東方孤傀劇/~Noキミョン?Noウドンゲ?Yesうどみょん!   作:因田司

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今回は、一話ぶりに復活のあの人…妖精が主役です。

相も変わらず大暴走します。
見る人によっては少々ヤバそうな表現が
ありますが御了承下さい。

原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見てくださると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪



黒は、黒で、黒なりに…

LILY BLACK

~影の森 黄昏の沼地下

 

 

「あぁ~~あ……」

 

 

テーブルに立つ「パソコン」の前に置かれた一冊の本。

椅子の上から其の本を読みながら、私は溜息をついていた。

 

 

怯える兎マリスにより

リリーホワイトが混じってた連中から離れた後、

たまたま近くにあった一か所の隠れ家に、私はマリスを案内した。

 

因みに、魔法の森の外れにある此の辺りの森は、

既にマリス達が木々を含む、全ての生物を完全に浸食し尽くしたらしく、

「影の森」と呼ばれ、誰も近寄らない場所になっていた。

 

其処にある「黄昏の沼」のほとりに地下の隠れ家に続く入り口がある。

 

!おっと、隠れ家は此処だけじゃないぞ?

幻想郷の各地に、私の隠れ家は存在するからな!?

 

 

……にしても、あれだけ乱雑に羽を引っ張ってくれるとは……

途中、いろんな意味で危なかったぞ、ありゃ……

 

 

そんな私の後ろからは擬態を解き、分裂して新たに三月精に擬態した

三体のマリスが、一緒に私の見ていた本を読んでいた。

 

タイトルは『幻想郷縁起』。

転生を繰り返し、今は九代目になったという稗田のガキが編纂したという代物だ。

 

 

「……俺も危険度『極高』になりたいけどなぁ……」

 

 

今私は花の妖怪、風見幽香のページを見ていた……ていうか、

いつも其処しか見てなかった。

 

其処に載っていた危険度『極高』の二文字は私の何よりの憧れなんだよな……

人間友好度『最悪』は私も同じようなものだったから良いけど。

 

同時に花の異変の時、彼女と対峙した時も思い出していた。

 

出現出来たと思えば襲ってくる、避けようのない弾幕の雨あられ……

「いとも容易く行われるエゲつない行為」とはまさにあの事だと思う。

 

 

「……なあ、どうしたら『極高』になれると思う?」

 

 

試しにマリス達に聞いてみる。

 

コイツ等は人間も襲うし、其の姿を利用して二次災害も引き起こせる。

『極高』くらい行ってもおかしくはない筈だ。

……普通のアリスより、危険じゃねえか?

 

すると、サニーミルクに擬態したマリスが、

 

 

「……逆ニ其ノ姿デイル理由ガ知リタイワ?」

 

 

顔の右からこんな質問をかけてきた。

 

 

確かに今、私の姿は周りを取り囲む三匹の妖精マリスよりずっと大きかった。

恐らく人間の大人の女性くらいの大きさはあるだろう。

コイツ等いわく、博麗の小娘よりも大きいと言ってるが。

 

其に黒い角縁の眼鏡も掛けている。

イカすだろう?ひと昔に流行ってたリケジョって雰囲気だ。

…白衣は何故か嫌だったから着てないが。

 

 

「私は、自分のアジト内では此の姿の方が落ち着くんだ。

口出しはしないでほしいがな……」

 

「ダカラ、ドウシテ其ノ姿ニナレタノカガ気ニナルノヨ!」

 

 

今度は左からルナチャイルドに擬態したマリスが

問い詰めてきた。…ったく、クリみたいな口しやがって……

 

 

「此はクスリの影響だ。アジトに入ると必ず服用してる」

 

「?アンタ妖精デショ?其ノ姿二ナル理由ッテアルノ?」

 

 

いちいち質問が多いな………

 

思い切って俺はカミングアウトをしてみる。

 

 

「…私は自分の身体が小さいのが一種のコンプレックスになってんだ」

 

「?ドウシテヨ?」

 

「前までな、よく里でうろついてる人間のガキ共に

『チビ、チビィ!!』って馬鹿にされてたんだよ。

買い物に行く時なんかしょっちゅうだぜ?アレはムカついたな……

『てめえ等の方もチビのくせに、よくそんな口が叩けるなぁ!!!』

って怒鳴ったらよ。ピーピー泣いちまって、親バカ共にボコられる始末だ」

 

「……其ハ、自業自得ヨ」

 

 

私の頭の上からスターサファイアに擬態したマリスが

冷たく言い放ちやがった。

 

 

「五月蠅えな…どうでも良いだろ……

てか、もともとお前らには関係の無い話だろうが」

 

「何デ屋外デハ服用シナイノ?」

 

「こんな姿だと目立つし、やってる事にも目を付けられやすくなる。

俺は隠密派なんでな……外では私情を殺してるってわけよ」

 

「……色々大変ナノネ、アンタモ」

 

 

!同情か?……少し嬉しいかも……

 

 

「デモ大丈夫……扁平……其モステータスダカラ……」

 

「……ひじきのりにしてやろうか、てめえ等?」

 

 

…いきなり何でそっちに話を移すんだ?

よりによって一番気にしてたところを……こうもあっさりとド真ん中を……

 

 

そう、クスリを利用してアジト内のみ毎回身体大きくしてるのは良いものの、

何故か胸だけはそのままだった。絶壁そのものだった。

 

はぁ……どうしてこう……全体には作用されないんだろうか……

身体を見下ろして、もう一度溜息をついた。

 

 

そして目を本、そして「パソコン」の画面に移す。

 

画面にはさっき目標達に近付いていた、銀髪の女性の顔写真があった。

 

 

(……神綺、ねぇ……?)

 

 

情報によるとコイツは此の幻想郷とは違う世界、「魔界」を創造したボスらしい。

 

そして驚いたのは、其処の住人達……生命体も創り、

其の中には、コイツ等の本体であるアリスも入っている事だった。

だから、アイツには逆らえないのか……納得した。

 

見ていた画面から、妖精マリス達に目を移した。

私が持つ『幻想郷縁起』の幽香のページから先のページへめくらせようと頑張っている。

 

 

……コイツ等は何もないところから創られた生命体の、感情が具現化したモノに過ぎないのか……

自分が創ったヤツの復讐心が、一つの世界に滅亡をもたらしてるとなると、

どう思うだろうな………悲しむだろうな………俺には関係ねぇけど。

 

 

ぼんやりそう思いながら画面に目を戻し、「マウス」を使って画面を「スクロール」させる。

となると…創られた魔界人はまだいる筈だが……

 

 

すると一瞬体が震えた。此は……

 

 

「?ドウシタノヨ?」

 

「!マサカ…副作用ガアル訳…!?」

 

「……違ぇよ、トイレだ」

 

 

私は『幻想郷縁起』を閉じて立ち上がった。

 

傍にあったトイレの扉を開けて、入り、そして閉めた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、見せかけてもう一度開く。

 

 

「いろんなものを下手にいじるなよ!!?

特に其処の棚の中は絶対にな!!」

 

 

そうして扉を閉め、鍵をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

案の定だ……やっぱりこうなると思った。

 

 

私がトイレから出てきて真っ先に目に飛び込んだのは、

目の前で不完全に融合し、化け物状態になった三月精マリスの姿だった。

私の足元にはかなり大きめの瓶が、割れてはいないが転がっている。

 

 

『ヂョッドォオォオ……ドウナッデルノオォオォ……!!??』

 

 

三匹の声が不協和音になってる……背筋が凍りそうだ。

 

 

「言わんこっちゃねぇ…悪戯も大概にしろよ……擬態すると思考まで同じになるのか…?

まぁ、幸い薬同士調合するまではしてねえみたいだが……」

 

 

かがんで足元の瓶を拾い上げる。

 

 

「コイツは……『融化剤』だな。溶けにくい薬同士を互いに溶け易くするもんだが、

重くて持てず、他のヤツに引っかけたんだろう?

んで、拭こうとしてくっつき、マリスが誤って溶けだし、其の様になった……

……やる事が単純なんだよ、妖精風情は…」

 

『!!妖精ハ、アンタデジョウガァアァ……!!!』

 

「俺を他の妖精と一緒にするな。

しばらくしたら元に戻る筈から、其のままでいろ……反省するついでにな」

 

 

背を向けた。まったくガキも……妖精も嫌いだ。

 

 

「はぁ……コイツ、結構重要なのに……

また失敬し直さなきゃいけねえじゃねえか……畜生…!」

 

 

悪態をつきながらさっきの「パソコン」がある机に向かった。

其の上に空瓶を置く。

 

 

すると、

 

 

 

 

「フフフ……フフフフフフフフ……」

 

「?どうした、そんなに笑って……そんなに自分がやらかした事が可笑しいか?

それとも自分の姿にか?

まぁ、融合に失敗したお前等は可笑しいどころか、逆にキモいが……」

 

 

そう言いながら振り返ってみた。

 

三月精の様な化け物マリスは消えていた。

だが、かわりに一人の妖怪が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風見幽香が…………立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔には本で見続けていた、あの笑顔があった。

本で持っていた、純白の傘をたたんで持っていた。

 

 

「!!!」

 

 

面喰ってしまった。な…何で此処に!!?

思わず「アイエェ(ry」と叫びたくなるが、流石に抑える。

 

!だが待てよ?……!此処にいるっていう事は……!!

 

 

「ま、まさか……幽香まで……やったのは本当だったのか…!?

私は……てっきりガセネタかと……!!」

 

「!私ハアイツヲ知ッテタノヨ?ズゥ…ット昔カラネ?

サテ……悪口ニツイテ、何カ言ッテオキタイ事ハアルカシラ?」

 

 

シャキィィーン……!!!!!

 

 

突然幽香マリスの持っていた傘の先端から、ドス黒い鎌の刃が飛び出した。

其の根元には、向日葵の花びらを纏った大きな目玉があった。

 

やべぇ……狩られちまう……!

 

!まさか…さっきの「融化」と幽香、掛け合わせてるつもりじゃねえよな…?

ヘヘ……こりゃぁ座布団どころの騒ぎじゃねえぞ…!?

 

 

!?~ま、まま待った……傘の持ち方……バットみたいになってる……!

まるでリサイタルに来なかった……眼鏡をしばくガキ大将じゃねえか……!!

 

 

!!そうだ……!

 

 

「お、おい!……大人の女性を襲うつもりかよ……?

幽香に…流石にそんな事をさせるつもりは……?」

 

 

よし……殺し文句だ……!

 

いくら幽香に擬態したとはいえ、此を言えば、

ヤヴァい事を行えなくなる筈……!

 

 

ところが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「…此デ逆ニ喜ンデ下サル方モイラッシャルノヨ?」

 

 

…まさにブーメランだった。

 

 

「其ニ私ハ…コイツトハ屈辱的ナ思イ出シカナイノヨ?ストーカーサレタノヨ?幽香ニ…!」

 

 

~~こうなったら使いたくはなかったが……最後の手段か……!

 

 

 

「~~だ、だからって……他人にそんなことをするの?暴力はいけないワ!!

お願いよぉ……そんな事しちゃダメェ………!」

 

「…色気ヲ使ッテモ無駄。所詮アンタハ妖精ナノヨ」

 

 

~~~……黒すぎる笑顔が言葉の追い打ちをかける……!

 

 

 

あぁあ……もう、ダメかも……

 

 

「~~なら…せめて……モザイク不必要な程度にしてね……優しくしてね……ね?」

 

「!ソウネ…ジャァ……マズハ…貴方ノ服ヲォ……」

 

 

 

 

 

「ッテ、スルカァアァアアァァアァアァァアァァアアーーーー!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

ズッピチュウゥゥウピチュゥゥピチュピチュピチュゥゥゥゥンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……マ、此処マデニシテアゲルワ……

此以上バラバラニスルト、イクラ妖精デモ再生シ辛イデショ?」

 

「ありがとうございますっっっ!!!!!」

 

 

……ヤベェ……新境地「ユウリリ」……誕生しそうだった………

まぁ、其もアリっちゃあ、アリだったかも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでよ……奴等をきちんとマークしてるんだろうな?」

 

 

数分後、再生した身体を触って確かめながら、私は幽香マリスに訪ねていた。

 

 

「!勿論ヨ、偵察用ノ『私』達ヲ配備シテオイタワ」

 

 

薄く開けた瞼の下から、普段覗かない筈の青色の瞳が俺を見る。

うへぇ……瞳は違うが何度見ても迫力は変わらねぇな……

 

 

「…流石……私の後輩だな……」

 

「勝手ニ決メナイデヨ」

 

「で、ソイツ等は今何をしてる?」

 

「………………」

 

 

顔をしかめてる。何があったんだ?

 

 

「……森ノ出口デハグヲシテル」

 

 

当然驚かなかった。あの後、異世界のお偉いさんと謁見でもしたんだろう。

怯えたカップルは終わった後、そうすると踏んでいた。所謂「吊り橋効果」ってヤツの影響だな。

!もしかして、謁見の途中にもしてたか?

 

だが其より気になる事は……

 

 

「……リリーホワイトはどうしてる?」

 

「何モシテナイワ……只…羽ヲ伸バシテルワネ」

 

 

だと思ったよ……俺はウンザリした。

 

あの脳無しめ…春告精と言われながら、春というもの全てを理解しきれてねえんだ…

だからそういう場面にあったらろくに対応すら出来ない。

 

せめて、演出ぐらいしてやれよ……同じ春告精として嘆かわしいったらありゃしない。

……其の雰囲気をブチ壊すのが俺の趣向だけど。

 

 

「なら、ラブラブ全開のところにお邪魔するとするか……

そろそろ薬が切れる頃だし……直行するぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、紫色に染まった森から小さくなった私と

一匹の大きなハエマリスが飛び立った。

 

あの最後の手段を使うなら、マリス達の情報だけじゃ足りねえ。

奴等の特徴をもっと知る必要がある……其の為には、奴等に接近する事も必要だ。

 

知らない間に、私は口の端で笑っていた。

 

 

…本当に久々だが…勉強するついでに教えてやるとしようか……

 

 

 

「お前達の春は……絶対に栄えないとな……!!」

 

 

 

 




如何でしたか?

リリーブラックのアジトの存在と其処での生活を明かしてみました。
他に何かあるようですが、其は後に紹介する予定です。

そして大☆大☆大☆大暴走でした。
一話出ていない分、溜まりに溜まってたんでしょうね…

次回から、うどみょん達にいつもどおり、
嫌がらせを始めると思います。


そして次回は、リリーブラック達が直接うどみょん達に挑戦します。
此処では珍しく、まともな戦闘シーンになる……予定です。

それでは、次回もゆっくりしていってね♪
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