順当にいけば次回は栗拾いと宝くじのお話になります。
そしてアスナには都内に帰ってもらいます。
代わりに栗拾いにはユイちゃんが同行しますわ。
毒島様からの電話を無視した翌日。
このまま自分だけが処刑されてたまるか、と和人は伊織が奈々華さんと一緒に住んでいることをバラし、二人で仕方なく合コンをセッティングする事となった。
「改めて経緯を思い返すと野島や山本は近いうちに処分した方が世のためだな」
「全くだ。お前も手段を選ばなくなってきたな和人」
「なぜ俺まで来てるんだ?」
「二人で三人を処分するのは大変だからな。報酬は今日の飲み代だ」
ふむ、と納得したのか了承したのか分からないが耕平はそれ以上は口にせず大人しく腰を下ろした。 それに引替え
「和人、やっぱりコイツら会わせる前に処理しようぜ」
「そしたら約束が違う!って騒ぐだろ。俺だってコイツらをアスナとか奈々華さんに会わせたくないっての」
そうこうしているうちにやって来たのは奈々華さん。
恐らくというか…この後に続くのは何時ものメンバーな気がする。アスナはもちろんとして身内贔屓を抜きにしても奈々華さん、梓さん、千紗に愛菜は美人だし。
チラり、と視線を男たちに向けるとだらしなく鼻先を伸ばしていた。
「あれは何時しか見た俺の天使…困ったなまだ子供の名前も決めてないのに」
「おいおい
「俺のだって」
「お前ら…奈々華さんに妙なことをしたら……殺す…」
まぁ、
「はっはっはっ、構いませぬ…」
野島が浮かべていた表情。
それは覚悟の決めた者こそが浮べることのできる春の快晴の如き笑顔だった。
「そ、そうだ! 俺なら彼女を幸せに出来る!」
「あぁ、一途に愛してみせよう!!」
おかしな命の賭け方をしてるなコイツら。
「明日奈ちゃんも入った入った!」
「あ、梓さん押さないでください…っ」
続いて入ってきたのは何時もの緩い格好をした梓さん。 それにふわっとした柔らかい印象を受ける服装のアスナだ。
バキィッ!!と音が聞こえたのでテーブルを見ると奈々華さんへ向いていた
そうか二人はアスナが俺の彼女だと信じていないのか。
「貴様ら一途はどうした? ん?」
「勝手に箸が折れただけだ」
「お前ら、アスナに何かしてみろ。朝を迎えることがない眠りに落としてやる」
「はっはっはっ、構いませぬ…」
藤原が浮かべていた表情。
それは覚悟の決めた者こそが浮べることのできる春の快晴の如き「フンッ!!」「グハァァアァァ!!?」死に表情だった。
「男側、一人減っちゃったな」
「いや桐ヶ谷が減らしたんだが…まぁいいか。藤原なんて居なくても」
「そうだな。競合相手が居なくなっただけだ問題は無い」
アスナに向いていた箸は無くなり気が付いたらやって来ていた愛菜に向かっている。
愛菜の為にも童貞を何とかしておきたいが…アスナで手一杯なので犠牲になってもらう他ない。
「こんばんは」
最後に入ってきたのは…御手洗の彼女だ。
「なんで?」
「最近仲良くなった大橋りえさんだよ」
「少しの間お邪魔します」
御手洗は今日呼んでいないはずだ。何故ここに大橋さんが…
と思っているとメッセージが届いた。
【お前たち今日合コンなんだって!?】
【俺も今から行く!】 -19:03
【来ない方がいい】-19:03
【つれないこと言うな】
【今夜はオオカミになるぜ】
【わおーん】-19:04
「あ、今来るみたいです」
「ありがとう。私の代わり、呼んであるので」
スタスタと外に出て行った大橋さんを見送り十数秒後、絶叫と救急車の音が聞こえたが俺たちは目を閉じ耳を塞いでじっとしていた。
「…………」
毒島降臨。
「「シクシク…」」
「そこ、さめざめと泣くな。それと桐ヶ谷電話に出なさい。 合コンだって来てみれば誰も彼も見た事あるやつばかり………?」
チラり、とアスナを見ればこの子は誰だと指を指したので仕方ないから紹介しておくことにした。
「結城明日奈。俺の彼女だ」
「えっと、和人くんの彼女の結城明日奈です…」
「……あんたどうやって脅したの? 親族を人質とか…金銭で揺すって!?」
どれだけ信用がないんだ俺は。
伊織じゃないんだぞ?
明日奈も必死に首を振っており否定しているのだが時折、桜子の顔をまじまじと眺めて首を捻っていた。
「か、和人くんはそんなに酷いことしないよ…!」
「レンタル彼女…?」
「違うから。ほらとりあえず合コンの体を為してくれ」
早々にこいつらを始末する、と耳打ちをすると桜子も大人しく席に着き人数分のビール(アスナはジュース)を注文した。
山本がしきりに愛菜に向かって気持ち悪いウィンクを繰り返しているが無視をしておく。
「とりあえず、みんな飲み物来たみたいだし乾杯しよっか」
「はぁ……乾杯っ!」
「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」」
さてどうやってこいつらを処理しようか。
いや案外普通に話をして終わるだけなのかもしれないし始末は浅慮か…?
「キミ達、
「いやいや
「和人くんって、学校ではどんな感じなのかな」
「我々の為にとって(都合が良くて)かけがえの無いヤツですよ」
身から出る邪悪さを消しきれてないぞお前たち。
伊織と耕平と黙りながら運ばれてきたビールを傾けていると童貞が愛菜に向かって話を切り出した。
「あのさ、童貞ってどうかな」
「助けて和人! 伊織! 耕平!」
「貴様、なんてことを!」「台無しじゃねぇか!!」
愛菜が泣きながら飛んできたのであやす様に頭を撫でてやりつつ野島、藤原が童貞をボコボコにする様を見ていた。
伊織ですら愛菜を哀れみと同情の瞳で眺めているので彼に愛菜を任せた。
「私は童貞アリだと思うけどなぁ」
グリンッ!!!と音が鳴るような速度で奴らの首が回り、そのガッツき加減が分かりやすかった。
「奈々華たちはどう?」
「わ、私は…そういうのわからないから…」
「私はそういうの……で、決めたり、しないし…」
「興味なし」
「私もそういう話はちょっと…」
「ブサイクの童貞なんて死んでもごめんね」
明らかに野島達の方を見ながら言っている桜子にアスナはビックリしてしまってる。
(((ブサイクじゃなくてよかった)))
超前向きだなコイツら…!!!
「そんなどうでもいい話じゃなくて楽しい話しなさいよ。 北原と桐ヶ谷はなんかないの? そっちにいる男連中は論外過ぎるわ」
「「「ぐっ!?」」」
「面白い話なぁ……」
「アンタ達の別れ話とかないの?」
「「ホント、ゲスなところ見てて安心するなぁ…」」
パラオに行っていた時に俺たちに足りなかったのはこの、人を何とも思わないクズさ、ゲスさだったのかもしれない。
こいつが居たら居たでとんでもない事になっていた気がするので何も言わないけれども。
「どうせ夏休みろくなところに連れて行ってもないんでしょ。バイトして酒飲んでたんじゃないの?」
「「うっ…」」
「そうでも無いだろう。北原は都内と実家とパラオに連れて行ったのだから」
「は!?」
「桐ヶ谷も明日奈さんをパラオに連れて行ったしな」
「それって婚前旅行とご挨拶……?」
俺は明日奈に会うことすらままならなかった…というか若干気が引けていたのもあるが伊織と千紗だけ見ると事情を知らない人からすればそう見えるか!
新しい発見したと思っていると桜子はホロホロと涙を零し泣いていた。
「ど、どうした桜子!?」
「そんなに北原の顔が気持ち悪かったのか」
「いいえ……二人が、可哀想だと…」
「「脅迫なんかじゃねぇよ!?」」
いつの間にか喋っているのがこちらだけになっていたのでそろそろ本気で奴らの処理方法を考えていると伊織がとてもいい笑顔でひとつのアイテムを取り出した。
それは以前、俺達が破壊された時のアイテム。
「嘘発見器!!! って、そんな仰々しいもんじゃないけれど嘘をついたらかるーくピリッとするやつだ」
梓さんに手渡し手を乗せてもらうとひとつの質問をぶつける。
『この中に気になる相手がいますか』
そんな質問に奴らは喜び、梓さんと奈々華さん、愛菜はYESと答えて機械は反応無し。
愛菜は分かるが二人が居るのは意外だな、と思ってると伊織が顔を覆っていたのでこれ以降何も考えないようにしておいた。
「いいえ」
「彼氏がいるのに!?」
「はいっ…」
アスナが可愛らしく…顔を真っ赤にして呟くように言った。
「「「桐ヶ谷、後で──!!」」」
なんて言われたんだ俺!?
「いいえ…っ痛!?」
悪寒にビクビクしていたら桜子に電流が走ったようだ。 まぁ、美形好きなら耕平の外見だけは好みの範疇だろうしな。
「ありがとう、北原! 桐ヶ谷!」
「最高の合コンだ!!」
「終生の友よ!!」
歓喜の涙を流し幸せそうな顔で語り合っている三人。
俺には伊織や耕平と出会うまで、同年代の友だち…と呼べるものがユージオを除いて居なかったのだと思う。 アスナも居たしクラインやエギル、リズにシリカと仲間が沢山いたお陰で憧れるということはなかった。
野島や山本、藤原はよくツルんでいる三人だ。
そんな三人のここまで幸せそうな顔は見たことが無い。
ホント。
醜悪過ぎて反吐が出る顔をしてるなぁ……
そして自分の思考もかなり捻れ伊織脳になっていることにもどうしようも無い罪を感じる。
「さてと和人、そろそろ」
「あぁ。そうだな」
「どうしたんだ2人とも?」
「耕平、今回のクエストは合コンを開く。つまり合コンを開いた時点でクエストは成功だ。 アイツらの生死は含まれていない」
「生かして返すとも約束してない」
「なるほど一理ある」
((一理ないんじゃ…))
千紗とアスナから電波を感じとったがアスナに醜悪な面を見せた罪を償って貰わなければならないので却下だ。
「それじゃあ俺の番! この中に、好みの相手はいませーん…なんちゃ…ってぇえええええええええええええええええ!!!???」
バリバリと音が鳴って野島が沈んだ。
「野島…?」「え、これどういう?」
「ほら早くやれよ藤原。盛り下げるなよ…?」
「…っ、こ、この中に好みの女性はい、いいぃいぃい!!???」
ぷすぷすと少し焦げ臭い匂いをさせながら藤原も沈んだ。
「いやいやいや、まだ何も答えてないのに感電してたよな!? おかしくないか!?」
「どうでもいいだろ藤原の答えなんて」
「そうだぞ。早くやれよ山本」
「いややるも何も桐ヶ谷が持ってるのはスタンガガガガガガガガガガガ!!!」
よし、仕事終わり!!
「ごめんなアスナ。煩くしちゃってさ」
「え、えーと…キリトくんのお友達じゃなかった…の?」
「まさか」
友達だなんてアスナは面白い冗談を言うな。
「待ちなさいよ、まだアンタらやってないじゃない…桐ヶ谷はいいは答えは分かってるから。北原やりなさい」
……居ないと答えたら奈々華さんに(千紗ちゃんのこと好きじゃないの?)と殺られるのか。伊織に逃げ道がないぞ…これ?
「………すぅぅぅ…はぁ………俺の好みの相手は…この中に…何人か!います!!!」
おぉ、上手い逃げ方したな。
見た目だけならここにいるメンバーはみんな凄いし。
「いやぁ、みんな魅力的と言いますか…」
「ねぇ、伊織くん。それは千紗ちゃん以外にも好きな人が居る、ってことかな?」
「良かったの? あの二人を前の店に置いてきて」
「血は見たくないだろ桜子。少なくとも俺は見たくないしアスナにも見せたくない」
「あー、はいはい。分かったわよ」
生贄を置いて脱出すると飲み足りなかったのでみんなで寿先輩のバイト先のバーへと来ていた。
多分後で二人も来るだろうからこその店のチョイスでもあるか。
「………あ! 思い出した!」
どこか晴れない顔でジュースを飲んでいたアスナは突然大きな声を出して桜子に詰め寄った。
「あなた、前にキリトくんに抱きついて写真を撮っていた人!」
「「は?」」
「間違いないわ…この、写真!」
アスナが見せてきたのは俺とのタイムラインに流れていた1枚の写真。裸の俺が下着姿の桜子に物理的に落とされている写真だった。
「あー……いつの飲み会だこれ」
「結構前よね…それでこれがどうしたの明日奈さん」
「どうもこうもないわよ! キリトくんは私の彼氏なんだから…!」
「あ、そうだ思い出したわ。 桐ヶ谷が彼女居るって公言して写真見せてきたから私も似たような構図で撮ったんだったかしら?」
「首締められてて覚えてないんだが…」
「とにかくキリトくんは…わ、私のだから!」
「いや要らないわよこんなクズ」
「へ?」
すごい恥ずかしいのだけれど、アスナの中で桜子と俺がそう言う関係になりかけていたって…ことか?
ないない、と首を振る和人。
「く、クズじゃないもん」
「いやどう考えてもクズでしょうコイツ。 明日奈さん、目を覚ましたら?」
「いい所沢山あるんだから!」
「その倍は悪いところ言えるわ」
「あー、その辺にしてもらえませんか……俺が耐えられない…」
「ちっ、仕方ないわね。 とりあえず面貸しなさい」
首根っこを桜子に掴まれて引き摺られると流れるように正座の体勢を取りビールタンクを抱えさせられていた。その昔の拷問か?
「先ず、アンタは私に礼を言う必要があるわ」
なにか礼を言うようなことをしてもらった……あ。
「ええ、そうよ。 アンタと北原が空けたシフトの穴を埋めたのは私だもの」
「毒島様、ありがとうございます」
「まぁ、桐ヶ谷に礼を言われても反吐が出るだけだから要らないわ」
この女…!
「だから別の方法で借りを返して貰うわ」
そう言った彼女の頬はアルコールのせいか、朱に染っていた。
いやアルコールせいではない。これから言うことに関しての羞恥だと和人は理解し息を飲んだ。
「北原と私をくっつける手伝いを命じるわ」
俺が恋愛の手伝いなんてユージオが聞いたら正気を疑うんだろうな。
前回言っていた
バカテス×五嫁 のクロスオーバーですが調子乗ってたら3話ほど書き上げてしまいました。
どうしよう。