ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
数機のMS(ジン・ハイマニューバ)が生物の骸の周囲を飛び回る、その後に小型のMSが付いていく。
小型の機体には武装らしい武装も見えない、どちらかと言えば探索用なのだろう。
遠目から見ればピクニックに行く子供と、保護者程の体高の違いである。
狭い場所に入るのなら使用がない、と割り切るのなら良いのだが、せめて武装をした方が良いと言うのが本来だろう。
だが、戦争から二年。この生物の危険性も記憶から薄れて久しく、〈もう大丈夫だろう〉なんて言葉を口にするパイロット。
だが、彼等はこれが宇宙生物と言うことを忘れている。こういう生物がいるのであれば、こう言うものを蝕む寄生虫のようなものもいると言うことを。
そんな連中が侵入してから数刻が経ち、警戒網を何者かが抜けた事を軍が把握したのはあまりにも遅かった。
職務怠慢と言うものか、はたまたこんな場所に来るものなんていない、なんて思っていたのか?
それでも簡単に破られるなど、恥以外の何者でもない。
それが本国に直ぐに知れ渡ると、司令官は更迭され直ぐに副官がその権限を握った。
内部へと侵入した奴等の身元を確認し、確保ないし射殺するために。
だが、数日経っても連中は出てこない。だが、内部から熱を探知した。それは推進材の燃焼を一気に行った時のようなそんなものが。
~コゼット~
『それで、内部に入った連中は死んでる可能性が高いと?』
「ニュータイプなら解るんだろう?思念とかそう言うのがさ。」
そんな便利なものだったら、今頃父は平和に研究してる筈。あの時、あんな犠牲にならなかった筈。
『そんな都合の良いものじゃないよ。
捜索隊の準備が整い次第、出撃。
私たちが4時間以内に戻ってこなかった場合、あれに総攻撃をかけるように、心すること。
皆も良い?気を引き締めて!』
そこから時が流れ、出撃した。
私たちは最小限の携行火器、ビームサーベルと小型のビームガン。
火器の選定は私が行った、あの中では銃身長のあるライフルでは使いがってが悪いのを覚えていたからだ。
拳銃くらいに掌にフィットするのがちょうど良い。
バックパックのユニットは一切付けないノーマル仕様。
ウィングが邪魔だからいらない。
そして、あの骸に入る。
奥へ奥へと進んでいくうちに、次第に空気のようなものが滞留し始める。おかしい、MSが並んで入れる程に大きな穴であるにも関わらず、真空でないのは余りにも不自然だ。機体表面の電気信号を調べてみるとやはりあった、なにやら膜のようなものが張り付いている。
『機体に何か張り付いている、互いに確認するんだ。』
しかし、じめじめとしていてまるで死んでからそう時間が経っていないような…まさかね。
「隊長」
『どうかしたか?』
「腐敗の仕方がおかしいのです。空気があるならばこんなにも進んでいないのは、余りにも遅すぎます。まるでさっきまで生きてたみたいだ。
それに、各所進行具合もバラバラなのです。まるで、外部から何かしらの応力がかかっていたような場所は、特に腐敗が進んでいません。」
あの重力の影響か?だとしてもこんなにも疎らになるのか…いや、まだ実証されていない分野だ。こう言うこともあろう。
『データに保存しておけ、後で学者連中はそれを見てどう思うかだな。』
妙な感覚がある、まさかこの中にまだ生存者がいるとでも?あの不法侵入者以外にも。
暫くMSでも通れる道(恐らくはコロニーの中だと思われる)を進んでいく。あの当時のまま、侵食され肉塊となったものがところ狭しと並び、高々と…おかしい。
あの時潜ったとき、こんな突起物なかったまさか…
それを壊す。中からは恐らくは不法侵入者の肉体だろう、それが肉漬けにされ埋もれている。
「オェ」
『いったい何が…何か来る。円陣防御!』
よくよく見れば、辺りには肉に覆われた機械部品が、落ちている。
ここでやられたのか…。
肉から現れたそれらは、真田虫に良く似た姿をしている。元来コイツは宿主を犯すものだが、どうやらコイツら私達を宿主が食したものだとでも思っているのだろうか?にしてもデカイ、胴周りが5m、全長は20mか…大きすぎるだろ。
ジンにはビーム兵器が無かったからやられたか、奴等からなにやら溶解液のようなものが滴っている。あれで細胞を溶かしてここまで来たか。
真田虫みたいなくせに、えげつない。
武器を取りそれらを焼いていく、所詮は生物。この骸の主もビーム砲の前に死体を曝したのだ、この寄生虫達も同じ末路。
数十分格闘し、僚機の機体の節々が強烈な酸によって腐食している。
いかなPS装甲であっても、酸というものには通常の金属と同じく腐食した。
周囲を警戒していると更に奥の方からMSの歩行音が近づいてくる。
それを見たとき愕然とした、そこにはボロボロになりながらも歩くゲイルと、見知らぬ人々そして開け放たれたコックピットには父がいた。
~マイケル~
最初聞こえた音はビームライフルの音だった。もっともメガ粒子ビームというよりは、前身のコロイド粒子のものだったが暫くするとそれも止んだ。
何かが近付いてくる音は、一人の宇宙服を着たものがこっちに逃げてきた。
何か言っていたが周波数が違うためにまったく聞き取れない。
奴の後ろを見たら、気持ち悪い生物が来るじゃないの仕方がないからビームサーベルで焼き払ってやった。
真田虫、切っても動いてる。まあ口の部分を切ってしまえば当分来ないから、それで手をうとう。
逃げてきた奴を気絶させ、後退する。どうやらあの心臓部にはいなかった、いやわざと近付かない性質のようだ。
しかし、どうやって出ようか?わざわざ食われに行きたくはないが…
「あっあんたいったい何なんだ。こんな奴の体内でどうやって…」
『私か?私はただ少し前に入ってきて、これから出ようとしていただけだ。』
数日待ってみるか?
〈数日後〉
そろそろ食料も心もとなくなってきた、一人分を二人で分けてるんだコウもなるか。
強行手段に出るしかあるまい。
そう思った時再び音が聞こえた、今度はメガ粒子ビームの音が、今度こそ大丈夫そうだ。
そう思い出口へと向かうことにした、密閉された空間に悪臭漂う中、それが連合の機体だと直ぐにわかった。
国際チャンネルで話しかけてみよう。
『あ~こちら、地球連合所属のマイケル・スパロウだ。貴機は味方か?』
「こちらは地球連邦軍所属、内部探索準備隊のものだ。失礼だが、貴方の生年月日を聞きたい。」
当たり障りの無い事を話したが、何を聞きたいのだろうか?
「こちらで照合を行ったのだが、まさか本当に?マイケル・スパロウなのですか?」
『ああ、そうだが?何か可笑しなことが?』
無線の向こう側で息が荒くなっているのがわかった。
「ええ、お帰り父さん。」
~アズラエル~
その日私は娘イスラフィルと遊んでいた。
勿論執務をちゃんとやり終わってからだ、そうだなだいたい2時間くらいで終わらせたんじゃないかなぁ。
遊んでいたらだ、なんと邪魔が入った。私は怒りながら、一体なんだと言うと〈マイケル・スパロウの生存が判明した〉と返答があった。一瞬嘘だろと思ったが、その後直ぐに彼ならあり得るかと直ぐに切り替えて、再び遊びに没頭した。
〈後日〉
『それで、彼の容体は?』
「それが、最後に出ていったときとまったく同じ格好でして、更に言えばピンピンしていると…」
さすがに駄目だと思っていましたが、そんなにも頑丈でしたか…。
私が学生の頃からああだったのだからおかしくはないが、やはり人をやめているな。
『わかりました。後日会談を開きましょう、英雄の凱旋です丁重に迎えましょう。もっとも、彼の場合直ぐに何かしらの研究に没頭するかもしれませんが。』
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