ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?!   作:丸亀導師

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CE70年4月


第16話 嘘だといってよ…。アズラエル、君が頼りだ!

天より地上に舞い落ちるものあり、それは瞬く間に地球上のあらゆる場所に行き届き、地面に深々と突き刺さり、地中に埋没する。

 

そこから、如何わしきものが放出され世界の原子力発電は急停止した。

中立国、抗戦国訪わずそれは影響を及ぼし、4月という時期により北半球のシベリアをはじめとする、雪国は暖房器具の停止により、多くの犠牲者が現れた。

 

これにより、地球の北部地域の住民及び寒冷地に済む人々は反プラントの世論を形成し、プラントに対する徹底抗戦を声高に宣言する。

 

だが、この犠牲者はある人物の手によって救済される。それは、若き実業家であり自然保護団体「ブルーコスモス」の長である、ムルタ・アズラエル氏であった。

 

 

~アズラエル~

 

久し振りに夜空を眺めると、実に美しいと思うことがある。だが、今もなおプラントとの戦争状態であることに変わりはなく、その星空もまた悲劇の舞台に他ならないのだろう。

 

秘書官の彼女もスヤスヤと寝息を立てて眠っている。さて、僕もそろそろ眠らせて貰いますか?っなんだあれは…。流星群が地球に到達するには、時期が早すぎるぞ。…まさか、宇宙からの攻撃か!!

 

『おい、起きろ!なに?じゃない早く準備をするぞ、役員を叩き起こす。不味い事態になるかもしれない。』

 

あれが、何なのか解る筈もないが、だが流星群か何かでは断じてない。だとすれば軌道上からの兵器投下か?

だとしても、何が目的だ?一度失敗したことを、繰り返しやるのか?そんなことはない筈だ!

 

《2時間後》

 

全員席に着いたか。

 

「みんな済まない、だが夜中の内に流星群が見えた。それも報告が無いものだ。幸いなことに大西洋連邦に、被害らしい被害はないがユーラシア連邦の支社との連絡が途絶した。何か心当たりのあるものはいないか?」

 

周囲の役員等も東アジアやスカンジナビアとの連絡が途絶していることを確認したという。

まさか、地球規模の電波撹乱か?だが、大西洋連邦内での電波撹乱がなされていない、何故だ…。

 

《2日後》

 

やっと確認がとれた、国内の廃棄予定の原子炉での核分裂反応が止まっているという。

まさか、核分裂を抑制する何かを地球全土に投下した?

では…、不味いことになる。急ぎ救援物資特に暖をとるのに必要なものと、小型核融合炉を運搬して被災地に支援しなくては、手遅れになる。

 

先人の知恵は偉大だまだ海底ケーブルが残っていて良かった。軌道上から次々と資材が、大洋州のカーペンタリアに集結している。奴ら基地を作るつもりか。

太平洋艦隊が直ちに迎撃に向かったようだ、勝てれば良いが…。

 

 

《10日後以降》

 

各国に対する支援を開始したが、既に餓死者が出始めている。僕が直接来たこの町でも、食料が尽きて2日は経過している。だが、まだ良かったこれならば救うことが出来る。

 

だが、プラントにとって正に好機であろうから、きっとこの隙を狙って攻撃されれば僕らは無力だ…。

大西洋連邦だけでも、何とか互角に戦うことは出来るだろうが、それでも情勢としては良いものじゃない。

 

闘いを有利に進めるには味方を多く作らなければならないなら、手始めに大型核融合炉の建設を呼び掛けようか?南アメリカに。断れば、戦争だね。

 

 

~リディア~

 

出撃命令はまだなのか?軌道上に敵が、出現したというのに、情けない。まだ私たちは月にいる。

奴らが地球に何かを射出しているのを、ただ見ているだけだった。

 

艦隊の準備は既に整っていたのだが、これが派閥争いという奴か、月は反ブルーコスモスの者たちだから私たちは嫌われている。だからこそ、出撃命令が出されない。

今こそ絶好の機会なのに、敵はMSを地上に降ろしている。

 

これじゃあ月の艦隊は、ザフトの手助けをしているみたいだ。

こちらが少しだけでも良いから、動く素振りを見せればこうもならなかったのに…。

 

 

《4月14日》

 

プトレマイオス基地の艦隊が何やら計画を企てているらしい。正直な話、NジャマーとM粒子の影響で、お世辞にも意志決定が統一されているとは言い難い。

個々の基地が、それぞれ独自に動き始めているのだから、このままでは各個撃破されるだろう。

 

5~6艦隊は、恐らくプラントの資源確保地であるヤキンに向かったと推定されている。

敵の継戦能力を削ぐのが目的だろうが、相手は資源衛星と言えど、小惑星である。通常のビーム兵器や核等では傷着けども、破壊するのは不可能だ。

 

それこそ、ゼダンの門とアクシズの接触のような大質量同士の衝突がなければ、話にならない。

ただの要塞を落とすのにすら3倍以上の兵力が、必要なのに、型落ちの兵器で相手をしたら大損害になる。

 

『?どうした、司令官が私に話があると?わかった、直ぐに行く。』

 

いったい何の話があるのか…、出撃か?はたまた何かの辞令か、外部との連絡が途絶していることをとれたのか?

 

 

《司令室》

 

『パヴリチェンコ大尉入ります!』

 

入れば、椅子に座った司令が真っ直ぐにこちらを見ていた。

 

「パヴリチェンコ大尉、君に吉報だ。先日の戦闘の折り、君は敵艦6隻、MS18機を落とす戦果を上げた。それが評価されてね、君は今日から少佐となる。拝命してくれるかな?」

 

拒否するつもりは無いが、私が少佐か…。記憶の彼の階級よりも、上になってしまったな。

これで、デスクワークが増えるのか?はたまた、戦時での部隊運用を任されるのか、

 

『謹んで拝命いたします。ところで、今後の艦隊の運用はどのようにするのですか?』

 

「おお、そうだな君には参謀として参加して貰いたい。どうも、MAの戦術運用は君が最も優秀だと聞いている。是非とも参加してほしい。それによっては、艦隊の運用も変わってくるだろう。」

 

私が望むように動かせるかはともかく、これで記憶の中の仮面の男。奴と同じ目線で、物事を語ることが出来るようになった。奴ならばどうするか、それを参考にさせて貰うとするよ。

 

 

 

~マイケル 4月23日~

 

プトレマイオスから艦隊が出ていってから10日になろうとしていた。だが、やっと返ってきたようだ。残存数は、大分減ったなぁ、だいたい4分の1くらいになっちゃってるよ。

 

あーぁ、せっかくMA改良したのに運用方法をきちんとしないからこうなる。

えっ?設計計画出したの一月くらい前だって?いやいや、現地で改良くらい出来るように、俺が再設計しているんだ、文句は有るまい?

 

何にせよだ、こうまでして戦果をあげたいものなのだろうか?まずは情報収集が先決だろう。

戦闘はその後でも充分可能だ、実験艦隊なら解らなくもないが、旧式装備ではなぁ。

 

せめてM粒子散布してからの遠距離戦して、逃げてを繰り返す。そんなチキンな事が一番リスクが少なくて確実だろぅ?

 

さて、じゃあ戻ってきた奴をさっさと片して、俺の目的である、MSの宇宙での試験をするためにも地球連合の艦隊には、頑張って貰わねばなぁ。

これじゃあまともに、宇宙に上げることすらままならないからな!

 

『おーい、整備士諸君。良いか?よーく聞いてほしいことがある、この一月の間地球では未曾有の大災害が、おきている。

それは、人災と呼ぶものだ。プラントによるNジャマーの散布により核分裂炉は停止し、電力供給は止まり、世界で餓死者や凍死者が出る始末だ。

われわれはこれを許して良いのか、否、断じて否である

そこで、我々は整備しつつ。最善の努力を行う。少しずつ、MAの性能を向上するその方法を皆に伝授する!』

 

少しでも、打ち上げられるように何とかして宇宙で開発が行えるように。

 

 

 

~コゼット~

4月30日

 

地球は大西洋連邦は、大丈夫だろうか…。母は、妹は、大丈夫だろうか…。

ヘリオポリスにその被害状況が知らされたのは、未だ最近の話。

 

戦争の影響か、情報の伝達速度が余りにも遅く、この中でも大西洋連邦の被害の知らせが一向に来ない。

来ないと言うことは、余りにも酷い事になっているのではないだろうか。最近はその事で頭がいっぱいで夜も眠れない。

 

だけど今日もカレッジのカトウ教授に、駆動系とOSのマッチングテストに呼ばれる。

私が創った二足歩行機の実働試験だ、人間の倍の大きさはあるけどきちんと動くかどうかは、未だに未知数。

 

揺ったりとだけど、しっかり地に足が着いてる。腕の良いプログラマーが、OSを描いたんだろうなぁ。私が思った通りに動いてくれてる。

 

横目でチラッとその人を見る。キラ・ヤマト君、オーブ出身でコーディネイター。その解析技術は他の追従を許さない、と形容できる人。

 

そんな彼が私の歩行機のOSを創った、今はそんな事考えてる場合じゃないけど。

 

「大丈夫?」

 

彼が話しかけてくるなんて珍しい、引っ込み思案で決して積極的ではない彼がなんて

 

『大丈夫、ただ少しだけ家族の事が心配なだけだから。』

 

彼は凄く優しい、それはもう甘いんじゃないかってくらい優しい。

同じようで違う道に進んでいるけど、それでも共に行く仲間。正直心配してくれて、嬉しい。

 

「コゼットって確か、大西洋連邦の出だったよね?もしかして、大西洋連邦からの連絡が一切無いから心配してるの?

たぶんだけど、心配しなくて良いと思うよ。」

 

『何故?』

 

他人事だと思ってる?

 

「いや、あの掲示板を少しだけ閲覧したんだけど、大西洋連邦っていまだ被害が無いんだって。だから連絡が来ないんだよ。それに、心配しすぎて、君が体調不良になったら僕の仕事が増えちゃうからね。」

 

掲示板か…。あの人は話し半分本音半分で聞いておけ、なんて言ってた場所か…。

もしそれが本当なら、私は良かったと思わなきゃね。

 

こんなにしょげてちゃ、私じゃないから。

 

『ありがとう。心配してくれて、じゃあお言葉に甘えて、ここからOSとハードの相違点を煮詰めましょうか?キラ君。』

 

あの人はきっと元気だろうな、今どこで何をやってるか知らないけど。何があっても死なないだろうから。

 




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