ぐらんぶる〜もう1人の少年を添えて〜   作:夢見969

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今回繋ぎ回の為めちゃくちゃ短いです。
1話目ぐらい短いです。 それなのに難産。困っちゃうね。

メリークリスマス!!


沖縄 再び!

「って事で伊織は宝くじを当てて沖縄に行くらしい」

 

「あっそ、じゃあ桐ヶ谷。 沖縄行きの飛行機取っておきなさい」

 

「は?」

 

じゃあ、じゃないんだが。

バイト先で昨日あった事を桜子に伝えたら、とち狂った事を言ってきた。 何をどこで間違えたのか分からないが桜子は伊織が好きらしい。金だろうか?

 

「は? じゃないでしょう。しっかりと働きなさいよ」

 

「わかったわかった…飛行機お前の分を取っておけばいいんだな?」

 

「あんたこんなに可愛い女の子を1人で行かせる気?」

 

「?」

 

「可愛い女の子って聞いてキョロキョロするんじゃないわよ」

 

まさか彼女は自らの事を言っているのだろうか?と一瞬、体を抱いて身を引く和人だがそこで気が付いた。

相変わらず彼は桜子の用意したウエイトレス制服でバイトをしており店長もお客様も見慣れ始めていた。 和人自身もなんの違和感もなくスカートを揺らしてバイトに勤しんでいる。

 

「俺のことか…?」

 

「あんた、本当に病院行った方がいいわ」

 

何故だ。最近、ユイにもパパ可愛いです!って言ってもらったばかりなんだぞ。

 

「とにかくアイツらが旅行に行く日を調べてホテルと飛行機を取っておきなさい。 バイトのシフトも考えなきゃいけないんだがら」

 

「それなんだがな? バイト先(ここ)、来週から改装工事入って暫く休業だってよ」

 

「あら、なら丁度いいわ。 頼むわよ桐ヶ谷」

 

なんてことがあったのがはや数日前。

そして。

 

「着いたわね沖縄」

 

「着いてしまったな沖縄……」

 

桜子と和人は二人、スーツケースを転がしながら沖縄の空港へと到着してしまった。

向こうの空港から出発する際に野島、山本達の襲撃を受けたが桜子のパワープレイによって彼らは国家権力(警察)の世話になったので追い掛けてくるにしても時間はまだあるはずである。

 

「何処を探すんだ? 伊織と千紗が何処に行くかまでは聞いていないぞ?」

 

「お酒か海でしょ?」

 

「……沖縄の海なんて何ヶ所あると思ってるんだよ」

 

「だからこそアンタを連れてきたのよ、桐ヶ谷。 バカはバカと引き合うでしょう?」

 

俺は伊織のなんなんだ。

 

「とりあえずレンタカーを借りて移動しながら探すぞ。 あいつらは俺たちよりも先にこっち来てるしな」

 

6月に沖縄へ来た時にお世話になった……というより世話かけさせられたレンタカー屋に行くと流石に二人乗りの軽自動車は存在した。

荷物を積み込み、桜子監修で沖縄らしい格好にさせられるとそのまま肩を組まれて写真を撮られた。

 

うーん、空港をバックにアロハシャツの二人。

いい写真だけれど。

 

「桜子とツーショットか……はぁ…」

 

「シバキ倒されたいのかしら」

 

「でも何で写真なんて撮るんだ。 要らないだろう俺とお前とのツーショットなんて」

 

「明日奈さんに送るのよ」

 

「ちょっと待とうか? な? その手に持った端末を海に投げ入れろ今すぐ!!」

 

「ほら早く目ぼしい海岸に向かいなさいよ」(カシュッ

 

「貴様、酒にまで手を出したな……」

 

一人放置して帰ってやろうか。

そう思いつつも車を走らせ、空港から三番目に近い海へと向かっている。

 

「なんで一番近い場所じゃないのよ」

 

「あのバカ(伊織)が一番近い場所を選ぶとは思わない」

 

「一理あるわね」

 

途中、前もって調べておいたバーガー屋によってバーガーとポテトに飲み物を買いながら移動していると桜子のスマホが音を鳴らした。

 

「……ん?」

 

「何かあったのか? あと申し訳ないんだけど俺にもバーガー分けてくれないか?」

 

ズイッ、と口元に寄せられたバーガーを食べながら、信号待ちのタイミングで桜子がこちらに向けてきたスマホの画面を眺める。

 

【桜子、沖縄に行ってるの!? 沖縄にジャギーズの池越くんがいるんだって!】

 

これは桜子の友達からのメッセ? というか……このSNSに挙げられている写真って池越さんに似てるが……

 

「来ているようね」

 

「なるほど。耕平も伊織の幸せが許せなくて始末しに来たか」

 

「始末されちゃ困るのよ。 私のお金……じゃなくて北原が」

 

「お前本当に伊織が好きなんだよな? 宝くじの金目当てじゃないよな?」

 

しかし耕平が来ているなら話が早い。 恐らくだが奴は既に伊織を見つけているだろうし、連絡を取って合流すれば伊織と千紗を見つけられ……

もしかしなくても桜子とはいえ女性と二人っきりで沖縄に来た俺も同罪なのでは?

 

「毒島様、ただ単に沖縄を楽しむではダメですか……」

 

「あんた何言ってるのよ。ほら、この写真の所に向かいなさい」

 

こちらの申し出は却下されてしまったので大人しく車を走らせ写真の場所、つまり池越さん(耕平?)の目撃箇所へとやってきた。

とはいえ、あの目撃情報からは既に一時間経っているので移動をしている可能性の方が高い。

車を降りて暫く周囲を散策するもそれらしき姿は見えず、仕方ないのでズボンの下に履いてきた海パン姿になって海へとダイブする。

いやはやこの当たりの海は潮がベタつかなくて最高だな……

 

「なに海に入ってるのよあんた!」

 

「いや、そこに海があったから……桜子もどうだ?」

 

「………………はぁ」

 

呆れてものも言えないという顔をしながら桜子は車に戻ってしまった。あいつ、俺が居ないと車動かないことを分かっているんだろうか。と、思っていたら水着に着替えて戻ってきた。

 

「ここで入ったら見付けるまで他の海に入らない。それで決まりよ」

 

「なんというか、俺の扱い方を覚えてきたな桜子……………水着も新調したんゴファ!?」

 

「ほら、さっさと泳いで飯食って探しに戻るわ」

 

「少しぐらい沖縄を堪能させてくれ…こっちは彼女でもない奴と沖縄に来て、更にはいいように使われてるんだぞ…?」

 

「あら、使われて嬉しいでしょ?」

 

「まったくだが?」

 

危機感を覚えた和人は必死に泳ぎ、桜子は満面の笑みで逃げる和人を追いかけ始める。 傍から見れば、それはきっと微笑ましいカップルのそれなのだろう。 傍から見ればだが。

そのまま大体一時間が過ぎ、泳ぎ疲れた二人は這う這うの体で車に乗り込み、とりあえず何処かご飯を食べられる場所を探すこととなった。

時刻は夕方。伊織、千紗や耕平、愛菜は和人達よりも数時間早く沖縄に到着していた為、彼らと同じように動いていれば時刻が遅くなるのも当然だった。

 

「晩飯食べたらホテルだな」

 

「しっかり別部屋取ってるんでしょうね?」

 

「当たり前だろ。お前と同室なんて取るぐらいだったら即刻伊豆に戻るっての」

 

「殺すわ」

 

「何でだよ」

 

三線ライブを見ながら酒を飲み、代行を頼んで予約していたホテルに向かってもらって足早に二人は別々の部屋へと入っていく。

まぁ、幾ら気心が知れてる間柄とは言え旅行ともなると桜子のような理不尽が服を着ている生物でも疲れるようだ。

 

おもむろに端末を確認し伊織にメッセージを送ってみる。

 

『伊織、沖縄着いたのか? あまり羽目外しすぎるなよ』

 

既読は暫くつかなそうだしシャワー済ませてしまうか。

と、思っていたらポコンと通知音が部屋に響いた。なんだ随分早いな。

 

【スグ 通知 1】

 

……なんでだかとても嫌な予感がする。

 

ポコン

 

【リズ 通知 1】

 

ポコン

 

【シリカ 通知 1】

 

ポコン

 

【飯田摩耶 通知 1】

 

摩耶さんのだけ見るか。

 

『夜にごめんねー。 キリトくんには少し先に教えておこうと思って。 私、結婚するんだっ』

 

こ、耕平の命が危ない!!!!

 

慌てて耕平に連絡を取ろうとするも着信が入った。 くっ、こんな時にいったい誰だ!?

 

「もしもし…!」

『キリトくん?! な、なんで桜子ちゃんと二人っきりで沖縄に!』

「ごめんアスナ! 今それどころじゃないんだ! 耕平が、耕平が!!」

『それどころって…! 耕平くんがどうしたの…?』

「下手を打てば死ぬ」

『何が起きてるの!?』

「アスナ、ごめん。 後でしっかり話を聞くから…!」

『……危ないことをしてる訳じゃないんだよね?』

「…………大丈夫だ」

『今の間は何!?』

「あ、電波が」

『ちょっと、キリ─ブチッ』

 

ふぅ、アスナの方は後日謝るとして……一安心だな。

 

『おー、沖縄着いたぞ。 今日は軽く泳いで三線ライブを見て明日と明後日に本格的にダイビングだ』

 

伊織の危機感の無さに反吐が出る。

しかしこいつも桜子に狙われている身だ。丁重に供養してやるか……

 

 

 

 

 

そして夜が明ける!!

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