NieR:humagi〈el〉   作:TAMZET

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後少しだけやる気が続けば……良かったのにね……


エピローグ

俺達のデータは、衛星アークの破壊と共に消え去った。人間で言う死を迎えた。地上に落下した電子空間は損傷が激しく、復旧は困難となっていた。

だが、世界は都合よくできていた。

俺の想像よりも都合よく。

 

「よく頑張ったな、ホロビ」

「飛電、或人……?」

 

俺たちの身体は、浮遊する衛星アークから射出された。データの破損が激しく、アンドロイド達による復旧には3年以上の歳月を要した。

 

目覚めた時、この世界は激変していた。

西暦11950年4月3日。

水没都市に突如として時空の歪みが発生。過去の世界から無数の人型が現れた。

彼らは白塩病の侵食から逃れた人類だと言う。奴らの中には見知った顔もいた。不破諌、刃唯阿……そして飛電或人。

その中に、あの男……天津の顔は無かった。

過去の世界での飛電或人と天津垓との激戦は、後に不破から伝えられた。そして、この世界のA2は、別の世界の2Bだという事も。

イズは飛電或人と、2Bは不破諌と……再会を果たした。俺が会いたい人間は過去にはいなかった。この壊れた世界で培った、歪な絆こそが今の俺の全てだ。

 

人類はマスターピース。

彼等はアンドロイドとヒューマギア、そしてネットワークから外れた機械生命体の統治を約束した。

 

新たな共同体の名前は『寄葉(よるは)』。

共同体の基盤は、あの戦争が起きる前から計画されていたようだ。計画者は迅だった。

 

迅の理想は、ヒューマギアとアンドロイド、そして機械生命体が共に暮らす世界だった。過去から来た2Bの存在により、人類種の存続という希望すら見えた。

だが、それの実現にはアークの打倒は不可欠だった。アークの打倒を為すため、迅は力に狂った。未来に賭け、己を含めたこの壊れた世界の全てを破壊しようとしたのだ。

全てを支配しようとしたアークは、自由を求める俺達の意思に敗れ、粉々に消えた。これが奴は常に1人だった。それは機械生命体ネットワークも同じだったのだろう。奴等は融合しても一つであり続け……それ以上にはなれなかった。俺達との違いはそこだ。

 

戦争は終わった。

これが46B、サニーズ……俺が望んだ結末だ。

待っていたのは、人類という神のいる天国。

だとすると、俺達は天使になるのか。

 

俺達は俺達の世界を守り切った。

ヒューマギアと、アンドロイドと、機械生命体の、自由を。

俺達はこれから人類と共に、この世界を歩む。

 

戦争の終わった、この世界で。

0から始まった、1の世界で。

もう一度始めてやるんだ。

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