東方孤傀劇/~Noキミョン?Noウドンゲ?Yesうどみょん! 作:因田司
かなり短くなっています。
原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見てくださると、幸いです。
それでは、ゆっくりしていってね♪
REISEN
~無名の丘
「…………うどんさん……」
「はい…………」
「……どうなっていますか、私?」
「判りません………」
私達は今、木から二本の紐に吊るされた、不思議な一枚の板に乗って
其処から夕陽を見ていた。
此処は、幻想郷の僻地といわれる『無名の丘』。
沢山の鈴蘭が咲き誇り、丘の一番高い処には一本の大きな木が植わっている。
私達は、其の木の太い枝に板を吊るして座っていたのだ。
近くにある妖怪の山よりは低く長時間居座ると危険そうだが、幻想郷を見渡せる絶景だった。
私は過去に花の異変の際に二回、内一回は師匠と共に此処を訪れた事がある。
そしてどちらも此処で毒を自在に操る人形と遭遇した。
でも今回私達が訪れた時には、其の姿は見当たらなかった。
座っている私の膝元で、リリーホワイトが座っていた。眠っている。
春減少による暴走の最中での邂逅、長時間の移動、リリーブラック達の襲撃……
私達と出会ってから今日一日大変だったからね……
私はリリーホワイトさんを見下ろし、隣に座っているみょんさんに視線を移した。
みょんさんの全身に黄色い糸が体にくっつかない距離を保ちながら、纏わりついていた。
まるで黄色い包帯で全身をグルグル巻きにされている様だった。
其の後ろ……みょんさんの背中に当たる部分から背中の部分から五つの糸が伸びていた。
私は其を目で辿る。
やがて其の先端は巨大な五つの目玉に繋がっていて、私達を背後から見ている事が判った。
怖くなって視線を前に戻す。
するとみょんさんの口に当たる部分の糸が口の様に動いた。
「二人乗り……だけど……私……気にしてない……」
みょんさんではなく、糸が喋ったものに間違い無い。
中からみょんさんが泣きそうな声を出す。
声が聞き取りにくかった。
「やっぱり、変ですよ……此…」
「……大丈夫……口……塞いでない……息……出来る」
「いえ…みょんさんが言ってるのはそういう事では………えっと……」
「ユウゲン……マガン……」
「!!そ、そうでした……ユウゲンマガンさん……どうして……
身体に纏わりつくので…しょう…か…?」
「二人しか乗れない……私……乗れない……此で……乗った感じ……体験……」
…確かに、此の身体は便利かもしれない、けど……
「……其に……ズレてる……主旨」
「!そ、そうでした……!」
すっかり忘れていた。みょんさんが尋ねた。
「…頼みとは何ですか?」
するとユウゲンマガンさんは黙った。
そして前を向いたまま言った。
「最近……目玉……暴れている……」
「!!」
彼女が誰を言おうとしているかはすぐに判った。
「マリス……」
「!マリス……そう……怨恨……アリスの……地上で……話題の……」
首を此方に曲げずに喋った。
多分、中のみょんさんへの懸念が原因だろう。
「アリスさんは、魔界人だという事を知ってるんですね?」
「知っている……旅立った……人間界に……復讐に……」
アリスさんが魔界を出て行った事は、魔界の間でも相当浸透しているらしい。
もしくは神綺さんが言いふらしたのかも知れない。あの性格だったら……やりかねないかも。
「魔界……風評被害……絶えなくなる……復讐……意味ない……ますます悪化……」
するとみょんさんの身体から黄色い束が離れ、私達の目の前で再び少女の形となった。
私達の後ろにいた五つの目玉も、いつの間にか形をとった彼女の後ろに来ていた。
「……魔界……友好的……魔界……人間界……襲わない……
興味があるから……楽しいから……」
何だか……魔界人が無理をしてでも、此方に来た理由が判った気がした。
「彼女……阻止して……誤解……解いてほしい……
神綺様に……援護……引率……要請する……魔界……協力する……」
「判りました。御任せ下さい!」
みょんさんが言った。
何処までも真っ直ぐな目で、ユウゲンマガンさんを見ながら。
私も頷いた。
魔界のみなさんの為にも、アリスさんは何としても止めなくてはいけません!
ユウゲンマガンさんは笑ったかのように見えた。
その瞬間、少女の形が崩れ、五本の糸となって其々の目玉の後ろの部分に収納されていった。
「!!……」
そして、完全に糸が見えなくなった瞬間、
「しゅーくほー」
ブァッコーーーーーン!!!!!!!!!!!
突然目玉が全て上を向いたかと思うと、黄色と紫色の極太のレーザーを発射した。
「!!???」
完全に不意を突かれて肝を潰された私達の前で、夕焼け空に五本の柱が立った。
そして此方を向き、再び目玉達が私達を見た。
「カップル……御二方……頑張って……魔界……貴方達も……援護する……
ついでに……皆に……知らせる……」
ユウゲンマガンさんの声が聞こえる。
「赤飯……準備……準備……」
そして五つの目玉は振り返り、夕方の空を一丸となって飛んで行った。
…………!!!???
「「お願い!!其だけは知らせないで下さぁぁーーーーーーーい!!!!!!!!!!!」」
私達以外誰もいない丘に私達二人の叫び声だけが響いていった。
でも、後の祭になっていた事は言うまでもなかった。
夕陽のはるか上、暗くなったいた空に明るい五つ星が浮かんでいた。
如何でしたか?
ユウゲンマガンから依頼を受け、援助(御衛?)も来てくれるようになったのは
良かったものの、あらぬ勘違いのせいで大変恥ずかしい展開になりそうな気が……
そして今回、リリーホワイトが完全に空気になっていましたね。
次回からも恋色を強くしながら御送り出来たらなと思います。
それでは、次回もゆっくりしていってね♪