ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
ストライクが、アークエンジェルから出庫し胴体を切り離され四肢がバラバラにはずされる。
そして、そこに新たな胴体が装着された。見た目は一見すれば変わりはないが、背面にスラスターとビームサーベルが追加されていた。
ストライク本体に武装を施し、少しでも自衛能力を高めようと考え出されたものだ。もし、この姿をリディアが見たら《ガンダム》と呟くに違いない。
そんな見た目になったそれに、更に改良されたストライカーパックが装着された。
それは元来の物よりもビームサーベル分コンパクトに収まりつつ、全体の推力を底上げしたもの。更に翼が減った場所に中型のビーム砲らしきものが追加されていた。これは駆動の邪魔にならないよう、足の動きと連動して動いた。
これによって、マルチターゲットへのある程度の広範囲攻撃が可能となった。
また、パックの換装に関わらずランチャーやソード等の武装も使用可能となりより、汎用性が増した。
ただしそれも設定が命、少年が授業を受けている間ただひたすらにテストを重ねる。
そしてテストパイロットたちは、キラの動きに最適となるようリミッターの数値をいじり、調整していく。
一方その頃、マイケルはマドロックのOSを書き換え、実に四日間、一睡もせずにやり続けた。
周囲にはそれを気にも止めるものはおらず、施設全体が夜もなく動き続けた。
地中深くで一連の事が起きている頃、上部構造物のホテルには一人寂しく管理人が着任していた。
彼はこのホテルの事をあまり良く知らない、プラントからのスパイが幾人か消えた研究所をプラントなりに、より容易に調査するために派遣された彼は、求人情報を見てここに管理人として住み込んでいる。
4月になったばかりで、未だ寒く雪深いここにかれこれ20日いるが、研究所に立ち入っていない。
なんせここからの入り口はたった一ヶ所、エレベーターしかない。見付からずに行くなど、到底不可能なことだ。
そんな事よりも彼は少し気になることがある様子、いつの間にか、誰が置いたのか知らないが、そこにいつの間にか古い文字をうつ機械(タイプライター)が鎮座していた。彼はこれが気になってしょうがない…。昨日までそこにはなかったのに、と。
~コゼット~
ゲイルガンダムやアークエンジェルに使われている、M粒子の基礎、短期講座が始まってはや5日。
このM粒子が何なのか、なんとなく全貌が見えてきた気がする。要するに素粒子物理学に登場する基本相互作用の四つの力。
それらを統括し、全ての物理現象を引き起こすものそれがM粒子。
このM粒子を自在に操ることが出来れば、四つの力を自在に変化させ無限に近いエネルギーを得ることが出来る。理論上は、な代物って事なんだろう。
で、現在はこれを使ってでの核融合。即ち、強い力をある程度制御して行われているのが、イヨネスコ型熱核反応炉と言うことになる。
逆に核分裂を誘発することも可能だと言う、と言うことはNJも無効化可能って事だけどやらないみたい。
現状を利用することで、今後地上での核兵器使用を一切行わせないためだとか。ここの人達は根っからの学者で、争いを好まない(降りかかる火の粉は払う)からたぶんそれが1番の理由なのかも。(どっからどう見ても学者に見えない荒くれものども)
まあ、そんな講座も終わって後2日程は自由時間。ここ最近は、あまり戦場に出てないけど体が鈍らないか心配。それでも研究所内部のシミュレーターは物凄くて、正直正規軍が造ったやつなんかガラクタ。
機械から殺気を感じるって、いったいどうやったのかなあ。(AIにはDNAサンプリングって書いてあった。)
なんか気にしちゃいけないのかもしれない、バイオコンピューターって紹介されたけど、そんなもの聞いた事ないよ。
見学しつつそろそろ太陽が恋しくなる頃、外出が許された。と言ってもホテル側にだけど。冬場でも一応人が通れなくはないと言う、民間人に偽装してでのホテルでの2泊。今の管理人は新人で、手はあまり回らないのだとか、それでも品質の管理とかはロボットがやってるみたいだから安心ね。
「なぁコゼット、このホテルっていわく憑きって言われてるんだよな」
『トールどおしたの急に、まさか怖くなっちゃった?』
「いやそうじゃなくてさ、最新技術が注ぎ込まれたこの国でも屈指のホテルなのに、そんな噂出るの?って話さ。」
そうよねぇ、皆そう思っちゃうよねぇ。
『このホテルってね結構建て直してるらしいんだ。殺人とか火事とか色々あって、廃業と再開を繰り返してるって。だから、私たち地元の人達は皆ここに近寄らない。』
それでも空気は綺麗だし、寒いけど雪はもう溶けかけてるから辺りを見に行ける。
コロニーで過ごしていた数年間では味わえない、なんとも心が温まる自然の温もり?
っ?誰?
オビ=ワン?スターウォーズの彼に見える人がいる…皆気付いてないの?いや、なんかフレイにも見えてるのかな?しきりに皆に言ってるけど、本当に幽霊?
「君も僕が見えるのかい?あ、喋らなくて良いよ頭に直接話してるからね。」
貴方はいったい何者?
「君の思う幽霊ってところだよ、昔ここに住んでいたってだけさ。君たちは宇宙から来たんだろ?昔では考えられないね。」
何が目的なの?
「目的なんて無いさ、ただこうして話したかったってところだよ。有るとすれば忠告だ、あのホテルに長居しない方が身のためだよ。君たちの力はシャイニングと似ているが、少し性質が異なる。それでも連中にとっては良い餌になってしまうからね。」
連中?貴方みたいな幽霊があそこにはまだまだいるってことですか?
「違う、もっと禍々しいものさ。一応封じているけど、勝手に出てこようとする、そんな奴らさ。今は戦争中なんだろう?もしも、終わったらの話だがきちんと弔ってやることだ、ここの連中みたいにしたくない。それを言いたかったのかな?」
それを言った途端に、彼の姿は消えていた。彼がいったい誰なのかはわからないが、私に漠然とであるが戦後のビジョンが見えた気がした。
それと関係ない話だが、幽霊と聞いた瞬間カガリがやけに大人しくなってて意外だなぁと思った。
あんなに気が強いのに、お化けとかそう言うの信じるんだぁ。それに引き換えキラは平然としてる、ここは逆じゃない?もしかして、CP馬鹿なお陰で信じてないだけかも。
キラとサイはここ最近父さんのメニューで筋肉質になりつつある。この前カガリと腕相撲してるのを見たけど、結構良い勝負してた。
それからと言うものカガリから、キラへのスキンシップが増えてる。もしかして恋?だとしたら身分格差のある話だこと。
~パトリック~
この報告書は何なのか、M研究所に派遣したスパイの情報はあまりにも実りが少ないものだった。ホテルに偽装しているからと言って、管理人に就職するやつが何処にいる、呆れて言葉が出ない。
ホテルから中に入れないとは、余程厳重なのか。はたまた別の入口があるかだな、その方向性でも調査しなければならないな。にしても我々を虚仮にしているのか、この研究所セキュリティがあまりにもお粗末すぎる。罠と言う線もあるな、それでも我々にはデータが必要なのだ。
「議長、オペレーション・スピットブレイクの承認が各派閥から取れました。これで我々の勝利は近付きました!」
『よろしい!大変結構だ、直ちに艦隊へ出撃の準備をさせろ。作戦は新鮮さが命だ。』
何はともあれ、研究所は後回しだ。まずは連合の頭を叩き、敵の戦力を根底から潰す。それで我々の優位が示される、ナチュラル風情が我々に楯突いたこと後悔させてやる。グングニールの威力思い知るが良い!
~マイケル~
なんて今頃思っていたりして…やあ( *・ω・)ノマイケルだ。今アークエンジェルのエンジンのメンテナンスをやっていたんだこれから出航だからな、マドロックはどうしたんだ!だと?
心配ご無用きちんと中身を整えて、ますます良い機体に仕上がった。まあ顔はガンダムタイプだけど、モノアイ搭載機だから少し外観が、おかしいところもあるかもだがな。そうして休憩所に行くと剥げたあいつがいた。
「よお、マイケル。娘さん軍人になったんだってなぁ、俺の息子もCIAに入っちまって色々と大変なんだよぉ。お互い苦労するな。」
『マクレーンすまないな…ワインじゃないか。俺は酒は飲めないといつもいっているだろ?それと、お前の場合は家系があれだろうが。』
「あぁ、あんたそう言えばそうだったな。それで良くパーティーとかに出向くな、俺だったらビールの方が良いがな。それと、俺の先祖の事を悪く言ったらボコボコにしてやるぞ。」
『出来るものならな。』
「はい、そこまでにしなさい。あなた、コゼットたちの出航の準備が出来たみたいよ。行かなくて良いの?」
『良いよ、君一人で行ってきてくれないか?俺はコゼットを連れ戻そうとするかもしれないから、行きたくないよ。』
「意気地無しね、わかったわ。それじゃあお言葉に甘えて。マクレーンさんも一緒にどうです?」
「いいや、おれぁ結構だ。ここでこいつを見張ってるよ。」
あぁ、コゼット。行かないでおくれ、ここに残ってくれ俺は俺は心配なんだ。もしかしたらお前が死ぬかもしれない、それだけは嫌なんだ。そうこうしている内にアークエンジェルは、研究所を後にした。
その船出は嫌に静かで、季節外れの雪が降るときだった。
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