ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
その日、プラントと理事国の軋轢は修復不可能なものとなった。
プラントの最初の居留民との契約のなかで取り決められた、食料品生産の禁止を破る行為を行った。
その行為は、それまで幾度も交渉を行ってきた各理事国の穏健派を、裏切ることとなり。ますます、反プラント陣営が勢い付いていった。
これほどまでに理事国がプラントに固執する最大の理由、それは金だった。
まだ、プラント建設費を全て回収出来ていない。プラントに住む者達の税金だけでは足りず、製品開発、生産を行わせていたのには、そう言う背景があった。
その借金をプラントに住む人々は、意図せずに踏み倒そうとしていた。
理事国がそれを許す筈もなく、こうなれば実力行使だと理事国は艦隊を使い、その借金のかたを取るためにプラント宙域へと進出、プラントの防衛火器のみに限定した攻撃を開始する。
そこへ、プラントはMS『ジン』を投入し戦局の不利を打開せしめた。
理事国はこれに恐怖し、新型艦隊の建造を急ピッチに進めていく。
ハルバートン大佐は、その動きに対しMSの有用性を見いだし、支援企業とともにMS開発を始めていく。
既にある程度形が出来ていることも知らずに…
~マイケル~
ブィーンという溶接の音が聞こえ、辺りから工具の発する音も響く。
遂に導火線に火が着いた、ああ実験施設にじゃないぞ?
プラントと理事国の間に亀裂が走って、戦争一歩手前になっただけだ。まだ、回避出来るんじゃないかなぁ。
ってね、ただ気掛かりなのは、あの娘の事だけだ。
今はオーブのへリオポリスのカレッジで、機械工学を学ぶために行ってるんだけど、へリオポリスって最終的には、確か戦闘によってぐちゃぐちゃになるんだよな。
そんなところには行かせたく無かったんだけど、妻は俺の事情を知らないから、訳を話せない。
その日の夜は一人泣いたものだ、そして今も手紙も電話もメールもない。連絡しようにも、こっちの送るものには無反応、こうなればもうどうしようもない。
俺は、悪いパパなのかもしれない。
それはそうと、今日はパヴリチェンコ君が試験MSジンearthを操縦することになってる。
地上での運用テストはこれで26回目、肘や膝等の関節駆動系の反応速度の限界実験。
コーディネイターのパイロットが操縦しても、反応速度の限界値が見えてこなかったのだが、彼女が操縦すれば至るところが悲鳴を上げた。
どんな速度で振り回せば、ああなるのか。
確かな事はコーディネイターよりも遥かに、MSの運動に関しては上だと言うことだ。
格闘なんかもやってみているんだが、この研究所のガードよりも強い、相手はコーディネイターだというのに…、今度手合わせ願いたいものだ。
おっと降りてきたな。
『やあ大尉、機体の具合はどうかな前回よりも10%程速く出来たとはおもうだが。』
「マイケル所長、ええ大分改善されてきたと思います。ただ、やはり反応が遅れますね。ですがそろそろ、関節駆動の電気信号の限界値だと思いますので、これ以上は無理なんじゃ有りませんか?」
そうだ、彼女の言うとおり我々の技術、逸れもフィールドモーターで動かせる速度の限界値で、彼女は操縦して見せた。想定以上だ、もはやこれ以上の反応速度を出すには、新技術の開発くらいしか出来ない。
『いや、予々君の言うとおりだ、我々の完敗だよ。この一年間、試験に協力してくれてありがとう。何かお礼でもさせてくれないかな?』
「いえ、結構です。私は軍の命令でここにいるだけですから。」
彼女は首を振って否定する。我々を品定めでもしているのだろうか、彼女はいつも我々がお礼をしようと言っても断ってくる。
ほんとうに欲しいものがないだけかもしれないが。
『確か、君はまた宇宙軍に戻るんだったな?今宇宙では、理事国とプラントが一触即発の状態となっている、君も知っていると思うがね。気を付けてくれたまえよ?実験データの収集が、出来なくなってしまうからね。』
冗談を解ってくれているのか、ニコニコとしている。本当に人の心を読んでいるようだ。ニュータイプとでも言うのか?
そう思った矢先、彼女の眉間に皺が寄った。
『何か失礼な事でも言ってしまったかい?言ったのなら謝ろう。』
「いえ、ただひとつだけ先程のお礼で、貰いたいものが見つかりまして、少し質問をしてもよろしいでしょうか?」
『ああ、構わないが、こんな場所ではなんだカフェにでも行かないかね?』
そして、カフェに付きそこで言われた。貴方はニュータイプを、知っているのか。と
最初ははぐらかしていたが、どうにも嘘が効かないとなると正直に言った。知っていると。
こういう時、心で思わない方が良かったから頭をフル回転させて、言葉を瞬時に出すことにより俺が、ガンダムの無い世界から来たことを隠し通せた。
だが、UCの世界から来たと誤った情報を与えてしまった。後で謝らなければなぁ。
~アズラエル~
MS、遂にプラントはそれを実戦配備した。その戦闘映像を見た時ああ、遂に始まるのか…とそう言う感想が頭を覆った。そして、同時にこう思った、急ぎこれに対抗する手段を配備しなくてはと。
彼等の研究所に忙しい身にも関わらず、単身で乗り込んで言ったよ、さっさと実戦投入を始めるぞ何をぐずぐずしてるんだ!何て言っていた。
そうしたらだ、マイクがやってきてそのはち切れんばかりの筋肉で、僕を掴んで行った。
我々もそうしたいのは山々だ、だがまだ宇宙用のOSの開発が終わっていない。計算と現実の誤差を埋める作業が残っていると。
やはり机上の空論のままで出すわけには行かないようだ、確かに今出したところで宇宙で溺れるかもしれないからだ。僕自身、余りの事態に取り乱だしていたようだった。まだ僕らのMSと奴らの物に、対した差がない。
性能的には遥かに上へと行ってはいるんだが、性能が上がるにつれ駆動時間が短くなっていっている。
確かに、彼等の言うとおりだ。早く核融合炉の小型化が終わらねば、その性能を生かせない。
だから、その後僕が出来ることを考えた。出来るのは既存の艦艇や既存のMAの強化、それに必要な生産ラインの確保と、その後のMSの量産体制の確保に有利に働かせる、裏工作とか。僕にしか出来ないことだ。
ちょうど良いことに、僕がそれをやっているときにハルバートンがMSの開発を秘密裏(笑)に行い始めてくれたお陰で、良い隠れ蓑になったよ。そうこうしているうちに、プラントのクラインが対等貿易を要求し始めた。
別にこの程度の事なら協議しないでもない、理事国の連中も硬い頭ではない。軍事力で駄目なら経済で傀儡にしようと目論む、まあ当然だ。だが、あいつらはしたたかだ、何せ結んでいた約定を反故にするからな。
そして、僕らは突きつけられた。プラントからの資源輸出停止措置という。今までの理事国の支配を揺るがす、最悪の事態を…。
~リディア~
私がテストパイロットから再び宇宙艦隊に戻った時、メビウス隊のパイロット達の姿が様変わりしていた。
昔から共に過ごしてきた人たちが、いなくなり、代わりに20代前半くらいの新人が配属されていた。
どうしてそうなっているのか、共に戦ってきた者達に聞くと、あのプラントとの武力衝突の折りに戦死したと言った。彼等の残り香が、薫る船の中で私は一人黙祷した。
そして、模擬戦闘をはじめとしたものを行い艦隊との連携や、新しい戦術の確認を行い、私の下に付く者達とコミュニケーションを取り、意志疎通をとった。
昔みたいにのんびり出来ない。準戦時体勢に移行したのだ、ピリピリとした空気のなか私は機体を整備する。
もしも、私の近くにMSがあったのなら一人でプラントと戦えるのに…。と心のなかで密かに呟きながら。
誤字、感想、評価等よろしくお願いします。
お願いがあります。
アンケートなのですが、UCの年表を知らないかたから、入力をやり直したいと感想でいただきました。
確かにMSの開発順序を知らなければ、良いか悪いかの判断は出来ません。
ですので、申し訳無いのですが、再度アンケートを記載しました。入力をお願いします。
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