強者の軌跡-before come Sanraku   作:リン(4030)

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まず、投稿遅くてすみません。ペースは遅いですが、ラストでやりたいことがあるのでエタりはしないようにしようと思います。どうかこの作品にお付き合いよろしくお願いいたします。


ペンシルゴン編ー廃人狩りと聖槍

京極(きょうごく)ちゃん。ちょっと話があるんだけど…」

 

長丁場となった「墓守のウェザエモン」の対策会議が終わった後、ペンシルゴンは京極(キョウ・アルティメット)に話かけた。

 

「なんだい。というか僕のPNは「はいはいそれはいいから」……話って何?」

 

「…少し手に入れたいモノがあってさ、手伝ってくれない?」

 

「ペンシルゴン、君が私にわざわざお願いするっていうことは人手が欲しいのか用心棒が欲しいのか…」

 

京極はそう言いながら前者はないだろうと踏んでいた。何故なら、

 

「もちろん用心棒をお願いするわ。」

 

(何故なら僕を必要とするならそういうことしかないからね!)

 

そんな悲しい理由だった。果たして京極は自分の腕が信用されていることを誇ればいいのか、それ以外が信用されていないことを嘆けばいいのか。

 

 

 

 

「サードレマからずっと連れまわされているけどどこに行くつもりなんだいペンシルゴン?」

 

雲海が台地を覆いまるでそこにいると雲の上に立っているような錯覚を覚える、そんな場所で京極はペンシルゴンに尋ねた。

 

「フォルティアンは闘技場があってPvPのメッカとして有名だよね。ちょっとあの街で情報を集めようと思ってるんだよ」

 

「あ~、フォルティアンって今剣聖ジョブの転職条件が変わる寸前ってことで騒がしいよね。あそこに行くっていうことは剣聖関連で何かあるの?でもペンシルゴンってメイン武器は槍だよね」

 

「ジョブ関連ではあるかもしれないけど剣聖は関係ないよ。私が行きたいのは情報が欲しいからだよ。

ねぇ京極ちゃん。私達は情報屋からよく情報を仕入れるけど、あいつらの情報源はプレイヤーからNPCまで色々だよね。危なっ。で、今NPC側としてはそこまでホットな情報はないけど、プレイヤーとしては祭りな情報があるわけね。となると情報も自然と集めやすくなるわけで…。では情報屋は今どこにいるでしょうか?」

 

「なるほどね。フォルティアンに行く理由はそういう訳か。あれ、でもそれなら僕の護衛必要だった?ソロで行くなり他のメンバー誘うなりすれば良かったんじゃ?」

 

「あまり遅いと情報屋と接触し損ねちゃうし、それに目的地ではあるけどそこで情報集めて終わりって訳じゃないんだよっと」

 

ペンシルゴンはそう言い切ってからドミネイオン・ホーネットの腹を槍で貫いた。何も使役出来なかったはぐれの支配軍蜂は小さく呻いてからポリゴンとなって消えた。

ここは旧大陸の14番目の街フォルティアンの近くにあるエリア「気宇蒼大の天聖地」である。現在プレイヤーに見つかっている場所でも一番を誇る高さのエリアであり、その頂点にはこのゲームにおいて7体しかいない最強種がねぐらを作っているという噂もある場所だ。

 

「まあ、フォルティアンに着いてからは情報次第だからその情報を手にいれてから話すよ。それにしても、ここって綺麗だよね京極ちゃん」

 

「あぁ、そうだねペンシルゴン。雲が地面を覆い隠して仙人が修行でもしてそうないい場所だね」

 

「うんうん感性が磨かれるね。」

 

「………」

 

「………本音は?」

 

「とてもつまらない。斬りがいのあるエネミーもほとんどいないし」

 

「だよねー。私もここじゃあ、足元に罠を仕掛けるくらいしか出来ないから」

 

そんな話をしながら花形モデル(ペンシルゴン)剣道少女(京極)はこのエリアを進んでいく。現れたモンスター達は京極が突っ込んで一刀のもとに切り捨て、ペンシルゴンがそれの援護という形で魔法やアイテムを投げ込んでいく。それによって京極は普段から慣れている(剣道のような)1対1で戦うことができ、モンスター達を倒すスピードを更に加速させていった。

また、PKKを企む者達に狙われ過ぎないように彼女達はこの大陸中を移動する。その彼女達にとってこのあまり人気のないエリアは何度も通ったことがあるのも一方的な戦闘を促す原因だろう。

 

「別に君の助けがなくてもあの程度なんとでもなったんだけど」

 

「京極ちゃんここは目的地じゃなくて通過点なんだから早く行けるに越したことないでしょ」

 

「僕にもプライドがあるんだが…」

 

「そのプライドは別のところで発揮してね」

 

言い合いをしながら2人のPKはこのエリアも今までの通過点と同じように去っていくのだった。

 

 

 

「さて、フォルティアンに着いたけどやっぱりプレイヤーの数が多いなぁ。コソコソ隠れないといえないのはPKのつらいところだよ」

 

「君は民衆の前に現れて爆弾で皆まとめて吹っ飛ばすみたいなことが好きだからね…」

 

フォルティアンに入ったペンシルゴンと京極は街の裏通りにいた。そこはゴロツキ達が群れをなしてたむろっている場所で、まともなNPCはもちろん雰囲気が本物っぽいとプレイヤー達もあまり近づかない。PK達の隠れ家としてはナイスな場所である。しかもこの街は闘技場が4つもあり毎日のように格闘技大会が行われている。その中にはアングラなものあるわけで、この街のチンピラや荒くれ共は他の街より威圧感が凄く実際の戦闘能力も上である。プレイヤーの敵になるような奴も珍しい程度にはいるとなれば、その恐ろしさは伝わるかと思う。

 

「情報屋から情報もらうんじゃなかったのペンシルゴン。表通りを見張ってるけど……」

 

「さっきも言った通り今はプレイヤー達が集まっているわけだから情報を集めるならそっちの方に行くよねって。ほら京極ちゃんも探して」

 

「えー、面倒だなぁ。んーと、えーと。あ、いたよペンシルゴン!ほら銭ゲバ野郎だ。」

 

「あー!いたいた銭ゲバ君。見つけるの早いね京極ちゃん。

さり気なく、こっちに、来い。情報を、交換…ってメール送れば済む話じゃん。」

 

京極が見つけ、ペンシルゴンが変な体操をして呼び出そうとした情報屋、その名はゼニス・ゲバラ。表の顔は品揃えの良さが売りな商人であり、裏ではNPCからの情報もプレイヤーからの情報も両方集める優れた情報屋として知られている者である。ちょうど今簡易なテーブルを自分の前において商品を並べ露店を開いている様子が見えた。

 

「行けカラスちゃん。あいつの髪を引っ張ってでもこのメールを届けてくれ。というかとりあえず髪引っ張ってきて」

 

「あいつの髪に何の恨みが…?」

 

「前に結構な額の金を持っていかれたからね。こっちは髪を持っていこうかと。別にいらないけど」

 

そんな裏事情とは関係なく、伝書鳥(メールバード)であるカラスはゼニス・ゲバラの前のテーブルに乗り足についている手紙を入れた筒をゼニス・ゲバラの方に押し付けようとしている。ゼニス・ゲバラは手紙をチラ見した後下の方を見て苦い顔をした。メールの下の方に書かれた名前があの有名PKだったからである。更に、自分が今手に入れている情報から考えてペンシルゴンの考えてることがロクなものじゃないと思ったからである。そうして手紙を読み終えてから周りを見渡した彼は表通りにある建物をちらりと見た後に、店じまいをしてその場を去った。

 

「ペンシルゴン、あっちが移動したしこっちも行くとするか。にしても目線の先と真逆に集合とかちょっと面倒だと思わないかい?」

 

「まだまだ単純なものさ。あのアカ色の王国で使った暗号に比べればね」

 

 

 

 

 

槍使い(ペンシルゴン)刀女子(京極)情報屋(ゼニス・ゲバラ)が集まったのは裏通りにある立派な屋敷の中である。その家はここら一帯に君臨しているウィークバック家である。治安の維持や、アングラな格闘技大会の元締めとして活動している。誰のコネであってかそこの客室を借りて商談をするPK達と情報屋の姿がそこにはあった。

 

「なぁ知ってるか。ここの家の奴らは王国のとある組織に資金援助を行っているらしいぜ」

 

「ふうん、でもそれは今私が聞きたいことじゃないんだよね。わざわざ集合場所からこっちに場所を移した理由分かってるでしょ?」

 

「……はぁ、ペンシルゴンあんたどこからこの情報を得たんだか。俺も一般的な善良なプレイヤーとして今乗りに乗っている阿修羅会を強くするのは微妙なところなんだが」

 

「ペンシルゴン。一般的で善良なプレイヤー達からぼったくりで商品を売ってる悪徳商人が何か言ってるよ」

 

「そうだねぇお前が言うなってやつだね。それにその言い方で私の知りたい情報を持ってるのは確定したしー?「しまっ!」今回はお金に糸目はつけないよ。大人しくその情報売って楽におなりよー」

 

ペンシルゴンは一度言葉を区切った後、あえて自分のことを呼び名で呼んだ。PKとして有名なその名を。

 

「さぁ、ゼニス・ゲバラ。この廃人狩り(ジャイアントキリング)にゲロっちゃってくれ。勇者武器、聖槍の入手方法をさ」

 

 

 

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