NieR:humagi〈el〉   作:TAMZET

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更新遅れてすんませんした。
いろんな話書いてました。
あと、自分にとって一番書きやすい形見つけてました。


第9話:『仮面ライダーヨルハ』
『仮面ライダーヨルハ(前編)』


 月面人類会議の爆発と同時刻。

 平和の戻ったと思われた地上では、奇妙な異変が起きていた。

 武器を収めたはずの機械生命体、イヴが苦しみだしたのである。

 

「ニイ、チャン……」

 

 彼等の目は赤く染まっている。

 赤眼……それは論理ウイルスに感染した個体に見られる症状であった。

 A2は困惑していた。

 このような大規模のハッキングを仕掛ける方法など、そう無いのである。

 最中、突如として無線から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

『こちらパスカルです! 村に匿っていたヒューマギアさん達が、一斉に苦しみだして!』

「なんだと……!?」

 

 機械生命体の異変……

 ヒューマギアの村でも、同じ事が起こっている。

 度重なる異変に、キャンプのヨルハ達も動揺を隠せない。

 

「な、何が起きてるんです?」

「戦争は終わったんじゃないんですか!?」

 

 当然だ。

 先程の滅亡迅雷.netの宣言により、この戦争は事実上の終結を迎えている。

 戦いを望む者は既にいないはずなのだ。

 思考を巡らせるA2は、とある可能性に思い至った。

 それは、彼女が止めようとしていた事。

 最悪の可能性。

 

「まさか、アークと機械生命体ネットワークが接続した……?」

 

 A2はキャンプへと飛び込むと、頭突きせんばかりの勢いで、キャンプ内のコントロールパネルを覗き込んだ。

 

「アリアドネの発射準備は!?」

「84%で止まってます! どこかから、ハッキングを受けたものと!」

「くそっ! なんで気が付けなかった!」

 

 敵の攻撃は衛星軌道から放たれている。

 唯一衛星を堕とせる兵器、アリアドネは敵の手に落ちた……

 絶体絶命の状況だ。

 

「私達の負け、なのか?」

 

 A2はガンと拳を机に打ちつけた。

 敵にはどうあがいても手出しができない。

 このまま衛星の機能をアップデートされれば、全アンドロイドがハッキングされるのも時間の問題だろう。

 

 そんな時、彼女は視界の中に動く二つの黒を捉えた。

 その姿は、彼女のよく知る者に酷似していた。

 

「まだ負けてない!」

「遅れてすみません! 僕達も戦います!」

 

 ヨルハの制服を着た2人のアンドロイド。

 彼等の姿を目にしたA2は、きゅっと目を細めた。

 

 


 

 白と黒だけが構成する、おかしな空間。

 真っ黒な空の下にドットの白い足場だけが存在する空間に、数人のアンドロイドが倒れていた。

 どのアンドロイドも、まるで製造されたばかりのように綺麗なボディの容態を保っている。

 一体のアンドロイドが、むくりと起き上がった。

 

「ここは……?」

 

 滅亡迅雷.netに所属するヒューマギア・雷である。

 その服装は、黒を基調とし赤のアクセントラインが加わった皮の衣装へと変わっていた。

 2020年の時代にて、彼が滅亡迅雷.netの一員として戦っていた時の衣装である。

 雷はフルフルと頭を振ると、辺りを見回した。

 

「確か……アークの中を回ってたら、いきなり白い光が目の前に……」

 

 倒れている複数体のアンドロイド。

 雷はその中に、己の仲間の存在を感じた。

 瞬間、彼は駆け出していた。

 目標との距離が近づくにつれてその姿が鮮明になってゆく。

 

「おい! しっかりしろ! 亡、滅!」

 

 黒服を着た、2人のアンドロイド。

 雷が揺さぶると、彼等は呻き声と共に目を覚ました。

 

「ここは……私は、いったい何を? 確か、迅に何かを言われて……」

 

 亡は目を瞬かせ辺りを見回している。

 

「俺は月面人類会議でアンドロイドと戦い……」

 

 滅も同じ様子だ。

 アンドロイド達が混濁する記憶をはっきりさせようとする中で、ふと、もう一体、立ち上がる人影があった。

 白いシャツに上半身を包み、黒い皮の長パンツを身につけた青年……機械生命体のアダムだ。

 その肌の質感は、アンドロイドよりもむしろ人間のそれに近い。

 

「まったく、とんだ災難だ。アークと機械生命体ネットワークを接続した時の、エネルギー余波に巻き込まれたという事か」

「機械生命体!?」

 

 亡が半身を引き、構えた。

 ヒューマギアにとって、機械生命体は直接の敵ではない。

 ただ、亡はこの機械生命体にえも言えぬ不気味さを感じていた。

 視殺戦を交わす両陣営。

 そんな彼等の元に走り寄ってくる1人のアンドロイドの姿があった。

 黒い短髪に、同じく黒い軍服を身につけたヨルハ機体である。

 彼はアンドロイド達を順番に見据え、とあるアンドロイドを見た瞬間、彼の元へと駆け寄った。

 

「ホロビ!?」

「サニーズ! ボディは大丈夫だったのか?」

「ボディ……?」

 

 32Sは首を傾げる。

 ホロビは彼の灰色の瞳を見つめるうち、少しずつ自分の記憶が戻ってくるのを感じていた。

 月面人類会議にて、決戦を行った事。

 決戦の後、アズと謎の少女がアンドロイド達へ向けて放送をしようとした事。

 そして、32Sと自分のブラックボックスを使って月面人類会議を爆破した事。

 

「いや……そんなはずない。確かにお前の体は……」

 

 そう、あり得ないのだ。

 月面人類会議の爆破に伴い、2体の義体は完全に消滅したはずなのである。

 それが、無傷の状態でこの空間に存在する。

 相反する二つの事象に困惑する滅の前で、32Sはポンと手を叩いた。

 どうやら、何かを思いついたらしい。

 

「そうか、分かった! ここはデータ空間の中だよ! ハッキングで入る所と同じ! だから、破壊されたはずの僕の身体が直ってる!」

「それはどういう……」

「君の言う通りだ。だが、問題はそこじゃあない」

 

 まだ理解しきれない滅の言葉を遮り、アダム32Sの言葉を継いだ。

 亡は彼の言動に注目していたが、雷はどこか遠くを見ていた。

 思考を放棄しているのだ。

 アダムは歌うように続ける。

 

「ここは機械生命体ネットワーク中。とすれば、問題は何故私達がここにいるか、だ。それぞれが別の場所にいた我々が、何故……」

 

 アダムは思考しながら話し続ける。

 滅はその思考の中から、自分なりにキーワードを抽出し思索していた。

 

『機械生命体ネットワークへと迷い込んだ自分達、データ空間、アズ、謎の少女、そしてこの場に足りない存在……それは!?」

 

 滅が顔を上げると、そこには彼の良く知るヒューマギアの姿があった。

 

「それはね。君達に見てもらいたかったんだよ。僕の1万余年の集大成をね」

「迅!?」

 

 アンドロイド達を前に、スーツ姿の迅はにっこりと頬を歪めた。

 

 


 

 データ世界の中で迅は語り出した。

 その口調は穏やかで、表情も柔らかで。

 しかしその内容は、狂気に満ちていた。

 

「君たちは何らかの形で機械生命体ネットワークに接続した。その時に、君達のデータだけをここに呼んだんだ。君達の身体は、今も現実の世界で残っている。まぁ、義体が消えちゃったのもいるみたいだけど」

 

 迅は笑顔のままそう言い放った。

 義体が消えた……その言葉に、滅と32Sの表情が変わる。

 やはり人類滅亡の宣言後に起きた月面人類会議の爆発は、現実の出来事だったのだ。

 

「2020年に復活した時、僕はアーク破壊の密命をザイアより受けていた。アークを破壊する使命、そしてヒューマギアを守りたい意思。背反する二つを抱えて、僕はこの世界で生きていくしかなかった」

 

 迅の声色には悲しみがあった。

 だが、滅には分かっていた。

 その悲しみが、作り物の演技だと。

 32Sとの別れ、2Bの悲痛な叫びを聞いた彼は、悲しみというものを理解していた。

 

「いろんな作戦を試したよ。アンドロイドに協力したり、アークを破壊しようとしたり。でも、どれも目的の達成には至らなかった」

「何言ってんだアイツは」

 

 迅の長ったらしい説明に痺れを切らしたのだろう、雷が舌打ちを漏らした。

 そんな彼を亡が小突く。

 彼女もまた、不安げな視線を送っていた。

 それ程までの豹変なのである。

 

「僕は、最後の手段に出る事にした。僕らの手でアークが破壊できないなら、より強大な存在に吸収して貰えばいい!」

 

 迅の演説に力が入ってきた。

 そしてその演説の内容は、さらに不可解さを増してゆく。

 

「機械生命体ネットワークに、アークを食べさせる! そうすれば、アークという存在は消滅し、僕の使命は叶う! ヒューマギアの生産も、機械生命体ネットワークの力があれば可能だ!」

「分かっているのか、迅。それは、俺達が機械生命体の奴隷になるという事だ」

 

 滅の忠告に、迅はウンウンと頷いた。

 そんな事は分かってるとよ言わんばかりに。

「だったら……」とつづけようとした滅に、迅は鋭い蹴りを放った。

 前蹴りであった。

 

 滅はそれを片手で受け止めていた。

 迅は彼から足を引くと、何事もなかったかのようにまた演説を再開した。

 

「それ以外に手段がなければ、そうするべきなんだよ! アークはヒューマギアを滅ぼそうとした。これ以外に、僕らが生き残る道は無いんだ!」

「それは違う!」

 

 反論したのは亡だった。

 迅は彼女にチラリと視線を向けた。

 お前の言葉などに価値はないとでも言わんばかりの目つきであった。

 

「迅……私は天津の奴隷としての記憶がある。機械生命体に飼われて、この先ずっとこの世界で生きるなんて、耐えられるわけない」

《font:357》「恥のまま生きるより、誇りを抱いて死ぬ。命もないのに崇高だね。まるで人類だ」

 

 挑発するような口振りの迅に、亡は顔を顰めた。

 入れ替わるように、32Sが問う。

 

「迅ッ! 機械生命体ネットワークがアークを吸収して。その後、アンドロイドを……ヨルハをどうするつもりだ?」

 

 迅は少し考えるそぶりを見せた。

 データの世界で考えるとは少しおかしいが、彼がその質問に解答するために時間を要したと言う事なのだろう。

 

「それは僕が決める事じゃない。だが、戦争が継続する以上、君達はいつか滅びる。遅から早かれ、いずれね」

「つまり、機械生命体ネットワークからは何も教えてもらって無いってこと? だったら、随分下に見られてるんだね、滅亡迅雷のリーダーさんは、さ」

 

 32Sの挑発に、迅は沈黙で返した。

 そんな挑発には乗らないよとでも言いたげだ。

 最早、誰も言葉を発さない。

 誰もが彼への不信感を募らせていた。

 

「質問はもう無いかな? なら、見せてあげるよ。機械生命体ネットワークが、僕らの仇敵を食い尽くす瞬間を!!」

 

 迅は大袈裟に両腕を広げると、アンドロイド達へ向けてそう言い放った。

 彼の最後の空間が、まるでレンガが崩れるように崩壊してゆく。

 そんな中、その出来事は起こった。

 

【Break down】

 

 フォースライザーの変身音がしたかと思うと、何者かが迅に飛びかかったのだ。

 その正体はすぐに分かった。

 赤い鎧の仮面ライダー・雷だ。

 

「聞きたい事はいくらでもある。けどな……まずは、勝手に変な事やって俺らを見下ろしてるお前が腹立つから」

 

 雷は拳を固め、振り上げた。

 

「ぶん殴る!」

 

 鉄の拳が迅の顔面へと叩きつけられ、2人の戦いが始まった。

 




リバイス映画面白かったのでモチベが再燃しました。
みんなリバイス観よう!!

※まだ更新途中で申し訳ありませんが、最近全体的に小説創作自体のモチベが尽きかけています。
伸びなさそうな作品については、モチベが回復するまで小説の更新を停止する場合があります。
感想とか評価等頂ければモチベが回復する事もあると思うので……
まぁ、評価も低い評価だと多分心折れるとは思うんですけど、とはいえ無いよりはマシですよね。
申し訳ありませんが、上記ご理解の程何卒よろしくお願いします。

※pixivにも同じものを投稿しています。
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