ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?!   作:丸亀導師

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第41話 理念と現実

公式に武装艦艇が大西洋連邦からオーブへと入国する。

一応の武装解除としてミサイルセルや主砲等を格納し、交戦の意思の無いことを表明。

更に簡易的に設置されたポールには、K旗が掲げられていた。風で靡くそれはきちんと見えるかはわからない、だが通信したいのは確かであろう。

 

その後通信が行われたのであろうZ旗が掲げられた、だが良く見るとそれはポールではなく、ホログラムとでも呼ぶべきものかそれに鮮明に映し出されているものだった。

 

ほどなくしてオーブに一隻の艦艇が入港する、その姿はお世辞にも船には見えない。着水と言うのだろう、それを行い港へ入ったときタグボートの船員はそれを見てこう思った。

『どうやって動かせば良いんだ?』と、もろに水の抵抗を受ける形状ゆえにタグボートもエンジンを吹かして動かさねばならない。

 

四苦八苦の末になんとか接岸させるのに成功するが、今度はタラップの形状が合わない。

そりゃそうだろう、元々水上艦艇ではないものが海に浮いているのだ。設計国であり、発注者である大西洋連邦や、その同盟国ならいざ知らず。第三者の国だ、それ専用のものを造らなければ、いちいち船員を降ろすのさえ一苦労。

 

それが港で仕事をするものたちの、アークエンジェルへの評価だ、正直入港してほしくないのだ。

 

 

~コゼット~

 

ここがオーブ想像してたのと違う、もっと肌の色が濃いのかと思ったけど東アジア系?の感じの人が多い気がする。

へぇ、サカキさんが軍服着てるよなんか似合わない、もっとこうランボーって感じの方が良い。まあ、彼よりもランボーな博士いるけど。

 

結構色彩鮮やかな軍服なんだ、海軍だからかもしれないけど、こんな色彩にお金使うよりもっと他の方にお金使った方が良いと思うんだけどね。

 

下船すると何にもの人達が待ち構えていた、けどその服装は軍人には見えなくて民間人。そうか、そう言えばアークエンジェルのクルーって四分の一くらい、オーブからの志願兵だったんだよね。そりゃ家族ぐらい来ても当たり前か。

 

そう言えばカレッジ組は私とフレイ以外はオーブ出身だし、何よりカガリはお貴族様。そうか、私って結構少数派だったんだなぁ、皆と違って大西洋連邦出身者。一緒に分かち合う事はできないし、間に割って入る訳にもいかないなぁ。

 

キラの方を見るとやっぱり両親にハグされてた、と言うか本当に愛されてるんだろうな。

そんなものを見ていたら、キラが手を振ってこっちに来るように私を誘った。

 

仕方なく行く。次いでに手ぶらなフレイも一緒に、と言うかあんた羨ましそうにしてるじゃない、なに?パパが恋しいの?それとラクスが勝手に付いてきて、なんか大所帯に。

 

「紹介するよこちらが僕と一緒にMSパイロットをやってくれてる」

 

『コゼット・スパロウです。キラには、いつもお世話になってます。』

 

「まあ、私たちもいますのに。私はラクス・クラインです、キラ様のお父様とお母様ですね。これからもよろしくお願いいたします。」

 

「ちょっとぉ、なんで私まで行かなきゃならないの、それよりもサイの方に行きたかったんだけどぉ。」

 

『自分で行かないのが悪いの、この子はフレイ・アルスター。サイの婚約者です、一応パイロットやってます。』

 

そしたら、キラの両親は大変驚いて?私を見た。

うん?ラクスじゃなくて私?なんで、そんな事になるの?

 

「私はカリダ・ヤマトよ。キラが長い間お世話になっています。所で貴女のお父様は、マイケルと言うお名前ですか?」

 

どうしてそこで父さんの名前が出てくるのか、もしかして知り合いだったのかな?

 

『マイケルは、私の父ですが何か心当たりが?』

 

「いいえ、良いの少し昔を思い出しただけなの。そうね、知り合い程度の間柄よ。」

 

なんか不穏、まさか元カノとか?そんなわけ無いか、昔の父は無機質だったって皆言ってたから、その時の私にとってはいまでも充分無機質だ、と思ったけれども。

 

「どうかしら?今晩家に泊まりに来ません?」

 

ラクスは即答、フレイはサイの家に泊まる事を言ってあっちに行っちゃった。

 

『ありがとうございます。まだ艦長たちとの連絡会もやっていませんし、何より私は戦闘隊の隊長ですので、事務仕事が沢山あるんです。ですので、もし良ければですが、今夜からと言う事でもよろしいですか?』

 

それを聞くと納得したのか、また後でお会いする運びとなった。

 

 

 

~カガリ~

 

アークエンジェルから自分の家に帰るのが、これ程嫌な事になるなんて誰が想像できるだろうか?

もしも、もしもの話だが私が家に帰ったとき、お父様がいたらどうなるだろうか?

 

勝手に家を飛び出して、挙げ句の果てに地球軍の艦船で帰って来るなんて色々と言われるだろうな。そう思っていた。

 

送迎車から降りて最初に目に入ったのは、人気が少なくなった我が家であった。

いったい何があったのだろうか?使用人達の数は少なく、今まで共に暮らしていたものたちの影はあまり無い。

古くからの我が家のものが、私を出迎えるがその顔は不安に満ちたものだった。

 

『いったい何があった?』

 

「お嬢様。それが、わからないのです。ウズミ様は帰ってくるなり、我ら使用人を解雇しだしたのです。無論拒むものたちもおりました、私もその一人ですが。今ここにいるのはご恩の為です。今は自室にとじ込もっております、嫌な事があったのでしょう。」

 

お父様が塞ぎ混むなんて、そんな事今まで見たこともないいったいどうしたと言うのだ。

ドアをノックする。返事がない…

 

『お父様、カガリです。帰って参りました。婆やから聞きました、いったいどうしたと言うのですか?使用人たちを解雇したと、私に話してください!』

 

応答なし…しょうがない。ドアをぶち破るか、そう思ったのも束の間後ろから甲高いモーター音が聞こえた。

 

「カガリ様は下がっていてください、婆やが開けてしんぜましょう。」

 

次の瞬間チェーンソーが扉扉の木材を粉砕していく、呆気にとられた私と扉の奥で私と同じように目をひん剥いて驚いている、お父様がいた。

 

「いったい何をしたのかわかっているのか?」

 

「はい、お嬢様の願いを従者である私が叶えただけにございます。それに、今の私はカガリ様の従者であってあなた様の従者ではございません。」

 

たじろぐ姿に昔の面影はない、オーブの獅子は何処に行った?

 

『お父様、いったい何があったのですか?こんなところにとじ込もって、これでは幽閉されているみたいに』

 

「そのまさかだとしたらどうする?最も幽閉と言うよりかは、村八分とでも行った方が良い。今の私はオーブには邪魔らしいからな。侵略せず、侵略を許さず、介入せず。いったい何がいけなかったのか…」

 

『それは外に目を向けずに、意固地にそれを主張し続けたから、だと私は思います。オーブのその理念は確かに、綺麗なものです。ですが、それは理想で、現実追い詰められたプラントは無差別潜水艦作戦を行い始めています。

最早単独で、国民の命を守ることは困難です。

それに、国民の多くはへリオポリスの復讐に燃えています。それが、いけなかったのでしょう。時勢にそぐわない、それが致命的だったと。』

 

「では、国民が争いに参加し多くが死んでも構わないと?そう言うのか?」

 

『プラントは無差別に攻撃をする、国とも呼べないものたちです。最早話し合いは通じません、ですが連合はそれでも交渉をしようとしています。どちらが理性的か言うまでもありません。

それに、戦いようはいくらでもあります。物資の融通だけの協力でも良いではありませんか、連合は部隊に困っている訳ではありません。通商破壊を阻止する為だけでも構わないのです。』

 

「だが、それでも曲げられないものはあるのではないか?」

 

『理念よりも実利です、どれ程の理念があろうとも利が無ければそれは害悪でしかありません。』

 

例えそれが悪魔の道であろうとも。

 




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