ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第82話 集結する『仲間』(テイマーズ)

 

 

 

【Side タカト】

 

 

 

 

 

 

ある日、友達でデジモンテイマーの仲間でもある大士が行方不明になった。

大士1人だけじゃない。

とある高校のとある教室、とある日の昼休みにその教室に居た生徒達が突然消えた。

日本中のマスコミが騒ぎ、現代の神隠し事件として連日ニュースに取り上げられていた。

僕達も出来る範囲で探し回った。

けど、デ・リーパー事件で知り合った、政府に繋がりもある山木さん達も協力してくれているけど未だに何の手掛かりも得られていない。

でも大士が行方不明になってから少しして、僕は突然ギルモンと再会した。

僕だけじゃなく、ジェンやルキ、リョウさん、ヒロカズ、ケンタ、シウチョンも一緒だ。

大士の事があって手放しでは喜べなかったけど、とても嬉しかったことは確かだ。

それから何の手掛かりも無く、10ヶ月以上の時が流れた。

そんなある日、突如として空に逆さまの謎の大地が出現した。

それは、アニメのデジモンアドベンチャーのデジタルワールドと現実世界が繋がった時のようだと思った。

僕も慌てて山木さんに何が起こったのか連絡を取ってみたけど、山木さんにも何が起こったのか分からないらしい。

政府や世界各国でも調査中との事だ。

空に謎の大地が現れてから3日目の朝。

僕はギルモンと一緒に山木さんから呼び出しを貰った。

指定された場所へ行くと、そこには僕とギルモンだけじゃなく、ジェンとテリアモン、ルキとレナモン、リョウさんとモノドラモン、ヒロカズとガードロモン、ケンタとマリンエンジェモンがいた。

それから、デ・リーパー事件でお世話になった水野さんやジェンのお父さんの(リー) 鎮宇(ジャンユー)さんを始めとしたワイルドバンチの人達も。

すると、山木さんが話し出した。

 

「突然呼び出してしまってすまない。だが、君達にしか頼めない事なんだ」

 

「僕達にしか頼めない事………ですか?」

 

僕は首を傾げる。

ジェンやルキ達も同じだ。

 

「君達も知っての通り、空に現れた謎の大地………当然だが、各国が調査に当たっている。だが、殆ど何もわかっていない」

 

「偵察機は飛ばさなかったんですか?」

 

山木さんの言葉にジェンが質問をする。

 

「いや、もちろん各国が我先にと無人偵察機を送り込もうとした。だが、それは全て失敗に終わっている」

 

「どうして?」

 

ルキが疑問を口にすると、

 

「あの空に映る謎の大地とこちら側との境目には、凄まじい気流の乱れが生じているからだ。飛行機は元より、例えロケットを使ったとしても突破は不可能というほどの………な」

 

山木さんはそう答える。

すると、

 

「あの謎の大地…………あれは我々は、デジタルワールドとはまた違った『異世界』では無いかと考えている」

 

ワイルドバンチのリーダーであるロブ・マッコイさんがそう言いだす。

 

「異世界…………!」

 

リョウさんが何かを思ったのかハッとなる。

 

「その『異世界』が何らかの原因で我々の『世界』と接近してしまった事により、あのように空に目視できる状態になってしまっているのではないか………と言うのが我々の予想だ」

 

「ま、『異世界』なんてファンタジーな存在は科学者の視点からすればナンセンスだがね。我々はデジタルワールドという1つの『異世界』の存在を知っている。ならば、他の『異世界』があっても不思議では無いだろう?」

 

水野さんが半分笑いながらそう言った。

すると、ジェンが突然ハッとして、

 

「あのっ、もしその仮説が正しいとして、その『異世界』と僕達の『世界』の接近が続けば………!」

 

焦った表情をしながらジェンが言った。

そのジェンの言葉を肯定する様に李さんが重苦しく頷き、

 

「最悪の可能性だが、このまま接近が続けば互いの『世界』同士が衝突………尋常でない被害が予想されるだろう。惑星同士の衝突などという生易しいものではない。この『世界』その物………宇宙全ての消滅も考えられる」

 

「嘘だろぉーーーーーッ!?」

 

「冗談きついよ!?」

 

ヒロカズとケンタが頭を抱えるように叫ぶ。

 

「もちろんこれは最悪の予想だ。だが………」

 

「可能性は、ゼロじゃないって事ですね………」

 

「ああ」

 

僕の言葉に山木さんが頷いた。

 

「それで、僕達は何をすればいいんですか?」

 

僕はそう質問する。

 

「先ほども言った通り、あの『異世界』との境目には凄まじい気流の乱れが生じている…………正確には次元の………空間の乱れと言った方が正しいか…………それを突破するのは現在の人類の科学力では不可能に等しい…………だが」

 

山木さんはそこで僕達を見渡す。

 

「そうか! デジモンの究極体の力なら!」

 

ジェンが気付いたように叫ぶ。

 

「その通りだ。君達とデジモン達の力を借りたい。正直、かつて我々が君達にした仕打ちを考えれば、ムシのいい事を言っているとは思う。だが、恥を忍んで頼みたい。どうか、調査に協力してほしい」

 

山木さんはそう言って僕達に頭を下げた。

 

「あ、頭を上げてください山木さん! 前の事は気にしてないですし、世界の危機というのならもちろん協力します!」

 

僕は頭を下げる山木さんに僕は慌ててそう言う。

山木さんは頭を上げて僕を見つめると、

 

「ありがとう………!」

 

口元に笑みを浮かべてそう言った。

 

「もちろん、僕達も協力します」

 

無問題(モーマンターイ)!」

 

ジェンとテリアモンも、

 

「ま、仕方ないわね」

 

「ルキ………」

 

ルキとレナモンも、

 

「分かりました。俺も協力します」

 

「おう!」

 

リョウさんとモノドラモンも、

 

「もちろん、俺達も協力するぜ!」

 

「協力するぜ!」

 

ヒロカズとガードロモンも、

 

「俺も協力します!」

 

「ピッピップー!」

 

そしてケンタとマリンエンジェモンも。

全員が快く了承した。

 

 

 

 

 

それから、僕達は都庁の屋上に出た。

 

「行くよ! ギルモン!」

 

「うん、タカト!」

 

「テリアモン!」

 

「おっけー、ジェン!」

 

「行くわよ! レナモン!」

 

「ああ、ルキ!」

 

「モノドラモン!」

 

「おう! リョウ!」

 

僕達はDアークを掲げた。

 

――MATRIX

  EVOLUTION――

 

「「「「マトリックスエボリューション!!」」」」

 

僕達は光に包まれる。

僕達の身体がデータとなり、パートナーと1つになる。

 

「ギルモン進化!」

 

「テリアモン進化!」

 

「レナモン進化!」

 

「モノドラモン進化!」

 

成長期だったそれぞれの身体が分解され、究極体として再構成される。

テイマーとパートナーが1つになった究極の姿。

それが、

 

「デュークモン!!」

 

「セントガルゴモン!!」

 

「サクヤモン!!」

 

「ジャスティモン!!」

 

立ち並ぶ究極体の姿。

そこへ、

 

『聞こえるか? タカト君』

 

山木さんの声が届く。

多分、デ・リーパー事件の時に使った方法と同じ要領で通信しているんだと思う。

 

『山木さん』

 

『いいか? 一番重要な事は君達が無事に帰還する事だ。危険だと思ったら引き返してくれて構わない。無理だけはしないでくれ』

 

『分かりました』

 

山木さんの言葉に返事を返すと、飛行能力を持たないデュークモン()はセントガルゴモンの肩に飛び乗り、サクヤモン、ジャスティモンも反対側の肩に乗る。

 

「行くぞ!」

 

デュークモン()の掛け声でセントガルゴモンが発進した。

セントガルゴモンのすぐ隣には、ヒロカズとケンタを乗せたガードロモンが飛んでいる。

そのまま飛び続けると、『異世界』の境界の直前まで辿り着いた。

そこで一度僕達は確認を取る様にそれぞれが頷き合い。

 

『それじゃあ、サクヤモン、マリンエンジェモン。頼む!』

 

ジェンの呼びかけでサクヤモンは錫杖を数度振り回す。

 

「ふっ! はぁっ!」

 

花弁が舞い散り、それが結界を作り出す。

更に、

 

「ピッピップ~!」

 

マリンエンジェモンがハート型の泡を吐き出すと、それが見る見る巨大化し、僕達ごとセントガルゴモンをすっぽりと包み込んだ。

 

「行くよ!」

 

セントガルゴモンが合図をすると、境界に向かって直進する。

すると、結界に護られていても分かるほどの気流の………空間の乱れが渦巻いている事が分かった。

 

『すごい嵐だ………』

 

リョウさんが呟く。

 

「ひえぇ………!」

 

「シャレになんねぇ………」

 

ヒロカズとケンタは、ガードロモンと一緒にマリンエンジェモンのオーシャンラブに二重に護られている。

そのままセントガルゴモンが進んでいくと、

 

『もうすぐだ………頑張れ、セントガルゴモン………!』

 

「うん!」

 

そしてついにセントガルゴモンが世界の境界を抜けた。

その瞬間視界に広がったのは広大な大地。

 

『ここが………『異世界』………?』

 

僕は思わず呟く。

すると、

 

『大じょ…夫か……? タカ…君………!』

 

ノイズ交じりの飛び飛びの声だけど、山木さんからの通信が聞こえた。

 

『山木さん! こちらは無事です』

 

僕がそう伝えると、

 

『そぅ…か、良か…た』

 

聞き取り辛いけど何とか通信は繋がるみたい。

その事にホッとして僕達は辺りを見渡す。

すると、

 

「お、おい! あれなんだ!?」

 

ヒロカズが一点を指差して叫んだ。

その先には城を中心に広がる都市。

でも、その都市はまるで爆撃を受けた様にボロボロだ。

そして、その上空には巨大な、白いドレスのような形をした何か。

その周囲で激しい爆発が連続して起こっている。

 

『なんなのあれ………?』

 

ルキが疑問の声を漏らした。

その時、

 

「………………………イグドラシル」

 

その言葉に全員の視線が集中する。

その言葉を呟いたのは、

 

『デュークモン………?』

 

僕は思わず声を漏らした。

 

「…………あれは『イグドラシル』」

 

『イグドラシル………?』

 

デュークモンの言葉にジェンが聞き返す。

 

「そうだ…………デジタルワールドを管理するデジモン達の『神』。それがイグドラシルだ」

 

デュークモンがそう答える。

 

『デジモン達の『神』…………』

 

リョウさんが呟くと、

 

「デジタルワールドの『神』って四聖獣じゃないの?」

 

セントガルゴモンがそう聞く。

 

「四聖獣はあくまでデジモンの中でも『神とも呼べる力を持つ』存在だ。デジタルワールドの安定を司っていはいるが、正確には『神』では無い」

 

デュークモンがそう答える。

 

「待って! 何でその事をデュークモンが知っているの?」

 

サクヤモンが疑問を口にした。

 

「…………………このデュークモンは、かつてあのイグドラシルを護る騎士として忠誠を誓っていた」

 

『え…………? 如何いう事………? デュークモンは………ギルモンは僕の考えたデジモンで…………』

 

僕はデュークモンの言葉が理解できずに軽い混乱状態に陥ってしまう。

 

「落ち着いてくれ………タカト。このデュークモンがギルモン………君の考えたデジモンとして君の前に現れたことは間違いない…………」

 

諭すようなデュークモンの言葉に幾分か落ち着いてくる。

 

『で、でも、水野さんは、ギルモンはデジノームが僕のメモを元にダストパケットを集めて作り出した存在だって…………』

 

「確かにそれも間違いではない………だが、それだけでは命を持たない唯のデータの塊に過ぎない」

 

『えっ………?』

 

「このデュークモンがギルモンとして君と出会う少し前…………デ・リーパーがデジタルワールドの奥底で活動を始めた頃、このデュークモンはデ・リーパーが本格的に活動し、デジタルワールドに被害が及ぶ前に対処するため、イグドラシルにデ・リーパーの消去を申し出た」

 

『えっ!?』

 

『デュークモンが………?』

 

僕やジェンは驚いた声を漏らす。

 

「だが、イグドラシルの答えは否だった………デジタルワールドを管理するイグドラシルにとって、急速に拡大していくデジタルワールドを縮小する為に、デ・リーパーの存在は都合が良かったらしい」

 

『そんな………』

 

ルキが悲痛な声を漏らす。

 

「イグドラシルの命令………故にその時は引き下がった。しかし、やがてデ・リーパーが活動を本格的に開始し始め、デジタルワールドの消去が始まり、消去されていく大地やデジモン達を見て思ったのだ。例え『神』にとって取るに足らぬ存在だろうと、そこに生きるデジモン達は、我々と変わらぬ1つの『命』だと…………それを切り捨てることは絶対に間違っていると………! そんな時、デジノーム達が1つのプログラムをリアルワールドへリアライズさせようとしていることに気付いた。だが、それはデジモンの形をしただけの唯のデータの塊。『それ』に『命』は宿らなかった。だが、このデュークモンは感じた。『それ』に込められた『心』を……………1人の人間の少年が持つ、無限大の可能性を…………! そう思ったこのデュークモンは、デジノームの力を借り、自らのデジコアを『それ』に宿らせた。記憶と力は失うことになったが、その時のデュークモンにはどうでも良かった……………そしてこのデュークモンは出会った。タカト、我がテイマーである君に………」

 

『デュークモン…………』

 

「そして、かつての記憶を取り戻した今だから言える。その選択は、決して間違っていなかったと!」

 

『デュークモン…………うん、僕もだよ。デュークモンが………ギルモンが僕のパートナーで、本当に良かった!』

 

僕達が絆を確かめ合っていた時、

 

「な、なあ! あれ!」

 

突然ケンタが指差して叫んだ。

その指し示す先に視線を向けると、イグドラシルに向かって攻撃を行う存在がいた。

一番に目に入ったのは、セントガルゴモン以上の大きさを持つ、大きな赤い竜。

 

「エグザモン!」

 

デュークモンが叫ぶ。

 

「エグザモン 究極体 聖騎士型………デジモンだぜあれ!」

 

ヒロカズがDアークで情報を調べる。

更に、翼を持った青い騎士、六本足の人馬型の騎士、背中に光の翼を持った赤い鎧の騎士がイグドラシルが放つクリスタルの様なものを撃ち落とす。

 

「アルフォースブイドラモン!? スレイプモンに………あれはまさか、ジエスモンなのか!?」

 

「アルフォースブイドラモン フューチャーモード 究極体 聖騎士型。スレイプモン 究極体 聖騎士型。ジエスモンGX 究極体 聖騎士型」

 

ケンタがそのデジモン達のデータを読み上げ、

 

「おいおい! あっちにはオメガモンやマグナモンもいるぜ!?」

 

ヒロカズがまた別方向を指差す。

 

「オメガモン! マグナモン! ロードナイトモン! デュナスモン! クレニアムモン! ドゥフトモン! ガンクゥモン!」

 

デュークモンが次々と叫ぶ。

 

「オメガモン 究極体 聖騎士型。マグナモン アーマー体 聖騎士型。ロードナイトモン 究極体 聖騎士型。デュナスモン 究極体 聖騎士型」

 

「クレニアムモン 究極体 聖騎士型。ドゥフトモン 究極体 聖騎士型。ガンクゥモン 究極体 聖騎士型…………究極体で聖騎士型ばっかじゃん!」

 

ヒロカズとケンタがデータを読み上げ、共通の情報に声を上げる。

 

「そうだ。『神』を守護する聖騎士団『ロイヤルナイツ』。13体の聖騎士型デジモンで構成する最強の騎士団だ」

 

デュークモンがそう答えた。

 

『『神』を守護するにしては………イグドラシルと戦っているように見えるが………』

 

リョウさんが呟く。

僕にもそう見える。

寧ろ戦うというより、イグドラシルの攻撃を撃ち落としている感じだけど………

 

「なんだありゃ………? 黒いオメガモン?」

 

ヒロカズが声を漏らした。

よく見ると、普通のオメガモンの他に、ヒロカズの言う通り黒いオメガモンの様なデジモンも戦っている。

ケンタがDアークを見ると、

 

「オメガモン Alter-B 究極体 ウィルス種 聖騎士型デジモン。必殺技は『ガルルソード』と『グレイキャノン』。普通のオメガモンとは逆だ」

 

その情報を読み上げる。

 

『デュークモン、あれがロイヤルナイツの最後の1体なの?』

 

僕がそう聞くと、

 

「いや、違う。あのデジモンはこのデュークモンも初めて見るデジモンだ」

 

デュークモンはそう答える。

その時、

 

「ッ! ルキ、アレを………!」

 

『えっ………ッ!? ベルゼブモン!?』

 

サクヤモンの声に続いてルキが声を上げた。

サクヤモンの視線の先には、黒い翼を羽搏かせ、右手の巨大な銃でクリスタルを撃ち落とすベルゼブモンの姿。

 

「ベルゼブモン!」

 

デュークモンが叫ぶ。

 

『どうしてベルゼブモンがここに!?』

 

ジェンもそう叫んだ時、

 

「ジェン! あれを見て!」

 

セントガルゴモンが叫んだ。

そこには、金の翼を羽搏かせ、左手で大剣を振り回し、右手から無数の光弾を放ってクリスタルを撃ち落とす黒い聖騎士の姿。

 

「「「「『『『『アルファモン!?』』』』」」」」

 

僕達は思わず同時に叫んだ。

 

『何…と!? 本と…か、タカト…ん!?』

 

山木さんも通信で驚いている。

 

『本当にアルファモンなのか!?』

 

リョウさんが叫ぶ。

 

「羽が生えて空を飛んでるし、おっきな剣も持ってるけど…………」

 

セントガルゴモンが僕達の記憶にあるアルファモンとの相違を挙げる。

すると、ヒロカズがDアークを見ると

 

「アルファモン王竜剣 究極体…………王竜剣?」

 

情報に追加されている名前を見て、ヒロカズが首を傾げた。

 

『もしかしたら、ベルゼブモンのブラストモードや、デュークモンのクリムゾンモードの様なものかもしれない!』

 

ジェンがそう予想した。

 

「っていうか、さっきから思ってたんだけどよ、あいつら一体何やってるんだ?」

 

ヒロカズがそう言う。

 

「なんかイグドラシルから飛んでくるクリスタルを破壊してるみたいだけど………」

 

ケンタがそう呟いた。

 

『飛んでくるクリスタルを破壊……? 一つ残らず………ッ!? まさか! イグドラシルは僕達の世界に攻撃をしようとしてるんじゃ!?』

 

ジェンが気付いたように叫ぶ。

 

「アルファモン達は、それを防ぐ為にすべて撃ち落としているのね!」

 

サクヤモンも合点がいったように頷いた。

その時、いくつかのクリスタルがアルファモン達の迎撃を抜けて空へと昇っていく。

 

『拙い! 抜けられた!!』

 

リョウさんが叫ぶ。

アルファモン達も追いすがろうとしているけど、クリスタルの方が速い!

アルファモンと黒いオメガモンも撃ち落とそうとしたけど、2発だけ撃ち漏らしてしまう。

 

『デュークモン!!』

 

「任せろ!!」

 

僕の声にデュークモンは応え、左手の盾『イージス』を向ける。

 

「ファイナルエリシオン!!」

 

盾から放たれたエネルギー波がクリスタルを呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファイナルエリシオン!!」

 

 

 

 

 

 

もう間に合わないと思ったその瞬間、地球へ向かっていたクリスタルが突如として閃光に呑み込まれた。

一瞬何が起きたのか分からなかったが、その光には見覚えがある。

 

「今のは…………まさかっ!?」

 

アルファモン王竜剣(俺達)は思わずその閃光の出所を見た。

一番最初に目に入ったのは緑色の装甲を持つ、巨大な人型のマシーン型デジモン。

 

「セントガルゴモン!」

 

続いて右肩に乗る、金色の狐の被り物と衣を纏った女性型デジモンと、その隣に立つ赤いマフラーを靡かせた青と白のボディスーツを纏った戦士。

 

「サクヤモン! ジャスティモン!」

 

更にセントガルゴモンの横には茶色いマシーン型デジモンと、その背に乗る俺達と同じ年頃の2人の少年と、その横に浮かぶ妖精型デジモン。

 

『ヒロカズ! ケンタ! ガードロモンにマリンエンジェモンまで!』

 

俺も思わず叫んだ。

そして、最後にセントガルゴモンの左肩に立つ、先程の閃光の残照であろう輝きを残す聖盾『イージス』を持ち、右手には聖槍『グラム』、背中には赤いマントを靡かせた白銀の鎧を纏った聖騎士。

 

「そして…………デュークモン!!」

 

アルファモン王竜剣(俺達)は思わず感慨深い声で叫んだ。

皆がアルファモン王竜剣(俺達)の所まで飛んでくる。

 

「アルファモン!!」

 

「皆!」

 

デュークモンの呼びかけにアルファモン王竜剣(俺達)が応えると、

 

『アルファモン! 大士だよね!?』

 

デュークモンの中のタカトが確認する様に叫んだ。

 

『ああ、俺だよ』

 

その言葉を俺は肯定する。

 

『良かった………無事だったんだ………』

 

『タカト………』

 

『大士、無事でよかったよ』

 

『ジェン………』

 

『ったく、何でこんな所に居るのよ?』

 

『ルキ………』

 

『無事で何よりだよ、大士!』

 

『リョウ………』

 

「生きてやがったか、コノヤロー!」

 

『ヒロカズ………』

 

「良かった~………生きてて嬉しいよ」

 

『ケンタ………』

 

それぞれが俺に声を掛けてくる。

すると、

 

『大士………もしかしてこの皆が…………?』

 

葵が声を掛けてくる。

 

『ああ…………『仲間』だ!』

 

俺はハッキリと頷いた。

 

『……………女の子の声?』

 

タカトが不思議そうな声を漏らす。

 

『あっ! 私、神代 葵! 私もテイマーだよ!』

 

葵が気付いたようにそう名乗った。

 

『何でアルファモンから2人の声が………?』

 

タカトが不思議そうに思っていたので、

 

『簡単に言えばアルファモン王竜剣は、アルファモンと、葵のパートナーであるリュウダモンが究極体に進化したオウリュウモンとの融合体なんだよ』

 

「融合体……………ん? つまり今のお前は女の子と合体してるって事でそれはつまり………」

 

ヒロカズがなんか馬鹿な事を言い出したので、

 

『それ以上変な想像したら冗談抜きで叩き切るぞ?』

 

軽く王竜剣を向けてやる。

 

「わわわ!? 冗談だって!」

 

ヒロカズが慌てて手を振りながら釈明する。

だが、

 

『…………………不潔』

 

ルキがヒロカズを、ゴミを見るような目で見ていたり。

すると、ルキが溜息を吐き、

 

『悪かったわね、仲間がデリカシーの無い事言って………気を悪くしないで頂戴』

 

葵に向かってそう謝る。

 

『ああ、別に気にしてないよ。完全な的外れって訳でもないし………』

 

『へっ!?』

 

葵の言葉にルキが素っ頓狂な声を漏らした。

こんな声を漏らすルキは珍しいな。

とまあ、これ以上は悠長に話してる暇もないし、

 

『皆! 聞きたいことは色々あると思うが今は俺を信じて協力してほしい!』

 

その声でその場の空気が張り詰め、皆が真剣な表情を向ける。

 

『奴はイグドラシル。デジタルワールドの『神』でこちらの『世界』と俺達の『世界』をぶつけて消滅させようとしている!』

 

『ッ!? やっぱり!』

 

ジェンが俺の言葉にそう言う。

誰かが予想したのだろうか?

 

『何の為にそんな事を!?』

 

タカトがそう聞いてきたので、

 

『簡単に言えば、人間達を排除するためだ』

 

「「「「「「「『『『『なっ!?』』』』」」」」」」」

 

全員が驚愕の声を漏らす。

 

『ど、どうして………?』

 

ジェンが何とかそう口にする。

 

『イグドラシルは、人間がデジモン達に対して悪影響を与える異物だと判断したからだ』

 

「………何と愚かな事を………」

 

デュークモンが深く溜息を吐きながらそう言った。

その言葉にはどんな意味が込められているのだろう。

 

『説得も試みてみたが聞く耳持たずだ。世界の衝突を食い止めるためにはイグドラシルを倒すしかない! 頼む皆! 協力してくれ!』

 

「当然だ!」

 

『もちろんだよ!』

 

デュークモンとタカトが、

 

「いいよね? ジェン?」

 

『ああ!』

 

セントガルゴモンとジェンが、

 

「もちろんよ!」

 

『仕方ないわね』

 

サクヤモンとルキが、

 

「おう!」

 

『当然だろ!』

 

ジャスティモンとリョウが、

 

「勿論だぜ!」

 

「勿論だぜ!」

 

ヒロカズとガードロモンが、

 

「もちろん俺も!」

 

「ピプ~!」

 

ケンタとマリンエンジェモンが。

全員が迷いなく頷く。

その頼もしさに、俺は思わず笑みを浮かべた。

 

『大士………嬉しそうだね』

 

葵が気付いたのか声を掛けてくる。

 

『ああ……嬉しいさ……ピンチの時に仲間が駆けつけてくれるなんて、嬉しいに決まってるだろ………!』

 

本当に………涙が出るほどにな。

だが、俺は気を取り直してイグドラシルに向き直る。

 

「行くぞ!!」

 

アルファモン王竜剣(俺達)の掛け声に、

 

「「「「「「「『『『『おうっ!!』』』』」」」」」」」

 

全員が応えた。

一斉にイグドラシルに向かう。

 

『デュークモンだと!? おのれぇ! この裏切り者が!!』

 

イグドラシルの忌々しそうな声と共に、無数のクリスタルが上空に、地球へ向けて放たれる。

 

「クッ!」

 

『いかん! 防ぎきれん!!』

 

エグザモンとティオが声を漏らす。

アルフォースブイドラモンFMとスレイプモンは未だ捕まっており、エグザモンとジエスモンGXだけでは防ぎきれないのは当然だ。

だが、

 

『セントガルゴモン!』

 

「任せて! ジェン!!」

 

ジェンの呼びかけにセントガルゴモンが頼もしく応え、迫りくる無数のクリスタルに身体の正面を向けると、セントガルゴモンの身体の至る所から重火器の発射口が展開する。

 

「バーストショット!!」

 

それらが一斉に火を吹く。

無数のミサイル、マシンガンやガトリング砲、あらゆる重火器から雨あられの様に弾丸が放たれる。

 

「ババババババババーーーーーーーッ!!!」

 

お決まりの掛け声を掛けながら、セントガルゴモンは迫りくるクリスタルを次々と粉砕していく。

全身重火器の凄まじい手数。

それがセントガルゴモンの強みだ。

 

『なんつー武器の数だ………』

 

『メタルガルルモンより多いんじゃないかな?』

 

それを見ていたオメガモン Alter-Bの中のハジメと白崎さんが呟く。

とは言え、セントガルゴモンの攻撃は精密さに欠ける為、撃ち漏らしも多少は出てくる。

だがそこに、

 

「飯綱!!」

 

サクヤモンが4つの管狐の様なエネルギー体を放つ。

それらは生きているように空中を移動し、的確にセントガルゴモンが撃ち漏らしたクリスタルを貫いていく。

 

『クリスタルは僕達に任せて!』

 

『あんた達はイグドラシルを!』

 

ジェンとルキの頼もしい言葉。

 

「頼む!」

 

アルファモン王竜剣(俺達)はそれを疑いもせずにイグドラシルへ向かう。

すると、デュークモンとジャスティモンがセントガルゴモンの肩から飛び降りた。

 

「ジャスティモン! まずはあの捕らえられているアルフォースブイドラモンとスレイプモンを助ける!」

 

「わかった!」

 

そう言うと、デュークモンは右手のグラムにエネルギーを集中し、ジャスティモンは飛び蹴りの体勢を取る。

 

『調子に乗るな!』

 

イグドラシルが巨大なクリスタルを生み出し、デュークモン達に向けて撃ち出した。

 

「むっ!?」

 

「くっ!?」

 

流石の2体もそれには若干動揺したようだが、

 

「任せろ!!」

 

2体の前にアルファモン王竜剣(俺達)が飛び出し、

 

「究極戦刃…………王竜剣!!」

 

王竜剣の一振りで、その巨大なクリスタルを真っ二つにした。

 

『ぬぅっ!?』

 

イグドラシルが声を漏らした瞬間、真っ二つになったクリスタルの合間を抜けて、デュークモンとジャスティモンが飛び出した。

そして、

 

「ロイヤルセーバーッ!!」

 

「ジャスティスキィィックッ!!」

 

デュークモンの輝く槍がアルフォースブイドラモンFMを捕えていた茨の蔦を貫き、ジャスティモンの必殺の蹴りがスレイプモンを捕えていた茨の蔦を粉砕する。

自由になった2体は咄嗟に空中で制動を取り、即座にその場を離れた。

デュークモンとジャスティモンはそのまま地上へ向かい、着地と同時にイグドラシルに向かって構えを取った。

 

『おのれぇ! デュークモンめ…………!』

 

イグドラシルはそう吐き捨てる。

 

「ありがとうデュークモン!」

 

「助かったぞ!」

 

アルフォースブイドラモンFMとスレイプモンはそう礼を言う。

 

「礼など不要だ。今はイグドラシルを止めることが先決」

 

「ああ!」

 

「分かっているとも!」

 

そう言って戦闘を再開する。

すると、

 

「……………デュークモン」

 

オメガモンがデュークモンに近付いた。

 

「…………久しぶりだな。我が盟友オメガモン」

 

「私を……まだ友と呼んでくれるのか?」

 

「何があったのかは知らぬが、今こうしてお前もイグドラシルに逆らっている………『神』に対して思う所があったのは間違いないのだろう?」

 

「デュークモン…………」

 

デュークモンはイグドラシルを見据える。

 

「今はこうして再び肩を並べて戦おうとしている………それでは駄目か? オメガモン」

 

「…………いや」

 

オメガモンは首を振った。

 

「我が盟友デュークモン! 再びお前と共に戦えることを嬉しく思う!」

 

オメガモンは右腕を胸に当て、そう言った。

 

「こちらも同じだ、オメガモン!」

 

かつて袂を分かってしまった騎士達の道が、再び交わった瞬間だった。

その時、イグドラシルの放った茨の蔦が、愛子先生やリリアーナ王女に襲い掛かる。

だが、

 

「ディストラクショングレネード!!」

 

ホイッスルの音と共に放たれたミサイルが、その茨の蔦に当たって軌道を逸らす。

更に、

 

「ピププププププ~!!」

 

マリンエンジェモンがオーシャンラブのハート型の泡を連続で茨の蔦に当てると、その茨の蔦が消滅した。

 

「お~い! 大丈夫か~!?」

 

ガードロモンに乗ったヒロカズやケンタが手を振りながら飛んでくる。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「助かりました」

 

見た目の可愛い愛子先生や、美少女と言えるリリアーナ王女にお礼を言われたヒロカズとケンタは、

 

「いやぁ~、それほどでも~♪」

 

「えへへ〜♪」

 

顔を赤くしながら完全に調子に乗っていた。

その時、愛子先生とリリアーナ王女がハッとして、

 

「危ない!」

 

「後ろ!」

 

ヒロカズとケンタの後方を指差す。

今度は無数の茨の蔦が襲い掛かってきていた。

 

「「「あわわわわわわわわっ!?」」」

 

流石にそれだけに対処する術がないヒロカズとケンタ、ガードロモンは大慌てするが、

 

「ダークネスクロウ!!」

 

「ルォオオオオオオオオオッ!!」

 

「燐火斬!!」

 

「レスティングバーナー!!」

 

ベルゼブモンの鋭い爪、ベルフェモンの炎を纏った鎖、ガイオウモンの剣、ヘヴィ―レオモンが胸の獅子の口から放った炎がそれらの茨の蔦を断ち切り、焼き尽くした。

 

「ベルゼブモン!!」

 

「助かったぁ~!」

 

2人は助かったことに安堵するが、

 

「そこの2人っ!」

 

「「へっ?」」

 

いきなり幼女の声が聞こえた2人は困惑するが、キョロキョロと辺りを見渡すと、ベルフェモンの肩の上でミュウがビシッと2人に指を突き付けていた。

そして、

 

「油断大敵っ! なの!」

 

「「は、はい……ごめんなさい………」」

 

ミュウの何とも言えぬ迫力に圧倒された2人は、大人しく謝ることしか出来なかった。

幼女に説教される2人の男子高校生というシュールな光景に、

 

「ククッ………!」

 

ベルゼブモンが笑いを零し、

 

「ハッハッハ! ミュウの前にはヒロカズとケンタも形無しだな!」

 

ヘヴィ―レオモンが笑い声をあげる。

っていうか、今更だがあのヘヴィ―レオモンは、レオモンが進化したんだよな?

 

「わ、笑うなよ………! って言うか、何で俺達の名前知ってるんだ?」

 

ヒロカズがハッとなる。

その言葉に、

 

「フッ…………ジュリは元気か?」

 

ヘヴィ―レオモンは笑みを零しながらそう聞いた。

その言葉に、一瞬呆気に取られた2人は、

 

「ま、ままま、まさか………!?」

 

ヒロカズが信じられないという表情をしながらヘヴィ―レオモンを指差し、

 

「ヘヴィ―レオモン 究極体 マシーン型………レオモンの究極体………ほ、ホントに…………!」

 

ケンタもDアークで情報を見たようだが信じられない様だ。

 

「詳しい話は後だ。今は護ることに専念してくれ!」

 

「あ、ああ……!」

 

「う、うん……!」

 

ヘヴィ―レオモンの言葉にヒロカズとケンタは頷いた。

因みに俺も気付かなかったが、その時にはイグドラシルは茨の蔦で奇襲を掛けようとしていたようだが、何故か全てがいつの間にか切り裂かれ、それは叶わなかった。

因みにその事に気付いたのは、ハウリア族の1人の女性だけだったそうな。

 

 

 

 

クリスタルの攻撃を仲間達に任せた俺達とロイヤルナイツは、イグドラシルの周りを囲う様な形になっていた。

 

「……………まさか、アルファモンを含めた13体のロイヤルナイツ全員が一堂に集まる日が来るとは思ってもみなかった」

 

クレニアムモンが呟く。

 

「しかも、その理由が仕えるべき君主であるイグドラシルを倒すためとは………皮肉なものだ」

 

オメガモンも少し自嘲気味にそう言う。

 

「だが、それは全て己が自分で決めた事………自らの意志で『神』に逆らう事を選んだ結果だ。逆を言えば、イグドラシルに君主たる器が無かっただけの事」

 

デュークモンが前を見ながら迷いなく言った。

 

「その通りだ。イグドラシルの気分1つで『世界』を………自分達の『大切』なものを奪われる訳には行かない………! だから俺は戦う! 俺達の『大切』なものを護る為に!」

 

アルファモン王竜剣(俺達)がそう言い切る。

アルファモン王竜剣(俺達)が王竜剣を構えたのを筆頭に、それぞれが構えを取る。

 

『…………………………』

 

だがその間も、イグドラシルは不気味に沈黙を続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 






タカト達原作組は出ないといったな!(第5話あとがき参照)
あれは嘘だ!
って事で第82話です。
正月休み最終日。
頑張って1日で掻き上げてみました。
いや、もう、筆?が進む進む。
タカト達テイマーズの登場です。
タカト達がどうやってトータスに来たかという所から書きました。
ついでに、ロイヤルナイツだったデュークモンがどうやって原作通りにタカトの元に来たのかという(割と強引な)擦り合わせも。
タカト達の活躍は如何だったでしょうか?
因みに自分はジャスティモンのジャスティスキックの威力は、45tではなく、45万tや450万tの誤植だと今でも勝手に思っております。
だって45tって、小さなプレス機で普通に出せるんですよ?
あの程度が究極体で出せる限界だなんて信じられない(信じたくない)んです。
セントガルゴモンの拳や蹴りで何t行くと思ってんですか!?
下手すりゃ成熟期でも出せますよ!
すいません、愚痴り過ぎました。
ともかくテイマーズが合流したことでロイヤルナイツも全員集結。
序にミュウに説教されるヒロカズとケンタ。
後はレオモンとの再会。
次回はおそらく決着まで行くかと。
それではお楽しみに。
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