ぐらんぶる〜もう1人の少年を添えて〜   作:夢見969

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大変申し訳ないです。
他の作品書いたり、載せてない奴を20話ぐらい書いてたりとやっていた癖にこちらは全く更新せず。

ね、たまに凄く俺ガイルとか描きたくなるんですよ。えぇ。


沖縄で騒ごう!

眼前で繰り広げられているのは桜子と伊織のキスシーン。

行動力がある方だとは前から思っていたが……まさかここまでぶちかますとは。

とりあえず、店の入口に立ってるのもあれなのでみんなの席に座ることにした。

 

「か、和人!? あ、あれ!あれ!」

 

「キスをしているな」

 

「なんで!!?」

 

「さあ? あ、すみません。スピリタス二つ……え、無いんですか…。 じゃあとりあえず生で」

 

「何で桐ヶ谷くんが居るの…?」

 

「むしろお前達だけ沖縄行って、俺だけ置いてけぼりくらった気持ちを考えろよ」

 

「「うっ……」」

 

指摘したことにフリーズする千紗と愛菜を尻目に届いたビールを煽る。 ひと仕事の後はこれだよなぁ…!

 

「って、いつまでキスしてるのよあんた!」

 

「なによ。 まだ出来るわ?」

 

「まてケバ子……俺が聞く…! 誰の差し金だ!? 和人か!?」

 

「あんたが今まで如何にモテたか分かるセリフね」

 

なんで俺の差し金で桜子が伊織にキスをするんだ。写真は撮ったけど。

 

「しかしよく探し出せたな? 宛も無かっただろうに」

 

「大変だったんだぞ…桜子のお守りをしながらだと特にな。 たまたま耕平の目撃情報が入ってアタリをつけたって感じだったしな」

 

「俺の?」

 

「耕平というか池越さんが沖縄にいる!ってなってたからな。耕平が見間違いされたんだろうってさ」

 

ジョッキを傾けながら見ているともう一度、長いキスをし始めたので無視して耕平の方を見ると彼は清々しい顔をしながらビールを煽っていた。

 

「……なんだか大丈夫そうだな」

 

「なんの事だ?」

 

「いや、摩耶さん…カヤさんの発表あったろ?」

 

「俺はファンとして、彼女の幸せを願っているからな」

 

「いいファンだな。お前は……それじゃあ乾杯!」

 

「あぁ、乾杯だ!」

 

カーンとジョッキをぶつけ合う和人と耕平を他所に桜子と愛菜は何やら言い合っており伊織はキメ顔で「俺のために、争わないでくれ!」とか言って殴られていた。何をやってるんだアイツらは。

 

「私は北原が好きよ?」

 

「…何が狙いだ!?」

 

「エッチもできるし」

 

「ホテルに行こうか」

 

欲望に忠実なせいで手の平がグルングルン回っている。

 

「待ちなさい! もう、もう怒ったわ…!!!! 千紗が!」

 

「「「千紗(わたし)が!?」」」

 

一応彼女の手前、怒っておかなければ後々角が立つのは確かだろう。

 

「ワタシイヤダナー」

 

「言語を覚えたばかりのモンスターか?」

 

「そんなモンスターSAO時代には居なかったな」

 

そんな時、俺と耕平は気が付いた。店外から発される凄まじい殺気に。

 

「あれ、どうしたの二人とも?」

 

「気にするな千紗。少し風に当たってくるだけだ」

 

「あぁ、せいぜい北原を取り合っているといい」

 

軽く手を振り店外に出るとそのまま人気のない方へと歩き始める。間違いなく着いてきている。三人か…!

 

「……殺れるか?」

 

「問題ない」

 

耕平と共に振り向きざまに放った拳は見事に防がれ、そのまま胸ぐらを掴まれると和人は地面に叩きつけられ、耕平は腹部と鳩尾に拳を叩き込まれて転がることになった。

 

「今村ァ…桐ヶ谷くぅぅぅん!!」

 

修羅と化した野島、山本、藤原が何故か、本当に何故か沖縄に居た。

どいつもこいつも釘バットやらスタンガンやらを構えていて見た目も相まって完全に世紀末の連中になっているのだが、それは普段の行いのせいだろう。 しかし、この三人は確実にここで俺達を始末するつもりだ。

 

「殺す! ここで貴様らを精神も肉体も社会的にも抹殺する!!」

 

「凄いな全殺しじゃないか」

 

「一人で三度美味しいな」

 

山本達の殺気に当てられながらも耕平と和人は特に気にした様子もなく、服に着いた土埃をたたき落としながら朗らかに話す。踏んでいる死線の数が根本的に違うのである。

 

「貴様るァ!!! 女子と2人っきりで沖縄旅行たァなんてふてぇヤツらだ!」

 

「お前らが女と遊んでいる間に鍛え抜いたこの肉体と磨き上げた狂気でぶち殺す…!!!」

 

「さて、耕平。どうする」

 

「俺は山本を殺る。桐ヶ谷は野島を殺れ。藤原は…知らん!」

 

合図とともに駆け出した耕平は今まで見た事のないほどの俊足で狂気に囚われた山本に何かを囁いた。

 

「ガハァッ!?」

 

「「「何があった!?」」」

 

突然、血を吐き鼻血を吹き出し血涙を流して倒れた山本に俺も藤原も野島さえも手を止めてしまった。

 

「気にするな。俺が山本に現実というものを教えてやっただけだ」

 

現実を知っただけであそこまで死に近づくことはそうそうないと思うのだが。

 

「ま、まだだ…!」

 

「なに!? 山本、まさかお前が惚れていたVirtual IDOL のSAKUYAの正体が俺だと知ってなお生きると!?」

 

恐ろしい内容を暴露したな耕平!?

しかし山本はその衝撃を上回る執念で血を滲ませ(実際は噴き出てる)ながら凄まじい眼力でこちらを睨みつけていた。

 

「まだ俺には…ARアイドルのユナちゃんが居る…!!」

 

「…ん? ユナ?」

 

ユナとは、あのユナ…だよな?

 

「どうした桐ヶ谷。知ってるのか?」

 

「あぁ、色々会って知り合いというかな? 最近はユナにもエイジにも会えてないけど」

 

「そのエイジとは?」

 

「あー…ユナを守る人か?」

 

何だかあの辺を詳しく話すのは難しいし案外間違った答えでもないだろう言い方をしておく。

 

「」

 

「やめろ桐ヶ谷ァ! 貴様人の心が無いのか!?」

 

いつの間にか山本は再起不能のレベルで倒れていた。何故だ。

 

「何にせよナイスだ桐ヶ谷。バカは一人減った」

 

木の枝を構えて藤原と再び向かい合う。ぶっちゃけ野島の戦闘力は皆無なのでここまで来てしまえば2対1とほぼ同義だ。

振るった一撃、一撃は無駄に屈強な奴の筋肉に阻まれるが全くダメージが無い訳では無い。このまま押し切る!

 

「耕平、スイッチ!」

 

「任せろ!」

横に一閃、振り切って動きが止まった俺の背を踏み台に飛び上がり鋭いカカト落としを炸裂させる。

 

「ぐっ…!! こうなったら背に腹はかえられない…刃物を抜かせて貰うぞ」

 

「「そ、それは…!!」」

 

掲げられた右手にキラりと光る刃物。

 

爪切り

 

「フン!!」

 

顎に一撃入れて藤原を撃破。

 

「何が刃物だ焦らせやがって」

 

「爪切りで何が出来ると思ってたんだコイツは。 野島はどこに行った? 逃げたか?」

 

「いや、アイツはコイツらに比べても段違いに頭がおかしいからな。気をつけろ」

 

瞳をギラつかせながら周囲を見渡すと一人の変態が歩いていた。似つかわしくない金髪に骨格に合ってない衣服、ケバケバしい衣装。紛うことなき女装した野島だった。

醜悪。それは恐ろしい程までに見ていられないものであった。

 

「…どうする桐ヶ谷」

 

「なってないな」

 

「…何?」

 

「女装がなってない…!」

 

和人は激怒した。

かの醜悪な女装は女装にあらず。 振るった木の棒はかつての相棒である黒の剣のように煌めきバケモノ(野島)の身体をさながらソードスキルの如く打ち据える。

 

「…お前はそれでいいのか桐ヶ谷」

 

「手遅れなだけだ。気にするな」

 

 

 

 

 

 

 

 

変態三人を縛り上げゴミ捨て場に遺棄して再び店に戻る二人が見たのは頭を抱えて唸っている愛菜と桜子。 二日酔いには早いと思うのだが。

 

「何してるんだ」

 

「あ、二人とも戻ったんだ。 なんかよく分からないけど伊織のいい所山手線ゲームだってさ」

 

至極どうでも良さそうな顔をしている千紗。それでいいのか暫定彼女。というか伊織本人は何故か気絶してるし。

 

「何も思いつかない…!」

 

「ここまで、よく…頑張ったじゃない…!」

 

絶望に打ちひしがれる桜子。

息も絶え絶えに勝ち誇る愛菜。

 

「…桐ヶ谷! 丁度いいところに来たわね! 北原のいい所出しなさい!」

 

「ちょ、ズルでしょそれ!? それならこっちは耕平を出すわ!」

 

そして巻き込まれる俺達。

 

「伊織のいい所なんてほぼ無いだろ…あー、運動神経がいい?」「ふむ、理解力があるところ?」「会話が上手いよな」「料理も出来る」「思い切りの良さ」「視野の広さ」「顔」「腕っ節」…etc

 

 

 

「この程度だろ」

 

「全くだ。出すのにも一苦労だな」

 

「もういいわ…アンタらの勝ちよ…」

 

「なんでそうポンポンと出るのよ…伊織のいい所…」

 

何が何だかよく分からないが勝ったようだ。

 

「そうだ千紗。明日はダイビング行くんだろ? 俺と桜子も行っていいか?」

 

「え? うん、もちろん。でも朝早いよ?」

 

「大丈夫だ。あと少し飲んだらホテル戻るからな…伊織と耕平はこっちに連れていくから桜子を頼む」

 

「私は北原と一緒でも構わないけど」

 

「ダメ!!」

 

まぁ伊織は意識ないし、同じホテルに泊まったとしても記憶のない既成事実が作られるだけだろうから問題は無いと思うが…

愛菜のことを思えばなしだろう。

 

「それじゃあ明日と朝は海近くの飯屋でな」

 

「うん、それじゃあまた明日」

 

沖縄の二日目の夜もまた終わりを迎える。

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