ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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ありふれた転生者はデジモンテイマーアフター~このありふれた転生者に祝福を!~
プロローグ この素晴らしい世界に招待を!


 

 

 

 

俺達がトータスから地球に帰還して暫く。

帰還当初はマスコミ等に騒がれるという事態は免れなかったが、山木さん達の尽力でそれも最小限に留められた。

そして現在、俺達は元の学校に復学していた。

まあ、帰還者の為の特別教室とは名ばかりの、問題児を集めて隔離された教室で授業をするという事になったり、全員が〝言語理解〟のスキルを持っている為英語の授業で先生を居た堪れなくしたり、体育の授業でほぼ全員が非公式ながら高校記録どころかオリンピック選手も真っ青な記録を打ち立てていたりはしたが、比較的平穏な学校生活を送っている。

そんなある日の放課後。

俺達は帰り支度を済ませ、校舎の玄関から出た所で、俺の両脇にぴったりと葵と優花がくっつく。

 

「えへへ~♪」

 

「フフッ♪」

 

幸せそうな笑みを浮かべて頭を俺の肩に乗せてくる。

当然俺自身も幸せいっぱいだが、周りからは嫉妬や殺意の視線が…………………思ったよりも集中してこない。

何故ならば、

 

「ハジメ君♪」

 

「………ハジメ♪」

 

「ハジメさん!」

 

「ハジメ………♪」

 

俺以上に美少女を侍らせているハジメが俺への弾除けになっているからだ。

ハジメはそんな嫉妬や殺意の視線はスルーしてしまうので、その少し離れた所をついて行けば、俺達に対する視線は少数で済む。

まあ、葵も『三大女神』と呼ばれていた1人なので、少なからずファンは居るし、優花もトータスに行く前と比べると、容姿やスタイルを含めた魅力が上がっているので、最近男子からの人気が出てきている。

聞いた話では、地球に帰還してからの告白された回数は10回を超えたとか。

それを聞いた時には当然ながら嫉妬を感じたのだが、

 

『私は大士しか見えて無いから安心して』

 

と言われて幸せを感じた俺は単純である。

そのままハジメ達を隠れ蓑に校門を出ると、

 

「大士!」

 

「葵!」

 

「優花!」

 

目立たない物陰からドルモン、リュウダモン、ハックモンが出てくる。

勿論、ハジメ達の方にもアグモン達がいる。

パートナーデジモン達は、学校が終わる時間になるとこうして俺達を迎えに来る。

最初は周りの人に騒がれるかと思ったが、そこは既にタカト達がギルモン達を連れ回していたようで、物珍しそうな目を向けられはしたものの、特に騒がれるような事にはなっていない。

近所の人達は、割と普通にドルモン達を受け入れてくれたようだ。

とは言え、俺達の居ない所で問題が起きると拙いので、普段はなるべく人目に付かないようにと言い聞かせている。

そんなドルモン達と合流し、俺達は再び帰路に就き始めた。

 

「次の休みは何処行こう?」

 

「そうねぇ………」

 

道すがら、次のデートプランを立てる葵と優花。

こんな下校を体験できる日が来るとは、トータスに召喚される以前の俺では考えもしなかった。

こんな風に恋人やドルモン達と一緒に笑いながら楽しく歩ける日常。

そんな幸福を感じながら、この日常がいつまでも続けばいいと俺は思った。

だが、

 

「ふえ………?」

 

トータスに召喚された時と同じように、そんな日常は突然崩れる。

葵が不思議そうな声を漏らした。

踏み出した葵の地面に穴が………

唐突に、地面に空間の穴が開く。

踏み出した葵は足を踏み外すようにその地面に落下していき、腕を組んでいた俺もバランスを崩してその穴に引き込まれる。

 

「おわっ!?」

 

「大士! 葵!」

 

「大士!」

 

「葵!」

 

俺が引き込まれようとした瞬間、優花が高い身体能力を発揮して支える。

しかし、その空間の穴は強い吸引力を持っており、優花も咄嗟の事に踏ん張りが効かず、その空間の穴に吸い込まれていく。

 

「大士!」

 

「葵!」

 

「優花!」

 

ドルモン、リュウダモン、ハックモンが俺達を追って迷わずに空間の穴に飛び込んでくる。

その場の全員が空間の穴に消えた後、空間の穴は何事もなかったように閉じてしまい、その後には何も残らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、地球ともトータスとも全く違う、数ある異世界の内の1つ。

 

「カズマ~! 見なさい! この私の新しい芸を!」

 

「また宴会芸覚えたのか…………」

 

水色の髪の見た目麗しい少女が扇子から水を出したり、頭に乗せたコップから花を咲かせたりしている。

その水色の髪の少女を呆れた目で見ている黒髪の少年。

この少年の名はカズマ。

別世界の日本で、ちょっと人には言えない恥ずかしい死に方をした少年で、死後、女神の計らいで異世界転生することになった少年だ。

そして、カズマを転生させた張本人(神?)が、この水色の髪の少女、アクアである。

因みに何故女神であるアクアが下界に顕現しているのかと言えば、カズマがこの世界に転生する際、一つ特典を付けてもらえるという話だったのだが、アクアに馬鹿にされたカズマがキレて、異世界に持っていく特典として、アクア自身を選んだのだ。

当然アクアは拒否しようとしたのだが、アクアの部下の天使によってその願いが受理され、半ば強制的にこの世界に送られてしまったのだ

アクアは本物の女神ではあるのだが、調子に乗りやすく失敗も多いため、カズマからは駄女神と良く呼ばれていた。

そのアクアは街の大通りを歩きながら芸をしている。

 

「おいアクア。ちゃんと前見て歩け。転んでも知らねーぞ」

 

カズマが軽く注意を飛ばす。

 

「心配ないわよ。女神であるこの私がこの程度で転ぶわけ……………ぎゃんっ!」

 

言った傍から石に躓いて顔面から転ぶアクア。

 

「言わんこっちゃない…………」

 

カズマが溜息と共にそう呟く。

だが、カズマは気付かなかった。

アクアが転んだ際、頭に乗せていたコップがポーンと空中を舞ったことに。

そして、その空中に舞ったコップは、

 

「きゃんっ!?」

 

丁度道端を仕入れの箱を持って歩いていた、どこぞの貧乏店主の頭にクリーンヒット。

その拍子に箱を投げ出してしまい、商品が地面に散らばる。

その内の1つ、紅く輝く手のひらサイズの珠が転がり、丁度アクアの目の前に。

 

「いったぁ~………! ん? 何これ?」

 

アクアが顔を上げた時、目の前に転がって来た赤い珠を何気なく拾い、太陽の光に透かして見た。

すると、突然その珠が淡く輝き始めた。

 

「えっ? 何!? 何なの!? えっ!? これ私の魔力吸われてない!?」

 

アクアが突然起こった現象に取り乱す。

 

「アクア! 嫌な予感がする! そいつを捨てろ!」

 

「う、うん……! えい! ………って、あれ?」

 

カズマの言葉通りアクアは投げ捨てようとした。

しかし、その紅い珠は未だにアクアの手に。

 

「えい! えい!」

 

アクアは何度も腕を振る。

 

「何遊んでんだアクア!? 早く捨てろ!」

 

カズマは慌ててそう言う。

 

「えい! えい! …………離れないんですけど…………?」

 

「何ぃ~~~~~~!?」

 

そうこうしている間に紅い珠はどんどんアクアの魔力を吸い、輝きを増していく。

 

「ちょっとぉ~、どんどん光が強くなってきてるんですけど………!」

 

アクアが冷や汗を流す。

その時、

 

「ああっ! それは、使用者の魔力を吸い取って、使用者の知り合いをランダムで強制的に目の前に呼び出すマジックアイテムです!」

 

どこぞの貧乏店主が叫ぶ。

 

「何だそのご都合主義が詰まったようなふざけたマジックアイテムは!?」

 

カズマが思わず叫んだ瞬間、その紅い珠が眩い光を放った。

そして次の瞬間、

 

「きゃっ!?」

 

「おわっ!?」

 

「くっ!?」

 

「うわっ!?」

 

「ぬっ!?」

 

「くぅっ!?」

 

6つの軽い悲鳴と共に、カズマとアクアの目の前に、1人の少年と2人の少女。

そして、3体のモンスターの様な生物が空間の穴から落ちるように現れ、目の前に落下する。

 

「いたた………」

 

「何が起こったんだ………?」

 

「って言うか、ここ何処よ?」

 

カズマの目の前の者達は警戒しながら周りを見渡した。

 

「…………………………またやらかしやがったよ。この駄女神…………!」

 

またアクアが問題を引き込んだと、カズマは呆れたように呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 






はい、アフターストーリークロスオーバー第一弾(第二以降があるかは分からない)。
このすば編のプロローグです。
まあ、プロローグなだけあって短いですし、更に呼び出し方もご都合主義な感じですけど、まあ勘弁。
序に、やはり最近仕事の量も戻って来たので小説書く時間が少なくなりました。
なのでおそらく出来て週一更新となります。
っていうか、こっちじゃなくて途中の小説を書くべきなんでしょうけど…………
とりあえずぼちぼち更新していく予定なのでお楽しみに。


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