ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
アークエンジェルとボズゴロフ艦隊の戦闘が始まる、双方水中と空中により、決定的打撃の無いまま時間だけが経過していく。だが、焦りが見えるのはボズゴロフ艦隊の方だ彼等の艦は潜水艦、いつまでもノコノコ戦闘をしていてはいずれバッテリーが上がるか、酸素が欠乏する。
持久戦に徹していては不利は覆せない。
艦長は不可思議に思っていた、アークエンジェルはどうして最初の一撃時、対艦ミサイルを水中に突撃させたのか、どうしても腑に落ちない。
その疑問はモラシムも同じであった。
こちらを満足に観測しないうちに攻撃を始める、まるで規定事項であるかのように振る舞い、決まった動きで我々を攻撃しているようだと。
そこで、頭に電流が流れた。
急いで先程のミサイルを捕捉させる、だが音探で音を聞いても突発音はしない、音がしないのはおかしい。爆発音がしないとは、反響すらないと言うのはまだ信管が作動していないのだ。
そこでソナーを使った、顔から血の気が引いていく本来負の浮力により沈降するはずのそれは一本が艦体の真下20メートルの場所にあるのだ。誘導された、全てを察し、全艦放送を入れた。ただ一言のためだけに。
『総員衝撃に備えよ!』
次の瞬間突き上げられるような強烈な衝撃が艦を襲い、艦尾から悲鳴が聞こえ艦が比喩になく曲がる。
亀裂が生じ、そこから大量の水が流れ込む、直ぐ様隔壁を閉じるが1割のものが閉じ込められ死んだだろう。
「艦が傾斜します!」
「艦尾浸水区画を切り離せ、予備推進に切り替える。」
衝撃は立て続けに三回起こった、真下ではなく横から凄まじい圧壊音と共に、間違いなく何隻か沈められたに違いない。
戦力の半数以上が一瞬にして消滅、艦尾を損傷して彼等は退却する事すら出来ない。
だが、幸いな事にボズゴロフの格納庫の被害は少なく、MSは出撃出来る。
『MS全機発進せよ!これより浮上戦闘を開始する!』
決死の戦いが始まるだろう。
~ナタル~
海に気泡が浮かび上がり、大爆発を見る。
『トノムラ、敵の索敵を行え。あれで沈められたとは思うな。ヤマト少尉発進準備に取り掛かれ。』
「音探雑音だらけで何も拾えない!威力が高過ぎです。」
『それで良いどうせ浮上してくる。』
ミサイルにワイヤーをくくりつけ、目標の周囲に網の目のように付ける。
マイナス浮力によっての沈降と、潜水艦の前進による浮力によって下部に集まってくるか回転するよう小細工されたそれによって、徐々に距離を詰める…最初に聞いたときは信じられなかったが、まさか成功するとは。
だが、一度きりの奇襲だ、そう何度も成功するはずがない。
「熱源感知、敵のMSと思われるもの多数接近中!」
『万事予定通りに行く、敵に上をとらせるな。グラスパー隊が鍵だ。』
数秒後に水が噴気し、そこからGシリーズを中心としたMS群が現れる。
『ストライク、発進せよ!』
「闇鍋の中に突っ込ませるんですか!」
『いいや、敵の母艦を破壊してもらう。ゲイル、マドロック攻撃を開始せよ、ただし敵MSの足を止めるだけで充分だ、深追いはするな。敵MS群周囲に円を描くようにスレッジハマーを着弾させろ、中心に対空榴散弾をたっぷりお見舞いしてやれ。』
実際の戦闘は案外遠いもので、実に8キロ程離れている。それでもかつての戦争での距離より遥かに近い、いやこの距離では一次大戦くらいの砲戦距離と言えよう。
アークエンジェルは逃走時どうしても後方へと指向可能な武装が限られる、故に敵に向かうよう指示した。
もはや偽装の必要はない、後は連中を叩きのめすだけだ。
『第一目標の達成を確認、直ちに敵潜水艦隊の撃滅に移行する!』
~カガリ~
私は会議室で大人達の中に混じり、今後のオーブの身の振り方を検討していた。
むつかしい言葉が飛び交う中、必死にかじりつき議論のなかで穴がないかと探しつつ、修正案を出していた。
その時、臨時ニュースが入った。オーブ近海において今日出港したアークエンジェルが、ザフトの潜水艦隊と戦闘を行っていると言うものだ。
私にとって戦闘はつい昨日の出来事のように、振り返られるが、国民にとっては違うようでその映像を食い入るように見つめるものが、会議室の中にもいた。
アークエンジェルの中央の弱点部に仁王立ちする一機の機体、それが空から降ってくるミサイル群を、肩に背負ったビーム砲を拡散にさせて迎撃し、ピンポイントに来るものには折り畳まれた大型のビームライフルが狙撃している。
周囲の眼は多勢に無勢の形しか写っていないだろう。私はあるものに目が行っている、ビームの色それが今までのものよりも濃く映っている。
それは映像のせいかもしれないし、私の見間違いかもしれない、ただその射程は今まで見たもののなかで、アグニ以上のものかもしれない。
そう思っていたら、映像に閃光が走った。また一隻沈んだのだろう。ストライクはきっと縦横無尽に海中を駆け巡り、それをサポートしているグラスパーは役目を果たしているとみた。だが、そろそろ議題に戻らねば。
『うっうん!皆戦闘映像を見るのも良いんだが、これから我々はこの戦闘に頭を突っ込むつもりでいるんだ。その前に、色々と決めなければならない。そうではないですか?』
私の言葉に我を取り戻したのか、再び会議室にガヤガヤと言葉が戻ってくる。
「まず始めにだが…現在我々の開発しているMS、アストレイ。あれの進捗状況だが、芳しくない。と言うのが本音だ。」
サハク家の次期当主がそれを言うと、周囲からは「矢張か」だとか「それ程までか」など絶望視する声が聞こえた。
「状況は更に悪いものとなっている。現在連合の機体は新規量産機は全て、核融合炉を搭載しており継戦能力は推定でも数ヶ月無補給状態で駆動が可能、と言う試算を出した。対して我々やザフトの機体はバッテリー駆動…出力も継戦能力も連合に遅れをとる。」
更に沈鬱な雰囲気となった。
『そこで我々は手に入らなかった技術ならば、手に入るようにすれば良いと逆に考えた。そう、連合への加盟それしか方法はない。』
これまでのオーブの方向とは180度違う方向を向いていることに、驚くもの達はいない。
寧ろそれが当然であるように受け止めている。
『既に最も信頼のある大西洋連邦に、打診をした。我々の立ち位置は非常に不安定だった、ここで我々は戦う術を持った。これにより父ウズミの行っていた事を破棄し、連合のオーブとして地盤を磐石なものとする。これにより、何の利益も生んでいないこの戦争の早期終結を目指し、今後のオーブの発言権をより向上させる!』
拍手は起きない
『我々の連合への加盟は現時刻を持って行われる!まず手始めに連合の艦艇、アークエンジェルの救援を行う!以上総員解散!』
軍があわただしく動き出す、出撃まで凡そ1時間は必要か?間に合うか、間に合わずとも出撃した記録が残る、それによって私たちの信頼を少しずつ勝ち取らなければ。
~ニコル~
僕たちが母艦から出撃して15分程経った頃だろうか、ボズゴロフ級の艦隊は既に2隻ほどしか残っていなかったかと思う、その時僕らはどうしていたか。
それはMSの残骸と漏れでた油に濡れていた。
浮上した時、まるで出てくる場所があらかじめ解っていたかのようにミサイル群が降ってきた、僕らの機体はフェイズシフトで護られたけれど、グーン等の機体は損傷し継戦能力が落ちた。
その数分後、今度は空からの攻撃が続き身動きが取れず、これでは戦争ではなく狩りとでも言える。
更にストライクが出てきた時、データに無い装備で僕らを翻弄していった。
ゴボゴボと沈み行く機体、それでも母艦は破壊されていく。僕らには帰る場所が失くなってしまうのではと、それを心配した。
そんな一方的な戦いは唐突に終了した、センサーには何も映らずあるのは機関を完全に破壊された母艦だけ。
幸いだったことはここがカーペンタリアから程近い場所だったことくらいだろう。僕らは大敗した。
その日救出された日、全世界へ向け連合は映像を流したきっと航空機に搭載されていたカメラが撮った映像なのだろう、僕らを一方的に倒す。
そんなものが映っていた、宣伝工作。これで大洋州の中の僕らに敵対する勢力に、力を付かせようとしたのかもしれない。
数日後、僕らは予定通に地球からプラントへ帰還することとなった。
その後、地球軍に対する最後の攻勢が行われる、オペレーション・スピットブレイク。
最後の攻勢…そして最大の敗北を喫する作戦。このときにはもう、僕らは防戦一方となっていく。
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