ぐらんぶる〜もう1人の少年を添えて〜   作:夢見969

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お気に入り1000件ありがとうございます!
って言いたかったんですけど1100を超えてまして?顔になりました969です。
あとランキングもチラ見したとき1番上にいた様な…まさかねぇ?

今回は難産でした…

自分語りします。 数年前工業生だった969はとある試験をやった際友人とふざけて股間では無いものの試験片無しでやった為、減速なしのハンマーで臀部を強打しました。 めっちゃ痛いので真似しないでくださいね。


准教授

理系学部でキツいこと。

それは授業でも実技でもテストでもなくレポート。

題材を理解し、資料を探し的確に読み取りレポートを作成する。その苦労たるや授業の比ではない。らしい。

 

らしいと言うのは伊織談の事だったのでまたバカの妄言かと若干思っていたのだが…

今、右代宮准教授の所に研究棟の使用許可を取りに行こうと部屋へと寄ったのだがそこには爆睡している准教授と死んだ顔をしながらレポートを読み上げていた伊織を目の当たりにした。

 

「お前達に非がある。相手が寝てしまう程、退屈な発表をした自分たちを恥じたまえ。 そもそもプレゼンテーションの本質とは洗練された美しさにこそあるものだ」

 

「あの准教授。鍵を借りたいんですけど」

 

「次期教授だ。 おっと桐ヶ谷か。 いつもの掃除までご苦労だな。 利用者は使用前よりも美しくを心掛けていて中々見所がある。 お前の爪の垢を煎じてコイツらに飲ませた方がいいんじゃないか?」

 

はっはっはー! と高笑いしながら部屋を出ていく准教授を見送り伊織たちも覚束無い足取りで食堂へと向かった。 そういえばそろそろ昼か、俺も一緒に食べに行こうと連中の後をついていきプレートを受け取ってそこそこ離れた位置に腰をかけると連中は頭を抱えて…

 

「腸が煮えくり返る!!!!!!」

 

また馬鹿なことになりそうだ。

 

「なぁ、和人ぉ! ムカつかねーかあの態度!!」

 

「いや俺は別に?」

 

「けっ! 仲間意識がねぇやつだ!」

 

「これだから優等生はよ!!」

 

「………いや、普段真面目にやってないのにいい評価をもらおうとするのが間違いなんじゃ」

 

「「「「「…!!?」」」」」

 

伊織達の批難がピタリと止まりこちらに詰め寄らんとしていた彼らは腰を下ろし頭を抱える。

 

「違うんだよ。 確かに俺達もカンペや代返ばかりやって真面目にやってないし、レポートも過去の写しだったりなんだってするさ!」

 

それが悪いのではないか。

 

「でも言われた通り期限には発表をしたんだ! 」

 

「そうだ! 可をくれ! できれば優良!」

 

クズ共が。

 

「そもそもあの准教授の講義自体がクソつまらねぇ退屈なモノだろ!」

 

「…そうだあのオッサン言ったよな「退屈な発表をする方が悪い」って」

 

「あぁそうだな…?」

 

「上等じゃねぇか…誰に喧嘩を売ったのか教えてやる」

 

にやぁ…と邪悪な笑みを浮かべる伊織。

この面をする時は大抵良くないことが起きる。相手にも自分にもだが。

 

「和人も次のアイツの講義受けに来いよ。 好きに受けていいって言われてるんだろ? 俺たちが退屈しない面白いものにしてやるから」

 

「……」

 

あとで直葉に栞ちゃんの連絡先を教えてもらって報告しておいてあげようと思いながら、とりあえず飯を食い終えて右代宮准教授の講義に出るため移動する。

教室に入るなり奴らは何かを用意し始めたので一番後ろの席から精々眺めさせてもらうかと腰を下ろしノートを開く…まぁ、准教授も伊織たちも腐っても理系の人間たちだし、ここは大学なので少なくとも勉強にはなると和人は考えたのだがやはりそれは常識人の考え。 馬鹿共の行動はそれを遥かに上回った。

 

「よし、遅刻欠席はいないな。 それに桐ヶ谷まで参加とは次期教授候補筆頭の私の講義が余程有意義という事が証明されてしまった。 一分一秒噛み締めて受けたまえ」

 

准教授がホワイトボードに向かいペンを抜いた瞬間、教室の至る所からガサゴソ…とバカどもが動き始めた。あれは…飲み物と菓子か。

 

「誰だ! 飲食しているのは!!」

 

一人一人に圧をかけるようにお前か?と問い掛けるが皆口を揃えて違うと否定する。…これってもしやあのバカ達だけじゃなくてここにいる全員が共犯者なのか!?

 

「講義中の飲食は禁止ッ!! 常識、だぞ」

 

講義を続けながら水を飲んでいた生徒からペットボトルを押収し教本を読んでいく准教授に対して伊織がついに動く。

 

プシュッ

 

「だから水を飲むなと言っている!!」

 

「え? 誤解です先生…」

 

ドンッ!!☆

 

アサヒスーパー〇ライ (500ml)

 

「決して()は飲んでません」

 

「「ビールはないだろう!?」」

 

「和人、俺達にとってビールはなんだ? そう、身体を流れる血液だ」

 

「何も上手いこと言えてないし肯定しないからな!?」

 

「そんな事より講義の続きをお願いします。余計な時間を使わないで下さい」

 

「桐ヶ谷も五月蝿いぞ」

 

ついついツッコンでしまった和人を放って野島と藤原は淡々と言い放つ。心の底からムカつくなコイツら…!?

馬鹿どもに促されて仕方なく講義を続け始めた准教授。 まぁ、確かに淡々と進んでるだけあって淡白、退屈な印象も受けるが得てして勉強とはそんなものだと思う和人。 ノートを取りながら前の方を見るとサンドイッチを頬張っている奴がいたのだが当然、飲食禁止のくだりをやったのだからバレた。

 

「飲食禁止と言っただろうが…!」

 

「俺だけじゃないっすよ」

 

凄まじい速度で隠す馬鹿どもに対してそれを上回る反応速度で隠して来たモノを暴く准教授。

時折思うんだがここの人達は人間を辞め過ぎじゃないだろうか。

奴らが食べていたのはカ〇リーメイトやコンビニ弁当にホットプレートでの焼肉。

 

 

 

ホットプレートでの焼肉!?

 

 

「焼肉はおかしいよなぁ!!?」

 

「なんの事ですか」

 

「偶然カバンに入っていただけですよ」

 

「偶然でこんな物を持ち歩くか!!」

 

こればかりは准教授の方が正しいと思うのだが…とりあえず全員カバンの中身を出すことになったのだが和人のカバンからは改造の為に持ってきた通信用プローブ娘用だけで特に問題なし。 というか一応なんの問題も起こしていないし、大学側からしたら表立って戦死扱いをされているとはいえ防衛省肝入りの菊岡誠二郎が紹介して無理矢理ねじ込んできた和人の扱いには困っているのかもしれないが。

 

「流石は桐ヶ谷だな。よろしい」

 

各々、講義を受けに来た全員がバッグからものを取り出すと並べられたのは漫画雑誌にエロ本、AVなど…まぁ健全な男ならば持っててもおかしくないものだった。 もっともそれを大学に持ってくるか?と聞かれれば和人は部屋の中に隠しておくものだと答えるが。

 

それで最後に伊織のカバンから出てきたのは掃除機だ。

 

何故だ!!

 

「馬鹿だな和人。俺は気を使う真面目系男子だろ?」

 

「お前は気を許せない真面目にクズ系男子だが?」

 

そんな事を言う和人を無視して伊織は掃除機の電源を入れ、焼肉から出る煙の掃除機で吸って外に排気していた。なるほどそう使うのか。

バカだな。

 

「他の皆が煙たくないよう為の気遣いです」

 

「これぞ生徒の鑑」

 

そんな鏡叩き割ってしまえ。

 

「講義に関係ないものは没収する!」

 

「なっ!? 卑怯だぞ!」

 

「本当は自分が欲しいだけだろ!」

 

「口答えするなクズ学生共! 私の講義のルールは私が決める」

 

ギャーギャーと騒ぎ立てる生徒達をバカだなぁ…と眺めていると窓の外の方で千紗が手招きをしていたので騒ぎに乗じて教室を抜け出す。

まぁ元々出席してもいい…ぐらいのものだったので退席も自由、あんな騒ぎになってしまっている講義は立て直しが無理だと判断しての事だ。

 

「桐ヶ谷くん、あれなに?」

 

「俺もわからない。 伊織たちのことはそこそこ理解してたつもりだったんだが度し難い程のバカの考える事はさすがに理解出来なかった」

 

「はぁ…桐ヶ谷くんはこれからどうするの?」

 

「元々の予定通り研究棟の方へ行こうと思ってる。 千紗も来るか?」

 

「え、…うーん、行くかな。講義はあんなのだしお店に戻るのもアレだし」

 

少し悩む様子を見せた千紗だがすぐに了承し、二人揃って研究棟の一室へと向かう。今日は先輩たち来ていないようで少し物静かな感じだった。

千紗が横で見ている中、端末を立ち上げて先日先輩方の監修の元で組上げたプログラムを起動してみる。

 

「何してるの?」

 

「だいぶ前にAIの娘がいるって言ったの覚えてるか?」

 

「買い物してる時に言ってたね?」

 

「あぁ、その娘が一緒に海の中を楽しめるようにプローブを作ってるんだ。 アリスの時は完全に試作品だったからさ…と、来るぞ」

 

「え、来る?」

 

プログラムが起動すると端末の画面にユイがポンッと現れる。可愛らしい。

 

「パパ! こんにちはっ」

 

「こんにちは、ユイ。無事に移動出来たみたいで良かったよ」

 

「はいっ。 ところでそちらの女性の方は…? 浮気はダメですよパパ」

 

「違うからな!? 彼女は古手川千紗。俺が今お世話になっている所の娘で今は同級生…? って事になるかな」

 

「なるほど…チサさん。私はトップダウン型AIのユイです。 これからよろしくお願いしますね?」

 

「え、えっと…千紗です。 よ、ろしく?」

 

わたわたと身振り手振りしながら自己紹介する姿は普段の千紗からしてみれば珍しいものだ。AIというものに馴染みが無い所為もあるのだろうけど。

 

「チサさんから見てパパは普段どんな感じですか?」

 

「え? えーと………ふっ」

 

鼻で笑われた。

 

「おい千紗。娘の前だ嘘でもいいから褒めてくれよ」

 

「むしろ娘さんの前なら正々堂々としてるべきじゃないの?」

 

正論は人を傷つけるけど人を助けないって前になんかで聞いたな。

 

「それよりユイ。プローブの方のシステムは見た感じ大丈夫か?」

 

「はい。一通り確かめたところ問題は見つかりませんでした…あ、でも可動の際にラグが発生するみたいです」

 

と、まぁこんな具合にユイと千紗の手伝いも加わって三人でプローブやらプログラムやらの調整を始め、早一時間が経った頃に研究棟に先輩方が現れた。

 

「お、和人に千紗ちゃんか。珍しいな?」

 

「それに…そうかその娘がユイちゃんか」

 

「寿先輩、時田先輩! すみません借りてました」

 

「初めましてだなユイちゃん。 俺は寿竜次郎だ」

 

「俺は時田信治だ。 よろしく」

 

「この二人がプローブとユイ用のプログラムを組むの手伝ってくれたんだ」

 

「ありがとうございました。コトブキさん、トキタさん」

 

PCの前で腕を組み笑顔を見せる先輩にユイは行儀よく頭を下げてお礼を言う。

 

「なに、良いってことよ」

 

「可愛い後輩の可愛い娘の為に力を貸せたんだからな」

 

ユイが顔を上げて二人を見るとパンツ姿になっていた。

 

「…? パパ、大変です。 お二人の服がバグで消えてしまいました!」

 

「なるほどAI視点には衣服消失はバグになるんだね」

 

「千紗、感心しなくていいから。バグじゃないし」

 

バグってるのは頭の中だ。

 

「今は何をしていたんだ?」

 

「ユイが使うものですし一度本人にチェックを掛けてもらおうと思いまして」

 

「これを使えば私もパパと一緒に海に潜れると聞いて張り切りましたっ」

 

海と聞いた瞬間千紗がバッグからダイビング雑誌を取り出してユイに読み聞かせを始める様を見て彼女も彼女で常人とは少し違う気がするのだが言ったら怒りそうだし止めておく。

 

「可愛らしい娘じゃないか」

 

「そうでしょう」

 

「はっはっはっ、親バカときたもんだ」

 

この後、どこから嗅ぎ付けたのか耕平が乗り込んできてそれを叩き潰すのに苦労したのは語る必要のない些事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、なんで俺はまた准教授の実習を受けに来てるんだ」

 

また別の日の事である。伊織と耕平に連れられて何だかんだと実技を受けさせれている和人。

 

「この前逃げただろ。あの後急にテストを受けさせられたんだからな」

 

「お前達が騒ぎを起こしたからだろ」

 

「本日はシャルピー衝撃試験を行う。この試験は位置エネルギーの差異から物体の破壊に用いたエネルギーを算出するというものだ。ハンマーを振り落とし試験片に衝突させ、その後振りあがった高さを測定する」

 

えらく単純な実験だな。

 

「計算式も単純だし」

 

「今回はレポートも単純だろ」

 

うだうだとだらけながら言うクズ共を他所に試験の準備をしていると准教授が何やら連中に声をかけていた。

 

「この程度の実験でミスはしないと」

 

「「「「勿論です」」」」

 

「ならばこれを使え」

 

准教授がクッションを山本の股間部に取り付け、鎖でシャルピー衝撃試験機の前に拘束する。 試験片を破壊したハンマーは山本の男の尊厳すら砕いてみせるだろう。

 

「それでも人間か!?」

 

「芸人でさえもう少し優しいもの使うぞ!?」

 

「ハッハッハっ別によかろう? 全員、股間(ソレ)を使う機会がある訳でもないし」

 

「「「喧嘩売ってんのかァゴラァ!!」」」

 

「試験回数は5回。一度でも試験片を破壊出来なければ単位は与えんからな」

 

高笑いをしてその場を去る准教授に皆呪詛を唱えながら睨み付ける。

しかし5回か…5回?

伊織、耕平、和人、山本、野島。五人。

 

死ぬ訳にはいかない。

 

「じゃあ準備できている山本からいこうぜ」

 

「そうだな」

 

「待て待て桐ヶ谷もなんでそんなに乗り気なんだお前!? 俺よりも現実の女に興味が無い今村にするべきだろ!!」

 

「む、一理ある」

 

いや女性に見境のない山本(クズ)が先だと思う。

 

「いいか、俺の股間は大事なんだ。 俺をお兄ちゃんと慕う女子中学生の為に」

 

「「よし、コイツからにしよう」」

 

犯罪者を無くすためには犯罪を起こす前に始末するのが一番だ。

 

「やめろお前ら! だいたい俺よりも北原と桐ヶ谷には彼…うぐぅ!?」

 

余計なことを口走ろうとした耕平の鳩尾と首に二人で拳を打ち込み少しの間眠ってもらう事にした。

 

「さて耕平も同意した事だし」

 

「実験するか」

 

「なんという卑劣クソ野郎共…」

 

耕平の両手両足に枷を嵌めて絶対に逃げれないように固定する。

これで準備は完了だな。

 

「はっ!? 放せお前ら!!」

 

「ちっ、目が覚めたか!」

 

「実験の準備を急げ!!」

 

ハンマー準備、測定準備!

 

ヨシっ!

 

「よしっ! 実験開始!!」

 

「やめろぉぉおおお!お前らァァァァ!!」

 

「一同! 英霊に敬礼!!」

 

怨嗟の如く凄まじい邪気を放つ犯罪者予備軍に対して敬礼をする。

振り下ろされたハンマーはスカンッ!!とした音ともに試験片を真っ二つに破砕し、勢いのまま耕平の股間へめり込んだ。

 

 

 

 

「150度はやり過ぎたか」

 

「いいデータが取れた」

 

「つ、ぎの…次の被験者は俺に選ばせろ…っ」

 

耕平の呻きと共に視線は和人へと注がれている。

 

「「「任せた」」」

 

「嫌に決まってるだろバカか!?」

 

「そいつには、彼女がいる…!」

 

両腕を山本と野島に拘束され無理矢理試験機に取り付けられる和人。

 

「桐ヶ谷くぅん? なぁんでそんなこと黙ってたのかなぁ??」

 

「いやぁ、今度紹か「試験が終わった後にお前の頭をかち割って機械棟の溶鉱炉で溶かす」怖っ!?」

 

怒りの形相で紹介しろと言いかけた山本を睨み付けながらガシャン!ガシャン!と鎖を鳴らして暴れる狂人(和人)に恐れをなしたメンバーは慌ててハンマーの準備をして実験を始める。

 

「角度138度! OK!」

 

「測定準備よし! 実験、開始!!」

 

 

 

「アイツがあそこまで暴れるなんてな…」

 

「あぁ…アイツの彼女は気になるが禁句にしよう。御手洗辺りは死んでも構わんだろう…桐ヶ谷、次のご指名は誰だ?」

 

未だ狂人化(バーサーク)が解けていない和人は人語ならざる言葉を上げながら伊織を指差す。

 

「次の贄はお前だな」

 

「嫌じゃぁァァァ!!!!!!」

 

「何を文句言っているクズ!」

 

「偉大な英霊のご指名だぞクズ!!」

 

「このゲス野郎共めぇ!!」

 

逃げようとする伊織に耕平が髪束を見せつける。

そこにはビッシリと計算式、実験内容が書き込まれており耕平が過去にこの実験を行っていたのは確かだった。

 

「ここに書いてあるとおりにやれば」

 

「無事に済むんだな!」

 

熱い握手を交わす二人に和人は漸く狂人化が解けて落ち着いて耕平の過去レポートを流し読みしていく……これ計算式間違えてるな?

その間に伊織は意気揚々と自ら固定されにいき、ハンマーの角度は134度に設定されていた。

 

「なぁ、耕平この計算…」

 

「北原、ちなみにこの過去レポは再提出という評価を受けている」

 

ブンっ、とハンマーは落ち裁決は下された。

 

さて、3人が犠牲になった訳だがあと2回のうちに正しい答えを出さないといけない。 伊織が野島を指名している間に正しい計算をしておかなければ。

伊織と耕平、和人の3人が計算をして各々の用紙の結果を見る。

正解の角度は『α=101°』だ。

これなら股間が砕かれる危険性はないんだな。というか150だったり138だったり的外れすぎる角度じゃないか。

 

「出来たぞ野島」

 

「あぁ、3人とも同じ回答になったから間違いない」

 

「北原と今村の計算は期待出来ないが桐ヶ谷の計算なら間違いないな!」

 

「それじゃあ山本、130°で合わせてくれ」

 

これで野島も散った…と。最後は山本だな。

 

「待て待て!? もう101°って答えは出ているだろ!?」

 

「言っただろう頭を砕くって」

 

「本気の犯行予告だったのか!?」

 

「伊織、耕平。 山本を装置に」

 

「「御意」」

 

暴れる山本を殴って気絶させ野島も加わって奴を拘束していく。もう既に正しい答えは分かっているので最後の一回は遊んでも構わないだろうと四人は話し合いハンマーのメモリを眺める。

 

「という事で最大角度でいってみよう」

 

「さすが和人!」

 

「俺達には怖すぎてそこまでやる勇気はなかった!」

 

万が一、こいつらが明日奈に出会ったとしても今日というこの日を忘れないように身体に覚えさせておけば条件反射的に体の芯から痛みを思い出すだろう。

 

「恐れ多くも実験のスタート合図は私が」

 

「よし野島。任せた」

 

「うぅ…はっ!? ちょっと待ておま「実験開始!!」 ッ!!!?????」

 

山本が気を取り戻した瞬間に実験を始めるとはなんて酷いやつなんだ。

やるべき事は果たした和人はバカたちを放ってレポートに書きまとめ始めると伊織達は准教授にわざとらしい口調で教えを乞う。

 

「未熟な俺たちを導いてください!」

 

「俺たちが間違っていました!!」

 

「いいだろう! 特別にこの私が教えてやろうじゃないか!!」

 

言葉に乗せられてあれよあれよという間に装置にセットされる准教授もどうなんだ?

 

「ではお手本をお願いします」

 

「下っ腹に力入れてないと死にますよ」

 

「足はもっと開いて」

 

「やはりお前たちは愚鈍だな…私が計算を間違うとでも? α=101°に設定したまえ!」

 

まぁ、そうだろうな。と和人は一人思うも伊織達からは余裕な表情が見えることに気が付く。

まさか何か策があるんだろうか。

まさに実験開始の直前チラリと、試験機の一部に重りが吊り下がっているのが視界に映る。

 

「私の計算の正確さをお目にかけよう」

 

それが実験中最後のセリフとなった。




次回、三人娘と大人の林間学校
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