大帝国劇場の外・・・
「ふう、疲れたなあ」
「あれ直哉君どうしたの?」
「ああ、のどかさんいえ、外の空気を吸いにね」
「そうなんだ。悩みがあるなら、遠慮なく言ってね」
「悩みと言うか後悔ですね」
「え」
「のどかさんこれから言う事はなるべく貴女だけが知っていて下さい」
「直哉君・・・」
「のどかさん僕達が初めて会った時の事、覚えてますか?」
「あの頃の僕は、記憶が無くて大変でしたでしょ」
「ふう、今日もいい天気だね、響さんとのどかちゃん。僕が君達を見つけて1週間になるけど君達は家出とかしたの?」
「「いいえ私達は貴方の生活のサポートをするように言われてきた家政婦と思ってください」」
「家政婦ねえ・・・両親が不慮の事故にあってから天涯孤独の僕に君達を送りつける人はいないはずなんだけど?」
「あははそんな事気にしなくていいですよ。貴方は貴方のままでいてくれれば」
「そうなの?まあ、良いや今日は大帝国劇場の米田さんに呼ばれていたから僕は行くよ」
「「行ってらっしゃいませ」」
「ううんそんな事無いよあの時は、本当に直哉君の記憶が無かったんだから」
「そして僕は次第に記憶を取り戻し、融合世界の過去を知り、融合世界の前の世界にも行くことになって僕はショックを受けましたよ。正直に言うと」
「直哉君」
「結局融合世界の誕生は、米田健二と言う悪と戦う為に作られた世界で、結局シンフォギア世界も、すこやか市も、ゼムリア大陸もこれから接触する世界達も、最終的に米田健二を倒す為の力として、僕が使う事になるんですよ」
「馬鹿馬鹿しいじゃないですか?そんな事の為に僕も融合世界も生まれたくて生まれたんじゃないのに」
「ねえ、直哉君」
「私はこの融合世界で君に会えたのがうれしかったよ。確かに直哉君の言う通り融合世界が生まれた理由はそうかもしれないけど、トワさんが言ってよすこやか市を融合世界に入れた理由を」
「え」
「なんでそんな事をしたラビ」
「こうでもしないと私が直哉をここに留まらせた意味が無くなるから」
「どういう事です?」
「私が直哉にすこやか市に留まらせたのはあの子に子供らしい生活を体験してほしいからなのに」
「そうか、ノヴァと言う子が来たことでトワさんの目的とは違う方向に直哉君が向くことにより中心世界の他の世界同様世界安定に向けての仕事をするからですか?」
「ええそうよ。のどか達には悪いけどここは直哉の精神を休ませる世界に私はしたいのよ」
「「成る程」」
「今まで飛鳥と薫の父親の頃から融合世界になるまでの間紫藤直哉と言う魂を休ませれる世界はなかったの、だけど前の世界で花寺のどかとラビリンと言うヒーリングアニマルと接していた紫藤直哉を見ると彼の魂の負担が軽減してたの」
「「ええーーそうなんですか」ラビーー」
!!
「そんなすこやか市が融合世界に入ったのは戦いの為でなく僕の事を考えてだなんて」
「でもね、私は直哉君が感じている気持ちは当然だよ。私だっていきなり前世の記憶を見せられたら混乱するよ」
「確かに、私とラビリンは前の世界の紫藤直哉さんの記憶はあるけど、私は融合世界の直哉君との記憶以上に思い出せないもん」
「それに直哉君だって人間なんだから少しくらい自分を優先してもいいんだよ」
!!
その時のどかと直哉の体がヒーリングステッキと共鳴し強制的にキュアグレースへと変身を開始した。
「スタート」
「プリキュア ・オペレーション」
「「キュアタッチ」」
「エレメントレベル上昇ラビ」
「「重なる2つの花」」
「キュアグレース」
「ラビ」
そして直哉はいつも通りにヒーリングステッキに吸い込まれずにキュアグレースの体内に吸い込まれた。
「「「ええーーどういう事」」ラビ―」
「直哉君がキュアグレースの体内に・・・」
「直哉君これは、どういう事か?わかる」
「わかりません。僕もこの事態は初めての経験です」
突然の事態に驚く二人と1匹。
「へえそこまで到達したのね。直哉とのどかは」
「「「あ、トワさん」」ラビ」
「今のキュアグレースの状態は直哉がネガティブの心理状態の時はキュアグレースの体内に吸い込まれるの、以前の魂状態ね」
「「「成る程」」ラビ」
「つまりこれからは直哉君がどちらかに吸い込まれるかによって直哉君の状況がわかるんですね」
「そういう事よ。ただし体内にいる場合は霊力装置の役割しか出来なくなるわ。つまりその時はラビリンとキュアグレースが直哉の仕事をしてね」
「「「ええーー」」ラビ」
トワが説明を終えると、キュアグレースの変身が解除された。
「トワこれは一体?」
「守護者本人の進化よ」
「と言っても直哉自身の進化でもあるわよ」
「いったいどういう意味ですか?」
「それに関してはまだ教えられないわ」
「それじゃ私は戻るわね」
そう言ってトワは転移をした。
それから1週間後・・・直哉の自宅に真宮寺さくらがやって来た。