ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?!   作:丸亀導師

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CE59年11月


第5話 技術開発に挫折は付き物、最初から全部上手くは行かない

 

重大なお知らせだ、フィールドモーター技術の開発が一向に進まない。

何がおかしいのか、全員が頭を捻っている。

計算上は駆動する筈であるのだが、実際は動かない。何かしら計算がおかしいのか、はたまた工作の精密さに欠けるのか、どちらにせよ原因究明が第一だ。

 

実際理論上は動くのだから、こちら側の欠点の可能性が高いだろうが…。何れにせよ君には関係ないか。

 

関係ありそうな話は、大西洋連邦のトップの人が今日ここに来たよ、宿泊していくってさ。

全く、困ったものだよ、素人に教えながら巡回していくんだからさ、遅くて遅くてたまらない。

俺達は教師じゃないから説明がすごく下手なんだ、相手がどこまで理解しているのか、そう言うのを図りながら話を進めるのが苦手でね。

だけど、こう言う仕事をしていると、なんとなく身に付いてくるということもあって、少しは解ってもらえるだろう。

 

で、今日のデモンストレーションは解りやすいものにしたんだよ。メガ粒子を加速させ、目標へ衝突させる実験だ。

何度も成功しているからたぶんこの技術が、一番早く世の中に出るだろうね。間違いなく、荷電粒子砲と取って換われる。

なんせ、同出力時の破壊力はこちらの方が上で尚且つ、空気中重力下でも直進するんだ。

それに、速度もこっちの方が早いから文句無しに換わる。

 

ただ、そのせいで現在使用中の艦艇を、対M粒子改装しなければならないから、俺達が再び表舞台にたつだろうなぁ。喜ばしい事だけど、やっぱ面倒くさくもある。

 

うん?そんなに早く、しかもまだ二年目なのにそんなのが艦艇に載るのか?だって?

あー、載るわけないじゃない。まず、艦艇に搭載するには耐久試験もあるし、構造の簡略化や効率化なんかの試験もあって最低でも5年は必要だと概算したぞ。

 

それでもこんなにも早く出来るのはアズラエルのお陰だろうか?

M粒子は他の物質に比べると、非常に安定したものだから、こう言う開発速度は異常とも言えるんだ。

 

ただし、M粒子の散布技術がまだ確立されていないから単純に喜べるものじゃないだろうけどね?

 

どうして散布技術が、重要かだって?そりゃ、MSはM粒子散布範囲内、もしくはレーダーの効かない有視界戦闘下でしか戦闘を行っても、余りに強くないんだ。

まだ、MSも無いけど、この世界には何れ出てくる筈さ♪

 

その時、戦術が確立されてるんだったら、とても効率良く運用出来るんだけどね?

俺は協力はしたいけど、1技術者、研究者の作った戦術に軍部がはいそうですか、と首を縦に振る筈無いし、なによりMSの動力がバッテリー何て、心許ないもので兵士達が苦労するところを見たくないんだ。

 

どうしてそこまで知ってるかだって?

元々俺はこの世界の人間じゃないからね、だからと言って超能力が使える訳でも無いけど、実体の無い君とは会話が出来るってね。

 

君の名前は知ってるけど、何者かは知らない。でもね、敵ではないのは確かだろ?

 

 

 

~アズラエル~

 

いやー、プレゼンが上手く行って良かったです。これで大西洋連邦の掴みは、良い感じでしょうね。

何より従来の兵器よりも小型化出来て、強力であることは、インパクトとしては充分以上です。満点と言っても差し支えない。

 

顧客からの契約料が取れたので、僕としては上々なのですが、技術者達は納得行っていないようですが。

彼等のプライドが中途半端なものを赦せない、だからはみ出しものだったのですが、良いところでもあり、悪いところでもありますね。

 

彼等としてもお金が無ければ生きていけませんから、そういう面で納得させるしかありませんね。

それにしても、試射でのあの威力凄まじいですね。

従来の対ビームコーティングを貫通していましたから、今開発中のラミネート装甲なんて、使い物にならなくなりますね。

 

また投資額を変えなくてはなりませんね。全く、嬉しい悲鳴です。

それにしても、彼等は良くあの閉鎖的な環境のなか実験や研究を続けていける、僕ではきっと先に脱落しますね。

 

おっと、誰か来たようだ。はい、どうぞ入ってください。おやおや上院議員の※※※さんではありませんか。私のところへどうしたのですか?折り入った相談ですか、良いですよ勿論私が力になれれば、この国は安泰です。

 

それで、どのような?ほお、先程の技術で気になったものがあるですって?ほお、どういうもので?粒子自体に興味が、どのような効果があるのか、副作用は?と、そうですね。ここでは難ですので、ここの所長にお願いしましょう。

 

彼なら分かりやすく説明してくれると思いますので、それで話は変わるのですが、どうでしょう?この研究所への出資を更に増額して頂けないでしょうか?

 

金は足りている筈だが?ですか。いえ、これから核心技術となるM粒子関連技術の主要人物に列挙されるのですよ?名前に箔が付くなら、もってこいでは有りませんか?

 

実はですね、内密に言うのですがここだけの話、この研究所は常温核融合の実験を行うための、施設なんですよ。あなただから言うのです、どうです?歴史に名を刻みたくなったでしょ?、見返りが少ないと仰る。では、これでどうでしょうか?

 

では、それでやってくれますね?もし、やらなければこれらをリークさせていただきます。勿論あなたにのみ非が有るように見せるのは、こちらには朝飯前ですのでよろしくお願いしますよ?次期大統領閣下。

 

 

 

~リディア~

 

記憶の中で変化があった、この人の父親が地球連邦に呼び出されて、何かしらの開発に注力し始めたんだ。

自宅に帰ってくるのは更に少なくなったし、コロニーの内部でも騒がしく騒音が響いたりしてる。

 

そのうち、大きなトレーラーが行き来するようになって、いよいよ戦争が身近に感じるようになった頃、大事件が発生した。

 

コロニー内部にジオンのMSが現れて、なんとマシンガンを乱射し始めた。コロニー内は地獄のようになり、あちこちに人の死体がある。

 

記憶の人はそれを目にし、何を思ったかMSに乗ってそれを撃退したと思えば、今度は宇宙に出ていく。

遂に戦争が彼を巻き込んだ、でも彼はどんどん戦っていき強く逞しくなっていく。

 

 

一方の私はと言うと、士官学校で討論会を行っていた。戦略と戦術の違いから始まり、陸軍や海軍志望の人たちと交流を深めながら、11月までやってきた。

途中で9月からの入学生の面倒を見たりと、部下を持ったりもした。

 

地道なトレーニングと、実戦的な戦闘訓練。銃を撃つという事、人を殺めると言う心を私は養っていく。

それでも、他の人たちと私は違った。

 

記憶の人が強くなればなるほど、私の反応速度は上がり、常人では考えられない程の思考をして訓練を終える。教官達も驚いていた、徒手格闘では教官の動きを読み互角以上に渡り合えた。

 

次第に相手の動きが、次に相手がどう動くのかそういうものが解るようになっていった。

それが、私は怖かった。自分が自分でなくなっていくような、そんな感覚があった。

 

途中でコーディネイターの教官とも戦ったのだが、後一歩と言うところで、負けてそして感じたのは、あの人と私は違うということ。

 

記憶の人は、苦労をしながらもつよくなっていった、そして、それを受け入れていく。

私はそれを拒もうとした、怖くて仕方がなかったから。だけど、私が負けたとき初めて知ったのは自分が敵わない相手がいた。

 

それだけで安心できたのだ。私は私、彼ではない。でももし、この私が生きる世界でも戦争が起こってしまうのなら、私はこの力を使って戦争を早期に終わらせたい。

それが、私のこの力の使い道だろうから。




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