気付いたらVTUBERを強要されていたおっさんJC 〜お空に監禁されて仕方なく〜 作:二三一〇
タイトル変更の件ですが、一応『そのままでいい』が多いようなのでそのままにします。
ただ、タグの『監禁』というワードは外しておきます。
お騒がせして、申し訳ありませんでした
m(_ _)m
では、本編へどうぞー♪
「第一回。鳴かないと上がれない麻雀大会っ はっじまるよー♪」
来宮きりんさんの号令に、配信中のみんなが思い思いに声を上げて盛り上げる。
あるてまのイベント、『鳴かないと上がれない麻雀大会』
なのにオレが混じって声を上げているのは多少の理由がある。
元々一期生二期生合わせて十五人。四人ずつの卓を囲むにはひとり足りない。本来、そこに個人Vの立花アスカが参加する事になっていた。
俺は単純にリスナーとして楽しみにしていたのだが、ここで問題が勃発。
「箱庭にわが逃げた?」
『マネージャーをまいて姿を消したらしいの』
「それは、大変ッスね……一卓三麻?」
『まあ、それでもいいけど……桜花さんがね。是非ともあなたを招待しようって』
「ねーさま……」
みんなに迷惑をかけてはいけないとあれほど言ったのに。
『アスカちゃんもいるから、ゲスト一人で浮く事も無いし。良かったら、参加してみない?』
「一応、運営に聞いてみます。折り返しかけますんで」
『うん、ゴメンね』
「結さんが謝ることじゃないッスよ。それじゃまた」
RINEを切り、そのままフェティダへとかける。実は取締役なのに、俺のマネージャーも兼任しているらしい。
そんなミラクルな会社、こっちには無いってツッコんだら『お手間を減らすのが最大の職務です』と返された。
……なんだか、すぱしーばの連中は俺を国王とか殿上人とかと勘違いしてやしないか?
まあ、いまはどうでもいい。
『もしもし、
「ああ、フェティダ。実は……」
かいつまんで話すと、彼女はすぐに許可をくれた。今まで彼女がこちらの行動を掣肘する事はないので心配はしてなかったけど、やはりあっさり。
この間適当に名乗った
たしかに分けた方が分かりやすいけどさ。
「一応、そっちから運営に連絡は入れておいて」
『承知しました』
さて。結さんに連絡したら、準備しないと。
開催は早めの十九時だけど、かなり遅くなりそうだ。
「プリムラ。悪いんだけど、おむすび作ってくれ。二つ……いや、三つくらい」
「具は何になさいますか?」
「任せるよー」
「では、梅と鮭、後は照り焼きチキンなどにしますが」
「お、異色おむすびだな?」
「今晩のおかずが照り焼きチキンなので。
「いつも悪い」
「これが務めです」
ぺこりとお辞儀をして台所に戻るプリムラ。
俺は部屋の中に転がっているものを足でつつく。
「にゃっ? レキさま、お行儀わるーい」
「野郎の部屋でごろ寝しながら
ダマスケナは料理はダメだが、それ以外の家事は得意らしい。だけど、ココには掃除機、洗濯機があり、裁縫もミシンとかあるので彼女の腕の振るう場がかなり少なかったりする。
そんな理由から姉よりもやや自由に振る舞う事が多いのだけど、最近はかなり緩くなっている気がする。
今もミニのスカートなのに床に寝転がってたりするので目のやり場に困るのだが……実は俺も慣れてきたらしく。あんまり気にしなくなってきている。
とはいえ行儀が悪いのに違いはないので、引っ張り上げて立たせる。俺の方が小さいから、力づくは無理なんだけど。
「もう、レキさまお姉さまみたい」
「プリムラはもっと叱ると思うけどな」
「……はい、そうですね」
あ、目が死んだ。
俺の注意ですんで良かったな。
「ともかく、今日は長丁場になるから部屋に戻ってくれ」
「閉鎖するの?」
「配信だからそのままだよ。でも、邪魔したらプリムラに言いつける」
「む……はぁい」
携帯ゲームを持ってそのまま退出するダマスケナを見送ってからPCの設定を確認していく。
『──慣れってこわいなぁ』
操作をしながらつくづく思う。
ちょっと前まで年頃の女の子を部屋に入れるなんて、妹くらいしかいなかったし。それだって泊まりに来る時が精々だ。年に一回くらいのイベントだし、家族なので妙な感情なんて抱く訳もない。
そんな枯れた生活をしていた俺が、二人の美女、いや美少女の方が正しいな。そんな二人がすぐ側で生活しているという環境に、ひと月も経たずに慣れ始めているのだ。
信頼を失くすような事だけは起こさないようにしないと。
改めて、肝に銘じておこう。
『……やっぱりもう少し浅くした方がいいかも』
「お前もそう思うかー。レキの声ってよく通るからコンプレッサーかけ過ぎるとやかましくなっちゃうんだよな。かけなきゃ歯擦音がうるさいし」
『あー、うん。今度音響系のスタッフに聞いてみたら?』
「そっか。すぱしーばに聞けば良かったのか」
『やれやれ……』
まあ今からは無理だろうから、今日は弱目にかけて誤魔化そう。大きな声でわめかなければ、そこまでひどくはならないと思う。
そんなこんなで、大会が始まった。
『予選、Aブロックはあるてま勢だけ。世良祭、我王神太刀、リース=エル=リスリット、シャネルカ=ラビリットの四人です。解説の神夜姫咲夜さん、どうでしょう?』
『そうじゃな。ま、シャネルカはムリじゃろ。今日ようやく和了る事が出来たようじゃからな』
『え……?』
マジか……
『鳴かないと和了れない』ってルールなんだけど。たしか大会ルールで和了っちゃうとチョンボ扱い。満貫払いになる。
『出たら鳴かなきゃいけない』ルールの場合、鳴けない状況なら和了れるのだ。ダマでもいいし、立直をかけるのだって出来る。もちろんそんな上手くはいかない。
オレが見た配信では、阿鼻叫喚の様相を呈していた。上手いやつほど沼にハマるようにすら見えた。
「その点、手作りが上手い奴にはなんら問題ないんだけど。素人さんには重いと思うよ」
『こよみさん。ないすじょーく♪』
『……そんなつもりなかったんだけど』
人を寒いおっさんのように言うのはどうなのか。こっちはぴちぴちのJCだぞ。見た目だけだけど(笑)
それはともかく。
この一戦目は要観察だ。
どんな感じになるのか、すごい気になる。
参考資料は大事だからな。
さて、どうなりますやら。
東家 我王神太刀
南家 世良祭
西家 リース=エル=リスリット
北家 シャネルカ=ラビリット
ちなみに時間の関係で東風戦。
東一局
『配牌では祭ちゃんが良さそうですね。
『我王は、国士でもやれと言わんばかりじゃなあ。リースは、
『自摸っ 和了ですのーっ』』
『ブッブー。シャネルカ、チョンボ』
『な、なんでですのー?』
調子よく聴牌して引いてきたシャネルカ。
自摸、東、ドラ一の三翻だ。
普通なら問題ないが、今回のルールでは残念ながらチョンボ扱いになってしまう。
自分の点数がポコポコ減っていくのをシャネルカが眺めている。
『? ?』
『シャネルカ選手、なぜチョンボだったのか首を傾げてます』
『きちんと説明したつもりじゃったんだがなぁ』
『我王君が何とか説明して、ようやく分かったようです』
『なるほど! 泣かないといけなかったんですね?』
『あ、ああ(……ちゃんと伝わった、よな?)』
我王神太刀 29000
世良祭 27000
リース=エル=リスリット 27000
シャネルカ=ラビリット 17000
東二局
『うえーん、うえーん。ツモですぅー』
『ブッブー。シャネルカ、チョンボ』
『な、なんでぇっ? ちゃんと泣いたのにっ』
「ああ……なんつー、古典的な」
字が違うとか、声色だけで判断出来ないもんな。
『ぷ、ちょっ……ま、しゃねるか……』
『えー……珍しいことに。神夜姫様がガチ笑いです。レア映像だよね?』
『……シャネルカ、どんまい』
『Thank you,祭さん! まだまだコレからですっ』
我王神太刀 31000
世良祭 31000
リース=エル=リスリット 29000
シャネルカ=ラビリット 9000
東三局
ここに来て皆、手が止まったように見えた。
リースが気合を入れていたものの振るわず、親が流された。なんもせんでも四千点増えてるけど、我王と世良はそれより多い。
聴牌は世良のみだったので暫定トップは彼女になった、
東三局が流れて、場棒が一つ付く。
シャネルカは飛ぶ可能性もあったが、オーラスの親番まで首を繋いだ。
上位三人の点数は僅差だ。
何がどうなるのかは、まだ分からない。
我王神太刀 30000
世良祭 33000
リース=エル=リスリット 28000
シャネルカ=ラビリット 8000
東四局一本場(オーラス)
『ポン』
『リース選手、東をポン!』
『ポン。闇には相応しくないが』
『その捨て牌の白を我王選手がポン!』
『どちらも特急券じゃな。このルール、後付けはアリなので前の七萬を鳴いておけば良かろうに』
手を進めると言う意味ではその方が正しいし、これは鳴かないと和了れないルールだ。
我王くんはわりと臨機応変が苦手なのかもしれない。
『四索、チーです!』
『……? 二三四の索子、ですが。これはどういう……』
『くく。大方、鳴けば和了れると思って鳴いてみたのじゃろう』
神夜姫さんの笑うのも分かる。一萬の暗刻と五六七の索子、後は筒子の一二、七八。
役が無いのだ。
索子に染めるのは難しい。
筒子のどこかがくっつく方が早いかもしれないし、上手く伸びても今度は一萬暗刻が邪魔になる。タンヤオも同様だし、チャンタはこの形で鳴いたせいでムリ。一気通貫も望めないし、三色もあり得なさそうだ。
この一萬暗刻を始末すれば行けるかもしれないけど、それでも運の要素が強い。さらにこの一萬はドラだったりする。迂闊な処理は出来ない。
そのまま巡目は進む。
シャネルカは二筒を引いて一索切り。
形は整って六九筒待ちだが、役は未だない。
ところが次の自摸でラスの一萬を引いた。
『? カンですっ』
『うえっ?』
『ちょ……』
『うお、それドラ……』
槓ドラに関してはゲームの性質上、即めくる仕様だ。出た牌はなんと九萬! そして、彼女の手には。
『和了ました! ん、で。なんて読むんです、これ』
『
『ふえ?』
『雀鬼?……』
役が無くても和了れる事はある。
その一つがコレなのだが……マジか。
嶺上開花 一翻
ドラ 八翻
一本場
倍満 二万四千三百点
最終的な順位はこうなった。
四位 リース=エル=リスリット 19900
三位 我王神太刀 21900
二位 世良祭 24900
一位 シャネルカ=ラビリット 32300
『なんじゃ、こりゃあ? はっはっはっぁ』
『え〜と……シャネルカ無双、なAブロックでした』
『いえっえーいっ! 神夜姫さん、見てましたぁ? わたし勝ちましたよー!』
『……山頂の花を摘み取るとは』
『楽しかった』
『こ、このワタシがっ、四位……? (ガクッ)』
うわあ……、
鬼のようなツキしてんなぁ、シャネルカ。
姫穣が愕然としてるけど、最終的には二万点を切ってあるとはいえ、可哀相かもな。
ちょっと遊んでいこうかなんて気分、吹き飛んだよ……能力者麻雀とか、やったことないんスけど。
逆に少し喜んでいるオレもいたりするけど。
「へへ……もっと強い奴、いるのかな?」
『昏い笑いかた、意外とイイですねぇ』
当方、麻雀牌を久しく触っておらず詳しい打ち方とか一家言あるような人間でもありません。
よって、雰囲気を楽しんで頂ければ良いかな、というスタンスです。
追記
チョンボの計算間違いをしていました。
すみませんでした。