【Side ユエ】
「はぁああああああああああっ!!」
青い閃光が駆け抜けると、マグナモンに接触。
ギィィィンッと甲高い音が鳴り響く。
「くっ…………!」
『硬い………』
アルフォースブイドラモンと私は声を漏らした。
「無駄だ! この鎧を簡単に切り裂けると思うな!」
マグナモンは防御力に絶対の自信を持っているのかそう言い放つ。
「プラズマシュート!!」
黄金の鎧の各部が展開すると、そこから複数のミサイルが放たれた。
「その程度!」
ミサイルはある程度の追尾性能を持っていたけど、
タイシの言っていた通り、他のロイヤルナイツと比べれば、防御力以外の戦闘力は若干劣るみたい。
それでも油断はできないけど。
「シャイニングVフォース!!」
胸のV字の鎧から光線を放つ。
「チィッ!?」
マグナモンは両腕をクロスさせて防御態勢を取り、光線に呑み込まれる。
光線はマグナモンの背後の地面を地平の果てまで大幅に削り取っていたけど、直撃を受けたはずのマグナモンは、身体中から煙を上げるだけで、五体満足の姿で両腕をクロスした体勢のままそこに居た。
「この技を直撃させてもあの程度のダメージ………!」
『流石に守りの要と言われるだけの事はある………』
私達がそう呟いた瞬間、マグナモンはギラリと瞳を輝かせ、両腕を勢い良く広げた。
「シャイニングゴールドソーラーストーム!!」
マグナモンが叫んだ瞬間、辺りの空間が瞬間的に圧縮され、直後に瞬間膨張すると同時に黄金の光が辺りを埋め尽くした。
「うぁあああああああああっ!?」
黄金の光が
『くっ………! アルフォースブイドラモン!!』
「テ、テンセグレートシールド!!」
黄金の光が消えると、マグナモンを中心に一定範囲内が球形に抉られていた。
『…………これが、タイシが言っていた全方位攻撃………』
「くそっ………! 油断した………!」
不意の一撃を受けたことで、かなりのダメージを負ってしまった。
「アーマー体とは言え、私はこれでもロイヤルナイツ全13席の1席を任された者…………甘く見るな!」
マグナモンはそう言い放つ。
「『…………………………』」
その迫力に私達は一瞬だけど気圧された。
そして同時に、私達はマグナモンを侮っていたことを自覚した。
タイシから、防御力に優れているが他の能力で他のロイヤルナイツに劣ると聞いていたので、その先入観から大したことが無いと勘違いしていた。
でもそれは違った。
目の前に居るのは紛れもなく『聖騎士』。
その名に恥じない騎士なのだと。
『…………………アルフォースブイドラモン』
「分かってる………ユエ………!」
私達は先入観を捨て去り、同等以上の相手としてマグナモンを見据えた。
【Side Out】
【Side シア】
「破壊の剣! エルンストウェル!!」
ドゥフトモンの剣から破壊の波動が放たれます。
「ハッ!」
ですが、
「ビフロスト!!」
光の矢を放ちます。
「ッ………!」
ドゥフトモンは飛び退いて光の矢を躱して、そのままこちらに踏み込んできました。
その手に持つ剣を振りかぶって
「………スレイプモン………この世界はもう終わる…………何故滅びゆく者達と運命を共にしようとする………?」
「我は…………我らはシア達と共に在ることが間違いとは思わん!」
「何故だ? イグドラシルは既に裁定を下した………神の決定に何故逆らう?」
「確かに人間の中にはイグドラシルが切り捨てても仕方ないと思える人間も居よう………だが、全ての人間がその様な人間ではない! シア達の様に、共に生きていける人間達も居るのだ!」
「だが、その様に思える人間達もほんの僅かだろう………?」
「……………………」
私は我慢できませんでした。
『さっきからごちゃごちゃうっせーんですよ、この頭でっかち!!』
「なっ…………!?」
私が思わず叫んだ言葉にドゥフトモンが目を見開きます。
「シア…………?」
『人間達に生きる価値があるとかどーとか、そんな事関係ねーです! もっと単純に、滅ぼされると分かっていて黙って滅ぼされる馬鹿が何処にいるんですか!?』
私は自分の気持ちを叫びます。
『私はまだ生きていたいです! 生きて、もっともっとクダモンやハジメさん達と色んな景色を見て、いろんな体験をしたいです! だから、今世界を滅ぼされる訳にはいかないんです!』
「…………フッ…………フッハッハッハッハッハ!」
私が叫び終えると、突然スレイプモンが笑い声を上げました。
「シアの言う通りだ…………『生きたい』…………それは生きる者全てが持つ純粋な思いだ。そして私もシア達と共に生きたい…………それ以上の理由は無いな」
スレイプモンは吹っ切れたのか盾でドゥフトモンの剣を弾きます。
そのまま身体を反転させ、
「ハッ!!」
気合いを入れた後ろ足でのバックキックをドゥフトモンの顔面に叩き込みました。
「ぐおっ!?」
攻撃を受けたドゥフトモンは後方に吹き飛ばされます。
「ドゥフトモン、ごちゃごちゃ考えるのはもう終わりだ。我はただシアと共に生きる為に戦う………! そこに迷いは無い!!」
スレイプモンは威風堂々とその場に立ちながら言い放ちました。
「……………ッ。良かろう…………そこまで言うのなら私も考えることを止めよう…………ここからは野性の戦いだ!」
ドゥフトモンは立ち上がると、空中に飛び上がります。
そして、
「ドゥフトモン! モードチェンジ!!」
ドゥフトモンの身体が変形を始めます。
人の姿から四足歩行の獣の姿へ。
これがタイシさんが言っていたドゥフトモンの獣の姿。
「ドゥフトモン! レオパルドモード!!」
獣の姿となったドゥフトモンが目の前に立ちはだかります。
「…………ヴォルケンクラッツァー!」
ドゥフトモンがその言葉と共に咆哮を上げると、地鳴りが発生します。
嫌な予感がした
直後、
『危なかったですぅ~………流石はロイヤルナイツ………大地を操る事もお手の物って訳ですか………』
「シア………ここからが本番の様だ………」
『そうですね………! 今まで以上に気合い入れていきますよ!』
そう叫んで
【Side Out】
【Side ティオ】
「ペンドラゴンズグローリー!!」
「ゴッドブレス!」
クレニアムモンは盾を構えて攻撃無効の障壁を張る。
レーザーが結界に無効化されていくが、
1秒………2秒………3秒………
『今じゃ!!』
妾が叫んだ瞬間、
「アヴァロンズゲート!!」
障壁が途切れる瞬間を狙い、空中から急降下。
巨大な槍『アンブロジウス』を突き刺そうとする。
この槍には様々な効果を持つウィルスが仕込まれた特殊弾が内蔵されておる。
この槍を突き刺し、特殊弾を内部で炸裂させる必殺技『アヴァロンズゲート』ならいくらクレニアムモンでも唯では済まぬだろう。
まともに喰らわせることが出来れば………だが。
「舐めるなッ………!」
障壁が途切れたタイミングで槍を繰り出すが、クレニアムモンはその魔楯で直接槍の矛先を受け止めたのじゃ。
「ッ………!?」
「この魔楯『アヴァロン』………ゴッドブレスだけが取り柄だと勘違いしないでもらおうか…………」
その魔楯の防御力もさる事ながら、それを扱うクレニアムモンの膂力も尋常ではない。
この
それほどの差がある
やはり同格だけあって体躯の差は余りハンデにはならん様じゃ。
すると、右手に持つ双刃の槍を掲げ、
「エンドワルツ!!」
その槍を高速回転させることで凄まじい竜巻と超音速の衝撃波を生み出す。
「ぐぅ……!?」
『ぬおっ!?』
その竜巻はエグザモンの巨体を軽々と浮かし、巻き込もうとする。
『何という風圧じゃ………! エグザモンの巨体を軽々と浮かすとは………!』
「クレニアムモンは攻守共に優れた騎士………その槍と楯を突破するのは容易ではない」
『ふむ………じゃが妾達も竜の頂点に立つ『竜帝』を冠する者………竜の誇りに懸けて負ける訳には行かん!』
「ああ………! クレニアムモンが相手とは言え、己も負ける気など更々無い!!」
『往くぞ! エグザモン!!』
「応!!」
妾達が叫びクレニアムモンに向かって行く。
「来るが良いエグザモン! イグドラシルへの忠誠の為、貴様を倒す!!」
【Side Out】
【Side 優花】
「はぁああああああああああっ!!」
「ふんっ!!」
一瞬制止するけど、ガンクゥモンの背後にいるヒヌカムイが拳を振り被る。
同時に
「地神!神鳴!神馳!親父!」
「シュベルトガイスト!!」
ヒヌカムイから放たれる拳の4連撃をアト、ルネ、ポルに迎撃させる。
でも、アト、ルネ、ポルは3体いるけどパワーは明らかにヒヌカムイの方が上。
拳の一撃一撃でアト、ルネ、ポルが吹き飛ばされ、最後の4連撃目が
「はあっ!」
でも、
「鉄拳制裁ぃっ!!」
ガンクゥモンが拳を握りしめ、強烈なボディーブローを放つ。
「くっ………アウスジェネリクスッ!」
「ぐはっ!?」
ガンクゥモンの拳で吹き飛ばされた。
「ッ…………! くっ……!」
でも、腹部には少なくないダメージを負って片膝を着いた。
咄嗟に身体能力を跳ね上げて後ろに飛ばなかったら致命的だった一撃。
この位で済んだのはまだ良い方。
「…………少しはやるようになったか…………」
ガンクゥモンは腕を組んで堂々とそう言う。
「師匠…………」
「師匠! 私達デジモンが人間と共に在ることは、決して間違いでは無いのです。人間と共に在る事でデジモンにも更なる可能性が生まれる。私は、イグドラシルにそれを伝えたいのです!」
ジエスモンがそう呼びかける。
「ならば言葉では無く拳で示せ…………! 人間と共に在ることで生まれる、『絆』の力とやらを………!」
ガンクゥモンは握り拳を作ってそう返してくる。
『名前通りの頑固オヤジね………!』
ガンクゥモンの『ガンクゥ』とは頑固者の意らしい。
「しかし、師匠を納得させるにはそれしかない!」
「轍剣成敗!!」
「鉄拳制裁!!」
【Side Out】
【Side ハジメ】
「「グレイキャノン!!」」
プラズマが収束されたビームがオメガモンに向かって行く。
だが、
「グレイソード!!」
オメガモンの大剣の一振りで軌道が逸らされる。
続けてオメガモンがこちらに右腕の砲口を向け、
「ガルルキャノン!!」
エネルギーが凝縮された砲弾を放つ。
突き進んでくるエネルギー弾に対し、
「「ガルルソード!!」」
右腕に展開した剣でそのエネルギー弾を切り裂いた。
真っ二つになったエネルギー弾が
近距離ではオメガモンの方が上。
総合的には全くの互角だった。
だが、
『………………ちょっとだけ押されてる………よね?』
香織が確認する様に俺に問いかける。
『ああ………ほんの僅かだが………な』
俺もその事には気付いていた。
お互いに直撃は無くとも必殺技の余波によって多少のダメージはある。
その余波によるダメージが、オメガモンに比べて
『どうしてかな…………?』
香織が疑問の声を漏らす。
その事については、俺の中で結論は出ていた。
『…………恐らくだが………属性の相性の差だろう』
『属性?』
『オメガモンはワクチン種……………そして
『あっ………!』
香織も気付いたのか声を漏らす。
『ウィルス種である
『この戦い………互角なように見えて、私達の方が不利って事だね………』
『ああ………だが、それが如何した? 丁度いいハンデだ』
『ハジメ君…………』
『たとえ相手がオメガモンだろうと俺達は生きる! 必ず生き抜いて見せる!』
『…………うん! そうだね!』
「「はぁあああああああああああっ!!」」
「おおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ガルルソードとグレイソードがぶつかり合って衝撃を撒き散らす。
こちらが打ち負けるが、後方に吹き飛ばされながらも左腕のグレイキャノンを向けて放った。
「くっ!?」
オメガモンは咄嗟に身を捻って射線軸上から逃れるが、グレイキャノンに掠り、プラズマで僅かに身を焼かれる。
だが、それには怯まずにこちらに向かって突っ込んできた。
「ふっ! はぁあああああっ!!」
ブリッツグレイモンの頭部とメタルガルルモンの頭部。
クーレスガルルモンの頭部とウォーグレイモンの頭部がぶつかり合い、一瞬遅れてオメガモン同士の頭部がぶつかり合った。
【Side Out】
「ドラゴンズロア!!」
「デジタライズ・オブ・ソウル!!」
デュナスモンの両の手から放つエネルギー波をデジタライズ・オブ・ソウルで相殺する。
「スパイラルマスカレード!!」
その隙にロードナイトモンが高速で斬りかかって来た。
「むんっ!」
それを
「はぁああああああああああああああっ!!」
そのまま王竜剣を袈裟懸けに振り下ろしてロードナイトモンを攻撃するが、
「チィッ!」
ロードナイトモンはその素早さを活かして紙一重で回避した。
「くっ………あの様な大型の剣を使っているというのに隙が無い…………」
帯剣による攻撃を防がれたロードナイトモンはそう漏らす。
アルファモンの本来の進化元であるグレイドモンですらロードナイトモンを超える剣技を有しているのだ。
そこから進化したアルファモンの剣技も並外れたものだ。
究極戦刃王竜剣の様な大型の剣でさえ手足を扱うかの如く振り回せる。
「だが、2人掛かりでたった1人の騎士に負けたとあってはロイヤルナイツの名折れ………!」
「うむ………! 騎士の誇りに懸けて負ける訳にはいかん!!」
デュナスモンとロードナイトモンは気合を入れるように握り拳を握るとそう言い放つ。
「…………1人では無いさ」
『今のアルファモンは、俺、ドルモン、葵、リュウダモンの4人が1つになった存在』
『たった2体で負けたとしても、恥では無かろう………』
『だから…………遠慮なく負けても大丈夫だよっ!』
俺、リュウダモン、葵がそう言うと、
「ほざけっ!!」
「舐めるなっ!!」
ロードナイトモンとデュナスモンはその言葉を挑発と受け取ったのか叫びながら襲い掛かってくる。
「おおおおおおおおおおおおおっ!!」
「アージェントフィアー!!」
「ドラゴンズロア!!」
2体の必殺技と王竜剣が衝突して、爆発に包まれた。
第77話です。
ロイヤルナイツ戦序盤です。
場面が目まぐるしく変わって内容が薄くなった気がしないでもない。
さて、敵側ロイヤルナイツの処遇をどうしようか……………(爆)
どうするか決めて無かったり………
聖騎士同士の戦いの行方は如何に?