ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
ヤキンにいるアズラエルが攻撃の開始を知ったのは、本来の攻撃命令の20分程前であった。
だが、これには語弊がある。確かにアズラエルの時間は20分前である、だが攻撃を開始した当人たちにとって、その開始時間を間違っているとは到底考えていなかった。
彼等に作戦開始時刻が伝達されたとき、その文章が電波を書き換えられた。つまりは、《上書き出来ない筈のそれを上書きした》と言うことである。
果たして動物にこんなことが可能なのだろうか?だが、人類よりも遥かに巨大で、全く違った思考回路を保有する生物だ、もしかするのかもしれない。
さて、そんなものとの戦闘は非常に困難なものとなった。パイロット達だけでなく、艦員等にも幻覚にも似た作用が起きた。
パイロット達は周囲の味方が敵に見え、自らを襲おうとするように見えるが為に反撃をする。
その流れはまるで濁流の如く、戦場を飲み込み敵味方の区別が出来ないものたちは次々と殺し殺され、悲劇は拡大していく。
もしも、この映像があるのであればきっとそれはあまりにも不可解に映った事だろう。
だが、そんな中でも正気を保っていたものたちがいた。全体から見ればそれは少数であったが、空間認識に優れている。所謂ガンバレル適性があるもの達、彼等はそれを受け付けなかった。
故に味方を戦闘不能にしていく作業が始まるが、それを見越してだろうか?彼等に攻撃が殺到するようになる。360度様々な方向からの攻撃は、如何に彼らが優れていようとも避けられるものではない。
幸いだったことは、エネルギー兵器であるビームライフルがエネルギーパックであり、再装填に少し時間がかかったことだろう。それにより、次第に戦局は好転していく。
そんな中内部へと突入していくものたちがいた、リディア率いる爆破隊だ。
その後ろを護衛兼捜索隊が入る、そこにはゲイルの姿があった。
ではこんな状況の中アークエンジェル隊はどうなっていたかと言えば、キラ及びサイに関して言えば二人とも単なる人であるから、勿論幻覚を見ていたが両者ともMSに深刻な問題が発生していた為に出撃しなかった。
フレイが中心となり戦力が抽出され、それによって他の隊とは違い比較的安定したものとなった。
彼女は比較的に強い力を持っていたのだろう、違和感を感じて直ぐに対処に動いた。独断専行ともとれるものだが、そのお陰であろう。
~マイケル~
よお、其処らじゅうがベタベタしてきている、侵食が思ったよりも早い。
弾装の中身を確認してこのコロニーの構造上最も脆い部分に向かい歩いている。
本当に砂時計型コロニーは非効率的な形状をしている、こんなもの不便でしょうがないだろうが、こういう有事の際直ぐに別の場所へと移動することも出来ない。
なにより、脆すぎるだろう。
『機体に付いている風向計はどちらに向いているか?』
「ここからだいたいそうですね、私の正面から見て2時の方角です。」
まあ、今回はその脆さに助けられている。空気の流出が始まっているのだ、要するに外、宇宙に出られる。ま、その前に隊員分のスーツが必要だが、偶然にもここは首都機能を持ったコロニー。そういう時の為のものがマニュアル通りあるはずだ。
『生体反応は…無理かそこかしこにあれからの反応があるから確認は出来ないか?』
「はい、ですがこの中での生存は」
絶望的、例え生きていたとしても逃げられるものではない。なにより、嫌な予感が適中したようだ。
『総員安全装置を解除しろ、何か来るぞ。』
そこから現れたのは住民だったもの達、身体がただれ膨れ上がり今にも破裂しそうであったり、崩れそうなほど崩壊しているものもいる。
なるほど、そうかこれが同化か。
ゆっくりとした動きしか出来ないそれらを引き離すように出口に向けて進んでいくが、数は次第に増えていく。
きっと彼等もこれから逃げ出そうとしていたのだろう。
『ああなったらもう助からんな…』
亀裂へとたどり着く空気が薄い、流出口が瓦礫である程度埋まっているが、爆薬を使えば進路を確保できるだろう。だが、あの人だったものたちもこちらを追って外に出るだろう。
果たしてあれらは宇宙空間で死滅するのか?恐らくしない、何故なら主が宇宙空間で生きていけるのなら、その子分が生きていけないと言う確証が選られないのだ。
ならばどうするか?ここで押し止める必要がある。
では誰が残るのか?勿論決まっている、特注品のスーツでなければ着ることが出来ない、私だ。
だからそっと後に下がり後から彼等を押した。
『すまないが、皆とはここでお別れだ。今までありがとう。』
亀裂に吸い込まれていく姿を後に、化物共を見据えて銃を構える。
『掛かってくるが良い、相手になってやる。』
~リディア~
『各機気を付けろ、こいつはコロニーを飲み込んでいるが一応生物だ。どんな機能が身体にあるか、わからない。慎重に行け。』
「了解」
内部は非常に赤い、内臓の内側なのだろうか?胃カメラ等で見ることが出来るそんな映像に近い、胃壁とでも言うべきか、そんな独特の形状をしている。
入り口から1キロもない場所、そこでこれなのだから内部はきっといりくんでいるに違いない。
内部では人の思念が渦巻き、何処がどこなのか見当が付かない程である。
吐き気を催す悪意、純粋な子供の心、動物達の無知な意識。それら全てがこの空間に充満し今にも決壊するのではないか?そう思わせるほどに、圧力を醸し出す。
そんなものを感じているとセンサーが動いた。
『熱反応?MSかっ!』
目の前にこっそりと歩みだしてきたのは、肉がベットリとくっついてそれが脈打っている肉の人形。
ザフトから提供されたIFFによると、近衛と言われていた部隊。その部隊のジンハイマニューバ2という機体であった。
それが、多数接近してくる。歩行速度は速くはない、問題はその数だ。
生産されている数よりも遥かに多い、ざっと50機はいるだろう。
あいにく我々は現在、《炉》を運搬中だ相手をしている暇はないのだ。
『私が時間を稼ぐ、その間に内部にセットしてきてくれ、セットしたら直ぐに脱出する事良いか?』
「了解。」
残念だが、近接武器しかない。ビームサーベルと言ったって、エネルギーには限界がある。
もし帰ることが出来たなら、省電力モードを入れることを提案してみようか?
相手に思考する頭はどうやら無いようだ、木偶の坊なら話は早い。ようはバラバラにするのが一番なのだろう。
こんなことも有ろうかと持ってきてよかったよ。
盾の裏からジャラジャラ鎖が落ち、鉄球が地面に衝突する。
ガンダムハンマーでミンチにしてやるよ。
~コゼット~
生命体の中に入って爆破隊と別れた後、私たちは三人一組で3隊に別れた。
生命体の中はいり組んでいたけれど、肉は柔らかく簡単に道を切り開くことが出来た。
暫くすると急に広い空間へと出る、そこは飲み込まれたコロニーの内部、だだっ広い地面だけがそこにある。
父達は今頃立ち往生しているのではないだろうか?
音波探知機が周囲の軋みのなかから、一つだけ特徴的な音を拾う。とても大きな銃声、対人用ではない。パワードスーツを破壊するための専用ライフル程の波形だ。
反響しているものを、角度から割り出しそれをとらえた。
何かと戦っているのだ、このコロニーに生存者などほぼいないと言って良い。空気は薄くなり、気圧はエベレストほどしかなく急激な運動では気を失うだろうこの空間。
それでも動けているのならそれは、奴等の仲間かとれとも
『父さんがまだ戦っているか…ブラボー、チャーリー発信源とらえた?』
「はい、このまま突き当たったコロニーがまだ取り込まれていない場所です、」
「ですが、後数分もすればコロニー内の空気は0になります。急ぎましょう!」
待っていて、今助けに行くから!
誤字感想評価等よろしくお願いします。
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