持つトールハンマーが現れる。

ドルガモンはそのトールハンマーを振りかぶり、ベヒモスの左側頭部を殴りつけた。

クロンデジゾイド製のトールハンマーの一撃を受け、ベヒモスのもう一本の角も折れて吹き飛び、奈落の底へ落下していく。

ダメージが蓄積しているベヒモスを見て、俺は後ろを振り返り、葵さん達の様子を伺う。

ギンリュウモンは、未だ際限なく現れるトラウムソルジャーを倒し続けていた。

おそらく、魔法陣をどうにかしない限り出現は止まらないのだろう。

それなら、

 

「葵さん!」

 

俺の呼びかけに葵さんは振り向き、一瞬目が合うと頷いた。

俺と葵さんは同時に駆け出すと、お互いのパートナーの背に飛び乗る。

そして、

 

「園部さん!」

 

「香織!」

 

俺達は近くに居る彼女達に手を差し出しながら声を掛けた。

 

「「…………ッ!」」

 

2人は一瞬呆けたようだが、すぐに立ち上がって差し出した手を掴んだ。

お互いのパートナーの背に彼女達を引っ張り上げると、

 

「ドルガモン!」

 

「ギンリュウモン!」

 

呼びかけた声に応えて2体は宙に舞い上がる。

そして、橋の中心の真上辺りで背中合わせになると、

 

「決めるぞ! 葵さん!」

 

「オッケー! 大士君!」

 

俺達はそれぞれカードを取り出し、同時にそれらのカードをスラッシュした。

 

「「カードスラッシュ!」」

 

俺のカードは、

 

「キング・デバイス!!」

 

葵さんのカードは、

 

「クイーン・デバイス!!」

 

カードのデータがパートナーに送られ、力を与える。

ドルガモンは巨大化し、大体2倍ぐらいの大きさになり、ギンリュウモンは淡い光を纏う。

 

「「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」

 

そう叫んだ俺達の声に応え、

 

「パワーメタル!!」

 

「徹甲刃!!」

 

2体は必殺技を放った。

巨大化し、その質量も増した鉄球の威力にベヒモスは押しつぶされ、ギンリュウモンが放った槍は魔法陣の中央に突き刺さり、その衝撃でトラウムソルジャーを一体残らず吹き飛ばした。

更に、必殺技の着弾地点から石橋に大きく罅が広がり、一気に崩壊させる。

奈落の底へ消えていく橋の瓦礫。

それを見届け、俺と葵さんは自然と目を合わせて笑い合う。

 

「すごい………本当にベヒモスを倒しちゃった…………」

 

後ろから園部さんがそんな言葉を呟いたのが聞こえた。

俺は再び視線を奈落の底へ向け、

 

「……………覚悟は良いか?」

 

色々な意味を含めて皆にそう聞いた。

 

「うん」

 

「う、うん………」

 

すぐに頷く葵さんと、僅かに動揺を見せながらも頷く園部さん。

そして、

 

「……………うん!」

 

少しの沈黙の後、ハッキリと頷く白崎さん。

 

「なら、行くぞ………!」

 

底の見えない奈落の闇へ、ドルガモンとギンリュウモンはゆっくりと降下を始めるのだった。

 

 

 

 

 






はい、第7話の投稿です。
ちょいと時系列を見誤っていたことに気付き、やや強引ですが時間を調整しました。
まあドルガモンが居て六十五階層まで行くのに二週間もかかるかと言いたいかもしれませんが、罠に掛かりまくったことにしてください。
直接的な罠はドルガモンが叩き潰してくれましたが、転移罠だけはどうにもならないという事で。
で、誰もが思う階層ぶち抜きはご都合主義というオリ主のボケで許してください。
さて、次回はいよいよ………………
お楽しみに。

園部 優花はどちらのヒロイン?

  • オリ主
  • ハジメ
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