ぐらんぶる〜もう1人の少年を添えて〜   作:夢見969

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毒島ぁ!毒島ぁ!!になった新刊でした。


テレビに出よう!

「今日はテレビ取材が来ます」

 

ホワイトボードに【テレビ取材★】と描いたチーフは改めて俺たちバイトにそう告げた。

曰く、プレオープンに合わせて宣伝の為にコネで呼んだらしい。千紗の母はやり手なようだ。

 

「雑用班とTV対応班に別れてそれぞれ対応してもらうよ。チーフが班決めしているから文句はなし」

 

「「「「はーい」」」」

 

「雑用班は絶対に、撮影に、映らない」

 

何故か伊織と耕平と俺はオーナーに念を押された。納得のいかないままチーフの指示通りに二班に別れたのだが…

 

TV班 チーフ マキ ジョン 千紗 明日奈

 

雑用 オーナー 伊織 耕平 和人 愛菜

 

「「ちょっと待って」」

 

奇しくもオーナーとハモった。

 

「アスナは臨時のバイトなんですよ!?」

 

「なんでアタシが雑用に」

 

「オーナーの意向に沿っただけですよ? オーナー緊張するとすっごく無愛想ですし。 明日奈ちゃんは華があるからテレビ映えするので。本人も許可してるし」

 

ものすごく正当な意見を言われてすごすごと店のバックヤードに入った俺たちはボートの磨きやウエットスーツの点検などを黙々とこなす事になった。

 

「バイト2日目でテレビ取材とは恐れ入った」

 

「アスナまでテレビ班対応とはなぁ…」

 

「明日奈さんは綺麗だからな。北原や桐ヶ谷のような顔とはアレだろう」

 

「後半の言葉はさて置くとして、お前が素直に女を褒めるの珍しいな耕平」

 

「そんなことはないだろう。 梓さんや奈々華さんの事は綺麗だと思っているしな。 明日奈さんは桐ヶ谷から散々聞いていたから初対面の気がしないだけだ」

 

耕平も耕平なりに俺に気を使ってくれてるんだろうな。

 

「そう言えば撮影にはジャギーズ事務所のイケメンとアイドルが来るらしいぞ」

 

「へぇ、そりゃまた随分としっかりしたメンバーだな」

 

「俺は声優を呼ぶべきだと思うのだがな。 …………ところで桐ヶ谷、北原。 お前達は異性に何を求める?」

 

「癒しとか安心感?」

「言い難いが身体だ」

 

「桐ヶ谷のはいいが貴様は言い難いなら一瞬でも間を置け馬鹿者」

 

さすがは伊織、清々しい程のクズで惚れ惚れする。

 

「どうしたんだ藪から棒に」

 

「桐ヶ谷には彼女がいるだろう? お前ら二人の回答を比べれば参考にでもなるのかと思ってな」

 

「なるほど、俺の正常さと伊織のクズさが浮き彫りになっただけだったな」

 

「で、性欲以外では何を重視するんだお前達は」

 

癒しと安心感も性欲で一括りにされているのが納得いかないんだが?

しかし、耕平はなんだか真面目そうに聞いてくるので俺も伊織ももう一度考える。 性欲以外で、か。

アスナと過ごす日は朝から楽しいし求めるもの…と言われても……しかしそんな普通の回答を求めているとも思えない。 となれば、俺が直感で思ったもの…!

 

「柔らかさだろうか」

「乳房だろうか…」

 

「貴様もそこの北原(バカ)と同類だ。 そして身体と乳房は言い方を変えただけだからなソレ」

 

伊織と同類…だと?!

俺の回答のどこが間違っていたんだ…

 

「まぁ、和人の最初の答えに近いが…『居心地の良さ』だろうな」

 

ふと、伊織も真面目な顔で答え始めた。

こいつの恋愛観を聞くのは本当に初めてかもしれない。

 

「あとは『好きなものがある』とか『新しい世界を教えてくれる』とか」

 

「つまり『四六時中一緒にいて』『自分の趣味があって』『新世界を見せてくれるヤツ』か」

 

「そんな感じだ」

 

ゴロゴロと三人揃ってボンベを転がしていたのだがそれを聞いてつい手が止まってしまった。

それってもしかして…!

 

「「こいつ(桐ヶ谷 / 耕平)か………?」」

 

互いに指をさしながらダラダラと汗を流す。

俺な訳があるか! 耕平だろうそれ!!

俺は伊織と四六時中一緒に…居るな。

好きな物…はゲームとダイビングがある。

新世界…は伊織に初めてVRMMOの世界を見せたか……

 

「「やっぱり俺か……?」」

 

次は互いに自らを指を指し伊織に視線を向けた。

 

「異性の話でって言っただろうが…」

 

「よせ俺はそっちの新世界は見せられん」

 

「いくら俺が女装が天下一似合って、耕平が女声を出せてもそれは無理だ…」

 

「俺も見せろとは言ってない!!」

 

三人で殴りあっているとどうやらジャギーズ事務所のアイドルが来たらしく、不毛な喧嘩はやめて様子を見に行くことにした。

挨拶に来たのは整った顔立ちで如何にもアイドル然とした男性だった。

 

「あ、池越くんだ」

 

「知ってるのか、愛菜」

 

ふら、とやってきた愛菜がアイドルの顔を見て呟いた。

 

「Sipsのメンバーだよ。キャラがイマイチ立ってないから人気もそんなに…みたいだけれど」

 

「アイドルってのも世知辛いもんだな…」

 

「愛菜はああいうのがタイプなのか?」

 

「昔はね! 昔は!! 今はそんなことぜんっっっっぜんないから!!!」

 

伊織の胸ぐらを掴みながら必死に否定している愛菜とその二人を眺める耕平を見ると何となく、先程の耕平の質問の意図が分かった。そういう事か。

しかし人の幸せが大嫌いな俺達だが耕平は何故、愛菜に手を貸そうと思ったのだろうか。

 

TV班が池越さんと海に出て三時間後。船が戻ってきたのだがどうにも様子がおかしかった。

 

「千紗、アスナ、どうしたんだこれ」

 

「あ、桐ヶ谷くん。 池越さんが怪我しちゃって…」

 

「サンゴで頬を少し引っ掻いちゃったの」

 

「うわ…結構な傷になりそうだな…」

 

応急的な処置はしてあるのかガーゼを付け鎮痛の面持ちで関係者の人達と話している。

 

「残りは残念だけれど池越くん抜きで…」

 

「それじゃダメなんです! これぐらいの傷なら何とか…!」

 

「しかし顔だしねえ…」

 

伊織と耕平もなんだなんだと様子を伺っていたので事情を説明していると突然、池越さんが耕平の肩を掴んだ。その瞳は名案がある!という実現したらヤバそうな瞳をしている。

 

「キミ!!」

 

「キャァァァァァァアアアア!!!?」

 

「あ、そいつ極度の人見知りなので」

 

「池越さんは悪くないです。はい」

 

「ご、ごめんね?」

 

しっかり謝罪できるのを見るに人としては普通…というか良識人なのかもしれない池越さん。

一言断りを耕平に入れ、ワックスでサラリとした耕平の髪の毛に外ハネを少し付けていく。 やはり顔だけはいいなコイツ…

髪の毛を整え終われば驚いたことに耕平は池越さんそっくりだった。そこに元々つけていたサングラスを掛ければこの現場を見ていない人間には分からないほどにそっくりだ。

やっぱりというか、これはロクでもない名案の類だろう。

 

「「「「替え玉ァ!?」」」」

 

「お願いします!! 7年間アイドルをやっているのですがキャラが立ってないと言われ続け…やっと掴めた初の冠番組なんです!! ダイバーアイドルとして売りたいんです!!」

 

「そんなにキャラ立たないだろ」

 

「う、うーん…キリトくんの言う通りかも…?」

 

「え、私はいいと思うんだけれど…ダイビング…」

 

千紗はしゅん、と落ち込みながら座り込んでいるので無視。

 

「どうにかお願い出来ないか耕平くん!」

 

「無理に決まっている」

 

「そこをなんとか!」

 

「無理だと言っている」

 

「声優の村中ゆりかさんのサインを頼んでみよう」

 

「任せろ。しっかりと貴様を演じきってやろう」

 

なんと素早い手の平返し。

 

「ありがとう! これで撮影は何とかなりますね!」

 

「いやぁ…池越さん…少し考えた方がいいと思いますよ…?」

 

「俺も和人と同じです」

 

「ど、どうしてです!?」

 

「「あいつ、かなりの変人ですから」」

 

「キリトくん、お友達のことをそんな言い方しないの?」

 

千紗と愛菜のお前たちが言うのか? という視線がある気がするが気のせいだろう。変なのは耕平と伊織だけだ。 あとアスナは優しすぎる。現実を見るべきだ。

そう告げると池越さんは顎に手を当て考え込む素振りを見せる。諦めてくれると助かるが…

 

「それは……それはちょっと…望むところですね…」

 

「文法がおかしいぞ」

 

「了承する時の言葉ではないな」

 

そのまま耕平(池越メイク)が船に乗り現場に向かい30分でディレクターが戻ってきた。

 

「引き取ってくれないか……」

 

「「何やったんだお前」」

 

「はだけた姿が欲しいと言われたのでな」

 

「普通は全部脱がないんだけれど…」

 

「だ、だよね!? 耕平くんあまりにも自然に脱ぐからまた私がおかしいのかと…」

 

いかん、アスナの心労が凄まじい。

おのれ伊織に耕平め…!

 

「耕平、ダメだよ脱いだら。いい? 引き受けたからには脱がない」

 

「難しいが善処してみよう…」

 

「難しいのかい!?」

 

テレビ業界ってキャラが濃い人が多いが流石にこいつらのような馬鹿はいないのか…?

 

「おはようございますっ!」

 

池越さんが病院に行くのと入れ替わりでアイドルの女性がやってきた。あ、テレビで見た事ある。

 

「枳殻虹架です! よろしくお願いします!」

 

カチューシャをし灰色に近い髪を揺らしながら件の女性、枳殻虹架はしずしずと頭を下げて挨拶をしている。

 

「綺麗な人…」

 

「これまた俺でも知ってるアイドルだな…」

 

「今人気だもんね」

 

「これは是非お近付きに!」

 

「伊織ごときが相手にされるわけないでしょ」

 

「せめて夢を見るぐらいには…」

 

なんとも言えない表情でこちらを見詰めてくるので仕方なく少しフォローしてやる事にした。

 

「犯罪者にはなりたくないだろ?」

 

「伊織はもう後がないから」

 

「さすがに庇えないわ!」

 

「次会うときは絞首台だな

 

「せめて法廷で会おうか!?」

 

「五人は本当にお友達なんだよね!?」

 

アスナの質問は華麗にスルーした。

虹架さんの挨拶が終わり、何故か伊織が狂喜乱舞していたのでパイプで叩きのめしているとどうやら外で撮影が始まったらしい。

 

「よーい、スター──────カットォォォォォォォ!!!!」

 

始まったと同時に終わった。

 

「なんで脱ぐの!!!」

 

「インパクトが必要かと思ってな」

 

「そんなインパクトなんていらんわ!?」

 

「い、池越さん!?」

 

愛菜がツッコミ、虹架さんもどうしていいのか分からないと叫んでいる。 アスナはアスナで目を自分で隠しているので後で対処しよう。

 

「大丈夫ですよ。食レポの時はナプキンはします」

 

「もっとあぶねぇ絵面になるわァ!!」

 

あ、伊織が生き返った。

ディレクターとテレビクルーが撮影にストップをかけて池越(耕平)を取り押さえているのでこの隙に和人はアスナを店内に連れて行こうとした。

 

「キリトくん、大丈夫。大丈夫だから! キリトくんのお友達だもんね! うん!」

 

「アスナ、アスナさん? そんなに気を使われると非常に申し訳ないんだけれど…!」

 

「キリト…アスナ…? あ、あのっ」

 

1人ポツンと残された虹架さんがこちらに寄ってきた。

 

「え、えーと? 私たちに何か用…ですか?」

 

「キリトとアスナって聞こえたから。もしかして…その、黒の剣士と閃光…さん?」

 

「「へ?」」

 

「そ、その……えっと、ありがとうございました!」

 

「「なにが!?」」

 

「あのゲームを…クリアしてくれて」

 

「もしかして…ゲボァ!!!」

 

なにか重要なことを聞いた瞬間にとてつもない衝撃が和人の身体に襲いかかりそのまま海へと吹き飛んで桟橋から落ちた。

 

「おいおい、和人よ。 また女の子と仲良くなろうとしてるのか? ん?」

 

「ゲホッ!! い、伊織…お前!」

 

「伊織くん、またって?」

 

「こいつ、Grand Blueでバイトしてる時によく大学生の女の子とかと仲良くなってるんですよ」

 

「…へぇ?」

 

「いや、アスナ違うぞ? 伊織が言ってるのはリズとかシリカとかシノンが店に来た時の話で…」

 

「私の知らないところでみんなに会ってたんだ?」

 

どうやら選択肢を間違えたようだ。

 

「とりあえず、正座…しよっか」

 

「アスナ、ここ海…「正座」 はい…」

 

ゴボゴボゴボ…と沈んでいく和人を伊織はせせら笑うように眺めているが内心、アスナの豹変に戦々恐々としているのである。

 

何とか海から上がることを許されると耕平が虹架さんと共に食レポを行っていた。

 

「シャコ貝です! 国際的な取引は禁止されていますがパラオでは食べることができますっ。 大きな身に反して味は繊細ですねっ」

 

「あぁ、貝の味がする」

 

「マングローブ蟹!」

 

「蟹の味だな」

 

「タロイモ!」

 

「イモだ」

 

これは酷い。

どうにか耕平にリアクションを取らせようと頑張っているスタッフ達は次に絵面がインパクトが強い、蝙蝠スープと40%のアルコールが卓に並べられた。

 

「キャッ!?」

 

虹架さんはお手本のように可愛らしい反応。

そして目下問題の耕平は…

 

「ムシャムシャゴクゴク」

 

ノーリアクション。

まぁ、スピリタス入りたこ焼きとかに比べると食べ物してるしな蝙蝠スープ…。

テレビスタッフも頭を抱えて項垂れて居るとバタンっ…と、虹架さんが倒れていた。

 

「虹架ちゃん!?」

 

「どうしましたか!?」

 

大慌てでテレビスタッフも店のスタッフも駆け寄るのだが、顔を真っ赤にして目を回しているのを見るに…

 

「酔っ払ってますね」

 

ぐでんぐでんだった。

 

「どうする!? アイドルの2人が欠けるなんて番組が成立しないぞ!?」

 

「池越くんのように替え玉を用意できない!」

 

「キミ、テレビに出てみないか!?」

 

混乱を窮めた現場は遂にアスナに目を付けた。

確かにアスナはチーフの言った通り華があるし上手いことやってしまうかもしれないが…

 

「それはダメです」

 

「キリトくん…でもみんな困っているし…」

 

「ふっ、話は聞かせてもらった」

 

「お前は…伊織!!」

 

アスナに余計な事を吹き込んだ奴をどう始末するか。

 

「まぁ待て和人。 お前は明日奈さんをテレビに出したくない。 テレビクルーは虹架さんに負けないほどの華のある美人が欲しく、尚且つ耕平を制御出来る人がいい…違うか?」

 

「そんな都合のいい人が居るのか…?」

 

「俺に任せてくれ。 いいっすかディレクターさん」

 

「もうここまで来たらキミたちに賭けるしかない!」

 

大学生に全てを賭ける番組なんてあってたまるか。

 

「分かりました。 和人、少し手伝ってくれ」

 

「仕方ないアスナの為だ…」

 

伊織に連れられて店の中へと一度入るとガタイのいいツンツン頭に羽交い締めにされた。

なんだと…!?

 

「悪いな。 これもバイトの為だ。 番組が流れたら日当が流れちまうかもしれないんだ」

 

「メイクの準備はばっちりじゃ。 手早く始めてしまおう」

 

「衣装の用意も出来たよ和人くん!」

 

「…撮影なら任せろ」

 

中性的な顔立ちにおかしな言葉を使う人物に馬鹿そうなのが一人、さらに俺のヤバい写真を持っている盗撮魔一人。思い出したくない記憶の中に見かけた顔な気がする。

 

「謀ったな……謀ったなァァァァ伊織ィィィィィィィィ!!」

 

「美人と言ったが女性とは言っていない」

 

 

 

 

「どうですか!」

 

「うんうん、最高にいいよ! 可愛いしクールさもある!」

 

スタッフ達のお眼鏡に叶ったのかキリコちゃん(虹架スタイル)はエラくウケが良かった。

チーフやマキさん、ジョンさんも笑顔でサムズアップしてるし今日も俺は綺麗なようだ。

 

「き、キリトくん?」

 

「話は後だアスナ。 ここからは俺に任せてくれ」

 

髪を靡かせテーブルに着くと横にいる耕平(池越メイク)をチラリと見る。

向こうも何故かこちらを見ていてウインクしてきたのだが殴るわけにはいかないのでスタッフの傍に控えていた伊織にアイコンタクトを送る。

 

(任せろ!)

 

バチコーン!! と腹立つウインクをしてきた奴はスタッフのインカムを付けスマホを操作する。

突如として耕平の動きが挙動不審になった。

俺と伊織の合作 feat.KAYAのアプリを起動したのだろう。文字を打ち込むと自動で抑揚を付けて摩耶さんの声が流れるのだ。

耕平を意のままに操る為にしっかりとギャラを払って摩耶さんのボイスサンプルを取りまくってユイに手伝ってもらって組み上げたのだ。

 

「じゃあ、シャコ貝の食レポから仕切り直してみようか。 よーい!スターット!!」

 

「シャコ貝です! 国際的な取引は禁止されていますがパラオでは食べることができますっ。 大きな身に反して味は繊細ですねっ」

 

枳殻虹架の台本を一言一句、同じままで和人(虹架スタイル)は進行していくと一発目から変化が起きる。

 

「美味い!!! こんなに素晴しい食べ物は食べたことが無い!! 食材の艶やかな味わいと南国というこのシュチュエーションはまさに奇跡のマリアージュ! こんなものが食べられるのがここパラオなのか!!」

 

どうせカヤさんのボイスで「私が作ったの」とか言わせたんだろうな。

 

「こちらはマングローブ蟹ですっ。苦味がある味わいが癖になりそうですねっ」

 

「大きな身の食べ応えにこの苦味とパラオのお酒、レッドルースタービールのフルーティーな味わいが互いを際立たせて素晴しいですね」

 

紹介が上手くなりすぎでは?

その後も順調に撮影は進んでいきスタッフ達の中で耕平も俺もとても好評だったので…

 

((そろそろ耕平には消えてもらおう))

 

キメ顔でアプリ内に文字を打ち込んだ伊織。

その直後、耕平は空中で身を捻り3回転しながら海へと落ちていった。

 

「耕平!?」

 

「伊織ダメだよ!?」

 

「なんの事かわからんなぁ!」

 

尚も続く耕平の奇行は一部始終カメラに収められた。 いや、どこまで使えるのかは分からないけど…まさかなぁ?

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!ごめんなさい! 私途中から記憶がなくて!」

 

必死に頭を下げている虹架さんに至ってはちょっと強いお酒(40%)を飲ませたスタッフが悪いのでそんなに謝らなくていいと思う。

 

「なんだかとてもギャップがあってワイルドな映像が取れたらしいね!?」

 

病院から戻ってきた池越さんはそんなことを嬉しそうに言っていたが彼のこれからのキャリアが心配である。

そして後に池越さんは金髪に髪を染めて耕平ソックリになりある出来事から耕平に殺されそうになるのだが…それはまた別の話。

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