俺達を含めたロイヤルナイツ達が戦闘態勢に入る。
「往くぞ!!」
デュークモンの掛け声で一斉に動き出した。
「ファイナルエリシオン!!」
デュークモンが盾にエネルギーを集中させ、光の砲撃を放つ。
「ブリッツアーム!!」
ジャスティモンが右腕から電撃の塊を連続で放つ。
「ガルルキャノン!!」
オメガモンが右腕の砲身から凝縮されたエネルギー弾を放つ。
「エンドワルツ!!」
クレニアムモンが槍を回転させ、そこから巻き起こす竜巻を放つ。
「プラズマシュート!!」
マグナモンが身体の各部からミサイルを撃つ。
「スパイラルマスカレード!!」
ロードナイトモンが帯剣を伸ばし、斬撃の嵐を放つ。
「ドラゴンズロア!!」
デュナスモンが両の掌からエネルギー波を放つ。
「破壊の剣! エルンストウェル!!」
ドゥフトモンが剣から破壊の波動を放つ。
「鉄拳制裁!!」
ガンクゥモンが拳から拳圧を飛ばす。
「シャイニングVフォース!!」
アルフォースブイドラモンFMが胸のV字の鎧から光線を放つ。
「ビフロスト!!」
スレイプモンが右腕の弩から光の矢を放つ。
「ペンドラゴンズグローリー!!」
エグザモンが槍の先からレーザーを放つ。
「グレイキャノン!!」
オメガモン Alter-Bが左腕からプラズマ収束砲を放つ。
「聖拳滅破!!」
ジエスモンGXが光の拳を連続して放つ。
それらの必殺技が一斉に炸裂し、イグドラシルを大爆発に包み込む。
もちろんそれだけでイグドラシルを倒せるとは思っていない。
だから
空高く跳び上がり、イグドラシルの上を取る。
そして、王竜剣を振り被った。
「究極戦刃……………!」
爆煙の切れ目からイグドラシルの位置を把握した瞬間、
「……………王竜剣!!」
急降下と共に一直線に振り下ろした。
その一撃は、イグドラシルの正中線を僅かに外れ、肩口辺りから下を一直線に切り裂く形になる。
先程の一斉攻撃も含め、イグドラシルの残っている原型は、元の4分の1以下しか残っていない。
しかし、
「ッ!?」
イグドラシルは失った部分を見る見るうちに修復していく。
「これだけのダメージでも再生するだと!?」
デュークモンが驚愕の声を漏らした。
『…………………………』
そんな中、不気味なほどに沈黙を保っていたイグドラシル。
だが、
『何故これほどまでに我に逆らう? 我は『神』! デジタルワールドの『神』だ!!』
イグドラシルがそう叫んだ瞬間、イグドラシルが背後に光を背負った。
「な、何だ!?」
オメガモンが目を見開きながら驚愕する。
すると、
『私ノ名前ハ、いぐどらしる_7D1。でじもんノ進化ヲ監視スル為ニ建造サレタ、WIZ9000型こんぴゅーたー…………』
突如としてイグドラシルの口調が変わり、何の生気も感じられない合成音声を並べた様な声になる。
『何を言ってやがる………?』
ハジメが怪訝な声を漏らす。
だが、俺はまさかと思った。
この変貌は………
『私ノ進化実験ハ人間ノ介入ニヨリ失敗ニ終ワッタ。えらーこーど401ニ従イ、ぷろぐらむヲ破棄シ、全しすてむヲ新世界ヘト移行スル』
「新世界だと?」
クレニアムモンが声を漏らした。
その瞬間、イグドラシルの身体中からエネルギーが迸り、黒い稲妻となって辺りを駆け巡った。
「なっ!? ぐぁああああああああっ!?」
その黒い稲妻が俺達に降り注ぐ。
更にそれは無差別に辺りを蹂躙し、僅かに原型を残していた街を徹底的に破壊していった。
やがてその攻撃はいったん収まるが、ロイヤルナイツも含めて俺達は少なくないダメージを負っていた。
『くっ………! ミュウ達は………!』
ハジメの言葉でオメガモン Alter-Bが身を起こしながら視線をミュウ達がいた所に移す。
そこには、ベルフェモンやヘヴィ―レオモンが己の身を盾にミュウを始めとした先生や生徒達を庇う姿があった。
『何とか無事みたいだね………』
白崎さんがホッと一息吐く。
それから再びイグドラシルを見上げた時、
「「ッ!?」」
イグドラシルの上空に空間の穴が開いており、そこから地球とはまた別の景色が広がっていた。
『あれは………?』
優花が疑問の声を漏らす。
だが、その瞬間、俺はその光景に見覚えのあることに気付いた。
『あれはまさか………!? デジタルワールド!?』
そう、イグドラシルの上空に映る景色はデジタルワールドのものだった。
そして次の瞬間、イグドラシルの周りにあるクリスタルが輝くと、その空間の穴に飛び込んで行き、デジタルワールドを蹂躙し始めた。
「何ッ!?」
「ジェン!」
『デジタルワールドがっ!』
上空から見ていたセントガルゴモンとジェンが叫ぶ。
「やめろぉっ!!」
クレニアムモンが槍を振り被り、イグドラシルに向かって槍を振り下ろすが、その切っ先がイグドラシルの装甲に触れた瞬間、その表面に黒い稲妻のエネルギーが走り、クレニアムモンの槍を弾く。
「何ッ!?」
「クレニアムモンッ!?」
槍を弾かれたクレニアムモンは驚愕し、デュークモンが叫ぶ。
『装甲の表面にエネルギーを走らせて槍の軌道を逸らした!?』
俺はそう推測する。
その間にも、次々とクリスタルがデジタルワールドに撃ち込まれている。
ここからでは見えないが、実際には数多くのデジモン達が巻き込まれているだろう。
「イグドラシル………! 思い通りに行かないとなれば、そこまで簡単に見捨てるか!」
デュークモンが怒りの籠った叫びを上げる。
『ぷろぐらむ遂行ノ邪魔トナル物ハ、全テ排除スル』
そのデュークモンに向かって無数のクリスタルが撃ち込まれる。
「うくっ………!?」
デュークモンはイージスを構えるが、その威力は完全には防ぎきれない。
『デュークモン!?』
「このっ!」
ジャスティモンがイグドラシルに飛び掛かるが、
『理解不能』
その言葉と共に、ジャスティモンが黒い稲妻に撃たれる。
「ぐああっ!?」
「ジャスティモン!?」
『理解不能、理解不能。オ前達ノ勝率ハ、0.00001%未満。何故ソコマデ抗オウトスルノカ?』
イグドラシルは淡々とそう言う。
だが、
『………数字じゃない!』
「シャイニングVフォース!!」
アルフォースブイドラモンFMが至近距離から光線を放つ。
その攻撃で黒い稲妻から解放されたジャスティモンが、そのまま落下しようとしていた時、スレイプモンが空中を駆けて来てその背で受け止める。
『そうです! 私達が戦うのは、私達の『意志』!!』
「ビフロスト!!」
そのまま左腕をイグドラシルに向けて光の矢を放つ。
イグドラシルが爆煙に包まれる。
『『生きたい』と願う、皆の思いじゃ!!』
「アヴァロンズゲート!!」
エグザモンが槍をイグドラシルに突き立て、特殊弾を炸裂させる。
『理解不能、理解不能!』
イグドラシルは更に攻撃を苛烈にする。
だが、
『皆の言う通りだ!』
「ジャイアントミサイル!!」
セントガルゴモンが両肩から巨大なミサイルを放ち、デジタルワールドに撃ち出された巨大なクリスタルを破壊する。
『私達は諦めない! 絶対に!』
「金剛界曼荼羅!!」
サクヤモンが陣を広げ、デジタルワールドの入り口に巨大な結界を構築し、クリスタルの侵入を防ぐ。
『可能性が僅かでも残されているのなら、俺達は戦う!!』
「クリティカルアーム!!」
スレイプモンの背から飛び出したジャスティモンがビームソードで斬りかかった。
『理解不能! 理解不能!』
イグドラシルが体中から茨の蔦を伸ばす。
「させるか! シャイニングゴールドソーラーストーム!!」
マグナモンが体中から放った輝きが茨の蔦を吹き飛ばす。
「消滅の剣! アウススターベン!!」
ドゥフトモンの放つ消滅の波動が茨の蔦を消し去り、
「エンドワルツ!!」
クレニアムモンの巻き起こす竜巻が茨の蔦を引き裂く。
『理解不能! 理解不能!』
イグドラシルが巨大なクリスタルを四方に作り出し、それを放とうとする。
「させるかよ! カオスフレア!!」
ベルゼブモンが魔法陣を通して砲撃がクリスタルの1つを砕く。
「燐火撃!!」
ガイオウモンの放った光の矢がクリスタルに突き刺さり、粉々にする。
だがその時、残った2発が放たれる。
しかし、
「鉄拳制裁! 地神!神鳴!神馳!親父!」
その1つの先にはガンクゥモンが待ち構えており、鉄拳で巨大なクリスタルを止めたかと思うと、背後のヒヌカムイが拳の連撃でクリスタルを木っ端微塵にした。
そして、もう1つのクリスタルの先には、ヘヴィ―レオモンが待ち構えていた。
右腕のパイルバンカーの後ろから火を吹かせ、足のローラーで一気に突っ込む。
「ソニックエクスカベーター!!」
繰り出したパイルバンカーがクリスタルの先に突き刺さり、直後に撃ち出された杭がクリスタルを粉々にする。
『理解不能! 理解不能!』
イグドラシルは尚も繰り返す。
「う~~~! べるちゃん! あれ気持ち悪いの! やっちゃってなの!!」
「ルォオオオオオオオオオオッ!!」
ミュウの呼びかけに応えるようにベルフェモンが口から砲撃を放ち、イグドラシルに直撃させる。
「イグドラシル!! 我々の忠誠を無為にした報いを受けるが良い!! スパイラルマスカレード!!」
ロードナイトモンが全身を帯剣で包む様にして回転し、そのまま体当たりを仕掛ける。
「喰らうが良い! ブレスオブワイバーン!!」
デュナスモンから溢れるエネルギーが飛竜を形作り、イグドラシルに襲い掛かる。
その攻撃でイグドラシルは後退した。
『理解フノ………』
尚もそう言いかけた時、
『そりゃテメエには分からねえだろうさ』
『神様気取りでふんぞり返ってるだけのあなたに、私達の『生き抜く覚悟』は絶対負けない!』
オメガモン Alter-Bがイグドラシルの目の前でグレイキャノンを展開する。
同時に、
「イグドラシル! 貴様に『神』を名乗る資格は無い!!」
オメガモンがガルルキャノンを展開した。
白と黒のオメガモンが互い背中合わせとなり、右腕と左腕を同じ相手に向ける。
「「グレイ………!」」
「ガルル………!」
「「「………キャノン!!」」」
二重の砲撃がイグドラシルを大きく仰け反らせる。
「イグドラシル! 我ら『生きる者』の命の輝き! とくと見るが良い!!」
『うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』
デュークモンとタカトが叫ぶと、紅い光がデュークモンから放たれた。
その輝きは、光の柱となってイグドラシルの前に立ち昇り、
「『デュークモン クリムゾンモード!!』」
その中に紅の騎士となったデュークモンが姿を現した。
『理解不能! 理解不能!』
イグドラシルが茨の蔦を再生させ、デュークモンCMに襲い掛かる。
「デュークモン!」
オメガモンが叫ぶが、デュークモンは無言で右手に輝く双刃の槍、神槍『グングニル』を具現してそれを掴むと、
「……………………フッ!」
それを一振りする。
すると、そのグングニルから放たれた波動が迫りくる茨の蔦を一瞬にして分解してしまった。
『理解不能! 理解不能!』
イグドラシルの言葉には、もはや聞く価値も無いとばかりに無視し、
「アルファモン! ジエスモン! 露払いはこのデュークモンが引き受ける! お前達は気にせずに突っ込め!!」
「分かった!!」
「心得た!!」
デュークモンCMの言葉に
「往くぞ!!」
デュークモンCMを先頭に、俺達はイグドラシルへ突撃する。
「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」
『理解不能! 理解不能!』
イグドラシルは、再生させた茨の蔦、無数のクリスタル、巨大なクリスタルなど、持てる限りの攻撃を俺達に向かって放った。
その攻撃は、並の究極体どころか、ロイヤルナイツクラスでもまともに喰らえば間違いなく致命的なダメージを受けると断言できるほどに苛烈だった。
だが、
何故なら、
「クォ・ヴァディス!!」
デュークモンCMがグングニルを渾身の力で投擲する。
グングニルは光の粒子を撒き散らしながらイグドラシルに一直線に向かって行く。
茨の蔦や無数のクリスタルが殺到するが、その撒き散らされる光の粒子に触れた瞬間、一瞬にして分解されて消えてしまう。
グングニルはそのままイグドラシルの装甲に突き刺さり、装甲の表面に走る黒い稲妻のエネルギーすらも消し飛ばしてしまった。
『理解不…………』
「今だ! アルファモン! ジエスモン!」
デュークモンCMの言葉に俺達は一気に前に出る。
「究極戦刃………………!」
「おぉおおおおおおおおおおっ…………!」
それは、自らを存在しない14本目の究極戦刃の依り代とし、自身が突撃弾劾剣となるジエスモンGXの最終奥義。
「ナイツ・イントルーダー!!!」
刀身がタクティカルアームズと同じエネルギー体で出来た非実体剣となり、イグドラシルへ突撃する。
「………王竜剣!!!」
それと同時に、
王竜剣がイグドラシルの左肩口から斜めに真っ二つとなり、残った右上半身にナイツ・イントルーダーが突き刺さって内部からエネルギーを炸裂させ、イグドラシルの背後から爆発したように衝撃が突き抜けた。
『理解不能! 理解フノノノノノノノ…………!』
イグドラシルの声が壊れたラジオの様に途切れる。
それでも
『…………………………』
沈黙を続けるイグドラシル。
イグドラシルの目にあたるだろうと思われるV字の赤いクリスタルの様な部分も光を失って暗くなった。
『……………どうやら倒したようだな』
そこまで確認して、俺は漸く一息吐いた。
『勝ったんだね?』
葵がそう聞いてくる。
「ああ。俺達は勝ったんだ!」
アルファモンも嬉しそうにそう叫んだ。
そのまま勝利の喜びがその場に広がろうとした。
その時、
「まだだっ!!」
イグドラシルに突き刺さっていた剣形態のジエスモンGXが叫んだ。
『コイツ、まだ生きてる!!』
優花も叫ぶ。
その言葉通り、光を失っていたイグドラシルの赤いV字のクリスタル部分に光が灯り、再びエネルギーが放出され始める。
だが、それは今までとは違っていた。
『ワワワワタタタタシシシシハハハハハハ、いいいいぐどららららららららしししししるるるるるるる!』
壊れたレコーダーの様に言葉にならない声を上げるイグドラシル。
「何が起こったんだ!?」
アルファモン王竜剣が叫ぶ。
『…………まさか、さっきの攻撃の衝撃でプログラムがバグって暴走したのか!?』
俺がそう叫ぶ。
イグドラシルの周囲は、吹き荒れるエネルギーが嵐の様に取り巻く。
「うぉおおおっ!?」
『きゃぁあああああああっ!?』
イグドラシルに突き刺さっていたナイツ・イントルーダーがエネルギーの嵐に巻き込まれ、イグドラシルから抜けると共に、振り回される。
「ジエスモン!」
『優花!』
「アルファモン!」
『ありがとう、大士!』
お礼を言われるが、今はそんな状況ではない。
吹き荒れるエネルギーはイグドラシルに何人をも寄せ付けず、他の皆も吹き飛ばされまいと耐えるので精一杯だ。
それは
気を抜けば一瞬で吹き飛ばされる。
「くっ…………!」
声を漏らす
『…………………もしかしたら行けるかも………!』
俺は閃きを口にする。
『アルファモン! 王竜剣でエネルギーの嵐に通り道を作るんだ!』
「だ、だが、道を作れても、イグドラシルに攻撃する術が………」
全力の王竜剣は、連撃は不可能だ。
十分に力を溜めずに放てば、その攻撃力はガタ落ちする。(それでも並の究極体なら余裕で切り裂けるが)
『ああ、それは分かっている。だから、2撃目はナイツ・イントルーダーを繰り出す!』
「「『『ッ!?』』」」
俺の言葉に全員が驚くのが分かった。
『王竜剣で道を作り、そのままナイツ・イントルーダーでイグドラシルを貫く!』
俺は作戦を口にする。
作戦と言えるほどの物では無いが。
「………分かった。やってみよう!」
アルファモン王竜剣が頷くと、王竜剣に力を溜める。
そして、大きく振りかぶり、
「究極戦刃………王竜剣!!」
横薙ぎに薙ぎ払った。
その威力により、エネルギーの嵐に切れ目が入り、一筋の道が出来る。
『今だ!!』
「「「『『『貫けっ!!!』』』」」」
一気に突き出した。
元々のナイツ・イントルーダーの力に、
この力の前に、貫けないものは無い。
「なっ!?」
そう思っていた。
だが、現実は、イグドラシルを倒すどころか、その装甲すら貫けずにいた。
『そんな馬鹿な!?』
俺は驚愕の声を上げる。
その瞬間、茨の蔦が伸びて来て
「ぐぁああああああああああああああああああああああああっ!!??」
「「「「「「「「「「アルファモン!?」」」」」」」」」」
エネルギーの奔流に晒される中、
『な、何故…………?』
俺は何故先程の一撃が効かなかったのか疑問で仕方がなかった。
すると、
「うぐっ……………さ、さっきの一撃は………剣に力を乗せられなかった………!」
アルファモン王竜剣が苦しみながらもそう口にする。
『力を乗せられない?』
「ア、アルファモンの言う通りだ………! アルファモンが私に力を乗せようとした時、私の力と反発し合って、力を打ち消し合ってしまったのだ………! 故に、先程の一撃には殆ど攻撃力は無かった………!」
『ッ!?』
ジエスモンGXの言葉に俺は驚く。
だが、俺以上にショックを受けていたのは、
『…………私じゃ………大士の力にはなれないって言うの…………!?』
優花だった。
その声からは、悲壮感がありありと感じられる。
だが、
『そんなわけあるか!!』
俺はその言葉を即座に否定した。
『ジエスモンが………優花が俺の力にならないなんて事が、ある筈がない!!』
そうだ、そんな事はありえない。
これほどまでに俺を思ってくれている優花が俺の力にならないなんて事は、あっていい筈がない!
『大士………でも…………』
『らしくないよ、優花!』
何か言おうとしか優花に葵が口を出す。
『奈落の底で約束したよね。私達2人だけの約束…………どんな事があっても、私達は2人で大士を支え続けるって…………! 今更その約束を無かったことにするなんて、許さないんだからね!』
『葵…………!』
『優花、確かに今のままでは無理かもしれない。なら、更に『進化』すればいいだけの話だ!』
『大士、それってもしかして………!』
葵が期待を込めた声で聴いてくるが、
『いや、俺の知識にはアルファモンとジエスモンの融合体は無い』
その言葉に、若干ガッカリした空気が流れるが、
『だけど、それが如何した!?』
俺は叫ぶ。
『『ッ!?』』
『無いなら作り出せばいいだけの話だ! 全く新しい、『俺達だけの進化』を!!』
『私達だけの………』
『進化………!』
『俺達なら出来る! いや、出来ない筈がない!』
俺は自然とそう口走る。
普段の俺ならそんな根拠の無い事は言わなかった筈だ。
だけど、今の俺達なら本当に出来る気がしていた。
それと同時に、俺は葵と優花と、しっかりと手を握り合った気がした。
『アルファモン! オウリュウモン! ジエスモン! やるぞ!!』
「「「おおっ!!」」」
俺の言葉に3体が同時に答える。
『俺達の………想いを1つに………!』
『想いを………』
『1つに………!』
それと共に、俺の身体から金色のデジソウルが溢れ出し、葵と優花を包む。
同時に、アルファモンの身体からも金色のデジソウルが発生し、王竜剣と、ナイツ・イントルーダーを包み込む。
『『『はぁああああああああっ………………!』』』
「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」
俺達の心が燃え上がると共に、デジソウルが激しく吹き上がる。
そのデジソウルにより、
そして、それは遂に、『限界』を超えた。
―――BURST
EVOLUTION―――
『『『チャージ……………!! デジソウル…………バースト!!!』』』
デジソウルの輝きが限界を突破し、アルファモンに限界を超えた力を与える。
アルファモンの黒い鎧が黄金に輝き、背中には大きな輝く光の翼。
左手には黄金に輝く究極戦刃王竜剣。
右手には金色に輝く光の刀身を持つ、究極戦刃ナイツ・イントルーダー。
『
これが、
「アルファモン! バーストモード!!」
その姿を見せつける
それを見ていた皆も声を失っているのが分かる。
だが、
「……………………………」
無言で王竜剣を横に薙ぎ払った。
その一振りは、荒れ狂うエネルギーの嵐をあっさりと切り裂き、それどころかその余波でイグドラシル本体を上下真っ二つに切り裂く。
『ワ、ワタシハ……………!』
イグドラシルが何か言う前に、
そのままナイツ・イントルーダーを突き出す。
先程は全く力が出せずに装甲を抜けなかった一撃。
だが今度は、イグドラシルのどてっ腹に余裕で大穴を開けた。
『ワ、ワタシハ………『神』…………! 私は『神』だぁぁぁぁぁぁっ!!』
そのショックで暴走が収まったのか、言葉がハッキリする。
だが、
すると、2つの究極戦刃が1つとなり、金色に輝く光で形成された、巨大な王竜剣となった。
これが、
「究極……………! 戦刃っ……………!」
その剣を、全ての力を込めて振り下ろした。
「神・竜・けぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!!!」
その巨大な光の剣は、イグドラシルを正中線に沿って真っ二つに切り裂く。
『馬鹿な! ありえない! お前達がこの私を倒す確率は………!!』
その言葉を言い切る前に、イグドラシルは限界を迎えて爆発する。
『やった………?』
『今度こそやったの………?』
葵と優花が呟く。
だが、爆煙を切り裂いて何かが上空に飛び出す。
『ッ! まだだっ!!』
それは、クリスタルで出来た男性像のような姿。
『イグドラシルのコアだっ!! アルファモン!!』
俺は逃がさないようにアルファモンBMに呼びかける。
「ああ!!」
アルファモンBMも即座に応え、イグドラシルのコアを追いかけようと羽搏く。
アルファモンBMはスピードも飛躍的に上がっているため、すぐに追いつけるかと思われた。
だが、
「ッ!? うぐっ!?」
もうすぐ追いつけるかという時、突如としてアルファモンBMが力を失う。
『どうしたんだ!? アルファモン!?』
俺が何があったのかと問いかける。
「すまない、大士っ………もう、エネルギーが…………!」
その言葉で俺は察してしまった。
アルファモンBMには、もう進化を維持するだけのエネルギーが残っていないことに。
ただでさえロードナイトモンとデュナスモンとの戦いで予想以上にエネルギーを消費した上でイグドラシルと戦い、更に限界を突破するバーストモードを発動させた。
いくらアルファモンとは言え、限界を迎えるのは当然だった。
アルファモンBMはそのまま力を失い、進化を維持できずに光に包まれる。
俺達は分離して、空中に投げ出される形となった。
その間にも、イグドラシルのコアは逃げ出そうと上昇していく。
他の皆もイグドラシルのコアに追いすがれるほどの力は残っていない。
「そんな………ここまで来て………!」
「このままじゃ…………!」
葵と優花が悔しそうな声を漏らす。
だが、
「いいや! まだだ!!」
俺は右の拳を握りしめ、デジソウルを発生させる。
そして、
「ドルモン! リュウダモン! ハックモン! 優花! 葵!」
「「「「「ッ!」」」」」
その場の皆の名を呼び、一瞬だけ視線が交わる。
そして、その一瞬だけで十分だった。
「ッ!」
葵が女神化して白い翼で羽搏き、イグドラシルのコアを追いかける。
「フッ!」
優花が〝天歩〟の派生技能〝空力〟を使って空中に足場を作り、葵の後を追いかけるように空中を跳ぶ。
「大士!」
「ドルモン!」
ドルモンが空中で俺に向かって尻尾を伸ばしてくる。
俺は左手でその尻尾の先を掴むと、
「行くよっ!」
ドルモンが尻尾を振り回して勢いを付け、俺を上空へ投げ飛ばす。
その先には、
「大士!」
「リュウダモン!」
リュウダモンは俺に対して頭を向け、少し下げた状態になっている。
俺は促されるままにリュウダモンの頭に足を乗せ、
「ゆけ! 大士!」
俺が踏み込むと同時に頭を突き上げ、俺を更に上空へと押し上げる。
だが、その先には誰もおらず、視界の中に見える優花はもっと先だ。
故に、
「ハックモン!」
「ベビーフレイム!!」
俺はハックモンに呼びかけ、ハックモンがベビーフレイムを放つ。
俺に向かって来る火球にデジソウルを集中させた足を向け、着弾と共に蹴り上がる。
爆発力も加わって更に加速した俺は、優花へと手を伸ばす。
「優花!」
「大士!」
優花が伸ばされた俺の手を掴み、〝空力〟の足場を蹴って空へと勢いを付ける。
俺はそのまま葵へ向かって投げられると思ったのだが、突如引き寄せられ、顔が近付く。
「優花………?」
「大士…………私の………私の想いも一緒に…………!」
そのまま優花に顔を引き寄せられ、唇を奪われる。
「ッ………………!」
一瞬呆気に取られた俺だが、優花の気持ちは確かに伝わった。
その証拠に、右手のデジソウルが先ほど以上に燃え上がっている。
少しして離れると、
「大士………頑張って………!」
「ああ!」
優花の言葉に頷くと、優花は俺の左手を掴んで1回転して勢いを付けると、葵へ向けて投げ飛ばした。
「葵――――っ!!」
「大士―――っ!!」
伸ばした俺の左手が葵の右手に絡みあうように掴まれる。
葵はそのまま翼を羽搏かせ、イグドラシルのコアを追いかけた。
皆の協力もあり、イグドラシルにぐんぐん追いついている。
そんな中、
「大士…………」
「葵………?」
呼びかけられた俺が顔を上げると、葵も優花と同じように口付けてきた。
「……………………」
黙ってその口付けを受け入れる。
少しして離れると、
「大士なら出来るよ」
ただそれだけを口にした。
それだけで、俺の心には自信が満ち溢れる。
葵が俺の左手を掴むと、
「行って! 大士!!」
イグドラシルのコアに向けて俺を投げ飛ばした。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
俺は気合の声を上げながらイグドラシルの上を取る。
右の拳を振り被り、その拳には、葵と優花の想いも籠ったデジソウルが燃え上がる。
「イグドラシル!!」
『なっ………!?』
「こいつで、終わりだぁああああああああああああああああああああああっ!!!」
男性像の様な姿のその顔面に、その拳を叩き込む。
顔面に罅が入り、拳を打ち込んだ部分が陥没する。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
俺は更に心を燃やしてデジソウルを燃焼させた。
『そ、そんな…………馬鹿な……………!?』
顔面から罅が体中に広がり、イグドラシルのコアが粉々に砕け散る。
「俺の……………俺達の……………勝ちだ…………!」
全ての力を使い果たした俺はそのまま重力に従い落ちて行く。
すると、
「大士!」
女神姿の葵が落下していく俺を受け止めた。
「葵………」
少し遅れて、優花が下の方から駆けあがって来た。
「大士!」
「優花……」
俺は2人の顔を見てホッとするが………
「………そうだ。ドルモン達は………?」
その言葉に2人は顔を見合わせてクスリと笑うと、
「大丈夫だよ」
「南雲達が助けてくれたわ」
俺の身を起こして下が見えるようにしてくれた。
そこには、オメガモン Alter-BやアルフォースブイドラモンFMに抱えられるドルモン達の姿があった。
「ふう…………」
俺はそこで改めて気が抜けてしまう。
「ふふっ、お疲れ様」
「後は私達に任せて、ゆっくり休んで」
そう微笑む2人の姿に、俺は甘えることにした。
「ああ………そうさせてもらうな………」
俺は身体から力を抜いて2人に身を預けたのだった。
アルファモン バーストモード
レベル:究極体
属性:ワクチン種
タイプ:NO DATA
必殺技:究極戦刃王竜剣、究極戦刃ナイツ・イントルーダー、究極戦刃神竜剣
備考
アルファモンがバースト進化により一時的に限界を突破した姿。
基礎能力が大幅にアップしている事に加え、オウリュウモンが変化した王竜剣、更にはジエスモンが変化したナイツ・イントルーダーを持つため、攻撃力においては右に出るものは居ない。
王竜剣、ナイツ・イントルーダー共に単独でも凄まじい威力を誇るが、その2本の究極戦刃を1つにした究極戦刃神竜剣は、『神』すらも断つと言われる。
第83話です。
最終決戦決着!!
いや~長かった…………。
よくここまで続けたと自分を褒めてあげたいです。
ロイヤルナイツ総力戦からアルファモンバーストモードで、最後にはやはり大士の拳。
喧嘩番長二世を名乗っても恥ずかしくないかな?
さて、戦いは終わりましたがまだエピローグが残ってますのでもう少しお付き合いくださいませ。
それでは!