ガールズバンドは恋している(仮)   作:スーさんFDP

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皆様、大変お待たせしました。

中々、思い着かず、考えて考えて、なんとか出来ましたので投稿します。


第5話「北沢はぐみは怖い5」

突然声を掛けられたはぐみは目の前の男性に対し、警戒することは無かったが、不思議に誰だろうと単純に思っていた。

 

「えっと、はぐみのこと知ってるの?」

「ん、ああ君のバンド仲間の瀬田薫と友達でさあ、君らのことを聞いていたから、少し気になって声掛けただけだよ」

 

花道はとりあえず、先ほどの出来事は敢えて話さず、当たり障りの無い会話から始めることにした。

 

「ところで、はぐみちゃん? 何か一人で黄昏れているみたいだけど、どうしたんだい?」

「・・・はぐみ・・・悩んでいる様に見える・・?」

 

少し思い詰めた様な表情になりながらはぐみは手元の本を撫でる。

 

「まあ、初対面の俺でも悩んでるって思えるから。家族や友達はとっくに気づいていると思うよ。」

「そっか・・・」

 

花道の言葉を聞いて、また少し落ち込むような顔をするはぐみ。彼は彼女の隣に「少し隣に座らせて貰うよ」と一声掛けて、彼女が持っている本の上に先ほど買った缶ジュースをおく。(缶の結露を服で拭いた状態)

 

「えと・・・」

「ほら何か飲み物あった方が話しやすいと思って、ジュース駄目なら紅茶でも買ってこようか?」

「う、うん? 別にはぐみジュース好きだから大丈夫だよ。ありがとう!」

 

ジュースを貰ったはぐみは少し笑顔になるが、少し影が残っている。

 

花道はそんな彼女にどう原因を聞出そうかと頭を捻って考えていると・・・

 

先ほどまで少し嬉しそうにしていたはぐみの方から声を掛けてきた。

 

 

「あ、あのね。実ははぐみ今この本読んでるだけど・・」

 

はぐみはそう言って、本の上に乗っていたジュースを横に置き、花道に見せた本は彼が書いた「恋煩い」だ。

はぐみが知らないとはいえ、堂々と書いた人物に「この本について聞きたい」と言われたら、複雑な気分だ。

とりあえず、花道は無難に返事した。

 

「その本ならよく分かってるよ(作家ですから)。最後は二人の思いが通じて、綺麗に丸く収まったしね。」

 

 

前回の続きだが、ざっくり説明しよう!

 

 

「浩介」と謎の後輩女子は親戚同士で、「浩介」はその子に「ありさ」と付き合うための相談をしていたのだった。

しかし、「ありさ」は一方でその後輩の女の子を「浩介」の彼女だと勘違いし、二人の恋愛は中々上手くいかなかった。

 

しかし、「ありさ」のソフトボールでの大会決勝戦前の夜に「浩介」が告白したことで、二人の誤解が解け、二人は結ばれる。

 

 

ざっくりと説明したが、告白までの内容が小説ではとても長く、中々誤解の解けない二人に読者はもんもんとしていた。

 

その時編集の担当をしていた結月さん(28 女性、独身)から、出来あがった原稿を読んでいる最中に電話で「男ならハッキリしなさいよ!!」と怒鳴られた。

花道は「だから独身なんですよww」と言って電話を切った。

 

後日、この話をした麻弥にめたんこ(←誤字じゃない)怒られた。

 

「うん・・・そうなんだよね・・・みんな笑顔で終わって本当に良かった・・・」

 

本の感想を言うはぐみの笑顔はどうみても作り笑顔だ。

普段の彼女を知っているハロハピのメンバーであれば、すぐに気づくだろう。

 

「ストーリーに問題無ければ君は何を怖がっているの?」

「・・・・この本を読んでてね・・・女の子が、その色んな人に迷惑掛けちゃう所とかあるでしょ・・」

 

 

小説の話の続きとなるが、「ありさ」はその後、「浩介」と一緒にいた後輩への嫉妬に駆られてしまい、「浩介」が映画に誘うも待ち合わせにドタキャンしたり、そのことでの罪悪感から部活のメンバーに当たったりしてしまう。

「浩介」はそんな彼女を見て、自分の所為ではと思い、「ありさ」に謝罪をするが、そのことで「ありさ」はさらに落ち込んでしまうのだ。

 

そんな折り、「ありさ」は部活の帰りに「浩介」と後輩の少女が二人で歩いているのを目撃する。その時二人の会話を偶然聞いてしまったのだ。

それは後輩の少女は「浩介」の従姉妹で彼女に対し「浩介」が「ありさ」を好きであると言うこと。そしてその恋愛相談をしているということ。

 

その時「ありさ」はすべて自分の勘違いだということに気づき、今までの罪悪感から「浩介」に謝り、部活を辞めようとする。

しかし、「浩介」は彼女を止め説得し、改めて告白をしようとするが「ありさ」が「今度の試合が終わるまで待って」ということで、「浩介」は了承した。

それから、「ありさ」は部活のメンバーに謝罪を済まし、次の試合で勝ったら、告白すると決めたのだ。

だが試合相手は去年の優勝校であり、不安になる「ありさ」。

 

すると「浩介」は「ありさ」を連れてバッティングセンターに連れて行き、一番早い球を投げるコーナーに入り「ありさ」に対し「初めてやるけど、ホームラン打てると思う?」と聞く?「ありさ」はその問いに対し、「無理だよ」と投げやりに答える。

そして「浩介」は何回も空振り、ファールを繰り返し、夕陽も沈んだ頃ホームランを打つ。

驚く「ありさ」を尻目に「浩介」は「ありさ」にサムズアップしてこう言った。

 

「信じて! 俺だってやるときはやるから・・・だから俺も、一緒にありさと戦うから・・・!」

 

その言葉と「浩介」の笑顔を見た「ありさ」の迷いは吹っ切れたのか、「浩介」に負けない笑顔で送り返す。

 

そして、試合当日、先制して自校が1点リードの中、10回表アウトあと一つと言うところで、相手の球が高く打ち上げられてしまい、球が太陽に隠れてしまう。

丁度守備位置に居た「ありさ」は球を探すが見当たらない。

焦る中、「ありさ」は観客席で叫んでいる「浩介」の姿を捉えた。

「浩介」の声は聞こえなかったが、何となく「飛べーー!」と言ってると理解した「ありさ」ははめているグローブを思いっきり掲げ、ジャンプし手を伸ばす。

球は見事にグローブに収まり、試合は終了。

チームメイトと一斉に抱きつく中、「ありさ」は観客席に居る「浩介」の方を見る。

 

そこには満面の笑みをしながら、サムズアップをする「浩介」の姿だった。

 

それを見た「ありさ」は「浩介―――!!」と叫んで、彼に向かってサムズアップで告白の返事を返すのだった。

 

 

 

 

以上がこの小説の全容だ。

 

確かにヒロインの「ありさ」が嫉妬の所為で周りを引っかき回すシーンが中盤多かった。

だが、恋愛小説じゃあ、よくありそうな展開とも思ったが、それがどうしたのだろう?

 

花道は頭を傾げて、思い返しているとはぐみの方が先に口を開いた。

 

「はぐみ・・・まだ恋をしたこと無いから、分からない・・・けど、恋して悩んでいるこの「ありさ」を見ていたら、こんなに苦しまなきゃいけないの? って思って、最後は感動して良かったって思ったんだ・・・だけど、読んで時間が経ってからはぐみ思ったんだ・・・」

「・・・・・」

「もしはぐみがいつか恋をして「ありさ」みたいに周りを傷つけちゃったらどうしようって・・・」

 

はぐみが自身の思いを口から溢していくと、それと同時に彼女の両目から雫がこぼれ落ちる。

 

「だから・・・! もし大切なみんなを傷つけちゃう「恋」が・・・はぐみは・・・怖い・・・!」

 

はぐみはそう言い終わると、本を胸元に持って行き、抱きしめるようにうずくまる。

 

それを見た花道は静かに優しい笑顔になると、泣いているはぐみに声を掛ける。

 

「はぐみちゃん。確かに恋は周りに一杯迷惑を掛けることもあるし、悲しいこともたくさん生んじゃうもんだ」

「・・・え・・」

 

突然の花道の言葉にはぐみは涙目で花道の顔を見る。

 

「だけどさ・・・その本の二人はどうして最後、結ばれたと思う?」

「え・・えっと・・・」

 

突然の質問に戸惑いを見せるはぐみに花道は笑って「難しいことじゃないよ」と言って言葉を続ける。

 

「それは・・・「ありさ」が「浩介」を好きになって、「浩介」が「ありさ」を好きになった。そして、部活のみんなは「ありさ」が大好きで、後輩の従姉妹は「浩介」を大好きだったから笑顔になれたんだ。」

 

花道はそう言うと、座っているはぐみの手を取り、河原のベンチから川の方へ向かって、はぐみを引っ張っていく。

急に引っ張られて驚くはぐみだったが、すぐにバランスを取り、そのままてを繋がれたまま、川を方に向かう。

 

そして、河原の中でも少し広めの所に着くと、花道は足下にある砂利の中から、適当に平べったい石を拾い上げる。

その石を軽く片手で、トスするとはぐみのほうに体を向ける。

 

「この石で水切りやってさ、向こうの岸まで届くかな?」

「え・・! う~んはぐみは届くと思うかな~~?」

 

その答えを聞いた花道は返事も返さず、持っていた石を川に向かって、思いっきりサイドスローで投げる。

投げられた石は川の表面を一発一発跳ねて飛んでいくと、6回目で、跳ね上がり向こうの岸まで飛んでいった。

 

それを見たはぐみは少し驚いた様子で笑顔になりながら石の飛んでいった方向を見る。

 

はぐみの笑顔を見た花道ははぐみにサムズアップすると、声を掛ける。

 

「信じてみなよ。もっとみんなのことを・・・その本のみんなだって、みんなを信じていたから、報われたんだ。」

「・・・・」

「はぐみちゃんはさ・・・もし大切な友達が恋をして、その本の「ありさ」みたいに誰かを傷つけて苦しんでいたら、どうする・・・?」

「はぐみは・・・・」

 

花道は笑顔を崩さずはぐみに問いかける。

 

少し風が流れて、川に波が走る。周りに音の無い静寂が広がっていた。

 

そして、静寂が止むと、はぐみは答えを返す。

 

「はぐみは・・・笑顔になりたい・・・笑顔にしてあげたい・・・みんなと笑い合いたいッ・・・」

 

 

はぐみは涙を溢す・・・・しかし、笑顔は溢さなかった。

 

 

それを見た花道ははぐみの傍に近寄り、小指を差し出す。

 

「じゃあ、はぐみちゃんに俺からのおまじない」

「おまじない?」

「そっ・・・恋って悲しいことも一杯あるけど、きっと暖かいからさ。だからはぐみちゃんが恋したらさ、俺も応援するから・・・一人じゃ無いから!」

 

花道はそう言って、はぐみの小指を取ると、優しく上下に動かし、指切りげんまんをする。

 

その言葉を聞いたはぐみは・・・・

 

「うんんッ!!!!」

 

 

顔を少し紅くしながら、今日一番の笑顔で返事をした。

 

 

 

 

 

 

「さってと、さっきチョコパフェ食ったけど、今度はいちごパフェ食いたくなったからファミレス行くけど、はぐみちゃんもいく?」

「うん!!はぐみも行く!!」

 

花道ははぐみをファミレスに誘うと、バイクの所まで行き、後ろに着いている予備のヘルメットをはぐみに渡す。

 

「ほら、はぐみちゃんも乗った乗った!」

「はーい!」

 

花道の言葉にはぐみは元気よく返事をすると、バイクの後部座席に乗り、花道の腰に抱きつく。

 

はぐみが掴まったのを確認した花道はゆっくりとセルを回し、バイクを安全に加速させていく。

 

 

そんな中、はぐみは花道の背中に抱きついたまま目をそっと閉じ、何だか胸がポカポカと暖かくなるのを感じながら、その心地よい感覚に浸るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

追記

 

あれから花道は薫達と会ったファミレスに向かっていたが、彼女達がまだ居たので、一緒に夕食を食べたのだった。

どうやら彼女達も心配で帰るに帰れなかったようだ。

 

 

その後、花音と黒服さんたちは花道のサインが貰えて、有頂天になったのは言うまでも無かった。

 

 




どうもありがとうございます!

さて、今回ではぐみ編は終了しました。

そして、悩みに悩み次のキャラクターが決まりました!!


次回「氷川日菜は理解らない」


イエーイ!!次回は日菜ちゃんです!!

そして、パスパレのみんなも出まーす!

そして、麻弥と花道の関係は!?

次回をお楽しみに!!



PS:実は現実逃避でこの作品のガルパピコ版を時系列無視で作りましたが、アンケートにて決めます。よろしくお願いします。

主人公、花道君をメインとした作者の現実逃避作品の超短編(要は短い小話)のガルパピコを投稿しようか迷っています!

  • やろう!!
  • 書かんかい!!
  • あ、遠慮します
  • それよか続き書け!!
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