「ここ...どこ?」
隆志の口から言葉が漏れる。
しかしその場には隆志一人しかおらず、聞き入れる者などいるはずがない。
周りの情景からここはダンジョンの中とかどっかなのかなと推測する。
....いやいやいや、初手ダンジョンは難易度高いでしょ。
普通はほら初心者の街の近くとかに転移させてギルドに登録とかいろいろさせて仲間作ってやっとダンジョンに行くのが普通だろ?
俺、丸腰なんだけど。
初手から縛りプレイさせられていると同義なんだけど。
そもそもデブを突然ダンジョンに送っても戦えるわけないだろ。
ティーンエイジャーじゃないんだよこっちは。
動けば動くほど疲れるし、なんならその場に居るだけで息が切れる。
生活しているだけで苦しいんだよ!
はーホント異世界はクソってはっきりわかんだね。
ウジウジと頭の中で文句を言いながらも、目の前の道を進む。
その場で留まっていても良いのだが、それだと何も分からないしどことなく不安に駆られてしまう。
人間、よくわからない場所に移された時には自分から行動したがるものである。
情報を集めるのもあるが、行動しなければ不安になるのだ。
歩いていると目の前で道が分かれている。
なるほどここは十字路だったか。
目の前の右手の道からゴキブリのような生き物がカサカサと一匹目の前を横切る。
歩いて行ってそのゴキブリが出てきた道の先を首だけ出して覗き見る。
するとそこには虫に食われたのか所々黒く変色した人の死体があった。
辺りには死んだ生き物特有の鼻を突くような悪臭。
そしてその死体の後ろには血液の跡が残っている。
....うわぁぁ、ここめっちゃ危険じゃん。
人死んでるよ。
死体に近づき、うつ伏せの死体をひっくり返す。
所々蛆などの虫が肌を食い破ろうとしており、それらの虫がひっくり返したことで蜘蛛の子を散らすようにどこかに走り去っていく。
腹に裂傷があり、赤黒く血液が固まっていることからここが死因であろうと推測できる。
「んぶっ...おえぇえええええ.....。」
確かに掲示板などでグロなどを見ることはままあったものの、実際に腐乱死体を見る経験なんか初めてだ。
胃の中の物がせり上がる感覚を襲い、床に胃液を吐く。
このままここに居れば未来の俺もこうなるかもしれない。
そう考えると早くも元の世界に戻りたくなった。
しかし現状、帰る方法はない。
どうしたものか....。
物思いにふけながら死体を眺めているとその死体の服装を見て気づく。
この死体、軽装ではあるが鎧を着ている。
であれば冒険者なのではないか?
そうであるなら武器などを持っているかもしれない。
死体を漁るのはどうにも罰当たりな気もするが...仕方ないよな!
スカベンジしようぜ!!
死体に手を付けようとした瞬間、
<目星 DDB<=25>
頭の中でダイスが振られる。
えっ、スカベンジもダイス判定になるのか?
<結果......1D100<=3→03:決定的成功!!>
頭の中でダイスの結果が出る。
えっ、てか決定的成功!?
クリった?クリった!?
クリティカルしたらどうなるんだろう?
首を傾げると頭の中で再度文字が浮かんできた。
<銅製ダガーと煙玉を見つけた。>
その文字が表示された瞬間、手が勝手に動いて死体の懐を漁っていき、暫くして2回に分けてダガーと煙玉を取り出す。
ダガーは見ればダガーと分かるが煙玉はぶっちゃけ包帯の塊にしか見えないので名称が分かるのは結構助かるな。
なんだ結構この特典使えるじゃん!
案外特典が使いやすいことにご満悦になる隆志。
死体からダガーと煙玉を剥ぎ取った後、十字路を見る。
もと来た道を戻るのは論外だが、それ以外に今いる自分の道も含めて3つ道が伸びている。
...いや、もしかすればこれダイス自分で振ろうと思ったらいけるのかな?
それが出来るなら結構助かるんだが。
取り敢えず口に出してみる。
「技能ナビゲートでダイスを振る。」
.....なにも起きない。
やっぱそんなに都合の良い物ではないのか。
もっと特典なんだからそこらへん柔軟に行けやカス。
やる気ねぇならやめちまえ!!
さっきまで特典を褒めていたにも関わらず手の平を返して悪態を吐く隆志。
取り敢えず右手に行ってみるか。
世の中には右利きの人が多いし、右になんか置いてあるだろ。
なんかあったら引き返せば良いだけだからな。
なんとなく右利きだから右の方が太いと思いますと言わんばかりの理屈で進行方向を決める。
右手に進むと段々と石畳の所がなくなっていき、岩肌の比率が多くなってくる。
そして雨垂れが定期的に壁を張って垂れていく。
....なんというかここ、崩落しそうで危ないな。
そう思っていると、なにかの声が聞こえてくる。
なんだ.....?
<聞き耳 DDB<=25>
あっ、微かに聞こえる音もそうやって判定するのね。
これもう本格的にTRPGじゃねぇかたまげたなぁ...。
<結果......1D100<=25→30:失敗。>
ダメだ....水音が邪魔で聞こえない。
ていうか失敗ってわかった瞬間水音大きくなった気がするんだけど気のせい?
ま、まぁええわ。
もしかしたら他の冒険者かもしれない。
そうなら遭難したって言って助けてもらおう。
そう思い、歩いて行くと別の可能性に気づく。
確かに声は聞こえている。
でもまだ人の声であると分からなくないか?
もしかしたらモンスターかもしれない。
ならばうかつに出て行けば襲われる可能性がある。
こんなデブだぞ。
戦闘なんか無理無理無理カタツ無理!!
向こうに悟られないように足音を殺しつつ、まずは道の先を覗き見よう。
そう思った瞬間、また頭の中にダイスが出現した。
なんか主張激しいねダイス君。
<忍び歩き DDB<=25>
ほえ~そういう所もダイスなんすねぇ....。
というより今気付いたけど今までの判定は初期値でしたけどここでは初期値のより15高いんすね。
なんでやろう....。
もしかして今まで家の中では家族にバレないようにコソコソ移動してたからかな?
....そんなわけないか!
そんな異世界転移する前の生活が特典に影響を与えるわけないってそれ一番言われてるから!
余計な考えを頭の隅に追いやってダイスの結果を待つ。
<結果......1D100<=25→19:成功>
結果は成功だ。
ホッと一安心する。
失敗したら相手に気づかれるからな。
そっーと抜き足差し足歩き、物陰に隠れながらその声のする方向に歩み寄っていく。
そして目の前に曲がり角。
その角から顔半分出す家政婦スタイルで道の先を覗き込んだ。
道の先は今までの狭い道とは違ってエントランスかのように広い空間が広がっており、穴があって光が差している。
もしかしたらあそこから出られるのかもしれない。
しかし何よりも目に付くのは.....。
卑しい下卑た笑みを浮かべた緑の小鬼3匹と犬人1匹が一人の裸の少女を枷で繋いで連れていたことだ。
あれは.....ゴブリンですかねぇ?犬の方は多分コボルトだと分かるんですけど.....。
それにしてもゴブリンクッソ不細工やなwww
生きてて死にたくならんのかなwww
まぁそんなことよりもなんか言ってるな。
ちょっと聞いてみよう。
耳をすませば。(映画)
<聞き耳 DDB<=25>
<結果......1D100<=25→72:失敗>
クソっ、環境音がうるさくて聞こえん!
人が聞き耳立ててるって見たら分かんだろ空気読めやぶっ〇すぞ!!
滑稽にも水音に心内でキレ散らかす隆志。
しかし気を取り直す。
よくよく考えてみれば人じゃない時点で別にやることと言ったら逃げるくらいしかないな。
取り敢えずアイツらこのままコッチに来るだろうしこのままここに居たら鉢合わせになる。
さっさとさっきの十字路まで走って逃げよう。
幸いここは水音がすごくうるさいから走っても気づかれないはずだ。
あの捕まっている女の子はこのままだとまぁひどい目に遭わされるってことは想像には難くないが、それはそれ、これはこれ。
俺は二回も死にたくないのでここは見なかったことにしよう。
関わったら面倒そうだし、助けるなんてもっての他だ。
俺は平和主義者だから戦いなんて出来ないしね、仕方ないね♂
俺も瞬間瞬間を必死に生きてぇんだ!それを悪く思うな!!!
清々しい程の屑さを発揮しながら少女を見捨てて逃げようとする隆志。
するとその瞬間、頭の中で音がした。
<ナイフ DDB<=25>
ファッ!?
えっ、何してんのダイス君。
何勝手に振ってんの!?
ていうかナイフっておま、もしかして.....俺にゴブリンの所へ行かせる気か!!??
えっ、マジで何してくれちゃってんの!?
無理無理無理!!
死ぬから!冗談じゃなく死ぬから!
ていうかダイス君、君勝手に振れるの!?
えっ何、もしかして意思ある系の特典なの君!?
あの女の子助けたい感じなの!!??
問いかけるもダイスは答えない。
これ失敗したらどうなるんだよ....。
普通にゴブにリンチでゲームオーバーなんじゃね?
悲観的になっていると頭の中でダイスが結果を示した。
<結果......1D100<=25→11:成功>
成功しちゃったよ.....。
まぁ確かに成功したよな。
うん、凄い凄い。
お前は俺にナイフを持って突貫してほしいんだろ?
でもなぁ....この体は俺のモンだ!
俺に選択権があるんだよぉサイコロ風情がぁ!!!!
ダイスの結果を無視して後ろを向き、走りだそうとしたその瞬間、体が動かなくなる。
「は...ちょっ、か、体動かないんだけど.....」
まるで肉体の主導権を奪われたかのように身体を動かすことが出来ない。
そして体はゆっくりと前に向き直り始める。
おいおいおいおい嘘だろまさか.....お前俺の体動かしてんのかよ。
そんな強制力あるのお前。
イカれてんだろ。
怖いよ、体の主導権を取られたよ。
取るなら取るで一声かけてくれない?
ベルトさんでも運転変わるって申告してたよ?
しかしダイスは返事することはない。
だが刻一刻と着実に持っていたナイフを利き手に持ち替える。
うわマジかめっちゃやる気やんけコイツ。
やだやだやだ!実際に戦うのは俺の体なんやぞ!
戦いなんて怖いし絶対やりたくない!
ちょっとなにクラウチングスタートの姿勢取ってんだ!
ちょっと大人しくしといてもらえる?本当に頼むから!
え、ちょ、ちょちょちょっと待ってください!待って!助けて!待ってくださいお願いします!うああああああ!!
そして俺の体はゴブリンらの集団に向かって走り出した。
「ン!...ナンダ、オマエッ!!」
少女に付いている枷の手綱を持っていたゴブリンが俺に気づいて声を上げる。
だが俺の体は止まることなくデブにあるまじき軽やかな足取りでそのゴブリンに迫り、そしてその体にナイフを挿し込んだ。
「グギャア!イデェエ!!」
ゴブリンは気持ちの悪い声を上げる。
その直後にまた頭でサイコロが振られる。
<こぶし DDB<=50>
おま、追加攻撃って殺意ありすぎやろ。
どこぞのゴブしか殺さんアイツみたいな畳みかけやないか。
<結果......1D100<=50→64:失敗>
あっ、拳避けられた。
ちょっ避けられとるぞ!どうするつもりだ!!
拳が空を切ったのを見るとナイフを刺されたゴブリンがニヤリと笑い、手元のこん棒を振り上げて叫ぶ。
『オマエ...シネェ!!』
やばいよあのこん棒棘が付いてるよ。
絶対痛いってあんなの!
<回避 DDB<=20>
避けるのも運任せなの!?
もういいよ!運ゲーは!!
こんな死の危険迫った場面で運ゲーとか精神擦り切れるわ!!
<結果......1D100<=20→15:成功>
アッ、成功した。
その瞬間、体が咄嗟にバックステップしてこん棒を避ける。
既に走ったり刺したり避けたりで足が痛いし、息が切れてる。
だが体はそんな俺のことなどお構いなしに動くのだ。
距離を開けた為、ゴブの後ろに2体のゴブと1体のコボルトが付く。
おい、相手さんなんか集まっちゃったけどどうすんだよ.....。
<タックル DDB<=35>
えっ、タックルすんの?
そんなラグビーじゃあるまいし。
悪質タックルは俺も痛いからやめちくり~。
<結果....1D100<=35→39 失敗>
あっ、失敗した。
すると目の前のゴブ共は散開するかのように俺の突進を避けて、そして.....。
「えっ....、キャッ!!」
俺は少女にタックルを噛ます。
こ、これ....事故だよな...?
少女は押しのけられて洞窟の外へと放り出される。
そして俺の後ろにはゴブ3匹とコボルト1匹各々武器を取り出してベロを出して笑っている。
どうやら勝ちを確信しているようだ。
隆志は内心諦めムードだった。
ダメだこれ、死んだわ。
あーあ、急にダイス君が存在をアッピルしてきたからなぁ。
これ死んだらまた転移できる?
....出来んやろうなぁ。
誰だよ特典にサイコロ選んだ奴、頭湧いとるやろ。
神に対して文句を言いつつ、ゴブリンやコボルトと対峙していると頭の中で再度サイコロ振られる。
<アイデア DDB<=55>
なんだよ...もう幾らサイコロ振ろうとどうしようもねぇんだよ。
アイデアなんか降ってどうするってんだw
これはオワタ\(^o^)/
殺すなら優しく殺してクレメンス。
<結果......1D100<=55→48:成功>
あっ、成功した。
すると頭の中に文字が浮かんでくる。
<煙玉>
あっ....そっかぁ。(池沼)
焦りすぎて存在を忘れてたわ。
そういえばそんなもの持ってたなぁ。
「ヒッヒッ....」
魔物たちは引き笑いしながらこちらに距離を詰める。
懐から煙玉を取り出して、紐を引く。
そして魔物が今にも飛びかからんと足を着いたその瞬間を狙って地面に煙玉を投げた。
足元に広がった煙は一気に辺りを白く染めるほど広がる。
....くさっ、くっさぁ!?
えっ、この煙玉腐ってる!?
辺りにまるで得も言えぬような独特の刺激臭が広がる。
何これ あ お く さ 。
隆志が悪臭の余り鼻を押さえているとまるで引きつった蛙のような声が目の前から聞こえる。
「グギュギシイイイ....ハナ、イデェ...イデェヨォ.....」
「イキグルジ....」
「イヌ....ナンドガジィロォ.......」
「ワッ....ワフッ.....ワッ.......ワヘェ......♡」
どうやら魔物たちは臭いでそれどころではないらしく、てんやわんやして隆志どころではないらしい。
....これ絶対普通の煙玉じゃねぇだろ。
そう思いつつも、これ幸いと走って出口から出て、逃げていく。
体が重く、汗も湧き出るかのように毛穴から噴き出してくる。
傍から見たら煮豚みたいに見えるだろう。
それもこれも無理やり体を動かしたダイスのせいだ。
デブがあんなに活発に動けるわけないだろ!!
いい加減にしろ!!
足が痛いし、なにより膝に激痛が走っとるわ!!
これ明日動けないな....明日を迎えられれば話だが。
暫く走って、追ってきてないか見る。
すると古墳のような建造物の出口の前でゴブリン3匹が痙攣して横たわっていて、コボルトはアヘ顔でぶっ倒れていた。
....気持ち悪。
取り敢えずここから離れるか。
それにしてもどこに行こう。
ってか結局ここはどこだろう?
最初に抱いた疑問はなんら解決していなかった。
「あのっ....!」
麓まで降りてくると鈴の音を転がしたかのような綺麗な声色で誰かに話しかけられる。
声の方向を見るとさっき隆志がタックルで押し飛ばした裸の少女が立っていた。
見る限り小学校高学年くらいだろうか?
そのくらいのロリっ子が全裸で首輪と手枷が付いた状態で立っている。
耳が尖っているが、これがエルフっつー種族なのか初めて見たわ。
結構可愛い顔してますねぇ!
「ほ、ほひゅ...!な、な、なんでしゅか!」
息を切らしながらも返事しようとしたが、悲しいことに女の子と話したこともない隆志はロリ相手にどもり噛むという失態を見せていた。
しかし目の前のロリエルフはそこには触れずに、頭を下げた。
「先ほどは助けていただきありがとうございました。私、麓の村から隠れていた所を連れてこられて.....」
「はぁ...はぁ....あ、うん......。」
隆志は疲労の余り少女の言葉が入ってこない。
マジで疲れた。
ちょ、もういい?
俺もうどこかで座りたいんだけど......。
隆志は息を切らしている。
そんな隆志を見兼ねてか少女は提案する。
「あ、あのー....疲れているみたいですし、私の村来ますか?」
「えっ、い、いや....それはいいよ。村の人も居るだろうし.....。」
隆志は疲労して回らない頭を総動員して彼女の申し出を遠慮する。
村と言えば社会である。
そして今現在はぁはぁと荒い息使いの男と全裸の少女が一緒に村に戻ってきたら第一印象はどう見えるだろうか。
そう、間違いなく事案なのである。
村社会は残酷と聞くし、もしかしたら私刑になるかもしれない。
石打ちの刑かな?
....聖書かよ。
だからこそこの提案を飲むわけにはいかないのである。
すると少女は儚げな笑みを見せる。
「別にそんなことは気にしなくても結構ですよ....どうせ誰もいませんから。」
どうせ誰もいない...?
どういうことだろう?
.....わからん。
まぁ居ないなら事案に間違えられることはないし、まぁええか。
それに今日一日泊まる所ないしな。
「わかった.....。
じゃあオナシャス。」
そう言うとロリエルフは頷いた。
「わかりました、じゃあ私の後を付いてきてください。」
そう言って彼女が先導する。
しばらく歩いていると、荒くなっていた息も収まったのか思考する余裕が生まれた。
するとさっきまで気にならなかったことが途端に気になりだしたのだ。
彼女の引き込まれるような褐色の肌に照り付けるような艶やかな銀髪とあどけなさの裏側に芽吹こうとしている色気を感じさせるような顔立ち。
そしてさっき目に入った彼女の顕わになった胸やクレバス。
加えて彼女は目の前で先導しているため、自ずと歩くのに従ってお尻をふりふりと振っているのだ。
隆志は腰を屈める。
クッソ、メスガキが.....。
いっちょ前に俺のザンバットソードをウェイクアップさせやがって。
シコ剣イライラさせた責任を取れっ!
嫌らしい目つきで目の前の少女を見ていると、
「えっっと...どうかしましたか?」
彼女がこちらを振り返り、不思議そうに首を傾げる。
隆志はバレたのかと一瞬背筋が冷たくなったもののそうではない感じなので張り付けたかのような笑顔を見せる。
「い、いや...なんでもないよ。天気が良いなって。」
「?今日は曇りですけど.....?」
彼女はさらに首を傾げつつ、先を進む。
ふぅ...助かったぁ。
とにもかくにもこんな所今までの人生では見ることがなかった。
初めて異世界に来てよかったぁと思える瞬間だわwww
ずっと尻をチラチラKMRのように見ること数十分。
集落らしきところの前に着く。
しかし中に入ると唖然とする。
焼け焦げたり、外側から打ち壊された家が何件かあるだけに留まらず、何人も戦士であろうか男エルフが横たわっていて死んでいる。
そしてなによりも.....。
「誰も...いない。俺たち以外、誰も......。」
村人が誰もいないのだ。
もはや集落ですらなくこれでは廃墟と呼ぶのが相応しい。
そして、彼女はそんな村を悲し気な表情で見渡して、隆志に口を開く。
「私の村は壊されたんです....あの遺跡に居る魔物達に。」
そう言い放たれて、衝撃が走り心内に様々な感情が渦巻く。
確かに可哀想だなどの同情心やなんてことしているんだという義憤心もある。
だが大部分を占めたのは、最初そんな危険な魔物の生息しているところに転移させられたのに、よく生きてるもんだ。生きててよかったぁ、運が良かったぁという一種の安堵のような感情だった。
まさか集落をこんなにも出来る魔物達が住む場所に転移させられていたなんて、神様絶対俺の事殺す気だったよな。
でも俺は今生きてるんだよねぇ~www
ねぇねぇどんな気持ちぃ?
俺生きててどんな気持ちぃ?
内心神を煽る隆志。
隆志の内心など知る由もないロリエルフは歩き出す。
「私の家に案内します。
そこで休んでいってください。」
そんな彼女に付いて行くと着いたのは、ひどくボロボロで壁や柱に血がこびり付いている見るに堪えない惨状の神殿だった。