ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
連合艦隊が集結し、ザフトを今か今かと待ち受ける。その形は古く、そして海戦では見えることのない魚鱗という陣形であった。
ただし、かつてのそれとは違い正面が非常に厚くZ軸にも艦艇が並んでいることだろう。
艦艇はネルソン、ドレイク、アガメムノンという形態で配置されており火力が最も高い艦艇が一番の正面を担当した。
これはMSを騎兵と見立て、艦の砲火力を前方へ。高速艦艇が空いた穴埋めをしていき臨機応変に移動し、敵の撹乱をMSが担当するという構想の下に造られた。
それをプラント本国、ヤキン、その両翼に向ける事により敵の同士討ちをも狙った作戦。
ザフトには余裕がなく、こんな軌道、今更戦術本にすらマニアックなものにしか記載されていないもの、対応に困った。
バラバラと艦隊運動をするザフトに対して、傷ついた艦艇を後方へ移動させ応急処置すら行ってみせる連合艦隊、だがその側面を狙いザフトはMSを放つ。
それを探知出来ない連合ではない、まず対空ミサイルの飽和攻撃を行いそこにMS部隊が投入される。両軍の部隊は文字通り激突し、火花を散らす。
中世の戦場のように至近距離での斬り会い、ライフルで仕留めるもの腕をやられ後退するもの。
それぞれに被害が拡大していく、ザフトは新鋭機であるゲイツを出すも数が圧倒的に足りず、結局やはりダガーに押し負ける。
そこで、新鋭機フリーダムが投入されるとダガー隊の動きは遅くなる。突然の出来事に対処が追い付いていないのだろう、誰が動かしているのか躊躇の無い火線が続く、それどころかまるでGを感じていないかのような動きに、人間味を感じられない。
そこにキラが駆るストライクが割って入る、機動力を強化されたそれに載り、フリーダムの苦手とする接近戦を挑もうとすると赤い機体ジャスティスが現れ、それを阻む。
そこにコゼットの駆るゲイルが現れ2対2の激しい攻防が繰り広げられていく。
しかし、コゼット並びにキラはその動きに徐々に翻弄されている。
その動きはコゼットの動きに近く、寧ろもっと原型があるのだろうそれに近い。サーベルでの接近戦に際し、確実に致命傷とならない蹴りや殴りを入れることにより、NT能力の危機回避を反らすような戦い方。
または、Sコーディネイターであるキラ、その反射を逆手にとる嫌らしいフェイントを掛ける。
なまじ反応速度が早いがために、それに気をとられ危うい戦いを行っている。
ゲイルのCPUであるCRDはコゼットが時間を稼ぐなか、それを記録し解析をする。そして、擬人化は驚愕した。自らと同じデータから造られ、人殺しを可能としたリミッターを外された存在であることに。
~コゼット~
何なのこいつ等、動きがおかしいんじゃないの?
こっちの動きを読んでる、ボアズのあいつの比じゃないくらいに。それに、この動きどこかで見たことがあるような…
『っく、CRD敵の解析できた?!』
格闘技すら織り交ぜてくる動きに、MSはこんなにも滑らかに動くものなのかと、心底感心しつつ劣勢に立たされている現実に、慌てている。
「もう少しだ、だが妙だこの動きは私の動きと同じ、そればかりか私の制約である対人戦闘を可能としている?いや、自ら思考し動きを視ているのか?」
CRDと同じシステム?でも、どうやって父さんは普通こんなもの売るような人間じゃない。
第一プラントにそんなもの売ったって、いったい何になると言うんだ。
「こいつらは寧ろ、オリジナルに近い?戦闘データとフレームの断片を内蔵したのか?であるならばこの反応速度も頷ける。」
『そんな事言ってないで、何かアドバイスは!』
イライラと苛立つも打開策無し、くそっ!サーベルのパワーは劣ってないのにどうして…そうか
『CRDリミッター解除お願い』
「身体を壊しても知らんぞ!」
『死ぬよりはましよ!っく』
機体の反応が一挙に引き上げられ身体がシートに縛られる、それでも意識は手放さない!
それでも、奴は追従する。いったいどんな性能で!
「奴は脳波を感知して行動している、それもサイコフレームを媒介に察知している。」
なにそのシステム聞いたことない。
「オリジナルのパイロットの戦闘データ、赤い彗星。彼から収集されたデータによって、彼の全盛期程ではないものの擬似的にNTの戦闘を可能とする。
サイコ脳とでも言えよう、疑似人格。それをあれは持っている。」
無人機であんなの出してくるなんて…もしも量産されたら…確実に負ける。
だから
『ここで、仕留める!』
機体に慣れていく、次第に奴の動きが鮮明になっていく。次に何処に動くのか、どういう攻撃をするのか。
戦場で散っていく声、それらを振りほどきただ奴のみ見つめ引き金を引く。
やはりというか、動きに無駄がない。
イメージするのはリディア大佐の動き、あの動きさえ出来れば、
機体が交差しサーベル同士が激突し、プラズマが発生する。太陽を背に、位置関係を大切に、一つ一つ丁寧に
眼前に広がるガンダムフェイス。
次に蹴りが来る…なら右足の蹴りをわざと受け止め、タックルするように機体の推力を上げる。
慣性に従い、向こうは急激な動きに付いてきていない。その場その場の戦い方が、勝敗を握るのかも知れない。
~サイ~
艦隊の防空任務とは攻勢に出た者達の家を護るためのもの。
今、俺たちの前には抜けてきたザフトの機体群が出現した。
M粒子のデメリットを付いてきた連中はそれほど多くはないが、実戦経験の少ない防空隊にとって非常に厳しい戦闘となった。
『敵はM粒子の特性を良く知ってる手練れだ、充分に用心して事に当たってほしい。訓練を終えたばかりの者には荷が重いかもしれないが、堪えてくれ。』
敵の先陣はあれか、
そこでミリアリアから情報が入った。
「旧IFFに反応あり、機種バスター、デュエルを確認しました!」
あいつ等かしつこいな、この艦ばかり狙って来やがって。
推力を上げる、この機体は接近戦はお世辞にも強いという訳じゃないが、出来ないわけじゃない。デュエルに真っ向勝負だ。
牽制でライフルを撃ってくるが、最早出力が違う。ビームコーティングを貫通することすら叶わず、こっちのシールドに攻撃が吸収されていく。
そして、俺は奴を殴打した頑丈さはこちらにあり、まず直撃した顔面は首のジョイントが砕け散り無惨にもケーブルで繋がっている。
「貴様、貴様なんぞ援護MSに負けてたまるかぁ!」
接触回線から聞こえる声は、焦りなどなくただただ機体の性能を乗り越えようと必死に戦う声だった。
それでも負けてやる通りはない、がしかし凄い気迫だこれ程気押されるとは、死兵とでも言うのか?
『久しぶりだな、確かイザークだったか。潔く投降すれば手厚い保護が約束されるぞ?』
「貴様等に投降するくらいなら死んだ方がマシだ!」
『だが、あんたはそうだが味方はどうなんだろうなぁ?』
「なんだと!」
突撃を慣行した連中はチラホラと武装解除するものが現れていた、寧ろ戦いを続ける奴等の方が少ないのかもしれないが。
『バスターのパイロット、ディアッカだったか?そいつなんて、死ぬかも知れないぞ?フレイは宇宙では俺より強いからな。』
そう言いバスターの方を見れば、ガンバレルによって八つ裂きにされていた。
~リディア~
『各隊、敵を分断して一つ一つ潰して行け、無理はするなよ。』
目の前のガンダムに相対しながらそう指示を出す、こいつは何だか懐かしい雰囲気がするのだが、それでも違和感がぬぐえない。生命の脈動がないのか?
動きは確かに、彼のものにシャアに似ている。それでもどこかでぎこちなく、正直言って拍子抜けだろう。
『YMF-X000A…何かの試作機か。それは良いか、鹵獲を試みるか?だが、それで損害が出るのもな。良し、なら武装を剥ぎ取って達磨にすれば良いか。』
動きはヤツの癖通り、それも随分と緩やかだ。そんな動きでは、有線式のガンバレル?そんなものではなあ。
動きにあわせて照準し、引き金を引くだけの簡単な仕事。
慢心はならないが、これの相手をするならばまだ新兵を相手にした方が不確定要素が多くて危険だ。
こいつらは何の為に作られたのか…人の気配を感じないが意識を少し感じられる。
ライフルでこちらを狙うか、なら撃たせる前に撃つそれだけだ。
やはり、こいつは鹵獲の方が後々良いような気がするな。謎が多すぎる。
奴の武装を剥ぎ達磨にした、自爆の危険性はないようだな。
『マティス少尉、帰還するついでにこいつを持ち帰ってくれ。』
「何でですか?」
『私の杞憂なら良いのだが、何か秘密がありそうだ。頼むぞ。それと、私は暫くここを離れる。少しでも敵を減らしてくるとするよ。』
「大佐まってくだ…自由な人だ。」
彼女の動きは全体に波及した、膠着状態となった戦線に現れては掻き乱し、連合優勢へと流れを作っていく。
そんな彼女は、コゼットの近くまで後少しというところだった。
~マイケル~
しん、と静まり返ったこの小さくも充分な空間に俺たちは並んでいる。パワードスーツに身を包み、20㎜対物機関砲ドラムマガジン式を肩に装着したもの達が10人程、その他通常装備が60名。
そして、パワードスーツを着込んでいないにも関わらず
同じものを銃床付きにしたものを肩に担ぎ、更にアサルトライフルを左腕で持っている男がいる、俺だ。
「諸君、我々はこれより敵の首都であるアプリリウスに対して奇襲攻撃を行う。議会の占拠が目的だが、それよりも大切な事がある。
非戦闘員への攻撃はこれを一切禁止する、たとえそれが敵の真ん中にいようともだ。
無理を承知であるが、これを行っていただきたい。
もし、参加を拒否するものあれば此処で名乗りでよ、誰も責めはしない。」
名乗り出るものはない。
「今作戦には最高戦力としてマイケル・スパロウ氏にも参加していただいている。皆も知っての通り桁違いの胆力を持った御仁である、くれぐれも怒らせないように、スーツが破壊されてしまうからな。
揚陸に抜かり無きようにせよ!」
数分後艦艇に衝撃が走る、どうやらプラントの外壁を喰い破ったようだ。身体に重力がかかり、扉が開く。
『では行こうか、この戦争を終わらせに。』
~シーゲル~
フリゲート艦カルマ、それはエターナルのミーティアの取り外しを不可能とし、個艦戦闘能力を上げたもの。
我々はそれを旗艦として、放たれようとしているジェネシスを攻略中だ。
あの御仁エドワゥは、この施設の詳細図を知っていた。嘗て私も設計に携わっていたが、いったいどこでそんなものを知ったのだろうか?教えてはくれないだろう。
『もしこれが地球に放たれれば、地上の生命は甚大な被害を被る、破壊は容易ではないが…』
「今ならアムロの気持ちがわからんでもない、この世界の人類を私はこの50年もの間見続けてきた。身体が老い自由が効かなくなった今でも、この世界に希望という花があると信じる。だからこそ協力しよう。」
アムロ…いったい誰なのだろうか?いずれ聞こうそれよりも、
『このサイコフレームと言ったか?は本当にこんな事が可能なのか?』
「ああ、小惑星を押し返すほどの力を可能性を力に変えたのだ、この程度可能だろう。」
艦艇を覆う薄い緑色の膜、それは敵となった同志の攻撃を弾いているかのように作用している。
あまりにも不可思議な現象だ。
『今はそれどころではないか…貴方は前線にでないでください?もう90を越えてるのですから。』
「アドバイス程度させてくれ、伊達に長生きはしていないからな。」
『クルーゼ君、機体の調子は良いか?』
ノイズが走る映像を見て言った。
「ええ、少しのブランクはありますが、やって見せましょう。私も人の可能性とやらの話をまだきちんと聞いていませんので。」
後は彼に任せるか。
さあ、パトリック君が作ったこの悪魔、しっかりと叩かせて貰うよ。
誤字、感想、評価等よろしくお願いします。
サイの初期機体何が良いですか?
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