東方孤傀劇/~Noキミョン?Noウドンゲ?Yesうどみょん! 作:因田司
出来る限り普段どおりのペースに戻していこうと頑張りますので、宜しくお願いします。
今回からは、二編に分かれて此からの出来事を御送り致します。
まずは前編です。
原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。
それでは、ゆっくりしていってね♪
YOUMU
~???
頬に感じるひんやりとした地の感触に、私は目を開けた。
「~~~~…………」
どうやらうつ伏せに寝ていたらしい。
ゆっくりと地面に手を突き、身体を起こす。
「お目覚めかしら……幻想郷のオスカルさん?」
だが声が聞こえ、一変して弾かれる様に立ち上がり、其の出所を探す私。
其は上空から聞こえていた。
「!青娥さん!!」
気持ちが悪い程にニヤニヤしている。そして其の隣には……
「!!うどんさん!!リリーホワイトさん!!」
まるで鳥籠の様な浮遊物の中にうどんさん達が閉じ込められていた。
「此は……何のつもりですか!!」
「そう怒らない。其より此処は何処だか、判るかしら?」
そう言われて初めて周りを見渡した。暗い洞窟の中の様だが……
だが私は此処が何処なのかに気付いた。
「『神霊廟』……!!」
命蓮寺の地下に存在する『夢殿大祀廟』の内部に在り、かつて私達が解決に挑んだ
神霊異変の黒幕、豊聡耳神子さんが祀られ、彼女との決戦の場ともなった場所だった。
……後に、あの異変は青娥さんが本当の黒幕だった事が判ったが。
今は廃墟と化し、一般人でも立ち入れる様になっていたが、
最終的には野良妖怪の溜まり場になったと聞いている。
おそらく、壁抜けを利用して侵入し、私達を連れてきたに違いない。
すぐに剣を抜こうと背中に手を伸ばしたが、
「!剣が……!?」
其処には剣が二本とも無く、鞘も無くなっていた。
「お探しの物は此で……?」
青娥さんが私の方に出した其の手には二本の剣が握られていた。
気絶している間に盗られたのか……!
「……貴方達は生温いのよ……」
私の剣……あの長さから楼観剣の方を抜き、眺めながら青娥さんは話し始めた。
「さっき私言いましたよね……『私にも貴方達みたいな時代があった』って……
私にも恋愛経験があるのよ」
!?……何と……??
「あの時代はかなり壮絶だったのよ…?其に比べて今は……」
そうか……青娥さんが見たいのは……
「私達の親愛度を……?」
「そう。だから、貴方が此の娘の間にはどれ程のモノをあるのか、訓練してあげるって訳」
そして剣を鞘に収めた。
「ありがたく思いなさいよ?」
何がだ……内心では、暇潰し程度にしか考えていないのは見え見えなんだぞ……
「さぁ、私の可愛~い部下が相手よ!」
「!!……」
ふと、前に視線を戻すと、
「くんれんじゃ~~~!!くぅんれんん~~~~!!!!」
青娥さんの配下のキョンシー、宮古芳香さんが立っていた。
今判った。芳香さんが活動していた理由は、此の為の準備だったんだな……?
「……良いでしょう……うどんさんは必ず助け出します!」
其処で致命的なミスに気付き、慌てて修正する。
「!リ、リリーホワイトさんも……助け出します!!」
YOUMU
VS〈忠実な死体〉宮古芳香
〈壁抜けの邪仙〉霍青娥
~夢殿大祀廟内 神霊廟
「カァアァァ!!!!!」
芳香さんがいきなり口を開けて飛びかかって来た。
私はジャンプし、其の頭を踏みつけた。
「!?おぉ……!」
其のまま踏み台にして大きくジャンプする。
離れた場所に着地し、素早く振り向く。
芳香さんは頭を踏まれた衝撃で、つんのめっていた。
其処を素早く近付き、其の背中にタックルをかました。
が、ビクともせず逆に私の肩に痛みを感じた。
此ではただ敵に居場所を漏らしただけになってしまっている……!
すぐにバックステップで距離をとる。
間一髪、私のタックルに気付いた芳香さんが、振り向きざまに爪で薙ぎ払っていた。
白楼剣と楼観剣が無い今、私には半霊による弾幕しか攻撃手段が無い。
しかし、あれはあくまでも斬撃に繋げる為の牽制用であり、其の威力は低い……
ましてや、痛みや怯みを知らないキョンシー相手ではほとんど効果をなさないだろう。
だからといって操っている青娥さんを狙おうにも、うどんさん達がいる。
盾にされる可能性も高く、うかつには手を出せなかった。
「芳香ちゃん!毒爪『ゾンビクロー』よ!!」
すると青娥さんの命令を聞いた芳香さんは両手をあげた。
其の両手の先がみるみるうちに紫と赤色に染まった。
先程テレビに出ていた、あのテロップと同じ色だった。
「か~~~くごしろ~~~!!!!!」
芳香さんは其の両手を交互に振りながら近付いてきた。
私はバック転の連続で後ろに下がりながら、次々に其をかわしていく。
壁まで辿り付くと、勢いを付けたまま空中で足を付けた。
前を見ると芳香さんが両手を同時に振り下ろしてくるのが判った。
思いっきり壁を蹴って頭上を飛び、縦に回転しながら敵の後ろに着地した。
「!?どこだぁ~~~~!!???」
後ろにいて状況が判らないが、多分急に視界から消えて戸惑ってるに違いない。
私は其のまま振り向きながら低い姿勢で足払いを放った。
「!?おぉおぉ~~~!???」
脚は見事に芳香さんの両足をすくい、横向きに倒した。
私は其処からジャンプし、着地と同時に拳を相手の脇腹に叩きつけた。
「!??~~~……」
痛い……そして堅い……やはりキョンシー相手に、肉弾戦は効かないか……
殴る際底になった小指をさすりながら後退する。
芳香さんはまるでつつかれたダルマの様に立ち上がり、此方に身体を向けた。
「ムムムゥ……!!」
私の動きに翻弄され、自分の攻撃が当たらない事にイライラしている様だった。
すると、青娥さんが、
「……やはり芳香ちゃんだけでは物足りない様ね……じゃあ……」
そう言うと、右手を上げ、
「出番よ!出て来て頂戴!!」
其の瞬間、地面から大量の人が穴を掘り、這い出てきた。
「!?ヒィイ……!??」
私は悲鳴を上げてしまった。
どれも死体だったからだ。其も少なくとも百体……否、其以上はいるだろう。
「!みょんさん!!」
檻の中からうどんさんの声が聞こえた。
だが、此じゃあ……まるで勝ち目が無い……丸腰の私が物理の効かない、
おまけに苦手な屍達にどう対処しろと……!?
でも、此処でうどんさん達を諦める訳にはいかない…!!
其の瞬間、上から大量の剣が降り注ぎ、私とキョンシー達の間に刺さった。
「!?皆……止まるのよ!!」
突然の剣の柵の出現に、青娥さんが慌ててキョンシー達に制止を命じた。
其の命に従い、止まるキョンシーの軍団。
すると私の前に、一つの影が降り立った。其は……
「!夢子さん!!」
魔界の創造神、神綺さんの腹心ともいえるメイドさんだった。
「どうして…此処に……!?」
「ユウゲンマガンから話は聞きました。
神綺様より貴方達を援護するようにと命じられ、参りました」
上空にいる青娥さんを真っ直ぐ見据えながら答える夢子さん。
「……直に神綺様が大勢の魔界の者を連れ、此処に来られるでしょう」
心強い……魔界の住人達が、私達の援護に………
夢子さんは懐から二本剣を取り出し、周りにも数十本もの剣が漂い始めた。
ナイフを扱う咲夜さんと違い、夢子さんは剣を扱うのか……
其を見た私はすぐに彼女にある事を頼んだ。
「夢子さん……剣をどれか二本、貸してくれませんか?自前の剣が取られてしまって……」
「構いませんよ。どうぞ御取り下さいませ」
前方に走り、柵を形成していたうちの二本を引き抜いた。
そして夢子さんの元に戻り、其の剣の感触を確かめた。
此の重量感……剣にしてはなかなか上質なもので、初めて握る私からしても扱えない事はなかった。
其の様子を見ていた青娥さんが顔を歪めていた。
「まさか……貴方達、魔界を味方につけていたのね……
邪魔が入った様だけど……まだ試練は終わっていませんわ……」
そして片手を上げ、叫びながら私達の方に振り下ろした。
「さぁ、行きなさい!!」
其を合図に制止していたキョンシー達が、一斉に雄たけびを上げた。
私達も剣を構える。
「行きましょう、妖夢さん!」
「ええ!」
待ってて下さい……うどんさん……!!
私達は剣の柵を倒し、押し寄せる屍の群れに走って行った。
如何でしたか?
…正直なところ、肉弾戦を使う妖夢も悪くないと思います、はい。
娘々は一応妖夢達の為に試練を課している様ですが、逆に魔界人の介入で大事に発展しそうな予感です。
次回は妖夢がそんな夢子さんと一緒に鈴仙達を救い出す為に戦います。
それでは、次回もゆっくりしていってね♪