気付いたらVTUBERを強要されていたおっさんJC 〜お空に監禁されて仕方なく〜   作:二三一〇

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 男のなかに、女がひっとりー♪
 だからなんだと言われると困りますw



20 鳴かなきゃ和了れない麻雀大会 その5

 予選Dグループ。

 本戦に進む最後の一人を決める最終戦であり、俺はここに入っている。

 

『やっと、はじまる……』

 

 俺は、自分の動悸を自覚する。

 先ほどの結さんの戦いに当てられたせいも多分にはあると思う。

 

 だが、今日のこのメンツにこそ、真の意味があった。

 

 それは……

 

 

 『予選Dグループ、ここは荒野か墓地か、はたまた古戦場か。野郎ばかりのパラダイス、とでも言いましょうか

 『やれやれ、言いたい放題だなぁ

 『それも仕方ないですね。残り物ですし

 『それこそ余の信条。半額弁当のようではないか!

 

 ぼやく男たちの言葉が、耳を擽る。ああ、仮初とはいえ久しぶりの感覚だ。

 

 『そんな中に蕾をつけた小さな花。明らかにそぐわない環境にも必死に耐え、大輪の華を咲かせるか! 今回のゲストのもう一人、世界企業の送る今のところたった一人のバーチャルミャーチューバー、姫乃古詠未ちゃん!

 

 『あ、はい。どうもよろしくお願いします

 『はい、ご丁寧にどうも

 『うむ、大儀である!

 『先日はありがとうございました。教えて頂いたレシピ、とても良かったです♪

 『それはなにより。こちらも高評価でしたよ? お酒のツマミ良いって神夜姫様が喜んでました

 『……なあ、盛大にフッてたきりんが、固まってるぞ?

 

 『……く、く……好きにしていいとは言ったけどさ。馴染み過ぎじゃない? 男三人よ?

 『下手に萎縮されるよりええじゃろ?

 『ぬう。それでは、対局を開始します!

 

予選Dグループ

 

東家 戸羽乙葉

南家 ヴェンデッド=ハルキオン

西家 相葉 京介

北家 姫乃古詠未

 

 

 きりん先輩は男三人と言ってはいたけど。

 実は全員男だったりするんだよなぁ〜

 

 

東一局

 

 

 『起家(チーチャ)はあるてま一の料理通。ナンパな優男かと思ったらただの乙男子(オトメン)だった戸羽乙葉です

 『紹介に悪意を感じますねぇ。僕何か悪いことしましたか?

 『いえ、特には。強いて言えばこよみんと既に個人的な交流をしていたという事くらいでしょうか?

 『存外気に入っておるようじゃのう

 

 戸羽さんとはあの放送のあと、DisRordで何度か通話をしていたりする。優男と言うけど、きちんと年頃の男らしい発言もあるのできりん先輩の思い込みではないかな、と思う。

 

 闘牌中は実況席の会話やコメントは一切見られない。お互いのアバターと、麻雀ゲームの画面だけだ。そんなわけで、打ちながらの私語はそこまで規制されてはいない。

 結さんが黒猫に注意をしていたのは、たぶんいちゃついてたからだ。

 

 『でも、男ばかりでやりづらくはないですか?

 『? むしろ望むところだよ?

 『虚勢ではなさそう……マジか

 『嫌いではないぞ、良ければ臣下に取り立てよう

 『それはご勘弁くだせぇ、その二索ポン

 

 一索二枚河に流れて使い道薄めの辺り。鳴いてもいいかな。こっちが伸びたら失敗ということで。

 

 『くっ……

 『そんな所を食って、よいのか?

 『むしろここ食いたいんスよ、殿下♪あうっ!

 『お、おいっ! どうした、敵か!

 『落ち着いて下さい、京介。これはアイリスチェック。お口が悪くなった時に発動するお仕置き、らしいですよ

 『大丈夫です……死にはしないので

 『ふぅむ。淑女(レディ)に育てるためか。教育係付きとは、さてはお主。やんごとない身分というやつか? 余のように

 『それは買い被りというものですよ、殿下。公式設定は異世界からの帰還者なので

 

 話している間も普通に進行しているのだが、特に問題もない。おっさん共と麻雀する時は、大概くだらない話をしながらやるんだし。

 

 『空に浮かぶ部屋に閉じ込められている、と聞いたが?

 『よくご存知ですね?

 『空の城に閉じ込められた姫。其方の容姿はそう言われても納得できると思うたのだよ

 『……部屋からは少しずつ出られるようになったし、配信自体も強要はされてません。一番大事な事ですが

 

 ハルキオン殿下を睨みつけ、きっぱりと言う。

 

 『僕はお姫さまなんかじゃありません。あと、ロン

 『えっ?

 『……

 『おやおや……

 

姫乃古詠未   ドラ {八}

{三四五3678⑥⑦⑧} {横222} ロン{3}

 

 『古詠未選手、ハルキオン選手からロン。タンヤオのみで1000点

 『いい性格しとるの、あの(わらべ)

 『三索単騎って所ですよね

 『ふむ。確か、鳴く前の童の手牌はこんな感じではなかったかな?

 

 {2234678}

 

 

 

 『二索を鳴いて捨てたのは四索だ。そのあと一巡おいてツモった六索ではなく手から落とした

 『見た目カンチャンを待てずに捨てた形ですね

 『しかし、片側をポンしたとしてこの嵌塔子(カンターツ)を落とすかの? 五索はこの時まだ河にはない。ならば残して索子で固めていく手もあったと思う

 『では、この四、六索落としは引っ掛けのために切った、と?

 『偶然かもしれん。だが、ポンの側ということ、六索の表スジ、索子の下の方はかなり薄いという三つの要素から、殿下が軽く見ていたのは疑いなかろう

 

 闘牌が終わると自動で繋がるらしく、実況席の会話がこちらにも流れてくる。

 てか、そんな解説しっかりするなよ、神夜姫のおばさん! 卓の連中が怖いもの見るような目で見てくるんですけどっ!

 

 『……おっかね……

 『小さくても女は女、ということですね

 『余を手玉に取るとは、()い奴よのう。興が乗ってきたぞ

 『偶然です、んなわけないッスよあいてっ!

 

 そう言っても、誰も信じてはくれなかった。

 ちょっとしたイタズラ心だったのに……。

 

 

 

戸羽乙葉        25000

ヴェンデッド=ハルキオン 24000

相葉 京介       25000

姫乃古詠未       26000

 

 

 

東二局

 

 

 『フリ込み王子、ヴェンデッドの親番です。ドラは四索

 『ぷ……おい、きりん。お主大丈夫か、そのネタ

 『きりんパパから聞いたので平気ですよ? さて、配牌の感じは如何ですか? 神夜姫様

 『うーむ。みな字牌がやたらと少ないの

 『乙葉に東が一枚、京介に白と北が一枚ずつ、だけですね』

 『と言う事は山にそれだけ眠っているということになる。鳴き麻雀的にはあまりありがたくない展開かの』

 『鳴きづらい、ですよね

 『まあ、それでもやりようはいくらでもある

 

 さてと。字牌が一枚もない。数牌も萬筒索満遍なく、しかも飛び対子まであったりする。タンヤオかな? 鳴き麻雀だと七対子は出来ないし。

 

 『それ、ポン

 

 京介が殿下から七萬をポン。一索切り。

 ツモ三索か。三三八九筒……どれだ? ……こっちか?

 

 『古詠未選手、八筒切り

 『対子場と考えたかの?

 『トイツバ?

 『対子や暗刻のように同じ牌が固まりやすくなっておる流れの事じゃ。他の者も対子が多かろ?

 『確かにそうですね

 『門前が使えるなら七対子を狙いつつ対々和、三暗刻などに移行するのがセオリーじゃが、鳴かねば和了れぬとあれば鳴くしかない。自然、対々和とその複合役を狙いに行くことになる

 

 『ポンですね

 『それ、ポンだ

 

 『おっと、次々にポンが入ります

 『乙葉は萬子の染め手を残しつつ、殿下はタンヤオ狙い。ま、親じゃし高め狙いで手を遅くする理由は無いの

 

 

 

姫乃古詠未

{一二33555688③③⑨} ツモ{4}

 

 間の四索、ドラだよな……どうなるか。とりあえず二萬を切るか。乙葉の萬子が育つ前に。その乙葉から三筒が切られる。

 

 『! 三筒ポン

 

 『古詠未選手、三筒を鳴いて八索切り

 『タンヤオか。なぜ九筒から切らぬ?

 

 『その八索、ポン

 

 『相葉選手、八索ポン。七索を落とします

 

 『七索、チー

 

 『その牌を古詠未選手が鳴きます。切ったのは一萬

 『チーです

 『ふむ

 

 これで乙葉が二鳴き。

{横一二三} {六六横六}

 

 殿下は一鳴きのみ。

{横②②②}

 

 京介も二鳴き。

{横七七七} {8横88} 

 

 ちなみに俺も二鳴き。

{③③横③} {7横68}

 

 

 『ポンだ

 

 『相葉選手、八筒をポン

 『ガンガンいくのぅ

 

 京介が三鳴きでほぼ張ったか?

 殿下は動きなしが不気味だけど、乙葉はまだ張ってなさそうに見えるが……。そしてここで生牌(ションパイ)の白を引いてきた。

 

 『古詠未選手ここで九筒を切った

 『ここで白は切れぬからな

 

 『チーだ

 『ぬう

 

 『相葉選手、五六を倒して殿下の四索を鳴いた!

 『対々和からタンヤオに威力が落ちたかと思えるが、ドラの四索があるから変わらんの

 『相葉選手、白切り。裸単騎です

 

 『ポンである

 

 『殿下、白を鳴いた。親ゆえのツッパリですが、些か無理か?

 『それでもいくじゃろ

 

 

 京介はやはり白を持っていたが、対々和ならともかくタンヤオに白は使えない。殿下は四索を切り、乙葉は東を切り出す。生牌なのに切ってくるのはつまり暗刻落としかもしれない。

 

 

京介

{横4赤56} {⑧横⑧⑧} {横七七七} {8横88}

 

 ここでツモ四索。安牌となった白を切る。

 

姫乃古詠未

{3344555} {③③横③} {7横68} 

 

 『古詠未選手、ここで聴牌。二三四五索、タンヤオドラ二……ですか?

 『四五索は切れておるので二三四索じゃ。待ちとしてはかなり厳しかろう

 

 薄い待ちだな〜。しかし、これ以上はオリるしかない……無理かな?

 

 『ぬう……こうか?

 『殿下、ロンでございます♪

 『ぬがーっ! お主は三索で余から当たる事に何か執着しておるのかーっ!

 

 

 

姫乃古詠未   ドラ {4}

{3344555} {③③横③} {7横68} ロン{3}

 

 

 『殿下が三索で振り込みました。タンヤオドラ二、三十符三翻 3900です

 『ハルキオンの坊やは知識はあるからの。逆にハマりやすいのかもしれんな

 

 

 ベントー王子はちゃんと勉強している人なんだね。それは悪いことしたかなぁ……。

 それはともかく、俺は京介の手牌が気になった。

 

 『京介さん、裸は何だったんですか?

 『えっ……?

 『……ぬぬ……

 

 ん? なんだか、京介とベントー王子が固まった。

 乙葉はくすくすと笑っているけど、何なんだ? 意味が分からない。

 

 『ま、聞きました神夜姫様。こよみんは京介の裸が気になるようでしてよ?

 『まあ、童とはいえ女子(おなご)よ。(おのこ)の裸体は気になろう

 

 『ブッ! そんなわけあるかーっ!いってぇっ!!

 

 

 

 ……待ちの話だと知っていたのに悪ノリした実況と解説。地獄に落ちろ……

 

 

 

戸羽乙葉        25000

ヴェンデッド=ハルキオン 20100

相葉 京介       25000

姫乃古詠未       29900

 

 




 こよみん、浮かれ過ぎ(笑)
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