「さて、ついた…」
(マスターはこの星が好きですね)
「まぁ、落ち着くしな」
(もうこの世界に来てずいぶん経ったな…)
アイムは過去、前世の記憶をもっている。なぜそのようなことになっているのかというと
「ここは…?」
「お主が最後か…」
「あんた誰?」
無駄に偉そうな老人を見上げながらアイムは質問した
「わしは神だ」
「神?」
「そう神だ」
「………………」
「あの、何か反応くれないか?」
「………ドンマイ」
「どういう意味じゃ!?」
「え?だってその年で中二病患者って…」
「誰が中二病じゃ!」
神はアイムに違うというがアイムは信用していない顔で見続けていた
「ぐっ…と、とりあえずじゃ、お主には転生してもらう!」
「え~」
「なんでそんな反応するのじゃ」
ここに来たものは皆転生を望む。まれに欲望まみれのものいるがあかるさまに嫌そうな顔をしたのはアイムが初めてだった
「だってめんどくさそう」
「と言っても決まっていることじゃ」
「なら仕方ないな」
「お主物わかりがよすぎないか?」
急に態度を変えたアイムに神は目を丸くする
「いいから早くしてよ」
「まぁ、乗り気になってくれたのならいいかの。ならば3つの特典を与えよう!」
「それ必要?」
「無論じゃ」
「う~ん。なら修行をつけて」
「は?」
「だってその転生したら何があるかわからないじゃん。自衛のためにさ」
「むう…それは…」
「だめなの?」
どこか歯切れの悪い神にアイムは質問する
「だめではないのだが。人の魂が長いことこの世界にとどまるとどのような影響があるかわからんのじゃ」
「それってこの世界がどうにかなるってこと?」
「いや、おぬしがどうにかなるかもしれないということじゃ」
「ならいいや」
「いやいや!どうなるかわからないのじゃぞ!?」
「そん時はそん時で」
「本当に変わっとるの…」
「それで、もう一つは武器が欲しい」
「どんなのじゃ?」
「折れず曲がらず壊れない刀かな?」
「それくらいなら問題なかろう」
「それじゃもう一つはスペックの向上で」
「ふむ、基本的な能力の向上でいいのか?」
「そんな感じで。いろんなことに挑戦したいから、全く才能ないなんてつまらないじゃん」
「なるほどの。ではそうしよう」
そうしてアイムは神のものとで5年間修業を行い、その力をそのまま継承して現代に降り立ったのだ
「そろそろ行こうか」
(どこにですか?)
「コーヒー飲みに」
この前来た時に結構うまいところ見つけたんだとアイムは意気揚々と歩いていった。
「いらっしゃいませ~」
「すいません。コーヒー一つ」
「かしこまりました」
喫茶店翠屋に着いたアイムはさっそくコーヒーを注文して一人席でボーとしていた
「お待たせしました」
若い男性が持ってきたコーヒーを一口口に含み満足したように息をついた
「気に入ってくれましたか?」
「ええ」
そうしてアイムはまた一口と飲んだ
「そういえば君、いくつだい?」
「数えで12になります」
「…学校はいいのかい?」
「学校?」
「この時間はまだ授業があると思うのだけど」
アイムのことを怪しそうに見る若い男性にアイムは顔色変えずに行った
「問題ありません。すでに飛び級で卒業しているので」
「そういうことだったのかい」
もちろん嘘だが、考古学を専攻しているアイムにとって今更一般教養など習う価値などなく興味がなかった
「とりあえずおかわりで」
「もう飲んだのかい?早いね」
「おいしいですから」
「嬉しいことを言ってくれる」
そういって男性がまた入れてくれたコーヒーをアイムは美味しそうに飲んだ
それから少しして、日が傾いてきたこともありアイムは会計を済ませて外へ出た。その時
「魔力反応?」
街中で大きな魔力の反応を感じたアイムは不思議そうに首を傾げた。その時、アイムの足元を何かが翔けた
「イタチ?」
クリーム色のイタチのような動物が魔力の反応のほうへ走っていく姿を不思議に思ったがそれ以上にアイムには不思議だったものがあった
「なんでユーノと同じ魔力の感じがするんだ?」
さきほどのイタチはユーノと全く同質の魔力を感じた。だからこそアイムには不思議だった。
「とりあえず見に行ってみるか」
アイムは、人がいない路地裏に入ると魔力を感じる地点まで転移した
「おいおい、なんだこれ」
アイムが見た光景はアイムよりも幼い少年少女たちが魔法を駆使して戦っている光景だった
「この世界は基本的には平和だったはずだろ…なんでこんなことになっているんだ?」
アイムがこの世界を気に入っているのは争いがないことも理由の一つだった
「そもそも、この結界…ユーノのものと同質だ…」
空を覆い尽くしている結界は昔ユーノが使っていたそれと同じでどこかにユーノがいるのかとアイムは視線を巡らせる。その時
「私がジュエルシードを集めるのがユーノ君の探し物だから…初めはそうだったけど今は、大切な人が傷つくのが嫌だから!これが私の理由!次はフェイトちゃんだよ!」
「わた……私は……」
「フェイト!そんな奴の言うこと聞く必要なんてない!甘ったれた言葉に耳を貸す必要なんてないだろ!?私たちの目的はジュエルシードだけだよ!」
「…アルフ…」
少女たちの会話の内容も気になったがそれよりも先ほどのユーノという言葉がアイムは気になった
「ユーノ?やはりこれはユーノが……ジュエルシードというのはあいつが発掘したロストロギアのことなのか?」
その時、白い服の少女と金髪の少女が何かに向かって駆け出した
その先には青い宝石のようなものが見えた
「あれがジュエルシード?…まずい!」
ジュエルシードが不完全な封印状態であることに気が付いたアイムはこのまま二人がぶつかり合ったら暴走が起きかねないと焦って行動しようとしたが一歩遅く
「きゃあああああああ!!!」
「くっ!!」
二人の杖がジュエルシードを挟んで激突しそして、暴走した
「なのは!」
「丈瑠!」
「ああ!」
丈瑠と呼ばれた少年はなのはと呼ばれた少女のもとへ飛び立って抱えた
「フェイト!」
フェイトと呼ばれた金髪の少女を心配して走り出したオレンジ色の狼だが、暴走した魔力流に思うようにすすめなかった。
「フェイト!」
一生懸命叫ぶ狼だが魔力流で視界が見えずようやく落ち着いてきた時そこにいたのは
「……けがはないか?」
「えっ!?」
フェイトを抱えているアイムだった
「フェイトを離しな!」
「……………」
アイムは言われる通りゆっくりとフェイトを下した。フェイトはどうしてという顔をしていたがアイムはその視線を無視して目先のジュエルシードを見ていた
「あんた何者なんだい?」
「あれだけの衝撃で暴走する物体……魔力もかなり高い。あれだけ小さいのにどうなっているんだ?」
「ちょっ!?あんた何してるんだい!?」
ジュエルシードにゆっくりと近づいていくアイムにアルフは驚きの声をあげる。ジュエルシードの周りは魔力流が発生していてかなり危険な状態だ。それなのにアイムは全く気にしていない
「形状は小さな宝石……何か特殊な文字でも刻まれているのか?」
「だめ!」
アイムが手を伸ばしてジュエルシードを掴んだことにフェイトは声をあげて走り出し、アイムを抱えてその場から離れた
「何をする」
「何って…こっちのセリフだよ!あんな危険なことをして」
「そんなことには興味がない」
「興味がないって…」
「それより離してくれないか?あれを調べてみたいんだが」
「まだあきらめてないの!?」
頭のねじが2,3本抜けている発言にフェイトは目を丸くする
「とりあえずおとなしくしていて!」
年下に怒鳴られるというかなりシュールな構図になってしまったがアイムは特に気にすることもなくまた歩こうとしたが、アルフに阻まれてその場にとどまり事の成り行きを見守ることにした。
結局フェイトがジュエルシードを封印してその場から去っていった。
「………………はぁ」
その光景をじっと見ていたアイムはため息をついて、その場を立ち去ろうとした。
「アイム!」
「?」
名前を呼ばれてアイムは不思議そうに振り返った。そこには先ほどのイタチがいた
「誰だ?」
「僕だよ!」
「俺にイタチの知り合いはいないんだが…」
「イタチじゃなくってフェレットだよ!ってそうじゃなくて僕だよ!ユーノだよ!」
「…………………」
「なんでそんな信用ない目で見てくるの!?」
冷たい目で見たアイムにユーノは抗議の声をあげる
「君なら僕の魔力の質を感じ取れるだろ!?」
「まぁ…」
「ならどうしてそんな反応!?」
「……イタチに平然と話しかけるやつは異常だ」
「うぐっ…」
使い魔とかならまだしもいきなり馴れ馴れしく動物に話しかける人物を正常な人物とは思えないというひどく正論を言われてユーノは口ごもった
「とりあえずユーノ。久しぶりだな」
「うん。それよりアイムはどうして?」
「お前が勝手にいなくなるから俺に捜索願が来た」
「あ……」
アイムが動いたということは長老が自分を探しているのだとわかったユーノは心配をかけたことに自責の念に駆られた
「まぁ、無事みたいだし。俺は報告に戻るから、早く戻れよ」
「ちょっと待ってよ!」
「なんだ?」
すぐに転移を開始しようとしたアイムをユーノは止めた
「その、ジュエルシードを集めるの手伝ってもらえないかな?」
「…………嫌だ」
「どうして!?」
「そこの奴らで十分だろ」
アイムが指をさした先にはなのはと呼ばれた少女やほかの少年少女がユーノのことを見ていた
「でも、彼女たちに危険なことはさせられない」
「……………ユーノ」
「なに?」
「歯、くいしばれ」
「へ?」
アイムはユーノに近づいて容赦なく蹴り飛ばした
「ユーノ君!?」
「あんた何するの!?」
なのははユーノのもとへそしてもう一人の少女はアイムに非難の声をあげる
「その子たちに協力を仰いだのはおまえだろ。ならば危険だろうが最後まで責任をとれ」
アイムはそれだけ言って転移してその場から消えた
「大丈夫?ユーノ君」
「うん」
苦しそうにしていたユーノだがだいぶ痛みもなくなってきたのか今は少しだけ元気にしている
「最後まで責任をとれか…痛いこと言われちゃったな…」
「ユーノ君…」
「さっきはあんなことを言っちゃったけどもう一度僕に力を貸してくれる?」
「「「もちろん!」」」
みんなは笑ってユーノに言った。その言葉だけでユーノの気持ちは軽くなった
(でも、やっぱりアイムにも協力は捨て欲しかったな…)
自分の力が不完全な今、アイムの力を知っているユーノは去って行ったアイムの影をどこか悲しそうに追った
(あなたも意地悪な人ですね)
「あんなことを言ったあいつが悪い」
(それは否定しませんが…)
クリスに文句を言われながらもアイムは考えを変える気はなかった。もともと協力をする気はなかったが、先ほどの光景を見てその考えも変えるべきかと思ったが。ユーノの無責任な言葉にすぐにその気持ちも失せた
「危険だろうが自分で最後までやると決めたのはあいつだ。ならばその覚悟を持つべきだ。」
フェレットの状態になっていたユーノ。それはつまりその状態を維持しなければならない何かが起こったということだ
「あいつが最初から俺に、いや、周りに協力を仰いだのなら話は別だが、あいつは自分でできると思って行動した。そして、結局は周りを頼るしかなくてあの子たちが手を貸した。ならば俺が手を出すのではなくあの子たちと一緒に解決するべきだろう」
(あなたは本当に素直ではないですね。本当は助けたかったのではないのですか?)
「…買い被りだ」
初めはそうだったが今はそんな気はないとアイムはクリスに言って歩く
「ここかな…」
(そうですね、何回か転移をしたみたいですけど私からは逃れられません)
アイムはマンションを見上げていた。クリスはデバイスではあるがアイムの武器は神からもらった神刀だ。だからこそクリスはアイムの趣味である遺跡に必要なデータを入れてある。その中で探索系統の魔法を豊富に埋め込んであるのだ。そのおかげでここまでたどり着いた
「ロストロギアの不法な所持。さて、どう出るかな…」
(違法なことですね。逮捕するのですか?)
「まさか、俺は局員ではない。そんなことをする必要はない」
(では、どうして…)
「少し、話をしてみたくてな」
原作のことを知っているアイムはフェイトがどうしてジュエルシードを集めるのかを知っている。でも、現実は自分や先ほどなのはたちの周りにいたものたちのせいで流れが変わっているかもしれない。原作にかかわる気はなかったアイムだが、この世界が壊れるのはアイムにとっては許せなかった。だからこそ、小さな力しか持たない自分でも何かできるのか探してみようと思ったのだ
「さて、行くぞクリス」
アイムはテスタロッサと書かれた表札を前にして
ピンポーン
扉の横にあるベルを押した
(何普通に訪問してるんですか!?)
「え?だって、人の家尋ねるんだぞ?」
何をバカなことをとアイムは不思議そうにした。クリスは頭がないけど頭痛を感じた
「は~い。どちらさまですか?」
(何貴方も普通に出てるんですか!?)
警戒心もなく扉を開けたフェイトにクリスがツッコミを入れる。いきなり怒鳴られたフェイトは体をすくませて涙目になった
「えっ…でも、チャイムが鳴ったし…それに…あの…」
「おいクリスいじめてどうする」
(私間違ってました!?正論を言ってるだけですけど!?)
とうとう泣き出したフェイトを見てアイムは非難するようにクリスを見たが、身柄を隠しているのに無防備なフェイトと警戒心もなくふつうにしている主にツッコミが止まらない
「あんたたち何してるんだい?」
フェイトの後ろからあきれたような顔でアルフが見ていた
(アルフさんからも何か言ってください!)
「何を?てか、あんたたち…さっきの奴らかい?何しに来たんだよ」
威嚇するように構えるアルフ。そしてそれを見たクリスは嬉しそうに声をあげた
(そうです!その反応です!それを待ってました!)
「いきなり何言ってるんだい!?」
(誰かもわからない人に対してのこれが正しい行動です!)
「…あんたのデバイス大丈夫かい?」
「……メンテは欠かしてないんだが…」
(私はどこもおかしくないです!)
褒められたアルフは心配そうにクリスを見て、アイムもどこか無理をさせたかなとクリスをいたわっている。クリスは必死に抗議の声をあげるが誰も聞き入れてくれなかった
「とりあえず、入っていい?」
(マスター!?)
「ぐすっ……どうぞ」
(何招き入れてるんですか!?)
お邪魔しますと入っていくアイムと泣きながらも招き入れるフェイトにクリスは声を荒げるが、聞き入れてはもらえなかった。そんなクリスにアルフは
「あんたも苦労してるね」
(わかってくれますか…)
いたわるように言うアルフにクリスは泣きそうになった
「それでなにしに来たんだい?というかあんたたち何者だい?」
「ふむ………クリス」
(なんですか?)
「何しに来たんだっけ?」
(何ボケてるんですか!?)
行き成りここに来た目的を忘れたアイムにクリスがツッコム
「失礼な…えっと…お前らがジュエルシードを集める目的を聞きに来たんだっけ?」
(そうですよ。しっかりしてください)
「というわけだ。聞かせてくれ」
「教えるわけないだろ!?」
なんで言わなきゃならないんだよとアルフが言う
(マスターももっと言葉を選びましょうよ)
直球すぎますよとクリスはため息をこぼす。デバイスだから出るわけないが
「えっと…あの、貴方たちは誰なんですか?」
「そうだよ。こっちが言う前にあんたらのことを話しなよ!」
今まで黙っていたフェイトがおずおずと聞くとアルフもそれに便乗して聞いてきた
(マスターここは)
「わかっている」
黙っているべきだと思ってクリスがアイムに助言しようとしたがアイムはそれを制した。そして
「俺はアイム、考古学者だ。こっちは相棒のクリスだ」
(マスター!?)
何言ってるんですかとクリスは驚き声を荒げる
「考古学者?」
「簡単に言うなら昔のことを調べるものだ」
「それが私たちに何の用だよ」
「さっきジュエルシードのことを調べたくてな。見せてもらえないか?」
「はん。そんなこと「いいよ」フェイト!?」
はい、と簡単にジュエルシードを渡すフェイトにアルフは驚きフェイトに詰め寄る
「?だめだった?」
別にみるだけだし大丈夫だよと天然発言するフェイトにアルフは頭を押さえた
(なるほど、こうしてジュエルシードを回収するつもりですね。さすがですマスター。あえて手の内を見せて相手の油断を誘うなんて)
私もまだまだですねとクリスは自分の不甲斐なさを嘆いて、ジュエルシードを見ているアイムに尊敬の念を送るが
「なるほど、よくわかった。ありがとう」
(なに普通に返してるんですか!?)
あっさりフェイトにジュエルシードを渡したアイムにクリスは言うが、アイムは不思議そうに首を傾げた
「だって見るだけっていっただろ?」
(そうですけど……)
さっきの私の感動を返してくださいと嘆くクリスにアイムはただ首をかしげるだけだった。
それからしばらく雑談をしたアイムとフェイトだったが、クリスとアルフだけは私たちは間違っていないと天然な主を持ったことで意気投合したのか愚痴を言い合っていた
「さて、それじゃクリス」
(帰るんですか?)
「泊めてもらうことになったから飯をつくるぞ」
(は!?)
「え!?」
どうしてそうなったとクリスとアルフは驚愕の声をあげる
「さっき助けてもらったお礼をしたいから何がいいって聞いたら止まるところないんだって。だからいいでしょ?アルフ」
「でもね、フェイト」
「だめ?」
うるうると涙目で訴えるフェイトに、フェイトが大好きなアルフが断れるわけもなかった
「わかったよ」
「やった!よかったねアイム!」
「ああ、ありがとう」
嬉しそうにアイムの周りをはねているフェイトはまさしく飼い主と飼い犬の光景に似ていた
「はぁ……」
(お互い、大変ですね)
「全くだよ…」
「はぁ(はぁ)」
クリスとアルフは重いため息をこぼした。
夕食が終わり、ソファーを借りて横になっているアイムを見ていたクリスはため息をついた
(あなたは遺跡や戦いになるなら慎重で頭もまわるのにどうして日常生活のことになるとどうしてここまで無防備になるんですか…)
興味のないことには全く頓着しないアイム。それは自分の日常生活もその一つだった。アイムにとって日常とは趣味に充てるだけの時間。それ以外はただの時間が流れるだけのこと、だからこそフェイトたちにも警戒もなかった。もっともアイムの中では警戒するに値しなかっただけなのだが
(まぁ、ほっとけば一日中ボーとしてるだけですしこうして誰かと一緒にいればまともに食事もとりますからいいんですけど…)
アイムは何もないとただ空を一日中見上げている、いくらクリスが注意してもアイムの性格は治らなかった。ユーノがともにいたときはユーノのおかげで何とか食事もしっかりとっていた。
(自分一人ならどうなろうとかまわない、けど、誰かとともにいるならその人に合わせる。ですか…)
自分にも興味がないからどうでもいい、けど、そのせいで誰かの迷惑になるのは嫌だから行動を共にする。それがアイムの信条だった
「クリス?さっきからなにぶつぶつつぶやいている」
(何でもありませんよ)
「そうか?」
(ええ)
ならいいやとアイムは瞳を閉じた。その時、控えめに扉が開かれた
「フェイトか?」
「わかるの?」
暗くてよく見えないのにすごいねとフェイトは感心したようにアイムに言った
「どうかしたのか?」
「うん。そのね、お話がしたくて」
「話?」
「アイムは、昔のことを調べてるんだよね?」
「ああ」
「それって頭がいいとできないことだよね?」
「たぶんな」
自分が頭がいいかはよくわからないアイムだが、ユーノや周りの人間が優秀だとアイムのことを褒めていたことがあったため、そうなのだろうとアイムは思っていた
「私もアイムみたいに頭がよくなるかな?」
「どうだろうな…」
(マスターそこはなれるよって言うべきでは?)
「思ってもないことを言ってどうする」
(はぁ…この人は…)
アイムは思ったことしか言わない。そこに嘘や虚言はなかった。それで人から嫌悪されることが多かったが、一人で生きていく術を知っているアイムにとっては他人の評価は気にする価値もなかった。だからクリスが注意しても変わることがなかった
「やっぱり無理なのかな…」
(ほら、落ち込んじゃったじゃないですか!)
「俺のせいなのか?」
「あっ…ごめん。私が勝手に落ち込んでるだけだから、アイムは悪くないよ」
しゅんとした表情でアイムは悪くないと手ぶり身振りで言うフェイト。そんなフェイトにアイムはため息をこぼしながら頭に手をのせてぽんぽんと軽く撫でた
「無理だと思っているうちはどうやっても無理だ。必要なのはやるかやらないかだ」
「やるかやらないか?」
「行動しなければ何も変わらない。周りがかえてくれるのを待つだけでは一生な。だからこそ動いてみろ。自分の思うように。俺のようになりたいのなら頑張ればいい。必要なら手を貸そう」
「ほんと?」
「俺は嘘が嫌いだ」
「…何も変わらない……私やってみる!」
気合を入れて力拳を作るフェイトにアイムはそっかとだけ言ってフェイトの頭から手をどけた
(それにしてもどうしてフェイトさんはそのようなことを?)
「…ごめんね。それはまだ言えないんだ。でも、ジュエルシードを集め終わったら教えるから」
(そうですか…)
フェイトはもう寝るねと言ってそのままリビングから出ていった
「クリス」
(スキャニングは終わっています)
クリスが展開したモニターを見ながらアイムはため息をこぼした
「ずいぶんと高性能なデバイスだな」
(ですね。こうも時間がかかるとは…)
クリスに埋め込まれている特殊魔術スキャニング。それはデバイスの情報を引き出せるものである。アイムがここにとどまった本当の目的はフェイトのデバイスから情報を引き出すことだった。先の戦闘でフェイトのデバイスバルディッシュは破損してしまい回復に機能を回している。だからこそクリスの魔法で情報を気づかれずに引き出せると思ったアイムは、ここに泊まることになったときクリスにスキャニングを行えと指示していたのだ
「これが時の庭園の座標ね…」
(行くのですか?)
「まさか」
なんでそんなめんどくさいことをとアイムは言った
(なら私の努力は…)
「この情報はユーノに回しておけ」
原作上、最後まで時の庭園の場所は特定されない方がいいのだが、これ以上この案件にかかわる気がないアイムはさっさと解決しろと全部押し付けて逃げるつもりなのだ
「さて、明日の朝には別の世界に行く。そろそろ寝るぞ」
(どこまでも好き勝手な人ですね)
あくまで趣味のために動くアイムにクリスはユーノの持っていたデバイスであるレイジングハートに先ほど取得した情報を流し始めた
天然なフェイトさん。ツッコミのアルフやクリス。とことんギャグで行きますよ!
面白くなかったらすいません!