魔法少女リリカル?いえ、発掘です   作:かおうどう

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一つの終わり

(本当によろしいのですか?)

「お前もしつこいな」

 

地球から旅立って早1週間。アイムは遺跡の調査に乗り出して今はその報告書をまとめていた

 

(ですが)

「あそこでこれ以上俺が出る幕はない」

 

クリスはジュエルシードのことをしきりに気にしていた。だが、アイムは自分のやることはないと言い切って一向に動こうとしなかった

 

(今なら間に合うかもしれませんよ?)

「管理局まで動いたのにこれ以上俺が動く必要はないだろ」

 

あの後、時の庭園のデータを送ってからユーノからすぐに返信が来た。どうしてこんなものをとかいろいろ質問があったがアイムはそれをすべて無視した。そして、昨日管理局と協力して時の庭園に乗り込むことになったと連絡が来たのだ

 

「俺は所詮部外者だ。あとはユーノたち当事者に任せるべきだろう」

(フェイトさんのこと、心配じゃないんですか?)

 

そういったときアイムの指が一瞬止まった

 

(あなたがあそこまで気にかけるのは珍しいですよ)

 

アイムは興味のないものには無頓着である。この前話を聞きに行くだけでもクリスにとっては意外でしかなかった。つまり、それだけアイムがフェイトのことを気にかけたことになる

 

(このままでは取り返しのつかないことになるかもしれないんですよ?)

「それはないさ」

 

原作を知っているアイムだから問題はないと言い切った。でも、心のどこかではもしかしたらという気持ちもあった

 

(マスター…)

「……はぁ。わかった。少しだけ様子を見に行く」

(それでこそマスターです)

 

クリスは嬉しそうに転送魔法を発動させた

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「おい」

(…………)

 

アイムとクリスが再び地球に来て目に入った光景はピンク色の光が振り下ろされている光景だった

 

(なんですかあれ…)

「あれで非殺傷設定?そんなもの無意味に感じるぞ」

 

圧倒的な質量をもって振り下ろされているそれは人が放つものとは思えなかった

 

(魔王ですね)

「悪魔でもありな気がするぞ」

 

失礼なことを言う二人だったがその言葉を否定できるものがいるだろうか

 

(とりあえずユーノさんに連絡を)

「そうだな」

 

アイムは目の前の光景から目をそらしてユーノに通信した

 

(あれ?アイム?そうしてここに?)

「そんなことはどうでもいい。現状報告を」

(そんなことって。今なのはとフェイトが戦っているところ。それで管理局がこの隙に時の庭園に向かったよ)

「ジュエルシードは?」

(なのはが12。今フェイトが持っているのは確認できるので6だよ)

 

つまり残り3つはフェイトの母親のもとにあるということだろう

 

(ともかくアイムが来てくれたのはうれしい誤算だよ。すぐにアースラに来てほしい)

「お前にそんな権限あるのか?」

 

管理局の所有する時空航空船に簡単に入れるわけなどないのだがユーノはすぐに来てほしいとすでに座標まで送っている

 

(フェイトが君の名前を出していてね。クロノ。局の執務管が君が来たらすぐにアースラに連行…同行してほしいと言ってたんだよ)

「おい、今連行って言わなかったか?なに、俺今犯罪者予備軍?」

(いやだな、アイムしばらく会わないうちに耳が悪くなったの?いいから来てよ)

 

ものすごい笑顔で言うユーノにもしかしてこの前蹴り飛ばしたことまだ根に持っている?と思うアイム

 

(マスター。ここはおとなしく連行されましょう)

「は?おいクリス!」

 

アイムの返事も待たずにクリスは勝手にアースラに転移した。お前も実は何か不満があるのかと思うアイムだったが、すぐに今までの行動を振り返るとありすぎて困ると思うアイムだった

 

「それで、これは?」

「アイムが逃げないようにね。だって犯罪者予備軍だし」

 

手錠をかけられたアイムはユーノに問うがユーノは至って冷静にしていた。そうこうしていると疲れた顔をしたフェイトがなのはに連れられてアースラの中まで来た

 

「あれ?あの時の人?」

「よう悪魔」

(こんにちは魔王)

「いきなりの言いぐさ!?」

 

アイムとクリスからの人外発言になのははツッコム。隣でフェイトががたがたと震え始めてのは全力でスルーした

 

「それでどうしてここに?」

「うちの馬鹿がお前たちのことを気にしてな」

(誰がバカですかだれが)

「アイム。今は黙ってようね」

 

笑顔のユーノにアイムは黙って首を振った。そして小声で

 

「おい、ユーノはなんであんなにキレてるんだ?」

「アイムさんのせいなの。アイムさんが送ってきたデータを管理局に見せた時ユーノ君がフェイトちゃんの仲間じゃないかって疑われて少しだけ拘束されてたから」

「……………」

「ユーノ君。アイムさんのせいだってずっと言い続けてたよ」

「……………これを」

「煮干し?」

「怒っている時にはこれがいいはずだ」

「ユーノ君煮干し好きなの?」

「さぁ?」

「………………」

「とりあえずこれをユーノに」

「????わかったの」

 

全然よくわからないがとりあえずユーノに煮干しを渡したなのは。ユーノはそれはもう嬉しそうに笑顔で振り向いてアイムに向かっていった

 

「殺す」

「だめだよ!?」

 

必死になのはがユーノを抑え込む

 

「ユーノ君が手を汚しちゃいけないの!ここはばれないようにこのまま太平洋に転移させておけばいいの!」

「お前もたいがいだな。さすが悪魔」

(いえ、やはり魔王の貫録ですよ)

「ナニカイッタ?」

「いえ、何も」

 

レイジングハートをちらつかされて、先ほどの光景がフラッシュバックしたアイムは今度こそ口をつぐんだ。アイムの隣のフェイトはそれはもう気の毒なくらい顔を真っ青にして体を震わせていた

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「私は取り戻すの!こんなこんなはずじゃなかった過去を!」

 

クロノたち先遣部隊がフェイトの母親プレシアの場所まで乗り込み、プレシアの口からフェイトがプレシアの本当の娘アリシアの代わりのクローンとして作られたことが明かされた。なのははフェイトを支えて心配そうに見ていた。アイムはその光景をただ黙ってみていた

 

「そんなことをしてアリシアが喜ぶと思ってるの!?」

「そうだ!それにアリシアをもとに作られたならフェイトだってあんたの立派な娘だろ!?」

「いい加減に現実を見ろ!プレシア!」

 

なのはとともにジュエルシードを集めていた。雪、丈瑠、一真がそれぞれ叫ぶがプレシアは全く効く耳を持たなかった

 

「アルハザードね」

「そんなお伽噺みたいな話…」

「いや、あるぞ」

「「「「へ?」」」

「だからアルハザードはある」

 

通信で繋がっていたプレシアたちも、アースラにいたユーノたちもアイムの一言に戦いの最中だったが手が止まった

 

「どどどどどこにあるの!?」

 

必死に詰め寄ってくるプレシアにアイムは引いた

 

「そうだよ!アイム。アルハザードなんてどこにあったんだよ!」

「いや、見つけたのは本当に偶然だったよ」

「そんなことはいいから場所をいいなさい!」

「なんで?」

「そこでアリシアを生き返らせるからよ!」

「無理だよ」

「なぜよ!?」

「あんたにこれが読める?」

 

アイムが掲示した画面には現代の文字ではない何かで書かれていた

 

「これがアルハザードの言語。あんたはこれを解析して、なおかつあんたが望む死者蘇生を可能とするつもり?」

 

言語解析はかなりの時間を要する。それは専門家でないプレシアでもよくわかった。

 

「アルハザードの言語は現在全く未知の領域だ。専門書もない状態で専門外のあんたが解読できるまでどれほどの年月がかかるか」

「それでも…私はやるわ!」

「その体でか?」

「っ!」

「アイム。どういうこと?」

「あいつの体は病気に蝕まれているそれだけだ」

「それだけって」

「それでも、私は向かう!アルハザードへ!」

「はぁ。クリスデータ送って置け」

(よろしいのですか?)

「どのみち無理だし。………あそこに行ったって死ぬだけだ」

(それもそうですね)

 

ユーノたちは茫然とアイムを見た。そう、最後の言葉が聞き流すことができなかった

 

「どういうことだよ。アイム」

(こういうことですよ)

 

クリスが見せたのは、門の前にたたずむ一匹の龍だった

 

(アルハザードの門を守る門番です。仮にジュエルシードの力で飛んだとしてもあれがいる限るプレシアさんがアルハザードにたどり着ける可能性はありませんね)

 

龍という存在はこの世で最上位の存在であり幻想の生物だと言われていた。しかし、クリスが見せた映像は本物でありその力の一端が垣間見えた。それだけでも、ここにいる誰もがあれには勝てないと思った。どれだけ強力な兵器を用意しても

 

「なら、私はどうすればいいの!アリシアを失って私には何も残っていないのよ!」

「何も…ね。俺は親の気持ちはわからないさ。でも、あんたにはまだ残っているものがあるんじゃないのか?」

「母、さん」

 

アイムは後ろにいるフェイトに道を開けた

 

「お人形が今更なに…」

「確かに私は人形かもしれない。でも、それでも、私はあなたの娘だと思います」

「そんな戯言…」

「だから、私はあなたが望むならどんなことだってします。誰とだって戦う」

 

思い出すのはあの夜の一言。

 

(動かなければ何も変わらない。だからこそ、私は一歩進むんだ)

「あなたが私の母親だからじゃない!私があなたの娘だから。だから母さん。その手を伸ばして」

 

画面越しのはずであるが、二人は確かに目の前にお互いがいるのを感じた

 

――――お母さん!私妹が欲しい!

 

「アリ、シア………」

 

プレシアは静かに涙を流しながらうずくまった

 

「プレシア・テスタロッサ。君を逮捕する」

「……私の、負けよ」

 

プレシアが捕まった姿を見て、力が抜けたのかフェイトが崩れ落ちる。アイムはそれをそっと支えた

 

「アイム。私変われたかな?」

「きっとな」

「よかった」

 

フェイトは嬉しそうに涙を流しながら笑った

 

こうしてジュエルシード事件と呼ばれる事件の幕が閉じた

 




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