ぐらんぶる〜もう1人の少年を添えて〜   作:夢見969

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新刊読んでモチベが回復しました!!!
待たせたなぁ!

お気に入りも増えてめちゃくちゃ嬉しいです…皆さんありがとうございます。


愛菜の事情…はどうでもいいので研究だ!

毒島様&アルゴの襲来からまた数日。

今日は愛菜が伊織をデートに誘ったようで2人とも朝からGrand Blueには居なく、耕平、和人、千紗あと何故かアルゴが奈々華さんについて行く形で海に潜り、夜はいつもの通りみんなで酒盛りをしていたんだけど……どうにも伊織の様子がおかしかった。

 

「…………」

 

「どうした北原?」

 

「伊織が考えるなんて明日は大荒れか?」

 

「あぁ、北原の顔に考え事なんて似合わないぜ」

 

「それを言うなら悩み事だろ。ただの悪口になってるぞ貴様ら……まぁ、丁度いい耕平の知能じゃ足りないが和人も居れば何かと役に立ちそうだし」

 

なんだなんだ、と肩を捕まれそのまま伊織の部屋に連れ込まれたのだが…散々飲んでいたため話し合いは翌朝になった。

 

「それで? 愛菜と何かあったのか?」

 

「いや、ケバ子に何かあったが正解だ」

 

「ケバ子に?」

 

「なんでも…学費の問題で実家に帰らないといけないらしい」

 

「経済的理由か…難しいな。愛菜本人が言ってたのか?」

 

「いや、梓さんから聞いた」

 

「なるほど…それだったら奨学金を申請したらいいんじゃないか?」

 

耕平がスマホで調べたページを開いて俺と伊織に見せる。青女の奨学金システム…なになに、高校時の平均評定が「3.5」以上が条件か。

 

「俺も見てみたんだけどな3.5以上だろ?」

 

「あぁ、そうなるな。桐ヶ谷…やつの体育の評定はいくらだと思う」

 

「1だな。情けで2をくれてやってもいい」

 

「家庭科と芸術はおそらく2。若しくは1」

 

「つまり他の成績で3.9の評価が必要だ」

 

「愛菜がオール4以上か」

 

「「「え、普通に無理だろソレ」」」

 

奨学金案はナシだな。最初からなかった。

 

「い、いや…一応確認しておこうぜ? 何かの間違いで5を貰っている教科もあるかもしれないし」

 

「確かに、ケバ子に学力で劣っているとは考えたくないが念の為な」

 

いそいそと腰を上げて店の方に来ているであろう愛菜の元へと向かうとやはりというか千紗と話していた。休日だというのに他に行く場所がないのか愛菜は。

 

「よっ、おはよう愛菜」

 

「あ、おはよう和人。 伊織と耕平も」

 

「なぁケバ子、最近学校はどうだ?」

 

「上手くやれてるか?」

 

様子の探り方が下手かお前達は!?

愛菜も訝しげな顔をしてこっちを見ているじゃないか…少しもう少し遠回りで聞いてみろ…とアイコンタクトで伝えると上手く伝わった様で大きく頷いた。

 

「少しお前の成績が心配になってな」

 

「勉強はついていけてるか?」

 

「あんたらに言われたくないんですけどぉ!?」

 

シッシッ!と追い払われた伊織と耕平を見送りながら俺の出番だなと冷蔵庫から麦茶を取り出して愛菜の横へ腰を下ろす。

 

「何よ和人。あんたも何かあるの?」

 

「いやアイツらと似たような事なんだけど青女ってどんな講義してるんだ? 俺は伊豆大しか知らないし」

 

「んー、特にこれといって変わったものは無いよ? たまにイースト菌の発酵の講義とか面白ネタみたいのあるけど」

 

パンでも作る気か?

 

「青女って結構いい大学だったよな? 高校の時、愛菜は成績良かったのか?」

 

「いやぁ…結構ギリギリで…成績も良かったってわけじゃないし」

 

よし、奨学金の線は完全に無くなったな。

 

「和人は高校の時……ってあれ?居ない!?」

 

 

 

 

「どうだった?」

 

「バカだった」

 

「やはりか。奨学金が無理となるとバイトだな」

 

しかし愛菜がバイトか…悪く言えば鈍臭いしなぁ。料理も出来ないから俺や伊織がやってるバイトは無理だろうし…毒島様辺りに聞いたらいいバイトの話とかないだろうか。

 

「桜子に女の子でも出来るバイト聞いてみるか?」

 

「奴に借りを作るのは癪だ」

 

「確かに」

 

「見てくれはそこそこいいからな。前みたくキャンペーンガールでもやらせればいいんじゃないか?」

 

「あいつがやるって言うと思うか?」

 

「ないな」

 

前途多難過ぎる。

それでも自分で公言せず、梓さんにだけ話してたとなるとかなり切羽詰まった状況で人に言えないようなレベルなのだろう。自然と助けるにはそれとなくバイトに誘ったりするしか…

 

「あるぞ。ドン臭くてドジをしても出来る仕事が」

 

「本当か耕平!?」

 

「あぁ、尚且つ時給が高い!!」

 

「勿体ぶらずに早く言え耕平!」

 

何処から取り出したのか、一枚の衣服…いや衣装というかコスプレを取り出した。

確かにそれは…!

 

「メイド喫茶ならドジっ娘も属性だ」

 

「「なるほどなぁ…」」

 

アスナのメイド姿…うん、似合うな。

 

「おい、こいつまた彼女のメイド姿とか想像してるぞ」

 

「安心しろ耕平。 キリコちゃん(ボクサーパンツチラ見せver.)の写真をバラ撒いてやる」

 

「やめろクズ共!? ほら、さっさと愛菜のところ行くぞ…っ」

 

二度目の突撃…も、相変わらず不自然な伊織と耕平の所為で疑われたので撤退をし、バイトの話を切り出せばそれはそれで勘づかれそうだという結論に至った。

 

「せめてメイド服さえ渡せれば自然とメイド喫茶に思い至るんだが…」

 

「そうか……?」

 

「伊織が渡したら伊織の趣味だと勘ぐられそうだが」

 

「普通はメイド喫茶に思い至る」

 

耕平の普通は全然普通じゃないと思うのだが俺を除いてPaBの面々は普通じゃないしもしかしたら思い至るのかもしれないなぁ…

伊織は何かを思いついたようでタンスの中からラッピングされた小さな箱を取りだした。

 

「千紗に渡すプレゼントがあったんだ。ケバ子にも一緒に渡す口実になるだろ?」

 

「伊織にしちゃ賢い案だな」

 

「それじゃあ行ってくる!」

 

スタスタと2つの箱を持って部屋を出ていく伊織を耕平と2人で見送るとカシュッ…と朝っぱらからビールを開けて顔を寄せる。

 

「上手くいくと思うか?」

 

「いくわけないだろう」

 

数分後、フライパンを片手に怒り狂った千紗が伊織を半殺しにしていた。

 

「お、おれのはなしを…聞け…」

 

「落ち着け千紗!? いくら伊織でも今死んだら少しだけ困る!」

 

「古手川、バカも利用価値はあるんだ程々にしておけ」

 

何とか怒りをおさめる様に宥めながら現状、愛菜の身に起こっている事をわかっている範囲で説明していくと千紗も一緒に考えてくれる運びとなった。

しかし何故あんなにも怒り狂ってたんだ。

 

「伊織が私に下着を送ってきたから」

 

「耕平、準備はいいか!?」

 

「安心しろ今通報している」

 

「待て待て待て待て待て」

 

必死に止めて来る伊織が気持ち悪いのでとりあえず通報は止めておいた。そもそもなんで千紗に下着なんて送ったんだ…怖いもの知らずにも程があるだろうに。

 

「前に約束したんだよ。お礼に色気ある下着を買ってやるってな…奈々華さんと梓さんに手伝ってもらった」

 

「欲しいなんて言ってないんだけど!?」

 

「要らないならネットで売ればいい」

 

「なるほどな。フリマアプリで学費のアテにするのか…なにか売れそうなものあるか?」

 

「うーん…あ、あるぞ和人!」

 

「……ろくな物じゃなさそうだけど聞いておいてやる」

 

「水樹カヤのウェットスーツ。200万ぐらいで売ろうぜ」

 

「「最低」」

 

カヤさんと知り合いの所為もあるけどその提案に乗ってしまったら人として何かを捨てることになると思う。

 

「…今、買い手を探す」

 

「え、今村くん勝手に出品したり……!?」

 

 

 

腎臓売ります

200万円〜

当方、健康的な大学生です。

お支払いはキャッシュ、振込可。

 

 

 

「いくら出そうとも売らないから」

 

「お前のどこが健康的だ。酒浸しの腎臓だろ」

 

「黙れ桐ヶ谷! 古手川様、何卒…! 何卒ご慈悲を!!」

 

「ダメ。ウェットスーツ隠してくる」

 

スタスタと伊織の部屋を出ていく千紗に手を伸ばし血涙を流す耕平は無様だった。

 

「しかしフリマアプリか…多少の足しになるかもしれないな」

 

「何かあるのか和人」

 

「まぁ俺は実家の方にパソコンの部品とか色々あるし…耕平の部屋って意外にマニアでは高く取引されてそうなお宝がありそうじゃないか?」

 

 

そしてやって来ました耕平の部屋。……の前。

茹だるような暑さの中、部屋を片付けると言って伊織、千紗、そして俺を外に放置したままかれこれ30分近く経っている。

千紗に気を使ったのか…と、伊織と肩を竦めながら待つこと更に10分程経った時、ようやく扉が開けられた。

 

招かれるように部屋へと入ると目に入るのは複数の等身大パネル、壁一面にタペストリー、天井にはポスター、本棚から溢れかえるほどの漫画や雑誌の数々………

 

「「お前は何を片付けていたんだ!!」」

 

「ごふぁ!?」

 

伊織の拳が耕平の腹へ刺さり、くの字に折れ曲がった彼の頭部に和人が鋭い手刀を落とす。

40分も待たされてこのザマか…!

 

床に倒れ込んだ耕平を蹴り飛ばしながら何か売れないものはないかと三人で家探しをしているとタンスの中には何十…いや、百単位である同じ表紙の本がギっちりと詰め込まれていた。

まさか、本当に片付けていただと…?

 

「それにしても多過ぎだろ!?」

 

「お前どんだけこの本を布教するつもりだよ」

 

「布教?」

 

「違うの?」

 

「確かに布教だが…それは俺が高校時代に描いたモノだ」

 

自作同人誌だと…!?

 

「これを今村君が!? 絵うまい!」

 

「まさか隠れた才能…いや執念と言うべきか」

 

「マジかお前!?」

 

「やれやれ…これで桐ヶ谷と古手川にも俺がオタクという事がバレてしまったか」

 

「「……………………………?」」

「そういう事にしといてやれ」

 

今更何をと思ったのだが本人がそのつもりなのだからそっとしておいてやろう。

とりあえず、ららこグッズ以外なら基本OKと貰ったので売れそうなものを探していくのだがこれなら俺の中古PCとかを売った方が纏まった金になるな…

 

「収入面で何とか出来ないなら支出を減らすしかないだろう」

 

「…と、なれば部屋か」

 

「桐ヶ谷が北原と同室になって空いた部屋をケバ子に当てればどうだ?」

 

「うーん、確かに。お姉ちゃんもダメって言わないと思うよ」

 

「…俺に任せてくれ」

 

そう力強く言った伊織の背はどこか、やってくれそうな気がした。

 

 

 

まぁ、結論から言えばダメだったんだけどな。

所詮クズ(伊織)は何をやっても伊織(クズ)か、

夕方になり和人、伊織、耕平、千紗は頭を抱えて悩んでいた。 菊岡さんにこれ以上借りを作るわけにもいかず、となれば自分達の手で何とかするしかない。 しかし一介の大学生如きに出来ることは高々知れている。

そうこうしているうちに先輩達に話があると呼び出されてしまった。 愛菜の事か…

 

 

 

 

 

「愛菜が実家の畑の手伝いでしばらく帰るそうだ」

 

 

 

 

はたけ?

畑!?

 

「まだ夏の思い出作れてないのにぃ…」

 

戯れ言をほざく愛菜を捨て置き、耕平と俺は伊織の胸ぐらを掴み揺らす。

 

「貴様どういう事だ!?」

 

「貴重な休日をなんて無駄なことに使わせた北原ぁ!」

 

「ま、待て…!? 梓さん!?経済的理由って言ってましたよねぇ!?」

 

「手伝わないと学費出してくれないんだってさ」

 

「「「なんて人騒がせな!!!」」」

 

あっけらかんと言い放つ梓さんに男三人は頭を抱えて項垂れ、千紗は口を開けたまま声にならない叫びを上げたあとフリーズしてる。

 

「心配して損したぜ!」

 

「全くだ!」

 

「まぁ、よかったけどなァ!?」

 

3人それぞれキレながら冷蔵庫の酒を取りに行こうとすると愛菜がニコニコしながら着いてきた。

 

「そっかぁ〜〜〜! 心配させてぇごめんねぇ〜?」

 

「はぁああ!? 何言ってんだ!!?」

 

「悪鬼のようにケバいんだが!??」

 

「勝手を言うなケバ子ォ!!!」

 

「今はケバくないでしょ!? というか和人までケバ子言うな!!」

 

まぁよかった。なんて思ったけど一刻も早く実家に帰って欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

 

 

ケバ子が実家に帰って1週間が経とうとしている頃、PaBのメンバー一部は違和感に包まれていた。

 

① 体力バカの先輩が弱っている。

 

② 急激に痩せている。

 

③ 同居人の和人が数日前から行方不明。

 

そして極めつけ

 

④ 寿先輩が飲み会に参加していない。

 

「由々しき事態だ…」

 

「この異常事態の謎を究明しなければ…!」

 

「……」

 

「俺は先輩が病気か凄い病気、それかヤバイ病気、性病になったんじゃないかと思うんだが…」

 

「待て北原、全部同じだ」

 

「桐ヶ谷君は実家に帰省してるとか…ない?」

 

「それはないぞ古手川。 桐ヶ谷様は俺を直葉ちゃんに会わせてくれると約束した!!」

 

「耕平の言葉は無視するとしてもアイツが俺たちに黙って帰るって考えにくいだろ」

 

「確かに…」

 

和人はクズだが義理は通す性格…だったはずなので勝手に帰ることは無いと…思う。多分。

 

「でも、先輩達が飲み会に参加しないのがそんなに異常事態?」

 

「ペットの犬が呼吸をしてないレベルだぞ」

 

「そんなレベルなの!?」

 

先輩がガリガリになってたり飲み会に来なかったり和人が行方不明になってたり…一体どうなっているんだ…!

そう考えていると店の扉が開かれ、光が差し込むと共に寿先輩、安西先輩、横手先輩が現れた!!

 

「先輩たち…!」

 

「生きていたのか?!」

 

「随分な挨拶だなぁ」

 

「なんだなんだお前たち」

 

目が虚ろで精気がない先輩達によれば選択の特別講義で忙しいらしく夏休みだと言うのに研究室で教授の手伝いをしているのだと言う。

和人も以前(第8話 妖精の空 参照)手伝うと言ったために駆り出されているらしい。

そして今見学に行き手伝えば教授に顔を覚えて貰えるばかりか単位がやばい時も助けてくれるかもしれないと聞き、俺と耕平はまんまとその甘い誘いに乗ってしまった。

 

甘い誘いだと気が付いたのは研究棟に着いてからだったのだが…

 

 

和人がヒョロっヒョロっになって床に倒れていた。

 

「和人ぉおおおおおお!?」

 

「桐ヶ谷……くっ、惨い! なんて死に方を…!」

 

「ほ、本当に死んでるようにしか見えないんですけど…」

 

「はっはっはっ…! 死んでいるわけないだろ? ほら、和人…起きろォ…!」

 

「大丈夫です。俺、寝てないです」

 

「和人、正気に戻れ!?」

 

「伊織…? 耕平…? それに…千紗…」

 

気を取り戻したように和人はゆっくりと首を動かし俺たち三人を眺めると柔らかなほほ笑みを浮かべた後に…邪悪な笑みを先輩達と見せた。

 

「「「「Welcome!!」」」」

 

ダッ!!!←3人が全力で出口に向かって走る音。

 

バン!!←先輩が扉と窓を閉める音。

 

ガシッ!!!←和人が千紗と伊織、先輩が耕平を捕らえる音。

 

「い、嫌だ! 死にたくない!?」

 

「和人、貴様ァ!!」

 

「わ、私はお店の手伝いあるから…!!」

 

「別にただ俺たちと一緒に研究しようって言ってるだけだろ?」

 

「まったく、俺たちの後輩の癖に取り乱し過ぎだ」

 

「和人を見習え。文句言わずにひたすらプログラムを組んでるんだぞ?」

 

「文句言わずじゃなくて口を開く気力もないの間違いでは!?」

 

和人を1人研究室に置いて先輩方に案内されたのは教授の部屋。

なんでもこの研究はホワイト研と呼ばれているらしくホワイトと言うからには白川教授が頭なのだろう。

 

「ようこそ私の研究所へ!」

 

「「なんでだ!?」」

 

「ハッ!? なぜ優秀な桐ヶ谷だけでなく下劣な貴様らが此処に!?」

 

ホワイト…白…しろ…?

 

右代宮 准教授。

 

うしろのみや…

 

「悪意のあるネーミングセンスだ」

 

「しかしヤツには不可を貰っている…」

 

「貴様らが真面目にやるのならば評価を改めてやらんでもない」

 

「「最高評価でお願いします」」

 

と、まぁ…目先の欲にくらんだ俺と耕平だったのだが…

 

「先輩! このデータ量、手入力じゃ無理ですよ!?」

 

「ならばプログラムを組め!」

 

「やった事ないんですが!?」

 

「任せろ耕平…その程度のプログラム…俺が…」

 

「桐ヶ谷!? しっかりしろ! しっかりプログラムを作れ!!」

 

「データが取れてないような…」

 

「ふむ、部品が壊れたか…よし機械工作室だ!」

 

「まさかの手作り!?」

 

地獄のような工程に来たばかりの俺や耕平はおろか千紗まで若干燃え尽きていた。

研究所に着いたのが朝の10時だったのに今や夜の19時を回っているのを考えると凄まじく忙しかったと実感する。

 

「何とか上手くいった…」

 

「実験装置も何とかなったね…」

 

「こっちも入力終わった…」

 

「…………………」

 

和人は既に人の言葉を忘れているようだ。

 

「実験結果が出るのは20時頃だな」

 

「教授も帰ったし…ここからは俺たちの時間だ!」

 

どこから取り出したのか。教授の車が出て行く音を聞くやいなや研究室にピザやビール、果てにはプロジェクターを用いてゲーム機まで現れた。

 

「いいんですかこれ!?」

 

「教授が帰ればこっちのもんよ!」

 

「…千紗……」

 

「?」

 

和人に手招きをされて千紗が離れるがお構い無しに騒ぐ先輩方とバカ2人。

 

「明日家の手伝いがあるので…」

 

「なんだ千紗帰るのか」

 

「手伝いありがとうな。気をつけて帰るんだぞ」

 

千紗を見送り、ゲームを始める俺たちは楽しく笑いこんな事が出来るならいくらでも手伝う…なんて甘いことを考えていた。

そう、考えてみればこの程度であの先輩達や和人があんなになるはずが無いのに。

 

「あの実験は連続で繰り返し試行する必要があってな。 50分感覚で300回やるんだ」

 

「…昼夜関係なく?」

 

「300回な」

 

「「………」」

 

「逃がさないぞ伊織、耕平」

 

「和人、貴様…!?」

 

「大人しく死んでいればよかったものを!」

 

「いくらでも付き合ってくれるんだよなァ…」

 

「単位の為に最後までやりきろうぜェ…!」

 

「「いやだァァァァァァ!!!!!」」

 

絶叫する二人に悪魔の笑みを見せる四人。

そんな時、研究室に天使が舞い降りた。

 

「皆さん、私も手伝います! 頑張りましょう!」

 

PCの画面には拳を握り頑張るぞ!とポーズをしたユイちゃんが映っている。

こんな小さな子がやると言ってるのだ…

 

「……やってやらぁぁぁぁぁ!!」

 

「ユイちゃん、是非俺をお兄ちゃんと呼ん…ごはぁ!?」

 

待ってろ、俺たちの戦いはこれからだ!!




次回!!!!! 無人島編!!!!!
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