品川での戦いから3日後のお昼・・・
鶯谷にある直哉の自宅に米田一基と藤枝かえでがやって来た。
「急に押しかけてすまんな。直哉レ二を助けてくれてありがとう」
「いえこちらもあの後帝国華撃団に助けられたんですからお互い様にしましょう」
「それで今日お二人が内密にここに来たのはマリアさんについてですね」
「ああかえでくん頼む」
「はい司令。直哉さんレ二がメガ光武に取り込まれた時大神君は取り乱したんですか?」
「ええ、その時の記録もあるので、見ますか?」
「ああ、頼む」
そして直哉は映像を再生した。
「うわあああレ二までうわあああああ」
「少尉さんどうしたんですか?落ち着いてください」
「うわあああ」
「いけないカンナさん大神さんを一時退却させてください」
「おう、わかったぜさくら」
「チェリーさん。少尉さんに何が起きたんです?」
「恐らく大神さんのトラウマであるメガ光武がレ二の機体によって生まれた事によってトラウマがフラッシュバックをしたんだと思います」
映像停止・・・
「フラッシュバックか・・・原因は前回の大戦の時にマリアがメガ光武に取り込まれた事か」
「恐らくそうでしょう」
「ですが、マリアさんには大神さんのような兆候が一切なかったんです」
「何だと!!」
「私も当時の記録を見たけどあれだけの経験をしながら、一切動揺をしなかったの、マリアは?」
「その事に疑問に思った僕は、今考えられる3つの可能性を考えました」
「「3つの可能性」」
「ええ、まず一つ目がイシュメルガによる記憶封じによるもしくは今のマリアさんはイシュメルガにコントロールされている可能性」
「そして二つ目が何らかの理由でイシュメルガに操られていたマリアさんが自力でイシュメルガから自我を取り戻し逃げて来た可能性」
「そして最後の可能性が、雨宮さくらさん達の世界のマリアさんの可能性」
「ふむ、確かにその3つの可能性はどれもありそうだな」
「ええ、そうですね。夜叉と言う真宮寺さくらのコピー降魔を作れるなら幻都にいるマリア・タチバナをこちらに送り込むくらいは出来そうですし」
「しかし直哉君貴方は幻都の事を知ってるの?」
かえでが直哉に聞く。
「ああ、それは・・・未来の総司令官に直接聞いたんですよ」
「はっ?」
「「「「どうして解散したんです」」」」
「それは太正16年に私達の代の最後の戦いを終えた3年後に突然降魔皇と言う者達が帝都に現れてその時に私は霊力を失ってしまい、私は降魔皇との戦いには参加しないことでこちらの世界に残る事となったんですわ」
「それじゃ帝国華撃団と巴里華撃団ともうひとつの華撃団は?」
「直哉さん3華撃団は降魔皇を封印するために幻都にいます」
「「「「幻都に」」」」
「幻都と言うのは何ですか?」
「幻都と言うのは降魔皇を封印しているもうひとつの帝都と思ってください」
「「「「成る程」」」」
「つまりすみれさん以外の3華撃団は幻都にいるわけですね」
「ええ、生きていればですけど」
「「「そんな生きていればって」」」
「あの時代で僕は向こうの世界のその後を知り驚きましたよ、まさか米田さんが作り上げた帝国華撃団が、解散していたとは」
「そんなことがあったなんて」
「要は向こうの大神達は生きていて、封印しているが幻都にいる以上敵に利用される可能性があるんだな」
「ええ、ですから僕達は特殊遊撃部隊として・・・」
「正直あのマリアさんが何者であれ、これで形式的には帝国華撃団のメンバーがそろうのだからそれを利用した方がいいと思いますよ」
「成る程」
「僕の意見としてはもしかすると、雨宮さくらさんの世界のマリアさんのコピー人間かもですね」
!!
「現に真宮寺さくらをモチーフにした降魔が実践で、使われてますし」
「それじゃあ直哉君は、あのマリアさんは敵と思ってるの?」
「響が直哉に聞く。
「いえ、そういう可能性があるという風に頭に入れておくだけでもいいですよ」
「もちろん本物のマリアさんと言う可能性もありますが、そうするとイシュメルガがマリアさんを手放したかが、不思議ですけどね」
「確かに直哉の言う通り結果的にとはいえ、帝国華撃団隊員が、揃ったんだからそれはそれで利用しましょう」
「という答えになりました」
「成る程な」