ミノフスキー粒子なんて、オカルトチックなっ?! 作:丸亀導師
CE63年
おーいなーんで俺がこんな月にまで行かなきゃならないんですかねぇ、話し合いはアズラエルがきっちり付けてくれてると思ったんだけどなぁ。
なに、秘書君。少し落ち着いてください?いやいや、俺はいつも落ち着いてるよ、どうしてMAの改造にまで俺が行かなきゃならないんだ?俺達に勝った連中にやらせりゃいいだろ!
なにぃ?出来ないだと!あれか、俺が立案したガンバレルシステムのアップグレードに、手間取ったんだろ!
脳波を電気信号に置き換えるだけなんだから、簡単だったろう?
どんなに自立型兵器よりもパイロットの動きを、補助できるから手足のように、動かせるんだ。
それが理解できないなら、兵器開発なんてしなけりゃ良いんだよ。
全く、こっちは忙しいのにまだ改良をやらせますか?
はあ、それで何でアップグレードせにゃならなくなったんだ?
?訓練生の機動に機体が追従できない?それは、何かの間違いじゃないか?本来機体の方にリミッターを掛けて、機体の追従性を落としてるんだぞ?じゃないと人体深刻なダメージが残るからな…。
事実なのか?
解った、事実なら確認を行いたい、それはコーディネイターか?違う?ナチュラルなのか、そんな化け物染みた奴がこの世界にいるんだな。案内してくれ、パイロットに会ってみたい、そしてパイロットの注文通りのチューニングを施してやろう。
う?その前に整備長に挨拶に行って欲しいって?なぜ、どうして解らないやつに、行って説明しにゃならんのだ。その機体を整備する人なんだから当たり前だろと、そうだな解った嫌だけど行くよ。
にしてもさ、どうしてこうもっと大きい車無かったの?俺はガタイが良いからさ、こう言う小さいのに乗ると窮屈でしょうがないんだ!
なに?でかすぎる貴方がおかしいって、言うのかい。ふうんそうかい、解ったよ君みたいな奴は解雇だ!
なに!アズラエル氏からの要請があったから貴方の秘書になったのです、って。じゃあ、俺じゃあ解雇できないのかよ、はいはい解ったよ。だけどな、今度からはちゃんと気を付けてくれよ!
ただでさえ体がでかいんだから、これじゃあ腰が痛くなっちゃうよ。
《…一ヶ月後》
いやー有意義な時間だった。パイロットとしてだけじゃなく、エンジニアとしても優秀だとは思わなかったなぁ。あの年齢でハキハキとした物言いにこっちとして、非常にやりやすかった。
特にメビウスの物足りない場所とかそう言うのは、次期MA・MSの良い参考になったよ。何よりメビウスの一般兵での扱いの悪さと来たら、最悪の部類だと。
ガンバレルシステムを取っ払って、その分を機動と防御に回した方が良いのだとか。
用兵の観点からは今まで無かったから、嬉しいものだ。
やはり、単なる付け焼き刃だとばれてしまったよ、本当は俺たちの作った奴じゃないんだけどね。
後、何故か彼女を他人のように感じられなかった、この感覚はなんだろうか。
まあ良いか公園でも散歩しよ。
しかし綺麗な場所だ、ここが月面だなんて想像できないよ。
う?何か飛んでくるな、鳥?いや、鳥形のロボットか。珍しいものも有るものだな、しかし精巧に作られている、良い腕だな。鳥の仕草もきちんとプログラムされている。
ふと、鳥の飛んできた方を見ると、少年がこちらに来ていた。
ロボットを持っている私を見るなり、あの。と話を振ってきた、きっと持ち主なのだろう。
このロボット、君のかい?と言うとそうだと言う、誰が造ったのかなと言うと、黒髪の子が僕ですといった。どうやらまだ完成品じゃないようだ、鳥の仕草がまだおかしな点が有ることを指摘して、少し調整してあげようか?と言ったら、おかしい部分だけ教えて欲しいそうだ。
自分で解決策を見つけようとは、良い心がけだ。
きっと良いエンジニアになるに違いない。友達へのプレゼントだそうな。
名前を聞くのを忘れてしまったが、何れ同じ土俵に立って共に飯を食う立場になったら、今度はこちらから声を掛けてあげよう。
『やあ、あの鳥は元気かね?』とね。
~アズラエル~
君等はいったい何をしたのか、理解しているんだろうねぇ。
僕の目の前にいる、ブルーコスモスの過激派が萎縮している。
萎縮するくらいなら、初めから止めていただけませんかね、こちらにも多大な損害が出るんですよ。
何故プラントのエネルギー生産部門を、攻撃したんですか?まさかと思いますが、私怨で動いた訳ではありませんよね?
こんなことをして、いったい誰が得をするんですか、地上の工場ですか?全く、貴殿方にはどんな罰が相応しいのでしょうか、言っておきますが貴方だけではなく、家族にもその責任を取っていただきますよ?いいですね!
僕が部屋から出ると、武装したもの達が室内に入り彼等首謀者共を連行していった。
困ったものです、どうすればこの被害額は補填できるでしょうか?
次の理事会で、理事長に僕が就任するしか無いではありませんか。父上たち老人共は、この事態でも静観を決めている。それどころか、エネルギー源の無くなったプラントへ、ノルマを達成せよと重圧をかけている。
これでは、いつプラントが爆発するか解ったものじゃない。コーディネイターも生き物だ、ロボットじゃない。倫理的に好かないが、それでも同情の念は抱かざる終えない。それどころか、同じ価値観を共有するものには頭すら下げたいよ。
おい、会合へ行くぞ、こう言うときに無理にノルマを達成しようとする輩を、防がなくては…。
《会合後》
畜生、彼等は僕の言葉に耳を貸すどころか、僕を裏切り者と詰りやがった。ふざけている、どうして解らないのか、投資とは我慢するときが有るのに皆それを忘れている。
だから、僕自身がここで我慢しなければならない、耐えがたきを耐え何れ来る理事会の選挙に向けて、僕は皮を被り差別主義者になり済まし彼等の上に立たねばなるまい。
たとえ道化と言われようとも、この決意に迷いはない。
~リディア~
最近の訓練は専ら戦闘機動だ。宇宙軍は、戦艦が主力としてその座に座っているのか、MAの数自体は余り多い印象を抱かない。
それでもやはり、防空や奇襲などには小型なMAの方が向いているから、MAの操縦者は重宝されている。
勿論MA同士の模擬戦闘も、行われているんだけれど、今回それで問題が発生した。
私は今までMAを騙し騙し使っていたのだが、遂に限界に到達した。スラスターだけではない、機体の耐G性能やガンバレルの反応の遅れ、それが顕著になりそれが教官にバレたのだ。
何故言わなかったと、叱られたが、逆に良くやったとも言われた。ムウや他のもの達からも称賛の言葉を送られたものの、こっちとしては少し複雑な心境だ。
それでか、このメビウスゼロのアップグレードをするために、ある人物が私たちのいるプトレマイオスへと呼ばれた。
聞くに変人と呼ばれる人物らしく、いつも1人でぶつぶつと何やら話している、危険極まりない人物なんて信用出来ないと思っていた。
当日件の人物が現れたのだが、その肉体に驚いた。もはや丸太なのではないかと、そう目を疑う程の筋肉を持った人物だ。とてもじゃないが、ぶつぶつ何かを呟いている人物には見えない。むしろボディーを強調する仕事の方が、向いているんじゃないか?
そう思ったが、話を始めたら凄い人だ。今のMAの何処が悪くて、どう操縦し辛いのか改良したい点や、アップグレードする場合の具体的な限界点を、全て教えてくれた。
後に付いてきていた秘書のような方には、余り良く伝わっていないようだが、彼はお構い無しにしゃべる。
そのうち話を終えて、準備にかかろうとしたので私はそこから離れた。
後はどうなるのか、胸のうちにはワクワクとしたものが涌き出ていた。
自分の機体が完成する間の訓練は、座学を中心に行われていたのだが、記憶の人の勉強している内容の方が、私が今教わっているものより、遥かに高度なものだったから話半分だった。
《…1ヶ月後》
一月の時間が流れるのは早いもので、どうやら私の機体が完成したらしい。
機体形状に大きな差違は無いが、どうやらOSや内部を弄ったらしい。
リミッターを外したと言われた。通常のパイロットでは扱いきれない、敏捷性と耐久性を上昇させた分人体にかかるGが凄まじいものになるらしく、私の肉体を心配していたが、そんなもの今更だろう。
それと、ある技術を導入したと言われた。どうやら脳波コントロールを更に容易にするために、幾つか導入したと言われた。メンテナンスは自分でするように言われた、渋々受け取ったがこれでガンバレルはより素直に動いてくれるのだろうか?
最後、別れの時握手をしたその時だ周囲の景色が一変し宇宙を模した空間にあった。彼はそれに気がついていないのか、何の気なしに去っていった。
彼は間違いなくNTなのだろうが、自分でそれに気が付いていない、変人と言われるわけだ。
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