ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
段を囲むように多くの学者達が集まるそこは、論文を発表するとき良く使われる場所である。
そんな場所へと所狭しと、群がる姿は獲物に群がる蟻の如し。
そんな中その壇上へと登る男が1人、初老に突入しているがその鍛え上げられた肉体はそのままに、多少の衰えを見せるものの、その姿は研究者とは程遠い。
その男が壇上から周囲を見下ろし、話を始めた。
先ずは相対性理論から始まったこの論文。昨年発表された、ミノフスキードライブ関連の論文等で補われたそれは、時間が進むにつれより難解な方向へと発展していく。
そして、彼は結論を出した。実に5日を要したそれは、光というものを凌駕する為に編み出された理論。
簡単に言うならばワープというものだ、彼はミノフスキー粒子のあるものに着目していた。
それはミノフスキー粒子が何処へと行くのか?というものだ。
元来ミノフスキー粒子はそれが拡がった後、何処へとも解らぬ場所へと消えていく。
質量保存等なく、文字通り存在が消えていくかのように。
勿論、地球内や宇宙空間で一定の濃度で漂うことはあるものの、時間が経つにつれこいつはエネルギーに変換されること無くただただ消えていく…。
では、消えていった先に何があるのだろうか?
その鍵はサイコフレームであった、あれが何なのか世界のあらゆる学者が研究を行い、結果解ったことはあれがナノマシーンの一種であること。
異常なまでの硬度と柔軟性を持ち合わせていること、脳波に反応があったりと謎の多いものであった。
だが、マイケルだけは失われた前世を呼び起こしつつ、これの力を知っている。
過去、そして未来すら見ることが出来る。
そして、過去を見ることが出来るということ、それ即ち光速を超えるヒントが入っていたのだ。
彼はその特性を可能な限り人工的に発現出来ないかと考えに考えた、そしてたどり着いたのがバイオ脳という代物だ。
それにより、サイコフレームの共振現象は擬似的に行われるものとなる。
そして、共振現象によってミノフスキー粒子の観測に利用された。結果、粒子は逆転した世界へと移動していた。
速ければ速いほど質量が減る世界。
勿論減りすぎても困るもの、寧ろ減らない方が望ましい。そこでサイコフィールドとIフィールド二つが役に立つ。サイコフィールドが卵の殻として、Iフィールドが緩衝材の役割を果たす。これによって自分たちの世界の物理法則を保ちながらも、光を超える術を手に入れた。
尤もこれは短距離用である、本命は長距離用の巨大リング型のワープ装置。
ブラックホールを使用したワームホール。
球体の穴が覗くそれは、重力によって空間そのものを歪曲させ、別の場所と繋げる。
空間を曖昧な物として繋げるため、始点0と終点Pとの距離は実質1となる。
しかし、近い距離に使用する場合不安定に成りやすいという特性から、主に1000光年以上~使用するためのものだ。
彼は二つの異なる理論を20年の間にほぼ同時に仕上げた、それは人類史に残るであろう偉業である。
しかし、これを利用するには更に数十年の歳月が必要となる。これが完成したのは、彼がこれを発表してからゆうに60年かかった。
~コゼット~
あれから何十年という年月が流れた、今にして思えばあの戦争もただ一時の騒動のように思えてくる。
あれから大規模な戦争は無くなった、勿論小規模なもの。例えば、ジャンク暴動という武装解除に反対したジャンク屋軍団の殲滅戦や、ブルーコスモスから独立した過激派たちとの清掃戦争。
それでも今はこうして平和を謳歌できている。
今日スペースゲートの除幕式が行われる。父が最後に設計した、この巨大なもの。場所は太陽から凡そ70天文単位離れた、無星空間。
父の理論によりここまで来るのに凡そ3時間、光速の3倍の速度でここまで来れる。重力の影響と、太陽風、星間物質を鑑み最適とされた場所。
私たち人類はこれから星という大海原へと旅立つ、そこに待つのはなんであろうか?きっと苦難が待ち受けているに違いない。それでも前に進んでいこう。
本編はこれで終わりとします。
なお、シン、キラ、リディア、コゼットのその後を書いていきます。
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